Enterprise Vault™ Exchange Server アーカイブの設定
- このマニュアルについて
- Exchange Server フォームの配布
- メールボックスからのアーカイブの設定
- Enterprise Vault メールボックスアーカイブ設定前の注意事項
- Exchange Server メールボックスのアーカイブポリシーの定義
- Exchange Server アーカイブ設定時のメールボックスポリシー設定
- Exchange Server アーカイブ設定時のメールボックスポリシー設定
- Exchange Server アーカイブのデスクトップポリシーの定義
- Exchange サーバーアーカイブのデスクトップポリシー設定
- Exchange Server アーカイブ対象の追加
- Exchange Server アーカイブでのカスタマイズされたショートカットの使用
- Exchange Server アーカイブの自動メッセージの編集について
- メールボックスの Exchange Server アーカイブの有効化
- ユーザーのデスクトップの設定
- ボルトキャッシュと仮想ボルトの設定
- ボルトキャッシュの同期
- ボルトキャッシュの詳細設定
- 仮想ボルトの詳細設定
- パブリックフォルダのアーカイブ設定
- パブリックフォルダポリシー設定について
- Exchange パブリックフォルダポリシー設定
- Exchange パブリックフォルダポリシー設定
- パブリックフォルダのアーカイブ対象の追加
- ジャーナルメッセージのアーカイブの設定
- エンベロープジャーナリング
- Exchange Server 2013 以降用の Enterprise Vault Office Mail App の設定
- Enterprise Vault について Office Mail App
- Enterprise Vault Office Mail App の配備
- Enterprise Vault Office Mail App のトラブルシューティング
- Outlook RPC over HTTP クライアントから Enterprise Vault へのアクセスの設定
- OWA および Outlook への外部アクセスのためのファイアウォールソフトウェアの使用
- フィルタ処理の設定
- フィルタについて
- ジャーナルの選択の設定
- ジャーナルのグループ化の設定
- カスタムフィルタの設定
- カスタムフィルタルールセットの概要
- デフォルトのカスタムフィルタの動作の制御について
- カスタムフィルタのルールセットファイルの一般的な形式について
- カスタムフィルタのルール処理について
- カスタムフィルタのメッセージ属性フィルタについて
- Custom Properties.xml の一般的な形式について
- 内容のカテゴリについて
- サードパーティのアプリケーションでのカスタムプロパティの表示方法の定義
- カスタムプロパティの例
INCLUDES と ALLOWOTHERS 演算子を使った複雑なフィルタの作成について
AUTHOR、RECIPIENTS、SUBJECTS、および NAMEDPROP メッセージ属性に複数の値を使い、かつ演算子 INCLUDES= と ALLOWOTHERS= を使って属性値の一致方法を定義すると、より複雑なフィルタを作成できます。
INCLUDES= には次の値を指定できます。
INCLUDES="NONE" は、属性に指定した値を含まないメッセージに一致することを意味します
INCLUDES="ANY" は、属性に指定した値を 1 つ以上含むメッセージに一致することを意味します
INCLUDES="ALL" は、属性に指定したすべての値を含むメッセージに一致することを意味します
INCLUDES= 演算子を指定しない場合は、INCLUDES="ANY" が指定されたと見なされます。
ALLOWOTHERS= には次の値を指定できます。
ALLOWOTHERS="N" は、フィルタに指定した値だけを含み、その他の値は含まないメッセージに一致することを意味します
ALLOWOTHERS="Y" は、フィルタに指定した値を含む場合、その他の値が含まれていてもメッセージに一致することを意味します
ALLOWOTHERS= 演算子を指定しない場合は、ALLOWOTHERS="Y" が指定されたと見なされます。
このセクションでは、RECIPIENTS メッセージ属性を併せた INCLUDES= と ALLOWOTHERS= 演算子の使用方法を例示します。
次の例では、受信者リストに一覧表示された 3 つの電子メールアドレスがすべて含まれ (INCLUDES="ALL")、かつこれらのアドレスだけである (ALLOWOTHERS="N") 場合に、メッセージがルールに一致します。
<RULE ... > <RECIPIENTS INCLUDES="ALL" ALLOWOTHERS="N"> <EA>john.doe@ourcompany.com</EA> <EA>ken.brookes@ourcompany.com</EA> <EA>len.scott@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> </RULE>
次の例では、一覧表示された電子メールアドレスのいずれかが含まれ (INCLUDES="ANY")、かつそれ以外は含まれない (ALLOWOTHERS="N") 場合に、メッセージがルールに一致します。
<RULE ... > <RECIPIENTS INCLUDES="ANY" ALLOWOTHERS="N"> <EA>john.doe@ourcompany.com</EA> <EA>ken.brookes@ourcompany.com</EA> <EA>len.scott@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> </RULE>
