Enterprise Vault™ SMTP アーカイブの設定
- このマニュアルについて
- Enterprise Vault SMTP アーカイブの概要
- SMTP アーカイブのインストール
- SMTP アーカイブの設定
- SMTP グループまたは SMTP メールボックスジャーナル用のユーザーのプロビジョニング
- SMTP ダッシュボードの使い方
- PowerShell cmdlet
- 付録 A. ターゲットアドレスの書き換えの設定
Enterprise Vault SMTP アーカイブについて
Enterprise Vault SMTP アーカイブを使うと、Enterprise Vault は SMTP プロトコルを使って Enterprise Vault サーバーに送信されたデータをアーカイブできます。
SMTP アーカイブの適用例は次のとおりです。
Office 365 や Google メールなどのクラウドベースの電子メールサービスから、SMTP を介して送信されるジャーナルの電子メールをアーカイブに直接取り込みます。
Exchange Server、Lotus Domino、Sun Mail System、Zimbra などのオンプレミスの電子メールプラットフォームから、ジャーナルの電子メールをアーカイブに直接取り込みます。
BCC、特定時点での配布リストのメンバーシップ、ジャーナルレポート情報などのメタデータをすべて取得します。
Compliance Accelerator を使用して、監視サンプリング用の追加データを提供します。
Discovery Accelerator を使用して、eDiscovery 検索とレビュー用の追加データを提供します。
ログファイル、ボイスメール、スキャナー、プリンタ、ファックス機など、電子メールの送信機能を備えた他のアプリケーションからデータを取り込みます。
ジャーナルフィードからメールボックスアーカイブをポピュレートします。各ユーザーのアーカイブは、受信トレイや送信済みのアイテムを示す個人用ジャーナルを表します。
メール対応の Exchange パブリックフォルダを、より拡張性に優れた共有ソリューションに置換してユーザーに提供します。
SMTP アーカイブを使って、SMTP 経由でメッセージを送信できるアプリケーションをジャーナルできます。Enterprise Vault SMTP サーバーに送信されるジャーナルレポートメッセージ(P1 メッセージ)は、http://technet.microsoft.com/library/bb331962.aspx の記事で説明しているエンベロープジャーナルレポート形式に従う必要があります。 ジャーナルレポートメッセージは Enterprise Vault が処理し、Veritas Discovery Accelerator などの eDiscovery アプリケーションを使って検索する場合に利用できます。
メモ:
SMTP アーカイブでは現在、Domino サーバーがジャーナルするメッセージのジャーナルレポート情報が処理されません。
図: SMTP アーカイブ概要 は簡単な SMTP ジャーナル環境の例です。
MTA が一部のアプリケーションから SMTP メッセージを受信します。
この MTA は Exchange サーバーと SMTP メッセージを転送できる他のサーバーのいずれかになります。
この MTA は宛先メールボックスにメッセージを送ります。
また、この MTA は、Enterprise Vault SMTP サーバーの SMTP ルーティングアドレスにメッセージをコピーまたはジャーナルするように設定されています。ルーティングアドレスで使用されるドメインは、DNS で作成した、Enterprise Vault SMTP サーバーを参照する MX レコードエイリアスの場合があります。たとえば、ev.example.com。
Enterprise Vault では、ルーティングアドレスを SMTP ターゲットアドレスとして設定する必要があります。
Enterprise Vault SMTP サーバーはメッセージを受信し、X-RCPT-TO ヘッダーとしてメッセージにルーティングアドレスを追加します。
SMTP サーバーは、SMTP 保存フォルダとして割り当てたフォルダに電子メール(.eml)ファイルとしてメッセージを入れます。
SMTP アーカイブタスクは保存フォルダのメッセージファイルを処理し、ターゲットアドレスに指定されているアーカイブにそれをアーカイブします。 処理の間、ターゲットプロパティに指定されている保持カテゴリをタスクは適用し、Enterprise Vault により、ポリシーに記載されているすべての X-Header に索引を付けます。
Enterprise Vault SMTP サーバーは、Enterprise Vault SMTP アーカイブコンポーネントをホストする Enterprise Vault サーバーです。コンポーネントには、SMTP サーバーと Enterprise Vault SMTP アーカイブタスクが含まれます。表: SMTP アーカイブコンポーネントの概要 に、SMTP アーカイブの主要なコンポーネントの概要を示します。
Enterprise Vault SMTP サーバーは、SMTP サーバー 1 台と SMTP アーカイブタスク 1 つのみをホストできます。ただし、複数の Enterprise Vault SMTP サーバーが 1 つのサイトに存在する可能性があります。 SMTP アーカイブを設定するときには、Enterprise Vault SMTP サーバー設定とターゲット設定情報がサイト内のすべての Enterprise Vault SMTP サーバーで共有されます。 これは、サイト内のあらゆる Enterprise Vault SMTP サーバーがサイト内のすべての SMTP ターゲットに送信されたメッセージをアーカイブできることを意味します。
負荷分散ソリューションを使ってサイトの SMTP サーバー全体で SMTP トラフィックを均等に分散できます。単純な負荷分散ソリューションでは、Enterprise Vault SMTP サーバーのそれぞれに DNS MX レコードを設定して各レコードのユーザー設定を等しく設定します。ジャーナルに SMTPjournal@example.com などの単一アドレスを使っているときに、トラフィック量が Enterprise Vault SMTP サーバーの管理能力を超える場合は、異なる Enterprise Vault ストレージサーバーでホストされるボルトストアにある複数のアーカイブにこのルーティングアドレスを関連付けるか、SMTP サーバーでアドレスの書き換えを実装することができます。いずれのソリューションを使用しても、複数の Enterprise Vault ストレージサーバーにアーカイブの負荷を分散できます。