Veritas NetBackup™ ログリファレンスガイド

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Product(s): NetBackup (8.1)
  1. ログの使用
    1.  
      ログについて
    2.  
      UNIX システムログについて
    3.  
      NetBackup でのログの保持について
    4.  
      統合ログとレガシーログのサイズの制限について
    5. 統合ログについて
      1.  
        NetBackup の統合ログの収集
      2.  
        統合ログメッセージの種類
      3.  
        統合ログのファイル名の形式
      4.  
        統合ログを使うエンティティのオリジネータ ID
      5.  
        統合ログファイルの場所の変更について
      6.  
        統合ログファイルのロールオーバーについて
      7.  
        統合ログファイルの再利用について
      8.  
        vxlogview コマンドを使用した統合ログの表示について
      9.  
        vxlogview コマンドで使用される問い合わせ文字列について
      10.  
        vxlogview を使用した統合ログの表示の例
      11.  
        vxlogmgr を使用した統合ログの管理の例
      12.  
        vxlogcfg を使用した統合ログの設定の例
    6. レガシーログについて
      1.  
        レガシーログを使う UNIX クライアントプロセス
      2.  
        レガシーログを使う PC クライアントプロセス
      3.  
        レガシーログのファイル名の形式
      4.  
        サーバーのレガシーデバッグログのディレクトリ名
      5.  
        メディアおよびデバイス管理のレガシーデバッグログのディレクトリ名
      6.  
        レガシーログファイルに書き込まれる情報量を制御する方法
      7.  
        レガシーログのサイズと保持の制限について
      8.  
        レガシーログのローテーションの構成
    7. グローバルログレベルについて
      1.  
        ログレベルの変更
      2.  
        Windows クライアントのログレベルの変更
      3.  
        Media Manager のデバッグログを上位レベルに設定する
    8.  
      クライアントのログの保持制限の設定
    9.  
      Windows のイベントビューアのログオプション
    10. NetBackup 管理コンソールのエラーメッセージのトラブルシューティング
      1.  
        ログおよび一時ファイルに必要な追加のディスク容量について
      2.  
        詳細なデバッグログの有効化
  2. バックアッププロセスおよびログ記録
    1.  
      バックアップ処理
    2. NetBackup プロセスの説明
      1.  
        バックアップとリストアの起動プロセス
      2.  
        バックアップ処理およびアーカイブ処理
      3.  
        バックアップおよびアーカイブ: UNIX クライアントの場合
      4.  
        多重化されたバックアップ処理
    3.  
      バックアップログについて
    4.  
      ベリタステクニカルサポートへのバックアップログの送信
  3. メディア、デバイスプロセスおよびログ記録
    1.  
      メディアおよびデバイスの管理の開始プロセス
    2.  
      メディアおよびデバイスの管理プロセス
    3.  
      Shared Storage Option の管理プロセス
    4.  
      バーコード操作
    5.  
      メディアおよびデバイスの管理コンポーネント
  4. リストアプロセスおよびログ記録
    1.  
      リストアプロセス
    2.  
      UNIX クライアントのリストア
    3.  
      Windows クライアントのリストア
    4.  
      リストアログについて
    5.  
      ベリタステクニカルサポートへのリストアログの送信
  5. 高度なバックアップおよびリストア機能
    1.  
      SAN クライアントファイバートランスポートのバックアップ
    2.  
      SAN クライアントファイバートランスポートのリストア
    3.  
      ホットカタログバックアップ
    4.  
      ホットカタログのリストア
    5. 合成バックアップ
      1.  
        合成バックアップの問題レポートに必要なレガシーログディレクトリの作成
      2.  
        合成バックアップの問題レポートに必要なログ
  6. ストレージのログ記録
    1.  
      NDMP バックアップのログ記録
    2.  
      NDMP リストアログ記録
  7. NetBackup 重複排除ログ
    1.  
      メディアサーバー重複排除プール (MSDP) への重複排除のバックアップ処理
    2.  
      クライアント重複排除のログ
    3.  
      重複排除の設定ログ
    4.  
      メディアサーバーの重複排除のログ記録と pdplugin ログ記録
    5.  
      ディスク監視のログ記録
    6.  
      ログ記録のキーワード
  8. OpenStorage Technology (OST) のログ記録
    1.  
      OpenStorage Technology (OST) バックアップのログ記録
    2.  
      OpenStorage Technology (OST) の構成と管理
  9. SLP (Storage Lifecycle Policy) および自動イメージレプリケーション (A.I.R.) のログ記録
    1.  
      ストレージライフサイクルポリシー (SLP) と自動イメージレプリケーション (A.I.R.) について
    2.  
      ストレージライフサイクルポリシー (SLP) 複製プロセスフロー
    3.  
      自動イメージレプリケーション (A.I.R.) のプロセスフローのログ記録
    4.  
      インポートのプロセスフロー
    5.  
      SLP および A.I.R. のログ記録
    6.  
      SLP の構成と管理
  10. スナップショット技術
    1.  
      Snapshot Client のバックアップ
    2.  
      VMware バックアップ
    3.  
      スナップショットバックアップおよび Windows Open File Backup
  11. ログの場所
    1.  
      acsssi のログ
    2.  
      bpbackup のログ
    3.  
      bpbkar のログ
    4.  
      bpbrm のログ
    5.  
      bpcd のログ
    6.  
      bpcompatd のログ
    7.  
      bpdbm のログ
    8.  
      bpjobd のログ
    9.  
      bprd のログ
    10.  
      bprestore のログ
    11.  
      bptm のログ
    12.  
      daemon のログ
    13.  
      ltid のログ
    14.  
      nbemm のログ
    15.  
      nbjm のログ
    16.  
      nbpem のログ
    17.  
      nbproxy のログ
    18.  
      nbrb のログ
    19.  
      NetBackup Web サービスのログ記録
    20.  
      NetBackup Web サーバー証明書のログ記録
    21.  
      PBX のログ
    22.  
      reqlib のログ
    23.  
      robots のログ
    24.  
      tar ログ
    25.  
      txxd および txxcd のログ
    26.  
      vnetd のログ
  12. Java ベースの管理コンソールのログ記録
    1.  
      Java ベースの管理コンソールのログ記録について
    2.  
      Java ベースの管理コンソールのログ記録プロセスフロー
    3.  
      Java ベースの管理コンソールと bpjava-* 間におけるセキュアなチャネルの設定
    4.  
      Java ベースの管理コンソールと nbsl または nbvault 間におけるセキュアなチャネルの設定
    5.  
      NetBackup サーバーとクライアントでの Java ベースの管理コンソールのログ記録に関する設定
    6.  
      NetBackup がインストールされていない Windows コンピュータでの Java ベースのリモート管理コンソールのログ記録
    7.  
      Java GUI の問題をトラブルシューティングするときのログの設定と収集
    8.  
      ログ記録を元に戻す操作

