NetBackup™ for Microsoft SQL Server 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (10.4)
  1. NetBackup for SQL Server の概要
    1.  
      NetBackup for SQL Server の概要
  2. インストール
    1.  
      NetBackup for SQL Server のインストールの計画
    2.  
      NetBackup サーバーおよびクライアントの要件
    3.  
      NetBackup クラスタ内で NetBackup for SQL Server を使用するための要件
    4.  
      NetBackup for SQL Server のライセンス
  3. ホストの構成とジョブの設定
    1.  
      SQL Server ホストとユーザー権限の構成
    2.  
      vSphere 用の Veritas VSS プロバイダのインストール
    3.  
      SQL Server VSS Writer サービスの無効化
    4.  
      SQL Server のバックアップとリストアのための NetBackup サービスの設定
    5.  
      SQL Server のローカルセキュリティの権限の構成
    6.  
      自動検出されたマッピングの確認
    7.  
      分散アプリケーション、クラスタ、または仮想マシンのリストアマッピングの設定
    8.  
      ODBC 接続の構成
    9.  
      非表示の NetBackup for SQL Server の読み取り不可セカンダリインスタンスの構成
    10.  
      SQL Server エージェントのプライマリサーバーホスト名の構成
    11.  
      バックアップ操作を許可するジョブ数の設定
    12.  
      1 クライアントあたりの最大ジョブ数の構成
  4. SQL Server インテリジェントポリシーを使用した SQL Server オブジェクトの管理
    1.  
      アプリケーションユーティリティについて
    2. SQL Server オブジェクトの検出について
      1.  
        インスタンスのオンデマンドの検出
      2.  
        高度可用性グループまたは基本可用性グループのオンデマンドの検出
      3.  
        読み取りスケール可用性グループの検出
    3. SQL Server インスタンスと可用性レプリカの登録について
      1.  
        SQL Server のクレデンシャルについて
      2.  
        SQL Server インスタンスまたは可用性レプリカの登録
      3. インスタンスグループへのインスタンスまたは可用性レプリカの登録
        1.  
          インスタンスグループへのインスタンスまたは可用性レプリカの追加
        2.  
          インスタンスグループのクレデンシャルの検証
      4.  
        インスタンスまたは可用性レプリカの自動登録
      5.  
        nbsqladm コマンドを使用して、インスタンスまたは可用性レプリカを登録することを DBA に承認する
    4.  
      アプリケーションユーティリティからの SQL Server オブジェクトの削除
    5.  
      SQL Server インスタンスの手動での追加
    6.  
      インスタンスの有効化または無効化
    7.  
      インスタンスのクリーンアップ
  5. SQL Server インテリジェントポリシーを使用したバックアップの設定
    1.  
      SQL Server インテリジェントポリシーについて
    2.  
      SQL Server インテリジェントポリシーの作成
    3.  
      ポリシー属性について
    4.  
      スケジュールプロパティについて
    5.  
      SQL Server インテリジェントポリシーのスケジュールバックアップ形式
    6.  
      ポリシーへのインスタンスの追加
    7.  
      ポリシーへのデータベースの追加
    8.  
      バックアップ対象リストへのファイルグループまたはファイルの追加
    9.  
      バックアップ対象リストへのファイルまたはファイルグループの追加
    10.  
      インスタンスグループをバックアップポリシーに追加
    11. SQL Server バックアップの調整パラメータについて
      1.  
        SQL Server マルチストライプバックアップの構成
    12.  
      読み取り専用ファイルグループのバックアップ
    13.  
      読み書き可能なファイルグループのバックアップ
  6. SQL Server のリストアの実行
    1.  
      NetBackup MS SQL Client の初回の起動
    2.  
      SQL Server ホストおよびインスタンスの選択
    3.  
      SQL Server バックアップイメージの表示
    4.  
      NetBackup for SQL Server のオプション
    5.  
      SQL Server データベースのバックアップのリストア
    6.  
      SQL Server データベースの完全復旧の実行
    7.  
      SQL Server ファイルグループのバックアップのリストア
    8.  
      読み書き可能なファイルグループバックアップからの SQL Server データベースのリカバリ
    9.  
      SQL Server 読み取り専用ファイルグループのリストア
    10.  
      SQL Server データベースファイルのリストア
    11.  
      完全復旧を実行しない SQL Server トランザクションログイメージのリストア
    12.  
      SQL Server データベースの移動
    13.  
      SQL Server のページレベルのリストアの実行について
    14.  
      リダイレクトリストアの権限の構成
    15. 代替ホストへの SQL Server データベースのリダイレクト
      1.  
        プライマリサーバーの選択について
    16.  
      リモート SQL Server インストール上でのリストアの実行
    17.  
      複数ストリームの SQL Server バックアップのリストア
    18.  
      bplist を使った SQL Server バックアップの取得について
    19.  
      NetBackup for SQL Server のバックアップ名について
  7. VMware バックアップを使用した SQL Server データの保護
    1. VMware バックアップを使用したアプリケーションデータベースの保護について
      1.  
        VMware アプリケーションバックアップの制限事項
    2.  
      SQL Server を保護する NetBackup for VMware バックアップの構成について
