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Veritas NetBackup™ 管理者ガイド Vol. 1

Last Published: 2017-11-15

Product(s): NetBackup (8.1)

Microsoft 社 DFSR バックアップについて

Microsoft 社の分散ファイルシステムレプリケーション (DFSR) サービスは、複数のサーバーでフォルダの同期を維持するために使われるマルチマスタレプリケーションエンジンです。同期するには、独立した DFSR サーバーのそれぞれが、このサービスを提供するために不可欠であるがレプリケートされる DFSR データからは独立しているデータベースを保守します。NetBackup は DFSR データに加えてこのデータベースも保護しますが、両方をリストアするときにはいくつかの点に注意する必要があります。

DFSR サーバーは他の DFSR サーバーによって使用されるデータベース内の情報を保守して、必要になりそうなレプリケーションの変更を識別して検証します。情報の 1 ビットはグローバルに一意なバージョン番号 (GVSN) で、ファイルのレプリケーションやフォルダの変更が行われるたびに単調に増加します。これは、レプリケートされた各ボリューム上の各 DFSR データベースのバージョン番号や世代番号として考えることができます。

DFSR サーバーが以前のデータベースバージョンにリストアされると問題が発生します。互いの数を監察し覚えている他のサーバーは、以前の番号が示されたときに混乱します。この時点で、これが訂正されるまでレプリケーションは不可能になり、停止します。DFSR データに加えて DFSR データベースもリストアに含めるべきかどうか、慎重に考慮してください。これは、仮想化された DFSR サーバーがあり以前に作成したスナップショットにそれをリストアする場合に起こる可能性が高いです。DFSR の管理と使用についての詳細は、Microsoft 社のマニュアルを参照してください。

DFSR がある環境では、NetBackup で以下の 2 つの変更が発生します。

データ整合性を維持するために、共有レプリカ DFSR データをホストするフォルダは、NetBackup によって通常のファイルシステムバックアップから自動的に除外されます。
最上位の DFSR 共有フォルダは、シャドウコピーコンポーネントの一部になります。このため、各バックアップの前に Windows ボリュームシャドウコピーサービス (VSS) によって常にデータのスナップショットがとられます。

Microsoft 社は、DFSR により管理されるデータバックアップの VSS ライターのみサポートします。VSS ライターは、DFS レプリケーションサービスを自動的に停止および再開します。稼働率の低い期間に合わせてバックアップスケジュールを作成することをお勧めします。(レプリケーションサービスを手動で停止すると、Microsoft 社の変更ジャーナルの問題が発生する場合があります。特に、更新シーケンス番号 (USN) ジャーナルラップの原因となります。)

表: Microsoft 社 DFSR バックアップの推奨事項に記述されているように、DFSR の制御下にあるデータ量に基づいて DFSR データをバックアップすることをお勧めします。

表: Microsoft 社 DFSR バックアップの推奨事項

データ量	ベリタス社の推奨内容
50 GB 未満	以下のように、1 つのポリシーを構成します。クライアントとして DFSR サーバーホストを選択します。ポリシーのクライアントの追加または変更を参照してください。ポリシーでは、［バックアップ対象 (Backup Selections)］の［指示句 (Directive)］として［ALL_LOCAL_DRIVES］を選択します。［ALL_LOCAL_DRIVES］指示句には、Shadow Copy Components:\ が自動的に含まれます。ポリシーへのバックアップ対象の追加を参照してください。 1 つのポリシーは、適切な時間帯内にデータをバックアップできます。
50 GB 以上	DFSR サーバーごとに 1 つのバックアップポリシーを設定し、そのポリシーでレプリケーションのフォルダのみを指定します。各ホストのレプリケーションデータのポリシーにより、DFSR データを適切な時間帯内に確実にバックアップします。 DFSR サーバーホストごとに、以下を実行します。［すべてのポリシー (All Policies)］および［すべてのスケジュール (All Schedules)］のグローバルなエクスクルードリストを作成します。以下の DFSR 最上位フォルダを除外します。 `Shadow Copy Components:\User Data\Distributed File System Replication\DfsrReplicatedFolder` グローバルなエクスクルードリストによって、クライアントの他のバックアップポリシーにより DFSR コンポーネントが誤ってバックアップされないようにします。［エクスクルードリスト (Exclude Lists)］プロパティを参照してください。以下のように、DFSR データのバックアップポリシーを作成します。クライアントでは、DFSR サーバーホストを指定します。クラスタでホストされるサーバーでは、ローカルホスト名ではなく DFSR クラスタ名を指定します。ポリシーのクライアントの追加または変更を参照してください。ポリシーの［バックアップ対象 (Backup Selections)］では、そのホストの最上位 DFSR フォルダごとに絶対パスを指定します。以下にパス例を示します。 `Shadow Copy Components:\User Data\Distributed File System Replication\DfsrReplicatedFolders\folder_name` ヒント: ［バックアップ、アーカイブおよびリストア (Backup, Archive, and Restore)］インターフェースを使用し、`［DfsrReplicatedFolders］`フォルダのシャドウコピーコンポーネントを参照します。インターフェースには、バックアップ選択対象として入力する各 DFSR フォルダへのパスが表示されます。ポリシーへのバックアップ対象の追加を参照してください。バックアップポリシーでは、エクスクルードリストに例外を作成し、最上位 DFSR ディレクトリを指定します (以下を参照)。 `Shadow Copy Components:\User Data\Distributed File System Replication\DfsrReplicatedFolders` 例外の［ポリシー (Policy)］では、DFSR データのバックアップポリシーを指定します。また、［スケジュール (Schedule)］の［すべてのスケジュール (All Schedules)］を指定します。 DFSR がクラスタでホストされる場合は、クラスタの各ホストの例外を作成します。例外によって、NetBackup がグローバルなエクスクルードリストを処理した後、シャドウコピーコンポーネントの DFSR パスがバックアップに必ず含まれるようにします。例外のエクスクルードリストへの追加を参照してください。

