Cluster Server 7.3.1 Agent for Oracle インストール/設定ガイド - Linux

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Product(s): InfoScale & Storage Foundation (7.3.1)
  1. Cluster Server agent for Oracle の概要
    1. Cluster Server agent for Oracle について
      1.  
        Oracle ASM のエージェントについて
    2.  
      Oracle の VCS エージェントのサポート対象ソフトウェア
    3.  
      7.3.1 リリースで導入された変更点
    4. エージェントが Oracle の高可用性を保証するしくみ
      1.  
        Oracle エージェントと Netlsnr エージェントがインテリジェントなリソース監視をサポートするしくみ
      2.  
        エージェントが Oracle ASM インスタンスの高可用性を確保する方法
      3.  
        Oracle 12C におけるエージェントの CDB と PDB のサポート方法
    5. Oracle 用 Cluster Server エージェント関数について
      1. Oracle エージェント関数
        1.  
          Oracle エージェントの起動オプションと停止オプション
        2.  
          PDB の起動オプションと停止オプション
        3.  
          コンテナデータベース(CDB)の起動モードに基づくプラグ可能なデータベース(PDB)の推奨起動モード
        4.  
          従来のデータベースおよびコンテナデータベース内の Oracle エージェントに対する監視オプション
        5.  
          プラグ可能なデータベースの監視
        6.  
          詳細監視での Oracle エラーコードの操作
        7.  
          Cluster Server agent for Oracle の Info エントリポイント
        8.  
          Cluster Server agent for Oracle の Action エントリポイント
        9. Oracle エージェントによる診断監視のサポートのしくみ
          1.  
            Oracle 診断監視に必要な実行可能ファイルの生成
          2.  
            build_oraapi.sh スクリプトを実行する際の注意事項
          3.  
            build_oraapi.sh スクリプトを使った Oracle エージェントの実行可能ファイルの構築
      2.  
        Netlsnr エージェント関数
      3. ASMInst エージェント関数
        1.  
          ASMInst エージェントの起動オプション
        2.  
          ASMInst エージェントのシャットダウンオプション
        3.  
          ASMInst エージェントの監視オプション
      4.  
        ASMDG エージェント関数
    6.  
      VCS クラスタの標準的な Oracle 設定
    7.  
      VCS クラスタでの Oracle 設定について
  2. Oracle のインストールと設定
    1.  
      VCS 環境での Oracle のインストールについて
    2.  
      VCS 環境に Oracle をインストールする前に
    3. Oracle のインストールのための VCS の必要条件について
      1.  
        $ORACLE_HOME の場所
      2.  
        ホットバックアップ中に VCS ノードに障害が発生した後の Oracle のフェールオーバー
    4. VCS のための Oracle インストールタスクについて
      1.  
        共有ディスクで行う $ORACLE_HOME のインストールタスク
      2.  
        ローカルディスクで行う $ORACLE_HOME のインストールタスク
      3.  
        ASM を使用する Oracle のインストールタスク
    5. Oracle 11gR2 または 12c の ASM バイナリの VCS 環境へのインストール
      1.  
        Oracle Restart 機能をサポートするための VCS 設定
    6. クラスタの最初のノードでの Oracle ASM の設定
      1.  
        ASM で管理されたデータベースのためのクラスタデーモンの有効化
      2.  
        Oracle Cluster Synchronization Service デーモンの自動起動の有効化
    7.  
      11gR2 または 12c の残りのノードでの ASM の設定と起動
    8. クラスタの最初のノードへの Oracle バイナリのインストール
      1.  
        Oracle 10g またはそれ以降用のクラスタデーモンの無効化
    9.  
      Oracle データベースの設定
    10.  
      $ORACLE_BASE/admin/SID ディレクトリのコピー
    11.  
      Oracle ASM の初期化パラメータファイルのコピー
    12.  
      Oracle データベースへのアクセスの確認
  3. Oracle 用エージェントのインストールと削除
    1.  
      Oracle 用エージェントをインストールまたはアップグレードする前に
    2.  
      VCS agent for Oracle ソフトウェアのインストール
    3. VCS agent for Oracle のアップグレード
      1.  
        VCS 7.3.1 で使うための VCS agent for Oracle のアップグレード
    4.  
      Cluster Server agent for Oracle の無効化
    5.  
      Cluster Server agent for Oracle の削除
  4. Oracle のための VCS サービスグループの設定
    1.  
      Oracle 用サービスグループの設定について
    2. VCS における Oracle インスタンスの設定
      1.  
        VCS における単一の Oracle インスタンスの設定
      2.  
        VCS における複数の Oracle インスタンス(単一リスナー)の設定
      3.  
        VCS における複数の Oracle インスタンス(複数リスナー)の設定
      4.  
        VCS における共有サーバーサポートの Oracle インスタンスの設定
    3. Oracle の VCS サービスグループを設定する前に
      1.  
        Cluster Server agent for Oracle のタイプ定義ファイルのインポート
    4. Oracle のための VCS サービスグループの設定
      1.  
        Cluster Manager(Java コンソール)を使った Oracle 用 VCS サービスグループの設定
      2. コマンドラインを使った Oracle 用 VCS サービスグループの設定
        1.  
          Oracle データベースのユーザーパスワードとリスナーパスワードの暗号化
    5. VCS agent for Oracle の詳細監視の設定
      1. Oracle に対する詳細監視の設定
        1.  
          Oracle リソースに対する詳細監視の有効化と無効化
      2.  
        Netlsnr に対する詳細監視の設定
    6. エージェントに対するインテリジェントなリソース監視の手動による有効化と無効化
      1.  
        AMF カーネルドライバの管理