合成バックアップ

NetBackup の典型的なバックアップ処理では、クライアントにアクセスしてバックアップを作成します。合成バックアップとは、クライアントを使用せずに作成されたバックアップイメージのことです。合成バックアップ処理では、クライアントを使用する代わりに、コンポーネントイメージと呼ばれる、以前に作成したバックアップイメージを使用して完全イメージまたは累積増分イメージが作成されます。

メモ:

合成アーカイブは存在しません。

たとえば、既存の完全イメージとその後の差分増分イメージを合成して、新しい完全イメージを作成できます。以前の完全イメージと増分イメージが、コンポーネントイメージです。新しく作成された合成完全イメージは、従来の処理で作成されたバックアップと同様に動作します。またこの合成完全イメージは、最新の増分と同時期のクライアントのバックアップになります。合成イメージは、ファイルを含む最新のコンポーネントイメージから各ファイルの最新バージョンをコピーすることによって作成されます。合成バックアップは[True Image Restore]と[移動検出 (Move Detection)]オプションを選択したポリシーを使って作成する必要があります。このオプションによって、クライアントのファイルシステムから削除されたファイルが、合成バックアップに表示されないようにすることができます。

従来のバックアップのように、nbpem は合成バックアップを開始します。nbpem は nbjm に要求を送信して合成バックアップを開始し、その後で nbjm がマスターサーバー上で動作する bpsynth を開始します。合成バックアップイメージの作成が制御され、コンポーネントイメージからの必要なファイルの読み込みが制御されます。デバッグログディレクトリに bpsynth というディレクトリが存在する場合、追加のデバッグログメッセージは、このディレクトリ内のログファイルに書き込まれます。

bpsynth では、複数のフェーズで合成イメージを作成します。

表:

フェーズ

説明

1 - カタログ情報とエクステントの準備

フェーズ 1 では、bpsynth はデータベースマネージャ bpdbm の合成バックアップ要求を作ります。bpsynth はコンポーネントイメージカタログのエントリと TIR 情報を使って新しい合成イメージのカタログを構築します。また、コンポーネントイメージから合成イメージにコピーされるエクステントも作成されます。bpdbm サービスは bpsynth にエクステントのリストを返します。(エクステントとは、特定のコンポーネントイメージ内の開始ブロック番号と連続したブロックの数のことです。)通常はエクステントのセットを各コンポーネントイメージから新しい合成イメージにコピーする必要があります。

次の図に、フェーズ 1 の動作を示します。

2 - リソースの取得

フェーズ 2 では、bpsynth が新しいイメージの書き込みリソース (ストレージユニット、ドライブ、メディア) が取得されます。また、コンポーネントイメージが含まれるすべての読み込みメディアが予約され、最初に読み込むメディア用のドライブが取得されます。

コンポーネントイメージが BasicDisk に存在する場合、リソースの予約は行われません。

3 - データのコピー

フェーズ 3 では、bpsynth がメディアサーバー上で (テープとディスクの) ライター bptm を開始して新しい合成イメージを書き込みます。また、リーダー bptm (テープ用) またはbpdm (ディスク用) 処理も開始します。リーダープロセスによって、コンポーネントイメージのすべてのエクステントが読み込まれます。

次の図に、フェーズ 3 の動作を示します。

bpsynth によってメディアサーバー上で起動されるのは、bptm (ライター) および bpdm (リーダー) の親プロセスだけです。その後、親プロセスによって子プロセスが起動されます。親と子のプロセス間の通信は、共有メモリのバッファを介して行われます。

bpsynth プロセスによって、各コンポーネントイメージのエクステント (開始ブロックおよび数) が、対応する bptm または bpdm リーダーの子プロセスに送信されます。

bptm または bpdm リーダーの親プロセスによって、適切なメディアから共有バッファにデータが読み込まれます。bptm または bpdm リーダーの子プロセスによって、共有バッファにあるデータが、ソケットを介して bptm ライターの子プロセスに送信されます。bptm ライターの子プロセスによって、データが共有バッファに書き込まれます。bptm ライターの親プロセスによって、共有バッファからメディアにデータがコピーされ、bpsynth に、合成イメージの作成が完了したことが通知されます。

4 - イメージの検証

フェーズ 4 では、bpsynth プロセスによってイメージの妥当性がチェックされます。これで、新しいイメージが NetBackup で認識されるようになり、他の完全バックアップまたは累積増分バックアップと同様に使用できます。

合成バックアップには、移動検出機能を使った True Image Restore (TIR) が各コンポーネントイメージで選択されることと、コンポーネントイメージが合成イメージであることが必要です。