Veritas NetBackup™ インストールガイド

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Product(s): NetBackup (8.1.1)
  1. インストールの準備
    1.  
      NetBackup インストールディレクトリの制限事項
    2.  
      NetBackup Web サーバーをサポートするユーザーアカウントの作成、
    3.  
      NetBackup のバージョン間の互換性について
    4.  
      Veritas Services and Operations Readiness Tools について
    5.  
      SORT の新規インストールのための推奨手順
    6.  
      SORT のアップグレードのための推奨手順
    7. NetBackup ソフトウェアの入手について
      1.  
        NetBackup メディアキットについて
      2.  
        NetBackup の電子ソフトウェア配布 (ESD) イメージについて
    8. ストレージデバイスの構成について
      1.  
        サポートされているロボット形式の検索
    9. NetBackup をインストールする方法
      1.  
        NetBackup プリインストールチェッカーについて
      2.  
        NetBackup Product Improvement Program について
    10.  
      NetBackup ホスト用のセキュリティ証明書について
    11.  
      SCCM と Chef の配備ツールとマニュアルが利用可能になりました
    12.  
      マスターサーバーのプッシュインストールのサポートは廃止されました
  2. NetBackup ライセンス
    1.  
      NetBackup のライセンスの要件について
    2.  
      ライセンスキーエントリについて
    3.  
      ライセンスキーについてよく寄せられる質問
  3. UNIX システムでのサーバーソフトウェアのインストール
    1. UNIX および Linux のインストールおよびアップグレード要件
      1.  
        マスターサーバーとメディアサーバーが NetBackup アプライアンスでないかぎり、Windows と UNIX プラットフォームの英語以外のバージョンを混在させない
      2.  
        異なるバージョンの UNIX ベースオペレーティングシステムを実行する環境での NetBackup のインストール
      3.  
        Solaris システムの特別なインストールガイドライン
      4.  
        HP-UX システムの特別なインストールガイドライン
      5.  
        AIX マスターサーバーの特別なガイドライン
      6.  
        UNIX クラスタ環境の特別なインストールガイドライン
    2.  
      インストールスクリプトの動作
    3. NetBackup ソフトウェアメディアのマウントについて
      1.  
        UNIX または Linux システムでの NetBackup ソフトウェアメディアのマウント
    4. NetBackup マスターサーバーソフトウェアの UNIX へのインストール
      1.  
        NetBackup ソフトウェアのインストール
    5.  
      NetBackup メディアサーバーソフトウェアの UNIX へのインストール
    6. マスターサーバーからクライアントへのクライアントソフトウェアのプッシュインストールについて
      1.  
        マスターサーバーへのクライアント形式のソフトウェアのインストール
  4. Windows システムでのサーバーソフトウェアのインストール
    1.  
      Windows および Windows クラスタのインストールおよびアップグレード要件
    2.  
      Windows クラスタのインストールとアップグレードの要件
    3.  
      Windows システムでのローカル、リモート、またはクラスタ化されたサーバーインストールの実行
    4.  
      NetBackup クラスタ環境のインストール後の作業
    5.  
      Windows クラスタのインストールまたはアップグレードの確認
    6.  
      Windows システムでの NetBackup サーバーのサイレントインストール
  5. 管理インターフェースについて
    1.  
      NetBackup 管理コンソールについて
    2.  
      NetBackup 管理コンソールのインストール
    3.  
      Windows での複数バージョンの NetBackup 管理コンソールのインストール
    4.  