    3.  
      SQL Server を保護する VMware バックアップの NetBackup サービスの設定
    4.  
      SQL Server を保護する VMware バックアップポリシーの構成
    5.  
      スナップショットレプリケーションの管理に Replication Director を使用して SQL Server を保護するための VMware ポリシーの構成
    6.  
      VMware バックアップからの SQL Server データベースのリストア
  8. Snapshot Client を使用したバックアップの設定
    1.  
      SQL Server 用の NetBackup Snapshot Client について
    2.  
      Snapshot Client を使用した SQL Server の操作
    3.  
      スナップショット方式
    4.  
      SQL Server スナップショットおよびインスタントリカバリバックアップの構成要件
    5.  
      SQL Server のスナップショットポリシーの構成
    6.  
      SQL Server のインスタントリカバリバックアップ用のポリシーの構成
    7. コピーのみのスナップショットバックアップによる差分バックアップの影響
      1.  
        コピーのみのバックアップの作成 (レガシー SQL Server ポリシー)
      2.  
        コピーのみではないインスタントリカバリバックアップの作成(レガシー SQL Server ポリシー)
    8. SQL Server エージェントのグループ化スナップショットについて
      1.  
        グループ化バックアップされたデータベースのリストア
  9. SQL Server 可用性グループの保護
    1.  
      SQL Server 可用性グループの保護について
    2. インテリジェントポリシーを使用した SQL Server 可用性グループの保護
      1.  
        SQL Server 可用性グループを保護するための前提条件
      2. SQL Server 可用性グループを保護するためのバックアップポリシーの構成
        1.  
          ポリシーへの可用性グループの追加
        2.  
          ポリシーへの可用性データベースの追加
        3.  
          可用性データベースのファイルグループまたはファイルのバックアップ選択リストへの追加
    3. レガシーポリシーを使用した SQL Server 可用性グループの保護
      1. SQL Server 可用性グループの優先レプリカの保護について (レガシーバックアップポリシー)
        1.  
          SQL Server 可用性グループを保護するための前提条件
        2.  
          SQL Server 可用性グループの優先レプリカまたはプライマリレプリカの自動バックアップポリシーの構成
        3.  
          優先レプリカまたはプライマリレプリカを保護するポリシーのバッチファイルの作成
        4.  
          優先レプリカまたはプライマリレプリカを保護するポリシーへのバッチファイルの追加
      2. SQL Server 可用性グループの特定のノードの保護について (レガシーバックアップポリシー)
        1.  
          SQL Server 可用性グループの特定のレプリカに対する自動バックアップポリシーの構成
        2.  
          可用性グループの特定の可用性レプリカを保護するポリシーのためのバッチファイルの作成
        3.  
          可用性グループの特定のレプリカを保護するポリシーのためのバッチファイルの追加
    4.  
      NetBackup ドメインをまたぐ SQL Server 可用性グループの保護
    5.  
      SQL Server 可用性グループのバックアップイメージの参照
    6.  
      SQL Server 可用性データベースのセカンダリレプリカへのリストア
    7.  
      SQL Server 可用性データベースのプライマリとセカンダリレプリカへのリストア
    8.  
      可用性グループが複数の NetBackup ドメインにわたる場合の可用性データベースのリストア
  10. クラスタ環境での SQL Server の保護
    1.  
      クラスタ化された SQL Server インスタンスのバックアップの設定 (SQL Server インテリジェントポリシー)
    2.  
      クラスタ化された SQL Server インスタンスのバックアップの設定 (SQL Server レガシーポリシー)
    3.  
      仮想 SQL Server インスタンスのリストアの実行
  11. クライアントとバッチファイルを使用した SQL Server レガシーポリシーでのバックアップの設定
    1.  
      SQL Server のレガシーポリシーについて
    2.  
      SQL Server レガシーポリシーを使用するバックアップの設定について
    3.  
      SQL Server のバックアップとリストアのための NetBackup サービスの設定 (レガシー SQL Server ポリシー)
    4.  
      NetBackup レガシーバックアップポリシーのある SQL Server セキュリティについて
    5. NetBackup for SQL Server でのバッチファイルの使用について
      1.  
        バッチファイルで使用するキーワードおよび値
      2.  
        バッチファイルの作成
      3.  
        バッチファイルの実行
    6.  
      新しい SQL Server レガシーポリシーの追加
    7. スケジュールプロパティについて
      1.  
        レガシーポリシーのバックアップ形式
      2.  
        完全バックアップへの差分バックアップの変換
      3.  
        アプリケーションバックアップスケジュールの構成
      4.  
        アプリケーションバックアップスケジュールの例
      5.  
        自動バックアップスケジュールの構成
      6.  
        自動バックアップスケジュールの例
    8.  
      ポリシーへのクライアントの追加
    9.  
      バックアップ対象リストへのバッチファイルの追加
    10.  
      SQL Server ホストおよびインスタンスの選択
    11.  
      SQL Server バックアップ操作のオプション
    12.  
      バックアップ用に選択されたオブジェクトのプロパティの表示について
    13. SQL Server データベースのユーザー主導型バックアップの実行
      1.  
        SQL Server トランザクションログのユーザー主導型バックアップの実行
      2.  
        SQL Server データベースファイルグループのユーザー主導型バックアップの実行
