Enterprise Vault™ SMTP アーカイブの設定
- このマニュアルについて
- Enterprise Vault SMTP アーカイブの概要
- SMTP アーカイブのインストール
- SMTP アーカイブの設定
- SMTP グループまたは SMTP メールボックスジャーナル用のユーザーのプロビジョニング
- SMTP ダッシュボードの使い方
- PowerShell cmdlet
- 付録 A. ターゲットアドレスの書き換えの設定
SMTP プロビジョニンググループについて
SMTP プロビジョニンググループを使用すると、初期設定が容易になるほか、SMTP グループジャーナルと SMTP メールボックスジャーナルの多数の対象ユーザーを管理しやすくなります。複数のプロビジョニンググループを作成して、ユーザーグループごとに異なるポリシー設定や保持設定を適用できます。たとえば、販売部門のユーザー用にあるプロビジョニンググループを作成し、エンジニアリング部門のユーザー用に別のプロビジョニンググループを作成できます。
SMTP グループジャーナルまたは SMTP メールボックスジャーナルのプロビジョニンググループを作成する前に、必要な SMTP ルーティングアドレスを追加する必要があります。ルーティングアドレスは、手動の SMTP ターゲットアドレスとして追加されます。プロビジョニンググループを使用して、ルーティングアドレスを追加することはできません。
SMTP ルーティングアドレスの追加を参照してください。
最初のプロビジョニンググループを作成する際、Enterprise Vault は SMTP プロビジョニングタスクを作成するかどうかを尋ねます (まだ作成されていない場合)。プロビジョニングタスクの実行時、グループ内の各対象ユーザーに対し、プロビジョニンググループのアーカイブ設定と保持設定が設定されます。プロビジョニングタスクは、各グループの対象ユーザーをどのようにプロビジョニングしたかを示すレポートを作成します。プロビジョニングレポートには、プロビジョニングの実行中に発生した問題の詳細が記載されます。
SMTP プロビジョニングタスクの概略レポートを参照してください。
プロビジョニンググループには、SMTP グループジャーナル用にユーザーを設定するものと、SMTP メールボックスジャーナル用にユーザーを設定するものの 2 種類があります。新しいプロビジョニンググループは、管理コンソールで[対象]、[SMTP]、[プロビジョニンググループ]の順に選択して作成します。
SMTP プロビジョニンググループの順序は重要です。Enterprise Vault は、リストの上から下の順にグループを処理します。大規模なグループに対象ユーザーを追加する場合は、グループの順序付けを使って、特定のユーザーを別の方法で処理できます。
SMTP プロビジョニンググループの順序の変更を参照してください。
グループメンバーのメッセージが、プロビジョニンググループに割り当てたアーカイブにまとめてアーカイブされるようにするには、SMTP グループジャーナルプロビジョニンググループを使用します。
この種類のグループの新しいプロビジョニンググループウィザードで、メッセージを格納する 1 つ以上のアーカイブを選択または作成します。SMTP グループジャーナルプロビジョニンググループに割り当てられているすべてのアーカイブは、同じ保持設定になっている必要があります。Enterprise Vault は、この必要条件を強制的に満たします。グループアーカイブのいずれかで保持設定を変更すると、グループに割り当てられている他のすべてのアーカイブにも変更が反映されます。
複数のアーカイブでのカスケード保持設定の管理を参照してください。
新しいプロビジョニンググループウィザードでアーカイブを作成する場合は、SMTP アーカイブのみ作成できます。ただし、既存のアーカイブを選択した場合は、SMTP、共有、Exchange ジャーナル、Domino ジャーナルのいずれかの種類のアーカイブを選択できます。
プロビジョニンググループに複数のアーカイブを割り当てると、アーカイブ間でアーカイブの負荷が分散されます。
各グループメンバーのメッセージが、個人用のインターネットメールアーカイブに個別にアーカイブされるようにするには、SMTP メールボックスジャーナルプロビジョニンググループを使用します。インターネットメールアーカイブは自動的に作成および設定されます。
この種類のプロビジョニンググループの新しいプロビジョニンググループウィザードで、新しいインターネットメールアーカイブを作成するボルトストアを選択します。
SMTP メールボックスジャーナルプロビジョニンググループで対象ユーザーやアドレスをプロビジョニングする際、SMTP プロビジョニングタスクは、対象ユーザーまたはアドレスを Active Directory ユーザーアカウントに解決しようとします。続いて、そのユーザーのインターネットメールアーカイブがすでにあるかどうかを Enterprise Vault 設定で確認します。インターネットメールアーカイブがある場合は、そのアーカイブをユーザーの SMTP メッセージに割り当てます。インターネットメールアーカイブがない場合は、選択したボルトストアに新規作成します。ユーザーには、新しいアーカイブへのアクセス権限が付与されます。
対象の Active Directory アカウントが見つからない場合は、ターゲット SMTP アドレスをアーカイブ名として使用します。たとえば、ターゲット電子メールアドレスが john.doe@example.com の場合、アーカイブ名は john.doe@example.com になります。この場合は、アーカイブへのアクセス権限を手動で追加する必要があります。
Enterprise Vault で対象ユーザーを IMAP アクセス用に設定してある場合、インターネットメールアーカイブも用意されています。SMTP アーカイブと IMAP アクセスの両方に同じインターネットメールアーカイブが使用されている場合は、IMAP と SMTP プロビジョニンググループの両方で、アーカイブに対して同じ保持設定を設定する必要があります。
