Veritas NetBackup™ for Hyper-V 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup (8.1.1)
  1. 概要
    1.  
      Hyper-V について
    2.  
      NetBackup for Hyper-V の環境
    3.  
      バックアップに関連する Hyper-V の用語
    4.  
      Hyper-V 仮想マシンの NetBackup バックアップの基本的なフェーズ
    5.  
      NetBackup 管理者の Hyper-V 関連タスク
    6.  
      トラブルシューティングのクイックリファレンス
  2. 注意事項および前提条件
    1.  
      NetBackup for Hyper-V の前提条件
    2.  
      NetBackup for Hyper-V に関する注意事項および制限事項
    3.  
      Hyper-V 仮想マシンの表示名に対する NetBackup の文字制限
    4.  
      [VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)]オプションを使用する場合の vhd または vhdx 名と VM パスの NetBackup 文字制限
    5.  
      Linux 仮想マシンに関する注意事項
  3. Hyper-V による NetBackup 通信の設定
    1.  
      NetBackup Legacy Network Service ログオン(vnetd.exe)のドメインユーザーアカウントへの変更
    2.  
      Hyper-V リソースの使用に関するグローバル制限の設定
  4. Hyper-V 用 NetBackup ポリシーの設定
    1.  
      ポリシーの構成ウィザードからの Hyper-V ポリシーの作成
    2.  
      NetBackup のポリシーユーティリティからの Hyper-V ポリシーの作成
    3.  
      [属性 (Attributes)]タブでポリシーごとのジョブ数を制限する (Hyper-V)
    4.  
      VM がポリシーで手動で選択される場合は、仮想マシンのホスト名と表示名が一意である必要があります。
    5. [Hper-V]タブのバックアップオプション
      1.  
        最適化オプション (Hyper-V)
      2.  
        プライマリ VM 識別子オプション (Hyper-V)
      3.  
        非 VSS VM のオフラインバックアップの有効化 (VSS を使用した Hyper-V)
      4.  
        クラスタ共有ボリュームタイムアウト (VSS を使用した Hyper-V)
    6. Hyper-V - 高度な属性
      1.  
        [プロバイダ形式 (Provider Type)]構成パラメータ (VSS)
      2.  
        [スナップショット属性 (Snapshot Attribute)]構成パラメータ (VSS)
      3.  
        仮想ディスクの選択パラメータ (WMI)
      4.  
        [既存のスナップショット処理 (Existing snapshot handling)]パラメータ (WMI)
      5.  
        一貫性のレベルのパラメータ (WMI)
      6.  
        仮想ディスクの選択におけるディスクのエクスクルードオプションについて
      7.  
        仮想ディスクの選択オプション: 避けるべき例
      8.  
        ブートディスクまたはデータディスクをエクスクルードしたバックアップからのデータのリストア
    7. Hyper-V 仮想マシンの参照
      1.  
        仮想マシンのバックアップのキャッシュされた名前について
    8.  
      代替クライアントによる仮想マシンのバックアップの前提条件 (VSS)
    9.  
      代替クライアントによる仮想マシンのバックアップの構成
    10.  
      仮想マシン内の NetBackup クライアントの要件
  5. Hyper-V インテリジェントポリシーの設定
    1.  
      Hyper-V インテリジェントポリシー (バックアップのための仮想マシンの自動選択) について
    2.  
      NetBackup の問い合わせ規則の基本原則
    3.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーに関する重要な注意事項
    4.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーのための NetBackup 必要条件
    5.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーの設定: タスクの概要
    6.  
      Hyper-V 仮想マシンを選択するためのオプション
    7.  
      仮想マシンの自動選択の Hyper-V ポリシーの作成
    8.  
      基本モードでの問い合わせの編集
    9.  
      詳細モードでのクエリービルダーの使用
    10.  
      クエリーの AND と OR
    11.  
      NetBackup クエリービルダーの例
    12.  
      クエリーの IsSet 演算子
    13.  
      複数のポリシーによる仮想マシンの選択について
    14.  
      問い合わせの演算の順序 (優先度規則)
    15.  
      複合問い合わせのカッコ
    16.  
      改行文字を含む仮想マシンのメモのクエリールール
    17.  
      クエリービルダーのフィールドの参照
    18.  
      Hyper-V の[問い合わせのテスト (Test Query)]画面
    19.  
      問い合わせのテスト: 失敗した仮想マシン
    20.  
      [問い合わせのテスト (Test Query)]の結果の[選択項目 (Selecction)]列に対するプライマリ VM の識別子パラメータの効果
    21.  
      問い合わせのテストの結果の[VM 名 (VM Name)]列に対する[プライマリ VM 識別子 (Primary VM identifier)]パラメータの影響
    22.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーでバックアップを作成し、パススルーディスクを備えた VM のリストア
  6. NetBackup Hyper-V for SCVMM
    1.  
      SCVMM 環境での仮想マシンのバックアップについて
    2.  
      SCVMM を導入した NetBackup for Hyper-V の注意事項
    3.  
      ローカライズされた SCVMM 環境の VM をバックアップする問い合わせの作成
  7. Windows Server フェールオーバークラスタのサポート
    1.  
      Windows 2008、2012、および 2016 のフェールオーバークラスタ上の仮想マシンについて
    2.  
      CSV のバックアップとリストアに関する注意
    3.  
      クラスタの仮想マシンのポリシーの作成
    4.  
      リストアされた仮想マシンのクラスタ内での場所
    5. リストア後の仮想マシンの保守
      1.  
        リストア時のクラスタリソースの削除
    6.  
      VM が CSV で作成され、CSV が宛先ドライブでの再解析ポイントである場合は、Hyper-V リストアが失敗する場合があります。