      3. 読み取り専用ファイルグループのユーザー主導型バックアップの実行
        1.  
          SQL Server 読み取り専用バックアップセットの表示
      4.  
        読み書き可能なファイルグループのユーザー主導型バックアップの実行
      5.  
        SQL Server データベースファイルのユーザー主導型バックアップの実行
      6.  
        部分的なデータベースのバックアップの実行
    14.  
      リモート SQL Server インストールのバックアップの実行
    15.  
      失敗した SQL Server バックアップの自動再試行について
  12. 複数の NIC を備えている場合の NetBackup for SQL Server の使用
    1.  
      複数の NIC を備えている場合の SQL Server バックアップの設定について
    2.  
      プライベートインターフェース名を使った NetBackup クライアントの構成
    3.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server のバックアップを設定する (SQL Server インテリジェントポリシー)
    4.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server のバックアップを設定する (SQL Server レガシーポリシー)
    5.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server のリストアを実行する
    6.  
      複数の NIC が存在する場合に SQL Server クラスタのバックアップを設定する (SQL Server インテリジェントポリシー)
    7.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server クラスタのバックアップを設定する (SQL Server レガシーポリシー)
    8.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server クラスタのバックアップ用バッチファイルを作成する (SQL Server レガシーポリシー)
    9.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server クラスタのリストアを実行する
  13. 処理速度とトラブルシューティング
    1.  
      NetBackup for SQL Server のコンポーネント
    2.  
      NetBackup for SQL Server でのデータベースのバックアップ方法
    3.  
      NetBackup for SQL Server でのデータベースのリカバリ方法
    4.  
      手動バックアップの実行
    5. SQL Server のトラブルシューティング用のデバッグログについて
      1.  
        NetBackup for SQL Server クライアントのデバッグレベルの設定
      2.  
        Veritas VSS プロバイダのログ
    6.  
      NetBackup for SQL Server のパフォーマンスに影響を与える要素
    7.  
      NetBackup for SQL Server の操作の監視について
    8.  
      NetBackup for SQL Server の最大トレースレベルの設定
    9.  
      クレデンシャルの検証に関するトラブルシューティング
    10.  
      失敗したファイルグループまたはファイルバックアップのレポート
    11.  
      大規模な SQL Server データベースのリストアにおけるタイムアウトエラーの最小化について
    12.  
      VMware のバックアップに関するトラブルシューティング
    13.  
      SQL Server の VMware バックアップ中に発生する SQL Server のログの切り捨てエラー
    14.  
      SQL Server の圧縮バックアップイメージを単一のストライプとして、または複数のストライプを含むイメージとしてリストアすると、SQL Server のリストアが失敗する
    15.  
      可用性グループクラスタに不正なバックアップイメージが表示される
    16.  
      SQL Server のホスト名または SQL Server データベース名の末尾にスペースがあると SQL Server データベースのリストアは状態コード 5 またはエラー (-1) で失敗する
    17.  
      SQL Server のホスト名、データベース名、データベース論理名の末尾にスペースがあると移動操作は状態コード 5 またはエラー (-1) で失敗する
    18.  
      可用性グループのレプリカを検出または参照できない
    19. SQL Server のディザスタリカバリについて
      1.  
        SQL Server のディザスタリカバリの準備
      2.  
        ディザスタリカバリの後の SQL Server のデータベースのリカバリ
  14. 付録 A. その他の設定
    1.  
      SQL Server 多重バックアップの構成
    2.  
      多重化された SQL Server バックアップのリストア
    3. SAP 環境での SQL Server バックアップおよびリストアについて
      1. SAP 環境での SQL Server の自動バックアップ用バッチファイルの作成
        1.  
          データベースバックアップのバッチファイルの作成
        2.  
          トランザクションログのバックアップのバッチファイルの作成
      2.  
        SQL Server でのバックアップの監視
      3. R/3 データベースのリストア
        1.  
          リストア操作への差分バックアップの組み込みについて
        2.  
          ディスククラッシュ後の R/3 データベースのリストア
        3.  
          データベースバックアップおよびトランザクションログのバックアップのリストア
      4.  
        SAP 環境での SQL Server のポリシー構成について
    4.  
      データベースログ配布をサポートするための NetBackup の構成
    5.  
      ログ配布が設定された環境での SQL Server のバックアップ
    6. NetBackup for SQL Server のデータベースミラーリング機能について
      1.  
        データベースミラーリングをサポートするための NetBackup の設定
      2.  
        ミラー化されたパートナーの同時バックアップの実行
      3.  
        ミラーリングされたデータベースのバックアップイメージのリストア
  15. 付録 B. 承認を受けた場所の登録
    1.  
      NetBackup データベースのスクリプトベースポリシーで使用する承認を受けた場所の登録