      Windows 上の旧バージョンの NetBackup 管理コンソールの削除
    5.  
      NetBackup のリモート管理コンソールについて
    6.  
      NetBackup リモート管理コンソールのインストール
  6. NetBackup クライアントソフトウェアのインストール
    1.  
      NetBackup クライアントのインストールについて
    2. Windows での NetBackup クライアントのインストールについて
      1.  
        Windows クライアントのインストール方法と必要条件について
      2.  
        NetBackup Windows クライアントのローカルまたはリモートでのインストール
      3.  
        NetBackup Windows クライアントのサイレントインストール
      4.  
        NetBackup クライアントの構成方法
    3. UNIX/Linux での NetBackup クライアントのインストールについて
      1.  
        UNIX/Linux クライアントのインストール方式について
      2.  
        UNIX クライアントのローカルインストール
      3.  
        ネーティブインストーラによる UNIX と Linux のクライアントバイナリのインストールとアップグレード
      4. UNIX または Linux クライアントのリモートインストール方式について
        1.  
          ssh の方法を使用したクライアントソフトウェアのインストール
        2.  
          sftp の方法を使用したクライアントソフトウェアのインストール
        3.  
          パスワードなしの ssh の方法を使用する UNIX クライアントでのクライアントソフトウェアのインストール
      5.  
        サーバーの初期インストール後の UNIX または Linux クライアントの追加
      6.  
        サーバーのアップグレード後のクライアントのアップグレード
  7. NetBackup の構成
    1.  
      NetBackup の起動と停止のスクリプトについて
    2. NetBackup Server の構成について
      1.  
        NetBackup 管理コンソールの起動
      2.  
        デバイスの構成ウィザードについて
      3.  
        ボリュームの構成ウィザードについて
      4.  
        カタログバックアップウィザードについて
      5.  
        バックアップポリシーの構成ウィザードについて
    3.  
      インストール後すぐにマスターサーバー上のクラウド構成ファイルを更新するかまたは NetBackup 8.1.1 にアップグレードする
  8. NetBackup ソフトウェアのアップグレード
    1.  
      NetBackup のアップグレードについて
    2.  
      NetBackup 8.x アップグレードポータルについて
  9. NetBackup サーバーおよびクライアントソフトウェアの削除
    1.  
      UNIX システムでの NetBackup サーバーソフトウェアの削除について
    2.  
      UNIX および Linux システムでの NetBackup クライアントソフトウェアの削除について
    3.  
      UNIX および Linux のサーバーおよびクライアントからの NetBackup の削除
    4.  
      Windows システムでの NetBackup サーバーソフトウェアの削除について
    5.  
      Windows サーバー、クラスタ、およびクライアントからの NetBackup サーバーおよびクライアントソフトウェアの削除
    6.  
      Windows システムからの NetBackup LiveUpdate の削除
    7.  
      Windows サーバーおよび Windows クライアントからの Java コンソールの状態データの削除について
    8.  
      新しいメディアサーバーに全データを移行してクラスタ化されたメディアサーバーを削除する
  10. 参照先
    1.  
      クラスタ化されたマスターサーバーの非アクティブノードで証明書を生成する
    2.  
      NetBackup 応答ファイルについて
    3.  
      NetBackup マスターサーバー Web サーバーのユーザーとグループの作成
    4.  
      NetBackup Java Runtime Environment について
    5.  
      レプリケーションディレクタを使用した NetApp ディスクアレイの使用
    6.  
      NetBackup データベースに対するセキュリティ強化

