Backup Exec 21.2 管理者ガイド
- Backup Exec の概要
- インストール
- Agent for Windows のインストールの方法
- Remote Administrator のインストール
- コマンドラインを使用した Backup Exec のインストール (サイレントモード)
- Veritas Update を使用した Backup Exec の更新
- Backup Exec のライセンス契約の情報
- Backup Exec へのアップグレードについて
- 開始
- バックアップ
- 仮想ベースバックアップとエージェントベースバックアップを使う時期に関する推奨事項
- データのバックアップ
- リストア
- Backup Exec カタログの働き
- ジョブの管理と監視
- アラートと通知
- [ホーム]タブでのアクティブアラートとアラート履歴表示の有効化
- アラート通知を受け取る受信者グループの追加
- ジョブが完了したときの通知の送信
- Backup Exec アラートの SNMP トラップ
- ディスクベースとネットワークベースのストレージ
- クラウドベースのストレージデバイス
- 以前のディスクへのバックアップフォルダ
- テープストレージ
- Backup Exec のロボットライブラリ
- ロボットライブラリのパーティションの作成
- テープの管理
- テープメディアのラベル付け
- デフォルトのメディアボルト
- ストレージデバイスプール
- ストレージ操作
- 仮想マシンへの変換
- 構成と設定
- Backup Exec のネットワークとセキュリティのオプションの変更
- ファイアウォールでの Backup Exec の使用
- DBA 開始ジョブテンプレートの削除
- Backup Exec ログオンアカウント
- レポート
- カスタムレポートの作成
- Backup Exec の標準レポートのリスト
- インスタントクラウドリカバリ
- Azure ポータルで完了する事前設定
- GDPR Guard
- Backup Exec のトラブルシューティング
- SAN で障害が発生したコンポーネントのトラブルシューティング
- Backup Exec のトラブルシューティングの診断ファイルの生成
- Simplified Disaster Recovery
- ディザスタリカバリ情報ファイルの代替の格納場所の設定と変更
- Simplified Disaster Recovery ディスクイメージの作成
- Simplified Disaster Recovery を使用した障害からのリカバリ準備
- Simplified Disaster Recovery を使用したコンピュータのリカバリ
- 手動ディザスタリカバリの実行
- Veritas™ Information Map との統合
- Veritas SaaS Backup との統合
- 永久増分バックアップ
- 付録 A. Backup Exec Agent for Windows
- Backup Exec Agent ユーティリティ for Windows について
- 付録 B. Backup Exec Deduplication Feature
- 重複排除用ディスクストレージの作成またはインポート
- ダイレクトアクセス共有のためのストレージデバイスの選択
- 付録 C. Backup Exec Agent for VMware
- vCenter Server または ESX(i) Server の信頼関係の確立について
- VMware 仮想マシンのバックアップ
- VMware 仮想マシンのインスタントリカバリについて
- VMware 仮想マシンのリカバリ検証について
- 付録 D. Backup Exec Agent for Microsoft Hyper-V
- Microsoft Hyper-V 仮想マシンのバックアップ
- Hyper-V 仮想マシンのインスタントリカバリについて
- Hyper-V 仮想マシンのリカバリ検証について
- 付録 E. Backup Exec Agent for Microsoft SQL Server
- SQL データベースとトランザクションログのバックアップ
- SQL データベースとトランザクションログのリストア
- SQL Server のディザスタリカバリ
- SQL Server Always On 可用性グループについて
- 付録 F. Backup Exec Agent for Microsoft Exchange Server
- Exchange データのバックアップ
- 付録 G. Backup Exec Agent for Microsoft SharePoint
- Microsoft SharePoint データのバックアップ
- 付録 H. Backup Exec Agent for Oracle on Windows or Linux Servers
- Windows コンピュータおよび Linux サーバーでの Oracle Agent の設定
- Windows コンピュータでの Oracle インスタンスの設定
- Windows コンピュータでの Oracle インスタンスの表示
- Backup Exec サーバーの認証クレデンシャルについて
- Oracle データベースのバックアップについて
- Oracle リソースのリストアについて
- 付録 I. Backup Exec Agent for Enterprise Vault
- Enterprise Vault バックアップジョブのバックアップ方式について
- Enterprise Vault の復元
- Backup Exec Migrator for Enterprise Vault について