NetBackup for SQL Server のパフォーマンスに影響を与える要素

SQL Server や NetBackup のハードウェア環境と設定を含む多くの要因が、バックアップのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

メモ:

次に示す要因の一部は、SQL Server のストリームベースの処理にのみ該当し、スナップショットバックアップまたはリストアには影響しません。

SQL Server インテリジェントポリシーの場合は、これらのパラメータを[Microsoft SQL Server]タブでポリシーに設定します。バックアップバッチファイル (レガシー SQL Server ポリシー) またはリストアバッチファイルの場合は、NetBackup MS SQL Client インターフェースでこれらのパラメータを設定します。NetBackup クライアントプロパティのこれらのパラメータを保存してセッションで使います。

SQL Server のバッファ領域パラメータ

[最大転送サイズ (Maximum transfer size)]、[バックアップするブロックサイズ (Backup block size)]、[ストライプあたりのクライアントバッファ (Client buffers per stripe)]によって、SQL Server のバッファ領域が増加する可能性があります。SQL Server にはこれらの値の増加をサポートするために利用可能なリソースが必要です。バッファ領域パラメータは、ストリームベースのバックアップのためにのみ適用可能です。

[最大転送サイズ (Maximum transfer size)]パラメータは、各バックアップ操作またはリストア操作に対して設定できます。[最大転送サイズ (Maximum transfer size)]は、SQL Server でバックアップイメージの読み取りおよび書き込みに使用されるバッファサイズです。通常、この値を大きくすると、SQL Server のパフォーマンスが向上します。

[バックアップするブロックサイズ (Backup block size)]パラメータは、各バックアップ操作に対して設定できます。リストアに対しては、NetBackup によって、バックアップに使用したサイズと同じサイズが自動的に選択されます。[バックアップするブロックサイズ (Backup block size)]は、SQL Server でバックアップイメージの読み取りおよび書き込みに使用される増分サイズです。

[ストライプあたりのクライアントバッファ (Client buffers per stripe)]によって、バックアップ操作またはリストア操作時に各データストリームの読み込みまたは書き込みのために割り当てるバッファ数が決定されます。この要素を 1 より大きい値に設定すると、データ転送時のマルチバッファが有効になります。より多くのバッファ数を割り当てることによって、NetBackup から NetBackup メディアサーバーへのデータ送信を高速化できます。マルチバッファは、バックアップまたはリストア操作中に Producer-Consumer で短期的な不均衡が発生するのを防ぎます。バッファ数には 32 まで設定できますが、通常は値を 2 または 3 に設定すれば十分です。

ストライプと並列バックアップ操作

データベースのサイズと数によっては、バックアップストライプまたは並列バックアップ操作の値を増やすとパフォーマンスとスループットが向上します。

ストライプを設定するために SQL Server エージェントに追加のオーバーヘッドが必要になったとしても、パフォーマンスの向上のほうが重要な大規模データベースでは、複数のストライプ ([バックアップストライプ数 (Number of backup stripes)]) が役立ちます。より小さい規模のデータベースについては、ストライプの使用によってパフォーマンス速度が低下する可能性があります。一般に、SQL Server インスタンスに少数の大規模データベースしかない場合は、ストライプの使用によってパフォーマンスは改善します。インスタンスに多数の小規模データベースがある場合は、[並列バックアップ操作 (Parallel backup operations)]の量を増加することが、パフォーマンスを改善するにはよりよい選択です。ストライプおよび並列バックアップ操作の両方を同時に高めることができますが、システムリソースにかかる負荷が高くなりすぎないように注意します。