次の例では、受信者リストに一覧表示された電子メールアドレスのいずれも含まれない (INCLUDES="NONE") 場合に、メッセージがルールに一致します。一致したメッセージには、受信者リストに他のアドレスが含まれることがあります (ALLOWOTHERS="Y")。
<RULE ... > <RECIPIENTS INCLUDES="NONE" ALLOWOTHERS="Y"> <EA>john.doe@ourcompany.com</EA> <EA>ken.brookes@ourcompany.com</EA> <EA>len.scott@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> </RULE>
単一のルール内部で肯定一致と否定一致の両方を指定する場合、複数のメッセージ属性のエントリを含めて、必要に応じて INCLUDES="NONE" または INCLUDES="ALL" を使えます。次に例を示します。
<RULE ... > <RECIPIENTS INCLUDES="NONE"> <EA>john.doe@ourcompany.com</EA> <EA>len.scott@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> <RECIPIENTS> INCLUDES="ALL"> <EA>Ken.Brookes@ourcompany.com</EA> <EA>robert.hill@ourcompany.com</EA> </RECIPIENTS> </RULE>
この例では、受信者リストに john.doe@ourcompany.com または len.scott@ourcompany.com が含まれないが、
<RECIPIENTS INCLUDES="NONE" ...</RECIPIENTS>
ken.brookes@ourcompany.com と robert.hill@ourcompany.com の両方が含まれる場合に、メッセージが一致します。
<RECIPIENTS INCLUDES="ALL" ... </RECIPIENTS>
INCLUDES= と ALLOWOTHERS= の値を異なる組み合わせで使うと、非常に複雑なフィルタを設定できます。
表: さまざまな演算子値の組み合わせを使った場合の効果 に、次のフィルタ例で演算子 INCLUDES= と ALLOWOTHERS= に値の異なる組み合わせを設定した場合に、さまざまなメッセージをフィルタした結果を示します。
<RULE ... ACTION="ARCHIVE_ITEM"> <RECIPIENTS INCLUDES="NONE|ANY|ALL" ALLOWOTHERS="N|Y"> <EA>Ann@example.com</EA> <EA>Bill@example.com</EA> </RECIPIENTS> </RULE>
Ann@example.com と Bill@example.com は、一致させる受信者アドレスです。
表: さまざまな演算子値の組み合わせを使った場合の効果
演算子値セット | メッセージ 1: 受信者は Ann です | メッセージ 2: 受信者は Ann、Bill です | メッセージ 3: 受信者は Ann、Bill、Colin です | メッセージ 4: 受信者は Bill、Colin です | メッセージ 5: 受信者は Colin です |
---|---|---|---|---|---|
INCLUDES="NONE" + ALLOWOTHERS="Y" | 不一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 | 一致 |
INCLUDES="NONE "+ ALLOWOTHERS="N" | 不一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 |
INCLUDES="ANY "+ ALLOWOTHERS="Y" | 一致 | 一致 | 一致 | 一致 | 不一致 |
INCLUDES="ANY" + ALLOWOTHERS="N" | 一致 | 一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 |
INCLUDES="ALL" + ALLOWOTHERS="Y" | 不一致 | 一致 | 一致 | 不一致 | 不一致 |
INCLUDES="ALL" + ALLOWOTHERS="N" | 不一致 | 一致 | 不一致 | 不一致 | 不一致 |
表の列見出しに 5 種類のテストメッセージの受信者を示します。簡潔にするため、列見出しで受信者は Ann、Bill、Colin とします。
1 列目は、INCLUDES= 演算子と ALLOWOTHERS= 演算子に設定されたさまざまな組み合わせを示します。
「不一致」は、左列に示される演算子の組み合わせが設定された場合に、列見出しに示された受信者に送信されたメッセージがフィルタルールを満たさないため、アーカイブされない (つまりルール処理が適用されない) ことを意味します。
「一致」は、左列に示される演算子の組み合わせが設定された場合に、列見出しに示された受信者に送信されたメッセージがフィルタルールを満たすため、アーカイブされることを意味します。
図: メッセージ 1 で INCLUDES="NONE" かつ ALLOWOTHERS="N" の場合 と図: メッセージ 1 で INCLUDES="ANY" かつ ALLOWOTHERS="Y" の場合 に、表: さまざまな演算子値の組み合わせを使った場合の効果 のシナリオのうち 2 つで発生する処理を示します。