Backup Exec 21.2 管理者ガイド

永久増分バックアップの仕組み

永久増分バックアップ定義には、デフォルトで 2 つのジョブテンプレートが追加されます。3 つ目のジョブテンプレートも追加できます。［バックアップオプション］、［スケジュール］ タブの順にテンプレートに移動できます。

完全バックアップにおいて、バックアップフェーズの最後に、Backup Exec は完全バックアップの統合からバックアップセットをマウントし、GRT ボリュームレベルの情報と最後のバックアップセットを比較します。

たとえば、VMware 仮想マシンに対して永久増分バックアップ定義を作成したとします。増分は 9 月 7 日土曜日から毎日予定されており、完全バックアップの統合は 9 月 13 日金曜日から毎週予定されています。初日の 9 月 7 日土曜日の午後 11:00 に、仮想マシンの全データがソース仮想マシン (F1) からバックアップされます。

この後バックアップチェーンが継続されます。

各ジョブテンプレートにスケジュールを設定できます。

永久増分バックアップと完全バックアップの統合セットに対してバックアップセットの保持を指定する必要があります。保持期間が過ぎるまで、バックアップセットの有効期限が切れて削除されることはありません。

永久増分バックアップジョブによって作成されたバックアップセット (完全バックアップの統合、完全、永久増分バックアップ) は保持されます。ソース仮想マシンからの完全バックアップの統合または完全バックアップが正常に実行されると、以前の完全バックアップセットと増分バックアップセットを含む前回のバックアップチェーンは保持されなくなります。

ソース仮想マシンからの完全バックアップの統合または完全バックアップによって作成された最新の完全バックアップセットは、次の増分バックアップのセットとともに保持されます。このバックアップセットは、後続の完全バックアップの統合または完全バックアップが実行されるまで保持されます。

バックアップセットの有効期限が切れた場合でも、保持されているバックアップチェーンの一部であるため、バックアップセットは削除されません。

ソース仮想マシンからの完全バックアップの統合または完全バックアップが正常に完了すると、以前のチェーンは保持されなくなります。これらのセットは、保持期間に応じて削除できます。

前述の例を考慮すると、Backup Exec は F1 から F1-I5 を保持します。F2 が正常に実行されると、F2 は保持され、Backup Exec は F1 から F1-I5 を保持しなくなります。このバックアップチェーンでは、F3 が正常に実行されるまで、F2 から F2-I7 が保持されます。どの時点でも、最新のバックアップチェーンのみが保持されます。

Backup Exec のユーザーインターフェースでは、すべてのバックアップセットで保持オプションとして［システム定義］、保持の理由として［完全ジョブの統合用に保持］が選択されます。

完全バックアップの統合では、GRT 情報を収集するためのカタログ操作は実行されません。代わりに、GRT 情報は、完全バックアップの統合が実行される前に、利用可能な最新の増分バックアップからコピーされます。ソース仮想マシンからの増分または完全バックアップでは、カタログ操作を実行して GRT 情報を収集します。