バックアップ操作を許可するジョブ数の設定を参照してください。

注意:

ポリシーが複数のストライプを使用するようにも構成されている場合、スケジュールの多重化を有効にしないでください。1 つのバックアップポリシーに対して多重化と複数のストライプの両方が構成されていると、リストアに失敗します。

共有メモリの使用

最適なパフォーマンスを得るには、NetBackup サーバーを NetBackup for SQL Server と同じホスト上にインストールしてください。データの転送にソケットではなく共有メモリを使った場合にも最適化されます。install_path\NetBackup\NOSHM ファイルを作成しないかぎり、共有メモリはデフォルト構成です。

代替バッファ方式

NetBackup for SQL Server では、代替バッファ方式をサポートしています。この方式では、NetBackup と SQL Server 間でデータを転送することなく、同じメモリバッファを共有できるようにすることで、CPU の使用が最適化されます。

通常、バックアップおよびリストアの代替バッファ方式では、CPU 使用率のみが改善され、データ転送速度は向上しません。代替バッファ方式の使用中、転送速度が大幅に低下する場合があります。転送速度を上げるには、バックアップの[最大転送サイズ (Maximum transfer size)]を最大値である 4 MB に設定します。

バックアップ操作での代替バッファ方式について

次のすべての条件に当てはまる場合、この方式がバックアップに対して自動的に選択されます。

  • NetBackup 共有メモリが使用されている。

  • バックアップがストリームベースである。

  • バックアップが多重化されていない。

  • バックアップポリシーで、NetBackup 圧縮または NetBackup 暗号化のどちらも指定されていない。

  • NetBackup のバッファサイズと SQL Server のブロックサイズが同じである。

    NetBackup のバッファサイズのデフォルトは 64 KB ですが、この値は次の設定で変更できます。

    install_path\NetBackup\db\config\SIZE_DATA_BUFFERS (テープバックアップ用) または

    install_path\NetBackup\db\config\SIZE_DATA_BUFFERS_DISK (ディスクバックアップ用)

  • NetBackup for SQL Server エージェントを、NetBackup Client Service と同じアカウントを使用して起動している。

    自動バックアップポリシーから開始されたバックアップは、NetBackup Client Service で開始されるため、同じアカウントが使用されます。ただし、NetBackup for SQL Server または dbbackex を介して SQL Server バックアップを開始できます。この場合、ログオンアカウントが NetBackup Client Service アカウントと同じである必要があります。その後、バックアップは代替バッファ方式で行うことができます。

リストア操作での代替バッファ方式について

バックアップの条件として、代替バッファ方式を使用する必要があります。リストアの場合も、バックアップが代替バッファ方式で行われている必要があります。代替バッファ方式が使用されたことを検証できます。Using alternate buffer method という文字列を検索します。これは、dbclient ログおよび進捗レポートに表示されます。

SQL Server チェックサム

バックアップを実行する前に、チェックサムを実行することを選択できます。このオプションを有効にすると、バックアップ操作またはリストア操作でパフォーマンスが低下します。

レガシーバックアップポリシーの場合は、スクリプトを作成するときに[ページ検証 (Page verification)]値を設定します。リストアスクリプトの場合は、スクリプトの作成時に[リストアは実行せずに、バックアップイメージを検証 (Verify backup image, but do not restore)]オプションを選択します。

インスタントデータファイルの初期化

データベース、ファイルグループまたはデータベースファイルをリストアする場合、SQL Server によってファイル領域がゼロにリセットされてからリストア操作が開始されます。この処理によって、リカバリ時間の合計が 2 倍になる可能性があります。ファイルの初期化を回避するには、SE_MANAGE_VOLUME_NAME に割り当てられた Windows アカウントで MSSQLSERVER サービスを実行します。詳しくは、SQL Server と Windows のマニュアルを参照してください。

読み書き可能なファイルグループと読み取り専用ファイルグループの使用

読み書き可能なファイルグループのみを定期的にバックアップした場合、必要なバックアップ時間およびストレージメディアを大幅に削減できます。その場合、読み取り専用ファイルグループのバックアップを 1 つだけ保持します。これは無制限に保持されます。スケジュールの保持レベルを設定できます。