データ量

ベリタス社の推奨内容

50 GB 未満

以下のように、1 つのポリシーを構成します。

クライアントとして DFSR サーバーホストを選択します。
ポリシーのクライアントの追加または変更を参照してください。
ポリシーでは、［バックアップ対象 (Backup Selections)］の［指示句 (Directive)］として［ALL_LOCAL_DRIVES］を選択します。
［ALL_LOCAL_DRIVES］指示句には、Shadow Copy Components:\ が自動的に含まれます。
ポリシーへのバックアップ対象の追加を参照してください。

1 つのポリシーは、適切な時間帯内にデータをバックアップできます。

50 GB 以上

DFSR サーバーごとに 1 つのバックアップポリシーを設定し、そのポリシーでレプリケーションのフォルダのみを指定します。各ホストのレプリケーションデータのポリシーにより、DFSR データを適切な時間帯内に確実にバックアップします。

DFSR サーバーホストごとに、以下を実行します。

［すべてのポリシー (All Policies)］および［すべてのスケジュール (All Schedules)］のグローバルなエクスクルードリストを作成します。以下の DFSR 最上位フォルダを除外します。
Shadow Copy Components:\User Data\Distributed File System Replication\DfsrReplicatedFolder
グローバルなエクスクルードリストによって、クライアントの他のバックアップポリシーにより DFSR コンポーネントが誤ってバックアップされないようにします。
［エクスクルードリスト (Exclude Lists)］プロパティを参照してください。
以下のように、DFSR データのバックアップポリシーを作成します。
- クライアントでは、DFSR サーバーホストを指定します。クラスタでホストされるサーバーでは、ローカルホスト名ではなく DFSR クラスタ名を指定します。
  ポリシーのクライアントの追加または変更を参照してください。
- ポリシーの［バックアップ対象 (Backup Selections)］では、そのホストの最上位 DFSR フォルダごとに絶対パスを指定します。以下にパス例を示します。
  Shadow Copy Components:\User Data\Distributed File System Replication\DfsrReplicatedFolders\folder_name
  ヒント: ［バックアップ、アーカイブおよびリストア (Backup, Archive, and Restore)］インターフェースを使用し、［DfsrReplicatedFolders］フォルダのシャドウコピーコンポーネントを参照します。インターフェースには、バックアップ選択対象として入力する各 DFSR フォルダへのパスが表示されます。
  ポリシーへのバックアップ対象の追加を参照してください。
バックアップポリシーでは、エクスクルードリストに例外を作成し、最上位 DFSR ディレクトリを指定します (以下を参照)。
Shadow Copy Components:\User Data\Distributed File System Replication\DfsrReplicatedFolders
例外の［ポリシー (Policy)］では、DFSR データのバックアップポリシーを指定します。また、［スケジュール (Schedule)］の［すべてのスケジュール (All Schedules)］を指定します。
DFSR がクラスタでホストされる場合は、クラスタの各ホストの例外を作成します。
例外によって、NetBackup がグローバルなエクスクルードリストを処理した後、シャドウコピーコンポーネントの DFSR パスがバックアップに必ず含まれるようにします。
例外のエクスクルードリストへの追加を参照してください。

DFSR サーバーは、必ず［Windows Open File Backup］に合わせて構成します。スナップショットプロバイダは、必ず［ボリュームシャドウコピーサービス］となります。これらのプロパティを、NetBackup 管理コンソールのマスターサーバーホストプロパティの［クライアント属性 (Client Attributes)］タブに設定します。

［クライアント属性 (Client Attributes)］プロパティの［Windows Open File Backup］タブを参照してください。

バックアップの間に、Windows は DFSR ホストのアプリケーションイベントログに、以下のイベント ID メッセージを書き込みます。

Event ID=1102 
Severity=Informational 
The DFS Replication service has temporarily stopped replication 
because another application is performing a backup or restore 
operation. Replication will resume after the backup or restore 
operation has finished.

Event ID=1104 
Severity=Informational 
The DFS Replication service successfully restarted replication 
after a backup or restore operation.

DFSR データをリストアするには、NetBackup の［バックアップ、アーカイブおよびリストア (Backup, Archive and Restore)］クライアントインターフェースを使用し、［シャドウコピーコンポーネント (Shadow Copy Components)］でリストアするファイルまたはフォルダを参照します。

Shadow Copy Components:\User Data\Distributed File System Replication\DfsrReplicatedFolders\folder_name

DFSR バックアップ設定の詳細については、次の Veritas の記事を参照してください。

http://www.veritas.com/docs/HOWTO65638