  8. Hyper-V のバックアップとリストア
    1.  
      Hyper-V 仮想マシンのバックアップ
    2.  
      WMI バックアップ方式: リストアの前後における仮想マシンの状態
    3.  
      個々のファイルのリストアに関する注意事項
    4.  
      仮想マシン全体のリストアに関する注意事項
    5.  
      個々のファイルのリストアについて
    6.  
      NetBackup クライアントを備えるホストへの個々のファイルのリストア
    7.  
      個々のファイルのリストアに使用する[マークされたファイルのリストア (Restore Marked Files)]ダイアログ
    8. 仮想マシン上の共有場所への個々のファイルのリストア
      1.  
        NetBackup Client Service で仮想マシン上の共有場所へのリストアを設定する
    9.  
      Hyper-V 仮想マシン全体のリストア
    10.  
      Hyper-V の仮想マシンのリストア用[マークされたファイルのリストア (Restore Marked Files)]ダイアログボックス
    11.  
      共通ファイルのリストアについて
    12.  
      ファイルをリストアする Hyper-V VM ファイルを参照するときに BAR インターフェースに Hyper-V スナップショットファイルがリストされる場合がある
  9. アクセラレータを使用した Hyper-V のバックアップ
    1.  
      仮想マシンの NetBackup Accelerator について
    2.  
      アクセラレータ: 完全スケジュールと増分スケジュール
    3.  
      NetBackupのアクセラレータが仮想マシンとどのように連携して働くか
    4.  
      Accelerator 仮想マシンの注意および要件
    5.  
      仮想マシンのアクセラレータ強制再スキャン (スケジュールの属性)
    6.  
      アクセラレータには OptimizedImage 属性が必要
    7.  
      アクセラレータバックアップおよび NetBackup カタログ
    8.  
      バックアップジョブ詳細ログのアクセラレータメッセージ
    9.  
      仮想マシンでのアクセラレータの NetBackup ログ
    10.  
      ネットワークを介して転送されたアクセラレータバックアップのデータ量の報告について
    11.  
      NetBackup コマンド出力でのネットワーク転送されたデータとのアクセラレータのイメージサイズの置換
  10. 推奨する実施例および詳細情報
    1.  
      推奨する実施例
  11. トラブルシューティング
    1. NetBackup for Hyper-V のログとその作成方法
      1.  
        VxFI ログの有効化
      2.  
        VxMS と vhd ログの構成
      3.  
        VxMS core.log と provider.log のファイル名形式
    2. ポリシーの作成中のエラー
      1.  
        NetBackup ポリシーの検証が失敗する
    3. Hyper-V に関連する NetBackup の状態コード
      1.  
        スナップショットエラーの発生 (状態コード 156)
    4.  
      複数の仮想マシンのバックアップジョブがハングアップする
    5.  
      Windows NTFS シャドウストレージの表示またはサイズ調整
    6.  
      Hyper-V 統合コンポーネントがインストールされていない
    7.  
      LDM ボリュームと状態コード 1
    8.  
      Hyper-V スナップショット(avhd または avhdx ファイル)と状態コード 1
    9.  
      NetBackup 管理コンソールにログインできない
    10.  
      同じ CSV に存在する仮想マシンをバックアップする場合、Windows の警告 1584 は無視できる
    11.  
      代替クライアントによるバックアップの問題
    12.  
      リストアした仮想マシンの起動に失敗する
    13.  
      リストアした仮想マシンの起動時に[コンピュータが予期せずシャットダウンされた理由を選択してください (Why did the computer shut down unexpectedly?)]と表示される問題
    14.  
      個々のファイルのリストアの問題
    15.  
      仮想マシン全体のリストアの問題
    16.  
      WMI 方式を使ったバックアップ中に VM にユーザーチェックポイントが存在する場合、リストア後に VM の仮想ディスク設定を変更できない
    17.  
      WMI のディスク作成のタイムアウト値の増加
    18.  
      Linux VM と永続的なデバイス名前
  12. 付録 A. VSS バックアップ方式: Hyper-V のオンラインおよびオフラインバックアップ
    1.  
      VSS 用の Hyper-V のオンラインおよびオフラインバックアップについて
    2.  
      VSS のオンラインバックアップかオフラインバックアップかを判断する条件
    3.  
      VSS を使用したオフラインバックアップに関する追加注記
    4.  
      Hyper-V 2012 R2 仮想マシンはリストア時[オフ (Off)]状態になる場合がある
  13. 付録 B. Hyper-V パススルーディスク
    1.  
      NetBackup での Hyper-V パススルーディスクについて
    2.  
      パススルーディスクのバックアップの構成
    3.  
      Hyper-V パススルーディスクのバックアップの要件
    4.  
      Hyper-V パススルーディスクの制限事項
    5.  
      Hyper-V パススルーディスクのローカルスナップショットバックアップの構成
    6.  
      パススルーディスクの代替クライアントによるバックアップについて
    7.  
      Hyper-V パススルーディスクの代替クライアントによるバックアップの構成
    8.  
      VSS およびディスクアレイに関する重要な注意事項
  14. 付録 C. Hyper-V 仮想マシンをバックアップおよびリストアするための NetBackup コマンド
    1.  
      NetBackup コマンドを使用して Hyper-V ポリシーを作成する
    2.  
      NetBackup コマンドを使った Hyper-V インテリジェントポリシーの作成
    3.  
      Hyper-V ポリシーの bpplinfo オプション
    4.  
      Hyper-V ポリシーの問い合わせ規則を修正するための bpplinclude オプション
    5. Hyper-V に VM をリストアするための nbrestorevm の例
      1.  
        元の場所にリストアする Hyper-V の例
      2.  
        代替の場所にリストアする Hyper-V の例
    6.  
      Hyper-V 向けの nbrestorevm -R 名前変更ファイル
    7.  
      Hyper-V nbrestorevm コマンドのトラブルシューティング用メモ
    8.  
      nbrestorevm コマンドのトラブルシューティング用ログ
  15.  
    索引