- Backup Exec Migrator の設定
- 移行された Enterprise Vault データの取り込みについて
- Partition Recovery Utility について
- 付録 J. Backup Exec Agent for Microsoft Active Directory
- 付録 K. Backup Exec Central Admin Server Feature
- Central Admin Server Feature のインストールについて
- CAS 通信のしきい値に到達した場合に発生する事項
- CAS でのジョブの委任について
- CAS で Backup Exec サーバープールを使用する方法
- CAS での集中リストアの動作
- 付録 L. Backup Exec Advanced Disk-based Backup Feature
- 付録 M. Backup Exec NDMP Feature
- リストアと NDMP サーバーのリストアデータのリストア先変更について
- NDMP サーバーのプロパティの表示
- NDMP サーバーのストレージプロパティの表示
- 付録 N. Backup Exec ファイルサーバー
- 付録 O. Backup Exec Agent for Linux and UNIX。
- Agent for Linux and UNIX のインストールについて
- Backup Exec サーバーリストでのリモート Linux および UNIX コンピュータの信頼の確立について
- Linux および UNIX コンピュータの設定オプションの編集
- Agent for Linux and UNIX を使用した Linux および UNIX コンピュータのバックアップについて
- Linux および NNIX コンピュータへのデータのリストアについて
- Linux および UNIX コンピュータのデフォルトのバックアップジョブオプションの編集
- Agent for Linux and UNIX のアンインストール
- 付録 P. Backup Exec Remote Media Agent for Linux
- Remote Media Agent for Linux のインストールについて
- Backup Exec サーバーリストでの Remote Media Agent for Linux コンピュータの信頼の確立について
- Remote Media Agent for Linux の Backup Exec オペレータ (beoper) グループについて
- Remote Media Agent for Linux としての Linux サーバーの追加について
- Remote Media Agent for Linux のプロパティの編集
- シミュレートテープライブラリの作成
- シミュレートテープライブラリのプロパティの表示
- 付録 Q. Backup Exec のアクセシビリティ
- Backup Exec のキーボードショートカットについて
バックアップパフォーマンスのトラブルシューティング
Backup Exec ジョブでパフォーマンスの問題が発生した場合は、その原因を特定するために、いくつかの手順を実行できます。このセクションでは、次のジョブの種類についてパフォーマンスのトラブルシューティングを説明します。
ディスクへのローカルバックアップ
ディスクへのリモートバックアップ
テープへのローカルバックアップ
テープへのリモートバックアップ
ディスクへのローカルバックアップ
基準を取得します。[ジョブ監視]タブの[ジョブ履歴]ウィンドウで以前のジョブを確認します。以前のジョブの速度とこれらのバックアップ全体の時間の両方に注意します。実際のバイト数の速度ではなく、ジョブの完了に要する合計時間に注意します。現在のジョブが以前のジョブよりも完了までに時間がかかるか、速度の要件を満たしていない場合は、トラブルシューティングを続行します。
問題を絞り込みます。バックアップジョブに複数のドライブまたはエージェントが含まれている場合は、それらのドライブとエージェントごとにジョブを別々のジョブに分割します。これで、各ドライブまたはエージェントのパフォーマンスを個別に確認できます。バックアップジョブを分割するには、[Backup Exec]ボタンをクリックし、C$ ドライブを選択し、ジョブをスケジュール設定し、[サブミット]をクリックします。特定のジョブでのみパフォーマンスが低下する場合は、そのジョブのトラブルシューティングを続行します。
依然として特定のジョブでパフォーマンスが低下する場合は、再度ジョブを分割して、データのどの部分がジョブのパフォーマンスに最も影響しているかを絞り込みます。
データのセクションが多数の小さなファイルとディレクトリにあると、パフォーマンスが低下します。このようなパフォーマンスへの影響は通常の動作です。
データがどこか別の場所にリダイレクトされるかどうかを確認します。一部のファイルシステムでは、ディレクトリにリモートからデータをマウントできます。これらのディレクトリ内のファイルはリモートサーバーに配置できますが、バックアップ全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。
ディスクへのバックアップ (B2D) スループットをテストします。Windows を使用して、バックアップジョブの少なくとも 2 GB のデータを B2D ディスクにコピーします。この Windows コピーのパフォーマンスをバックアップのパフォーマンスと比較します。両方のパフォーマンスがほぼ同じである場合、パフォーマンスのボトルネックは B2D フォルダが存在するディスクサブシステムにある可能性があります。高速のディスクサブシステムに B2D フォルダを移動するか、トラブルシューティングを続行します。