サーバーのアップグレード後のクライアントのアップグレード

update_clients インストールスクリプトによって、クライアントにクライアントソフトウェアのプッシュインストールを実行できます。 NetBackup メディアサーバーまたはマスターサーバーであるリモートクライアントには、クライアントソフトウェアのプッシュインストールは実行できません。これは、1 つのホスト上のサーバーソフトウェアおよびクライアントバイナリが同じバージョンである必要があるためです。

update_clients インストールスクリプトを使用すると、サーバーに構成されている完全なクライアントリストを確認できます。 パラメータを指定せずに実行すると、/usr/openv/netbackup/bin/admincmd/bpplclients に基づいて、すべてのクライアントの更新が試行されます。一部のクライアントをアップグレードする場合は、一部のクライアントを指定できます。ハードウェアおよびオペレーティングシステムのパラメータを使用するか、-ClientList パラメータを使用します。

メディアサーバーから update_clients を実行できます。この場合、-ClientList パラメータを使用する必要があります。このコマンドを使用すると、メディアサーバーおよび一連のクライアントを、マスターサーバーよりも前のバージョンに保持できます。このコマンドを使用するには、予定外のクライアントをアップグレードしないように、マスターサーバーおよびメディアサーバーでの update_clients -ClientList コマンドの使用に熟知している必要があります。

クラスタ環境の場合、クライアントソフトウェアのプッシュインストールを実行できるのは、アクティブノードからだけです。

メモ:

セキュアな環境でクライアントを配備し、クライアントがマスターサーバーに直接接続されていない場合は、追加の手順が必要になります。このトピックに関する詳細情報を参照できます。『Veritas NetBackup セキュリティおよび暗号化ガイド』で、マスターサーバーへの接続なしでクライアントに証明書を配備する方法についてのトピックを参照してください。

クライアントのアップグレードの間に、新しいクライアントファイルがクライアントの /tmp 内のディレクトリに書き込まれます。このディレクトリには、正常にアップグレードを行うために新しいクライアントファイルを一時的に保存するための十分な領域がなければなりません。十分な領域が利用可能でない場合、アップグレードスクリプトで /tmp ディレクトリ内の場所に書き込みを行うことができなかったという状態メッセージが表示されます。この問題を解決するには、/tmp ディレクトリにより多くの領域を割り当てて、アップグレード手順を再び実行します。一時ディレクトリはアップグレードが完了すると削除されます。

サーバーのアップグレード後にクライアントをアップグレードする方法

  1. インストールスクリプトを開始するには、次のいずれかの方法を使用します。

    DVD

    ESD イメージ (ダウンロード済みファイル)

    • インストールイメージが存在する場所に移動します。

    • 次のコマンドを入力します。

      ./install
  2. 次のメッセージが表示されたら、Enter キーを押して続行します。
    Installing NetBackup Client Software.
    Do you wish to continue? (y/n) [y]

    クライアントのバイナリは、バイナリがコンパイルされたオペレーティングシステムのバージョンを表します。通常、バイナリは、より新しいバージョンのオペレーティングシステム上で問題なく動作します。たとえば、HP PA-RISC 11.11 バイナリは、HP PA-RISC 11.23 レベルのオペレーティングシステムでも使われます。

  3. インストールするクライアント形式を選択し、プロンプトに従ってそのクライアント形式をインストールします。目的のクライアント形式がすべてインストールされるまで、必要に応じて繰り返します。

    このサーバーからプッシュするすべての形式の UNIX クライアントのソフトウェアをインストールしたことを確認してください。これを行わない形式の UNIX クライアントは、NetBackup のポリシー構成に追加できません。

  4. インストールが完了したら、DVD のマウントを解除します。
  5. NetBackup マスターサーバー上で、root ユーザーとして次のコマンドを入力して、bprd が動作しているかどうかを確認します。

    /usr/openv/netbackup/bin/bpps

    bprd が動作している場合は、次のコマンドを実行して停止します。

    /usr/openv/netbackup/bin/admincmd/bprdreq -terminate

  6. バックアップまたはリストアが実行中ではないことを確認するには、次のコマンドを入力します。

    /usr/openv/netbackup/bin/admincmd/bpdbjobs

  7. update_clients スクリプトを実行することによって UNIX クライアントソフトウェアを更新します。 クライアントのリストには、仮想名ではなく各ノードのホスト名を指定します。