リストアした仮想マシンの起動に失敗する

次の問題によって、リストアした仮想マシンを起動できないことがあります。

  • 別の Hyper-V サーバーに仮想マシンをリストアする場合、元の Hyper-V サーバーと対象のサーバーに同じ数のネットワークアダプタ (NIC) がなければ、対象のサーバー上のリストアした仮想マシンのネットワークアダプタを構成する必要があることに注意してください。これを行わないと、リストアした仮想マシンの起動に失敗し、次のようなメッセージが表示されます。

    Microsoft Synthetic Ethernet Port (Instance ID {C549AG45-5925-49C0-
    ADD2-218E70A4A1EA}): Failed to power on with Error 'The system 
    cannot find the path specified.' (0x80070003). (Virtual machine 
    5412BD43-DC85-31CB-A688-1B29CE2C57C8)
    
  • 次のすべてに該当する場合、リストアされた仮想マシンは起動に失敗することがあります。

    • 仮想マシンのバックアップ時に、仮想マシンは Hyper-V サーバー 2008 に存在していました。

    • バックアップ時に、仮想マシンは[オフ (Off)]状態ではありませんでした。

    • 仮想マシンは Hyper-V サーバー 2008 R2 にリストアされています。

    次のような Hyper-V メッセージが表示されます

    An error occurred while attempting to start the selected virtual
    machine(s). <virtual machine name> could not initialize.
    Saved state file version is incompatible.