システムのスループットをテストします。ジョブがファイルベースであって、Exchange や SQL やその他のタイプのデータベースバックアップに基づいているのではない場合、NTBackup (Windows バックアップ) に同様のバックアップを作成し、ディスクへのバックアップを実行します。NTBackup ジョブのパフォーマンスを Backup Exec ジョブのパフォーマンスと比較します。
Exchange や SQL やその他のデータベースのバックアップを作成する必要がある場合は、そのデータベースエージェントが存在する任意の場所に 2 GB のデータのバックアップを作成するというディスクへのバックアップジョブを Backup Exec に作成します。NTBackup で同じテストを実行します。両方のバックアップのパフォーマンスを比較します。パフォーマンス速度がほぼ同じである場合、Backup Exec はシステムのキャパシティで動作しています。
ディスクへのリモートバックアップ
基準を取得します。[ジョブ監視]タブの[ジョブ履歴]ウィンドウで以前のジョブを確認します。以前のジョブの速度とこれらのバックアップ全体に必要な時間の両方に注意します。実際のバイト数の速度ではなく、ジョブの完了に要する合計時間に注意します。現在のジョブが以前のジョブよりも完了までに時間がかかるか、速度の要件を満たしていない場合は、トラブルシューティングを続行します。
問題を絞り込みます。ジョブに複数のドライブまたはエージェントが含まれている場合は、それらのドライブとエージェントごとにジョブを別々のジョブに分割します。これで、各ドライブまたはエージェントのパフォーマンスを個別に確認できます。バックアップジョブを分割するには、[Backup Exec]ボタンをクリックし、C$ ドライブを選択し、ジョブをスケジュール設定し、[サブミット]をクリックします。特定のジョブでのみパフォーマンスが低下する場合は、そのジョブのトラブルシューティングを続行します。
依然として特定のジョブでパフォーマンスが低下する場合は、再度ジョブを分割して、データのどの部分がパフォーマンスに影響しているかを絞り込みます。データのセクションが多数の小さなファイルとディレクトリにあると、パフォーマンスが低下します。このようなパフォーマンスへの影響は通常の動作です。
データがどこか別の場所にリダイレクトされるかどうかを確認します。一部のファイルシステムでは、ディレクトリにリモートからデータをマウントできます。これらのディレクトリ内のファイルはリモートサーバーに配置できますが、バックアップ全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。
ネットワークのスループットをテストします。バックアップサーバーからリモートサーバーに 500 MB ~ 1 GB のデータをコピーします。コピー操作が完了するまでの時間に注意します。このコピーを実行するには、別のサーバーへのパスを作成します。Windows のコマンドラインで、<\\remote servername\c$> と入力します。ドライブが表示されたら、データをコピーします。
この同じ手順に従って、リモートサーバーからバックアップサーバーにデータをコピーし、操作が完了するまでの時間に注意します。
この両方のネットワークテストの速度を Backup Exec のパフォーマンスと比較します。Backup Exec のパフォーマンスがファイルのコピーテストよりも遅い場合は、ネットワークがボトルネックではない可能性があります。
ネットワークがボトルネックでない場合は、同じテストを別のリモートサーバーに対してか、2 台の異なるサーバー間で実行してみてください。これは、パフォーマンスの問題がネットワーク全般に関連しているのか、ネットワーク上の特定のサーバーに関連しているのかを判断するのに役立ちます。ネットワークでパフォーマンスの問題が確認できない場合は、次の手順に進みます。
システムのスループットをテストします。NTBackup (Windows バックアップ) でリモートサーバーのバックアップを作成してみてください。リモートサーバーが NTBackup に表示されない場合は、サーバーのドライブにマップしたドライブを作成し、少なくとも 2 GB のデータのバックアップを作成してみます。NTBackup ログを Backup Exec ログと比較し、パフォーマンスに違いがないか確認します。
テープへのローカルバックアップ
基準を取得します。[ジョブ監視]タブの[ジョブ履歴]ウィンドウで以前のジョブを確認します。以前のジョブの速度とこれらのバックアップ全体の時間の両方に注意します。実際のバイト数の速度ではなく、ジョブの完了に要する合計時間に注意します。現在のジョブが以前のジョブよりも完了までに時間がかかるか、速度の要件を満たしていない場合は、トラブルシューティングを続行します。
一時的なハードウェアエラーがあれば解決します。サーバー、テープドライブ、またはテープライブラリの電源をオフにし、再度オンにします。まずバックアップサーバーをオフにし、次にテープドライブまたはテープライブラリをオフにします。数秒待ってから、テープドライブまたはテープライブラリをオンにします。テープドライブまたはテープライブラリの準備ができたら、サーバーをオンにします。バックアップジョブを再実行し、パフォーマンスを確認します。パフォーマンスの問題が解決しない場合は、トラブルシューティングを続行します。