    次のいずれかのコマンドを使用します。

    -ClientList ファイルを使わない場合

    /usr/openv/netbackup/bin/update_clients

    -ClientList ファイルを使う場合

    /usr/openv/netbackup/bin/update_clients -ClientList filename

    メディアサーバーでは、-ClientList パラメータを使用する必要があります。

    クライアントが 30 を超える場合、リストを複数のファイルに分割して、各ファイルに対して update_clients を実行できます。

    クライアントリストファイルを作成するには、次の手順を実行します。

    • 次のように入力して、NetBackup の admincmd ディレクトリに移動します。

      cd /usr/openv/netbackup/bin/admincmd
    • bpplclients コマンドを使用して、現在 NetBackup データベースに構成されているクライアントのリストが含まれるファイルを作成します。 このコマンドで使用するオプションは、次に示すように、マスターサーバーまたはメディアサーバーのどちらからプッシュインストールを行うかによって異なります。

      マスターサーバーからプッシュインストールを行う場合

      ./bpplclients -allunique -noheader > file

      メディアサーバーからプッシュインストールを行う場合

      ./bpplclients -allunique -noheader -M \ m_server_name > file

      オプションの説明は、次のとおりです。

      m_server_name

      環境内の NetBackup マスターサーバーの名前。

      file

      一意のクライアントのリストを含めるファイルの名前。 NetBackup データベース内でクライアントが構成されていない場合、ファイルは空になります。

      bpplclients コマンドは、次の形式で file に出力を書き込みます。

      hardware os client
      hardware

      ハードウェアの名前。たとえば、ディレクトリ /usr/openv/netbackup/client では、ls コマンドを実行します。

      os

      オペレーティングシステムの名前。たとえば、ディレクトリ /usr/openv/netbackup/client/hardware では、ls コマンドを実行します。

      client

      クライアントの名前。

      次に、file の内容の例を示します。

      Solaris Solaris9 curry

    • 必要に応じて、file を編集します。

      file の内容を変更するには、この手順を実行します。 NetBackup クライアントソフトウェアで更新するクライアントだけが含まれるように file を編集します。 クライアントのホスト名は、クライアントの各ノード名である必要があります。仮想名は指定できません。 hostname コマンドと domainname コマンドは個々のノード名の正しい値を戻します。 使用できる形式は、hostname または hostname.domainname のいずれかです。

  8. update_clients スクリプトを実行すると、マスターサーバー情報の入力が要求されます。
    Starting update_clients script.
    There are N clients to upgrade.
    Do you want the bp.conf file on the clients updated to list this 
    server as the master server? (y/n) [y]

    y または n のどちらかを入力します。

    Enter キーを押します。

  9. 同時に実行する更新の数を入力します。
    Enter the number of simultaneous updates you wish to take 
    place. [1 - 30] (default: 15):
  10. インストーラは認証局の証明書の詳細を取得しようとします。
    Getting CA certificate details.
    Depending on the network, this action may take a few minutes. To
    continue without setting up secure communication, press Ctrl+C.

    Ctrl+C を押す場合は、インストールを再実行するか、必要なセキュリティコンポーネントを使用せずにインストールを続行する必要があります。必要なセキュリティコンポーネントが存在しない場合はバックアップとリストアが失敗します。

    認証局の証明書が見つかった場合、次のメッセージが表示されます。

    Using CA Certificate fingerprint from master server:
    01:23:45:67:89:AB:CD:EF:01:23:45:67:89:AB:CD:EF:01:23:45:67
    If clients need an authorization token for installation, please specify one here.
    Token (leave blank for no authorization token):

    認証トークンを空白のままにした場合、次のメッセージが表示されます。

    WARNING: Authorization Token was not specified.
    Manual steps may be required before backups and restores can occur.
    
  11. 質問に対して、y または n のどちらかを入力します。
    The upgrade will likely take Y to Z minutes.
    Do you want to upgrade clients now? (y/n) [y]
  12. すべてのサーバーおよびクライアントが更新されたら、マスターサーバー上で root ユーザーとして次のコマンドを入力して、bprd デーモンを起動します。
    /usr/openv/netbackup/bin/initbprd