    この場合、仮想マシンの保存された状態のファイルをリストア後に削除してから、仮想マシンを起動する必要があります。Hyper-V マネージャのインターフェースで、リストアされた仮想マシンを右クリックし、[Delete Saved State]を選択します。

  • Windows Server 2008 SP2 および Windows Server 2008 R2 での仮想マシンのリダイレクトリストア後、仮想マシンは、予期せず[保存済み (Saved)]状態になります。この仮想マシンも、起動に失敗します。仮想マシンが[オンライン (Online)]状態でバックアップされた場合、リストア後の想定される状態は[オフ (Off)]です。しかし Hyper-V のエラーが原因で、仮想マシンは、不適切に[保存済み (Saved)]状態になります。

    リストア時に、Hyper-V-VMMS によってイベント ID 12340 が書き込まれます。サンプルメッセージは次のとおりです。

    'Saved State' cannot read key '/configuration/_ba8735ef-e3a9-
    4f1b-badd-dbf3a5909915_/VideoMonitor/State' from the repository.
    Error: %%2147778581'(7864368). (Virtual machine ID 
    0AD7DFCC-BDC0-4218-B6DF-7A3BC0A734BF)
    

    Hyper-V マネージャで、リストア後に仮想マシンの保存された状態を削除してから、仮想マシンを起動する必要があります。

  • 別のボリューム GUID に差分ディスクのあるボリューム GUID で構成された仮想マシンの場合、リダイレクトリストアはサポートされません。仮想マシンの vhd または vhdx ファイルがボリューム GUID でなくドライブ文字のボリュームで構成されている場合は、リダイレクトリストアはサポートされます。

    代替場所への仮想マシンのリストアは、次のような場合に失敗することがあります。

    • 仮想マシンの vhd または vhdx ファイルが GUID ベースのボリュームにあり、かつ

    • 同じ vhd または vhdx の差分ディスクが別の GUID ベースのボリュームにある。

    この場合、代替場所に仮想マシンをリストアしようとすると失敗します。このエラーの原因は Microsoft Hyper-V ライターにあります。vhd または vhdx ファイルと他の構成ファイルが正しい場所にリストアされても、仮想マシンの登録が失敗します。 その結果、Hyper-V はリストアされた仮想マシンを起動できません。次のログのような Hyper-V ライターのイベントログが表示されることがあります。

    Failed to update the path of the parent disk for virtual 
    hard disk 'E:\restore123\Volume{D2CC1448-BCFD-11CE-96DD-
    001EC9EEF3B2}\test1\diff.vhd' for virtual machine 'test': 
    The system cannot find the path specified. (0x80070003). 
    The disk may not work properly. If you cannot start your virtual 
    machine, remove the disk and try again.(Virtual machine ID <id>)
    
    

    リストア後、新しい仮想マシンを構成し、その新しい仮想マシンに、リストアされた vhd または vhdx ファイルを接続する必要があります。 リストアされた .xml ファイルには仮想マシンの元の構成についての情報が含まれています。

  • 仮想マシンが異なる Hyper-V サーバーにリストアされると、仮想 CD または DVD ドライブの場所によって仮想マシンを再起動できない場合があります。

    次の場合に問題が発生します。

    • 元の仮想マシンに、仮想 CD ドライブまたは仮想 DVD ドライブに接続されている CD の ISO イメージが存在した。

    • 仮想マシンがリストアされた Hyper-V サーバーで、ISO イメージがバックアップ時の元の Hyper-V ホストと同じパスに存在しない。

      例: 元々、仮想マシンの仮想 DVD ドライブに E:\cd1.iso が接続されていました。 しかし、E:\cd1.iso がターゲットの Hyper-V ホストに存在しないか、または、F:\cd1.iso のように、異なる場所に存在します。いずれの場合も、リストアした仮想マシンの電源を入れることはできません。

接続された CD または DVD の問題を解決する方法

  1. Hyper-V マネージャで、リストアした仮想マシンをクリックします。
  2. [設定]をクリックします。
  3. 適切な[IDE コントローラ]で、[DVD ドライブ]をクリックします。
  4. [メディア]ペインで、CD の正しい場所を指定するか、または[なし]を選択します。