  5. Veritas High Availability 設定ウィザードを使った Oracle 用 VCS サービスグループの設定
    1.  
      仮想環境の標準 VCS クラスタ設定
    2.  
      VMware 用 High Availability ソリューションを使用したアプリケーション監視の設定について
    3.  
      ウィザードを使用した VCS サービスグループの設定の準備
    4.  
      アプリケーション監視を設定する前に
    5.  
      High Availability 設定ウィザードの起動
    6.  
      Oracle を監視するためのエージェントの設定
    7. サービスグループの設定について
      1.  
        リソースの依存関係(Resource Dependency)
      2.  
        サービスグループの依存関係
      3.  
        インフラサービスグループ
    8. 設定シナリオについて
      1.  
        VCS で単一インスタンス/複数のインスタンスを設定する
      2.  
        ウィザードの複数実行機能を使って VCS で Oracle の複数インスタンスを設定する
      3.  
        複数のアプリケーションを設定する
    9.  
      High Availability 設定ウィザードの制限事項
    10. トラブルシューティング
      1.  
        High Availability 設定ウィザードで空白のパネルが表示される
      2.  
        High Availability 設定ウィザードに「hadiscover は内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません (hadiscover is not recognized as an internal or external command)」というエラーが表示される
      3.  
        hastop - all コマンドを実行すると、仮想ディスクが切断される
      4.  
        ログファイル
    11. 設定例
      1.  
        単一 Oracle インスタンス用の VCS 設定ファイルの例(VxVM)
      2.  
        単一 Oracle インスタンス用の VCS 設定ファイルの例(LVM)
  6. Oracle 用 VCS サービスグループの管理
    1.  
      VCS サービスグループの管理について
    2.  
      サービスグループのオンライン化
    3.  
      サービスグループのオフライン化
    4.  
      サービスグループの切り替え
    5.  
      サービスグループ設定の修正
  7. プラグ可能データベース (PDB) の移行
    1.  
      コンテナデータベース (CDB) 間でのプラグ可能データベース (PDB) の移行
  8. Cluster Server agent for Oracle のトラブルシューティング
    1.  
      Cluster Server agent for Oracle のトラブルシューティングについて
    2.  
      Oracle と Netlsnr エージェントに共通のエラーメッセージ
    3.  
      Oracle エージェント固有のエラーメッセージ
    4.  
      Netlsnr エージェント固有のエラーメッセージ
    5.  
      ASMInst エージェント固有のエラーメッセージ
    6.  
      ASMDG エージェント固有のエラーメッセージ
    7.  
      VCS 環境における Oracle 固有の問題のトラブルシューティング
    8. Oracle 診断バイナリと Oracle のインスタンスの意図的なオフライン化の検証
      1.  
        VCS Oracle エージェントの意図的なオフライン動作の検証
    9.  
      PDB リソースの IMF の無効化
  9. 付録 A. リソースの種類の定義
    1.  
      リソースタイプの定義と属性の定義について
    2. Oracle エージェントのリソースタイプ定義
      1.  
        systemD サポート用のソースタイプ定義
      2.  
        Oracle エージェントの属性定義
      3.  
        ポリシー管理データベースの Sid 属性について
      4. Oracle アプリケーションサービスでの systemD 属性の使用
        1.  
          キーと値のペアの SystemDAttrList 属性への追加
        2.  
          systemD 属性を使用した Oracle サービスユニットファイルのカスタマイズ
      5.  
        Linux 上の Oracle への HugePages の設定
    3. Netlsnr エージェントのリソースタイプ定義
      1.  
        Netlsnr エージェントの属性定義
    4. ASMInst エージェントのリソースタイプ定義
      1.  
        systemD をサポートする ASMInst エージェントのリソースタイプ定義
      2.  
        ASMInst エージェントの属性定義
    5. ASMDG エージェントのリソースタイプ定義
      1.  
        ASMDG エージェントの属性定義
  10. 付録 B. 設定例
    1.  
      Oracle エンタープライズエージェント の設定例について
    2. 単一の Oracle インスタンスの設定例
      1.  
        単一 Oracle インスタンスの VCS 設定ファイルの例
    3. 複数の Oracle インスタンス(単一リスナー)の設定例
      1.  
        複数の Oracle インスタンス(単一リスナー)の VCS 設定ファイルの例
    4. 複数のインスタンス(複数リスナー)の設定例
      1.  
        複数の Oracle インスタンス(複数リスナー)の VCS 設定ファイルの例
    5. 共有サーバーサポートの Oracle の設定例
      1.  
        共有サーバーサポートで設定された Oracle インスタンスの VCS 設定ファイルの例
    6. Oracle ASM の設定例
      1. RAW ディスクとしての ASM ディスクの設定例
        1.  
          ASM で管理された Oracle インスタンスの VCS 設定ファイルの例
      2. VxVM ボリュームとしての ASM ディスクの設定例
        1.  
          VxVM ディスクとしての ASM ディスクの VCS 設定ファイル例
      3. CVM ボリュームとしての ASM ディスクの設定例
        1.  
          CVM ボリュームを使う ASM の VCS 設定ファイルの例
    7.  
      main.cf の Oracle プラグ可能なデータベース(PDB)リソースの設定例
    8.  
      main.cf の移行可能な Oracle プラグ可能データベース (PDB) リソースの設定例
    9.  
      systemD でサポートされる Oracle の設定例
    10.  
      systemD でサポートされる ASMInst の設定例
  11. 付録 C. ベストプラクティス
    1.  
      VCS 環境で複数の Oracle インスタンスを設定する場合のベストプラクティス
  12. 付録 D. Oracle の VCS クラスタでの SPFILE の使用
    1.  
      Oracle 初期化パラメータファイルについて
    2.  
      Oracle インスタンスの起動
    3.  
      VCS クラスタでの SPFILE の使用
  13. 付録 E. 単一インスタンスのデータベース環境での OHASD
    1.  
      単一インスタンスのデータベース環境での OHASD について
    2.  
      OHASD の高可用性を確保するための Application エージェントの設定