SCSI サブシステムを確認します。パフォーマンス低下の原因になるものとして、ディスクドライブ、テープドライブ、ディスクコントローラ、SCSI バス、不適切なケーブル配線や終端処理が考えられます。次の項目を満たしていることを確認します。
コントローラがテープバックアップハードウェアに適している。
SCSI BIOS 設定が適切に設定されている。
テープデバイスが 68 ピンの Wide SCSI ケーブルコネクタに接続されている場合、[Initiate Wide Negotiation]が[YES]に設定されている。
テープドライブが SCSI RAID コントローラに接続されていない。
検証操作のパフォーマンスを調べると、SCSI サブシステムの健全性がわかります。検証操作はデータを読み込み、メディアサーバーでインメモリ操作を実行するだけなので、SCSI サブシステムの速度によって検証操作のパフォーマンスが制限されます。検証操作のパフォーマンスを確認するには、検証操作を含むすべてのジョブのジョブログを調べます。検証の速度が遅い場合は、SCSI サブシステムがパフォーマンスのボトルネックである可能性があります。
ジョブをより小さなジョブに分割して、パフォーマンスに影響を与えているエージェントや主な機能がないか確認します。この細分化したジョブのいずれかにパフォーマンスの問題が見られた場合は、そのジョブのトラブルシューティングを続行します。
依然として特定のジョブでパフォーマンスが低下する場合は、再度ジョブを分割して、データのどの部分がパフォーマンスに悪影響を与えているかを絞り込みます。データのセクションが多数の小さなファイルとディレクトリにあると、パフォーマンスが低下します。このようなパフォーマンスへの影響は通常の動作です。
データがどこか別の場所にリダイレクトされるかどうかを確認します。一部のファイルシステムでは、ディレクトリにリモートからデータをマウントできます。これらのディレクトリ内のファイルはリモートサーバーに配置できますが、バックアップ全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。
システムのスループットをテストします。NTBackup (Windows バックアップ) でリモートサーバーのバックアップを作成してみてください。リモートサーバーが NTBackup に表示されない場合は、サーバーのドライブにマップしたドライブを作成し、少なくとも 2 GB のデータのバックアップを作成してみます。NTBackup ログを Backup Exec ログと比較し、パフォーマンスに違いがないか確認します。
正常に圧縮されている場合のテープドライブのデータ転送速度は、最大でネーティブ速度の 2 倍です。圧縮のパフォーマンスは、入力データによって大きく異なります。イメージファイルは、4.5:1 以上の比率で圧縮できます。バイナリファイルは、1.5:1 の比率でしか圧縮できない場合があります。圧縮済みのデータや暗号化済みのデータは、さらに圧縮しようとすると、約 5 パーセントの割合で拡大します。この拡大により、ドライブのスループットが低下する場合があります。
ハードウェアやソフトウェアの圧縮が想定どおりに行われない場合は、他のタイプの圧縮に切り替えます。圧縮のタイプを切り替えるには、バックアップジョブのプロパティを編集し、[設定]の[一般]をクリックし、[圧縮の種類]メニューで別のタイプの圧縮を選択します。
テープへのリモートバックアップ
テープへのローカルバックアップに対して行った前述のいずれかのトラブルシューティング手順を実行します。次の手順を実行することもできます。
ネットワークのスループットをテストします。バックアップサーバーからリモートサーバーに 500 MB ~ 1 GB のデータをコピーし、コピー操作の時間に注意します。これを行うには、別のサーバーへのパスを作成します。Windows のコマンドラインで、<\\remote servername\c$> と入力します。ドライブが表示されたら、データをコピーします。
この同じ手順に従って、リモートサーバーからバックアップサーバーにデータをコピーし、操作が完了するまでの時間に注意します。
この両方のネットワークテストの速度を Backup Exec のパフォーマンスと比較します。Backup Exec のパフォーマンスがファイルのコピーテストよりも遅い場合は、ネットワークがボトルネックではない可能性があります。
ネットワークがボトルネックでない場合は、同じテストを別のリモートサーバーに対して、または 2 台の異なるサーバー間で実行してみてください。これは、パフォーマンスの問題がネットワーク全般に関連しているのか、ネットワーク上の特定のサーバーに関連しているのかを判断するのに役立ちます。ネットワークでパフォーマンスの問題が確認できない場合は、次の手順に進みます。
システムのスループットをテストします。NTBackup (Windows バックアップ) でリモートサーバーのバックアップを作成してみてください。リモートサーバーが NTBackup に表示されない場合は、サーバーのドライブにマップしたドライブを作成し、少なくとも 2 GB のデータのバックアップを作成してみます。NTBackup ログを Backup Exec ログと比較し、パフォーマンスに違いがないか確認します。
メモ:
NTBackup でリモートバックアップを実行できない場合は、リモートサーバーで NTBackup をローカルに開き、そこでローカルバックアップジョブを実行します。Backup Exec を使用して、ディスクに同じデータのバックアップを作成し、両方のバックアップのパフォーマンスを比較します。ほとんどの場合、ディスクにバックアップを作成する Backup Exec ジョブの方が、テープにバックアップを作成する Backup Exec ジョブよりも高速に実行されます。