IMAP アクセスのクライアントアクセスプロビジョニングタスクと SMTP プロビジョニングタスクの両方を同じ対象ユーザーにスケジュール設定する場合は、スケジュールをずらして、両方のタスクが同時に実行されないようにすることをお勧めします。
SMTP メールボックスジャーナルプロビジョニンググループで、対象ユーザーのアーカイブの保持設定を変更しても、Enterprise Vault は、SMTP ジャーナルや SMTP グループジャーナルのように、その変更をグループ内の他のアーカイブには適用することはしません。ただし、プロビジョニングタスクは、次のプロビジョニング実行時に、プロビジョニンググループの保持設定をアーカイブに復元します。
プロビジョニンググループへの対象ユーザーの追加は、新しいプロビジョニンググループウィザードで行えます。プロビジョニンググループの作成後は、プロビジョニンググループの[対象]プロパティを使用して、グループメンバーを追加または削除できます。次に示すのは、ウィザードとグループプロパティで使用可能なオプションです。
Windows グループ
Windows ユーザー
LDAP クエリー
組織単位
配布グループ
電子メールアドレス
グループに対象ユーザーを追加するとき、Active Directory 対象ユーザーを追加する場合は必ず[電子メールアドレス]以外のいずれかのメニューオプションを使用することをお勧めします。
Active Directory アカウントに関連付けられていないユーザーのターゲット SMTP アドレスをプロビジョニンググループに追加するには、[電子メールアドレス]オプションを使用します。たとえば、このオプションを使用して、組織外のユーザーをグループに追加できます。このオプションを使用して、[手動ターゲット]の下に表示される既存のターゲットアドレスをグループに追加することもできます。[手動ターゲット]の下にある既存のターゲットを削除しないかぎり、Enterprise Vault はターゲットアドレスをグループのメンバーとしてプロビジョニングできません。
Active Directory ユーザーのすべての SMTP アドレスをターゲットとして含めるには、[通常の電子メールアドレスのみをターゲットにする]のチェックマークをはずします (チェックマークが付いている場合)。このオプションは、ウィザードのプロビジョニンググループプロパティの[全般]タブにあります。対象ユーザーに Active Directory の SMTP アドレスがない場合は、ターゲットが作成されますが、アーカイブは無効です。
同じ対象ユーザーが複数のプロビジョニンググループに含まれる場合、ユーザーは、最初に処理されたグループに従ってプロビジョニングされます。Enterprise Vault によるプロビジョニンググループの処理順序は変更できます。SMTP グループジャーナルと SMTP メールボックスジャーナル用のプロビジョニンググループは一緒にリストされるため、両方の種類のジャーナルに対して同じユーザーをプロビジョニングすることはできません。
マルチサイトの SMTP アーカイブ環境で一部の対象ユーザーが複数サイトに存在する場合、[通常の電子メールアドレスのみをターゲットにする]が全サイトで一貫して設定されている必要があります。
ダッシュボードを使用すると、プロビジョニンググループの SMTP 対象ユーザーをリストし、その設定の詳細を表示できます。ダッシュボードを開くには、管理コンソールのナビゲーションペインで[対象]、[SMTP]の順に選択します。
SMTP ジャーナルで SMTP グループジャーナルまたは SMTP メールボックスジャーナルを実装する場合、[選択したジャーナルのアーカイブ]設定を使用すると、対象ユーザーのメッセージを、SMTP ジャーナルアーカイブと SMTP グループ/メールボックスジャーナルアーカイブの両方にアーカイブするかどうかを制御できます。たとえば、プロビジョニングされた対象ユーザーが、自分のメッセージを一般的なジャーナルアーカイブではなくプロビジョニンググループアーカイブにのみアーカイブしたい上級マネージャだとします。この場合、値[除外]を使用して、対象ユーザーのメッセージの保存先を制限できます。
SMTP グループジャーナルまたは SMTP メールボックスジャーナルについては、SMTP サイトの詳細設定値である[選択したジャーナルのアーカイブ]を[包含]または[除外]にする必要があります。最初のプロビジョニンググループを作成する際、Enterprise Vault は[包含]に値を自動的に設定します。その後、設定値を変更しても、Enterprise Vault は自動的には更新しません。
SMTP サイト設定[選択したジャーナルのアーカイブ]の設定を参照してください。
プロビジョニンググループは、アーカイブを有効または無効にして作成できます。新しいプロビジョニンググループウィザードでは、[これらのユーザーが送受信したメッセージをアーカイブする]設定でこれが制御されます。
プロビジョニンググループに多数の対象ユーザーを追加し、そのグループ内の特定のユーザーをアーカイブから除外する場合は、アーカイブが無効なプロビジョニンググループを作成すると便利です。アーカイブが無効なプロビジョニンググループを作成し、除外するユーザーを対象として追加できます。このプロビジョニンググループが、プロビジョニンググループリストの先頭になるようにします。
プロビジョニンググループの作成後、プロビジョニンググループプロパティの[全般]タブにある[プロビジョニングされたユーザーのメッセージをアーカイブする]設定を使用して、グループメンバーのアーカイブを有効にするかどうかを制御できます。
SMTP グループジャーナルおよび SMTP メールボックスジャーナルのユーザーを設定するには、SMTP プロビジョニンググループを使用することを強くお勧めします。必要に応じ、[手動ターゲット]ノードを使用して、SMTP グループジャーナルまたは SMTP メールボックスジャーナルのターゲット SMTP アドレスを追加できます。この方法で追加するターゲットは、どのプロビジョニンググループにも関連付けられません。
SMTP ターゲットアドレスの手動での追加を参照してください。