NetBackup™ for DB2 管理者ガイド
- NetBackup for DB2 の概要
- NetBackup for DB2 のインストール
- NetBackup for DB2 の構成
- DB2 用のバックアップポリシーの構成について
- DB2 ポリシーへのバックアップ対象の追加について
- UserExit プログラムを使用したアーカイブログファイルのバックアップについて
- 実行時環境の構成
- NetBackup for DB2 のシェルスクリプトについて
- DB2 のバックアップおよびリストアの実行
- NetBackup for DB2 を併用した Snapshot Client の使用
- Snapshot Client を併用した NetBackup for DB2 の操作について
- スナップショットバックアップからの NetBackup for DB2 のリストア
- UNIX の NetBackup for DB2 Block Level Incremental バックアップの構成について
- Snapshot Client の影響について
- NetBackup for DB2 のトラブルシューティング
- NetBackup for DB2 のログファイルについて
- 付録 A. DB2 EEE (DPF) 環境用の構成
- 付録 B. SAP® を併用した NetBackup for DB2 の使用
- 付録 C. 承認を受けた場所の登録
NetBackup for DB2 を使う BLI 増分バックアップオプション
DB2 の BLI 増分バックアップは複数の方法で開始できます。特別な設定が不要なのでマスターサーバーから開始する方法を推奨します。操作の制約によりクライアントホストでバックアップを開始する必要がある場合には 2 つのオプションを設定できます。
メモ:
現在、Microsoft Windows クライアントの DB2 スナップショットバックアップでは BLI はサポートされていません。このセクションの例では UNIX Bourne シェル構文を使います。異なるシェルを使う場合は必要に応じて修正します。
以下の 3 つのオプションで DB2 の BLI 増分バックアップを開始する方法を説明します。一部のオプションでは、使うポリシー設定の例とバックアップスクリプトの修正方法も示します。
マスターサーバーから BLI バックアップを開始することを推奨します。自動スケジュールとバックアップ対象 (スクリプト) を使って BLI バックアップを開始します。NetBackup で開始を制御するために必要な特別な設定はありません。ポリシーとスケジュールの情報はマスターサーバーからクライアントに提供されます。エージェントはポリシーとスケジュールの情報を問い合わせて適切な種類のチェックポイント (完全、累積増分、差分増分) を実行します。
クライアントでバックアップを開始する場合は、デフォルトで db2.conf
ファイルのスケジュールを使います。完全バックアップと増分バックアップの両方を実行する場合は、バックアップスクリプトを拡張する必要があります。正しい種類のスケジュールと関連付けられたチェックポイントを使っていることを確認するように拡張します。この拡張は、バックアップを開始する前にマスターサーバーが設定する環境変数と同じ環境変数を設定すると実行できます。
DB2 バックアップポリシーで適切な自動完全バックアップ、自動累積増分バックアップ、自動差分増分バックアップのスケジュールを作成します。
エージェントプログラムを実行する前に、使う自動スケジュールを指定する環境変数を設定します。
$DB2_Instance_Home ディレクトリに
db2.conf
ファイルを 1 つ作成します。アプリケーションバックアップスケジュールの名前が付いた一連のデータベースのスケジュールキーワードを更新して、起きる可能性があるストリームベースのバックアップに使います。次の例では、値は自動スケジュール名で上書きされます。
次に、スナップショットバックアップの自動スケジュールとストリームベースバックアップのアプリケーションスケジュールを設定するポリシーの例を示します。
master$ bpplsched DB2_Policy -L | egrep '^Schedule:|^ Type:' Schedule: Full Type: FULL SDB2 (0) Schedule: Cum Type: CINC (4) Schedule: Diff Type: INCR (1) Schedule: Default-Application-Backup Type: UBAK DB2 (2)
ポリシーは 1 つの db2.conf
ファイルのみを含み、ストリームベースのバックアップに設定されています。
client$ head -4 $DB2_Instance_Home/db2.conf DATABASE SAMPLE OBJECTTYPE DATABASE POLICY DB2_Policy SCHEDULE Default-Application-Backup
バックアップを開始する前に、バックアップスクリプトは適切な環境変数を設定してエクスポートします。
DB2_INCR=0 DB2_CINC=0 DB2_FULL=0 if [ <some_condition> ]; then DB2_INCR=1 DB2_SCHED="Diff" elif [ <some_other_condition> ]; then DB2_CINC=1 DB2_SCHED="Cum" else DB2_FULL=1 DB2_SCHED="Full" fi DB2_POLICY=DB2_Policy DB2_SCHEDULED=1 export DB2_INCR DB2_CINC DB2_FULL DB2_SCHED DB2_POLICY DB2_SCHEDULED /usr/openv/netbackup/bin/bpdb2proxy <options>
クライアントでバックアップを開始する場合は、デフォルトで db2.conf
ファイルのスケジュールを使います。db2.conf
ファイルは特定のデータベースに 1 つのポリシーとスケジュールのみを指定できます。完全バックアップと増分バックアップの両方を実行する場合は、バックアップスクリプトを拡張する必要があります。正しい種類のスケジュールと関連付けられたチェックポイントを使っていることを確認するように拡張します。バックアップを開始する前に db2.conf
ファイルを更新すると、この拡張を実行できます。
DB2 バックアップポリシーで適切な自動完全バックアップ、自動累積増分バックアップ、自動差分増分バックアップのスケジュールを作成します。
各スケジュールに使う
db2.conf
ファイルを作成します。各ファイルで、一連のデータベースのスケジュールキーワードを関連付けられたスケジュール名で更新します。エージェントプログラムを実行する前に、所定の場所に適切な
db2.conf
ファイルをコピーします。
次に、スナップショットバックアップの自動スケジュールとストリームベースバックアップのアプリケーションスケジュールを設定するポリシーの例を示します。
master$ bpplsched DB2_DB_Policy -L | egrep '^Schedule:|^ Type:' Schedule: Full Type: FULL SDB2 (0) Schedule: Cum Type: CINC (4) Schedule: Diff Type: INCR (1) Schedule: Default-Application-Backup Type: UBAK DB2 (2)
ポリシーには 3 つの db2.conf
ファイル (それぞれの種類の自動バックアップスケジュールに 1 つ) があります。
client$ head -4 db2.conf.with_full_schedule DATABASE SAMPLE OBJECTTYPE DATABASE POLICY DB2_DB_Policy SCHEDULE Full client$ head -4 db2.conf.with_cum_schedule DATABASE SAMPLE OBJECTTYPE DATABASE POLICY DB2_DB_Policy SCHEDULE Cum client$ head -4 db2.conf.with_diff_schedule DATABASE SAMPLE OBJECTTYPE DATABASE POLICY DB2_DB_Policy SCHEDULE Diff
バックアップを開始する前に、バックアップスクリプトは所定の場所に正しい db2.conf
ファイルをコピーします。
... <setup the rest of the DB2 backup environment> ... if [ <some_condition> ]; then cp db2.conf.with_diff_sched $DB2_Instance_Home/db2.conf elif [ <some_other_condition> ]; then cp db2.conf.with_cum_sched $DB2_Instance_Home /db2.conf else cp db2.conf.with_full_sched $DB2_Instance_Home /db2.conf fi /usr/openv/netbackup/bin/bpdb2proxy <options>