Storage Foundation 8.0.2 管理者ガイド - Linux

ボリュームの暗号化

VxVM では、VxVM データボリュームの暗号化によって保存データに対する高度なセキュリティが提供されます。暗号化とは、データまたは情報を許可されたユーザーによってのみ解読可能なコードに変換する技術です。

Veritas InfoScale は、転送中ではないデータの暗号化と転送中のデータの暗号化をサポートします。これは、暗号化されたボリュームのバックアップを定期的に作成するために役立ちます。『Veritas InfoScale™ 7.3.1 レプリケーション管理者ガイド』を参照してください。

暗号化の実装には、FIPS（Federal Information Processing Standard）Publication 140-2（FIPS PUB 140-2）セキュリティ基準によって検証された 256 ビットキーサイズの AES（Advanced Encryption Standard）暗号アルゴリズムを使用します。

ストレージ環境でボリュームまたはディスクグループを暗号化できます。VxVM では、ボリューム作成時にボリューム暗号化キーが生成されます。ボリューム暗号化キーは、キーラップによって保護 (ラップ) されます。ラップされたキーはボリュームレコードとともに保存されます。ボリューム暗号化キーは、ディスクには保存されません。

ディスクグループバージョン 300 以降で作成された暗号化ボリュームの場合、InfoScale は FIPS 140-2 スタンダードを使用して、ボリューム暗号化を保護するラッピングキー (KEK) を検証します。ディスクグループバージョン 290 以前で作成された暗号化ボリュームの場合は、最初にディスクグループバージョン 300 以降にアップグレードする必要があります。その後、InfoScale が FIPS スタンダードを使用して KEK を検証するように、キーの再操作を使うことができます。

次の方法のいずれかを使って、ボリューム暗号化キーを保護できます。

図: 暗号化ボリュームの作成では、暗号化プロセスについて説明します。

図: 暗号化ボリュームの作成

ディスクグループを暗号化する場合、ディスクグループ内のすべてのボリュームが暗号化されます。ディスクグループ内で後で作成されたボリュームもデフォルトで暗号化されます。

ディスクグループバージョン 220 以降を使用して作成された新しいボリュームのみを VxVM によって暗号化できます。

暗号化されたボリュームを開始すると、VxVM ではキーラップを使って、ボリューム暗号化キーが取得され、ボリュームへのアクセスが有効になります。

図: 暗号化および復号プロセスは、復号プロセスを示したものです。

図: 暗号化および復号プロセス