コンテナデータベース (CDB) 間でのプラグ可能データベース (PDB) の移行

hapdbmigrate ユーティリティを使って、同じデータベースバージョンのコンテナ全体でプラグ可能データベースの計画済みエンドツーエンド移行を実行できます。移行先コンテナデータベースは同じノードに存在しても別のノードに存在してもかまいません。PDB には独自の独立したストレージが必要です。

PDB に親グループがある場合、移行中は親グループのリンクは解除され、ユーティリティが凍結します。 移行が正常に終了すると、親グループは再びリンクされ、ユーティリティが解凍します。

移行は、データベースバージョン 12.1.0.2 で実行できます。

設定が次の必要条件を満たしている必要があります。

  • PDB と CDB のデータベースが Veritas CFS (Cluster File System) または VxFS (Veritas File system) に存在する

  • PDB リソースの親リソースが存在しない

  • PDB がソース CDB にプラグされている(PDB リソースがオフラインかどうかは任意)

  • 移行元の CDB リソースと移行先の CDB リソースが異なる

  • 移行先 CDB のバージョンが移行元 CDB のバージョンと同じ

  • 移行する PDB を独立ファイルシステムにマウントしている (CDB と PDB のデータファイルのマウントポイントが異なる)

  • CDB と PDB のリソースを同じサービスグループで設定している

ユーティリティは移行時に次の処理を実行します。

  • 移行する PDB リソースを設定するソース CDB グループに応じて、親グループのリンクを解除して凍結します (該当する場合)。

  • PDB リソースをオフラインにします。

  • CDB から PDB をプラグ解除して、ユーザーが指定した XML ディレクトリに XML ファイル <pdb_res_name>_<dest_cdb_res_name>.xml を作成します。

  • データファイルを維持したまま CDB から PDB を切断します。

  • PDB のすべての子リソースをオフラインにします。ソース CDB リソースから PDB リソースのリンクを解除して PDB リソースを削除します。PDB の子リソースすべてのリンクを解除して削除します。

  • 移行先 CDB サービスグループで PDB リソースとそのすべての子を元の依存関係で再作成します。

  • 移行先 CDB サービスグループがオンラインのすべてのノードで PDB 子リソースをオンラインにします。

  • 移行先 CDB で PDB をプラグします。

  • 正常にプラグしたら PDB リソースをオンラインにします。親グループを凍結解除してソース CDB グループにリンクします。

hapdbmigrate ユーティリティは、移行する前にクラスタで PDB 移行の準備ができていることを確認するために、特定の前提条件チェックを実行します。ユーティリティで問題が発生した場合は手動で問題を解決する必要があります。

ユーティリティは $VCSHOME/bin ディレクトリにあります。

移行のログファイルは $VCSLOG/log/hapdbmigrate.log にあります。ファイルが 5 MB を超えるとログはローテーションして .gz 形式で hapdbmigrate.log[1..7].gz に保存されます。

メモ:

hapdbmigrate ユーティリティで一度に実行できるインスタンスは 1 つだけです。

コンテナデータベース (CDB) 間でプラグ可能データベース (PDB) を移行するには

  1. VCS 設定ファイル /etc/VRTSvcs/conf/config/main.cf のバックアップを作成します。
    # cp /etc/VRTSvcs/conf/config/main.cf \
    /etc/VRTSvcs/conf/config/main.cf.save
  2. クラスタのすべてのノードで高可用性デーモン (had) を実行していることを確認します。
    # hastatus -summary
  3. 障害状態または不明な状態のリソースが存在しないことを確認します。
    # hares -state|grep FAULTED
    # hares -state|grep UNKNOWN
  4. main.cf 設定ファイルの正しい値を設定した PDBName 属性が PDB リソースに存在することを確認します。
  5. CDB の移行元リソースと移行先リソースがオンラインであることを確認します。
    # hares -state resname
  6. 移行先 CDB で次のことを確認します。

    • 移行先 CDB が suspended モードではないことを確認します。

      移行先 CDB のインスタンスがマウント状態ではないことを確認します。

      詳細については、Oracle のマニュアルを参照してください。

    • 移行先 CDB のインスタンスが restricted 状態でない場合は、移行する PDB リソースの StartUpOpt 属性を restricted に設定していることを確認します。

      # haconf -makerw
      # hares -modify pdb1 StartUpOpt \
      RESTRICTED
      # haconf -dump -makero
  7. 既存の依存関係が移行プロセスと競合しないことを確認します。

    PDB 子リソースは CDB リソースまたはその子リソースに依存することはできません。

    PDB 子リソースは PDB 子階層に含まれない親を持つことはできません。

  8. XML データディレクトリに、「oracle」ユーザーの読み取り権限と書き込み権限があることを確認します。XML データディレクトリは、PDB マウントまたは移行元と移行先両方の CDB にアクセスできる場所に配置する必要があります。
  9. ルートユーザーとして hapdbmigrate ユーティリティを実行します。

    メモ:

    移行元 CDB グループに依存する親グループがある場合は -ignoreparentgrp オプションを指定します。

    # $VCS_HOME/bin/hapdbmigrate -pdbres pdb_resname -cdbres cdb_resname \
    -XMLdirectory xml_directory [-ignoreparentgrp] [-prechecks]-pdbres: Name of the PDB resource, which needs to be migrated
    	-cdbres: Name of the CDB resource, where the PDB needs to migrate
    	-XMLdirectory: XML directory location for the unplugged PDB
    -ignoreparentgrp: Utility proceeds even 
    if the PDB group has parent groups 
    -prechecks: Performs prechecks and validation
    -help|h: Prints usage

    移行ログファイルは $VCSLOG/log/hapdbmigrate.log にあります。

  10. 移行先 CDB で PDB リソースがオンラインになっていることを確認します。
    # hares -state pdb_resname
  11. 移行元 CDB グループの親サービスグループが移行した PDB に依存している場合は移行先 CDB グループに手動で再度リンク付けします。
    # haconf -makerw
    # hagrp -dep parent_sg
    #Parent     	     Child         	   Relationship
    parent_sg       source_CDB         online local firm
    # hagrp -offline parent_sg -any
    # hagrp -unlink parent_sg source_CDB
    # hagrp -link parent_sg dest_CDB online local firm 
    # hagrp -dep parent_sg
    #Parent     	    Child         	    Relationship
    parent_sg      dest_CDB           online local firm
    # haconf -dump -makero

main.cf の移行可能な Oracle プラグ可能データベース (PDB) リソースの設定例を参照してください。

Oracle エージェントのリソースタイプ定義

Netlsnr エージェントのリソースタイプ定義