Veritas NetBackup™ コマンドリファレンスガイド
- 概要
- 付録 A. NetBackup コマンド
名前
vltcontainers — コンテナへのボリュームの論理的な移動
概要
vltcontainers -run [-rn robot_number]
vltcontainers -run -usingbarcodes [-rn robot_number]
vltcontainers -run -vltcid container_id -vault vault_name -sessionid session_id
vltcontainers -run -vltcid container_id -f file_name [-rn robot_number] [-usingbarcodes]
vltcontainers -view [-vltcid container_id]
vltcontainers -change -vltcid container_id -rd return_date
vltcontainers -delete -vltcid container_id
vltcontainers -version
On UNIX systems, the directory path to this command is /usr/openv/netbackup/bin/
On Windows systems, the directory path to this command is install_path\NetBackup\bin\
説明
vltcontainers を実行すると、1 つ以上の Vault セッションから取り出されたメディアがコンテナに論理的に追加されます。オフサイト (保管先) に移動されるコンテナ、またはすでにオフサイト Vault に存在するコンテナの返却日を表示、設定または変更することもできます。また、vltcontainers では、NetBackup カタログおよび Media Manager カタログからコンテナを削除できます。
次のようにしてメディア ID をコンテナに追加できます。
キーボードを使用してコンテナ ID とメディア ID を入力します。
キーボードインターフェースバーコードリーダーを使用してコンテナ ID とメディア ID をスキャンします。キーボードインターフェースリーダーは、キーボードとコンピュータのキーボードポートの間に接続され、キーボードウェッジリーダーとも呼ばれます。
1 つのコンテナに追加するすべてのメディアのメディア ID またはそれに相当するバーコードの数値が指定された入力ファイルを使用します。複数のコンテナにメディアを追加するには、キーボードまたはキーボードインターフェースバーコードリーダーを使用して ID を入力します。または、vltcontainers コマンドを再度実行して、別のコンテナオプションとファイル名オプションを指定します。
特定のセッションによって取り出されたすべてのメディアを 1 つのコンテナに追加します。1 つの取り出しセッションから複数のコンテナにメディアを追加するには、キーボードまたはキーボードインターフェースバーコードリーダーを使用して ID を入力します。
NetBackup コマンドの日時の値に求められる形式は、使用しているロケールによって異なります。/usr/openv/msg/.conf
ファイル (UNIX) と install_path\VERITAS\msg\LC.CONF
ファイル (Windows) はそれぞれのサポート対象ロケールの日時形式などの情報を含んでいます。これらのファイルには、サポートされているロケールおよび書式のリストを追加および変更するための、具体的な方法が含まれています。
詳しくは、『NetBackup 管理者ガイド Vol. 2』の「NetBackup インストールのロケールの指定について」のトピックを参照してください。
vltcontainers コマンドは、Vault のライセンスを取得している NetBackup マスターサーバーから実行します。
すべてのユーザーによる書き込みを許可して、次のディレクトリを作成した場合、vltcontainers を実行すると、log.DDMMYY という名前 (DDMMYY は現在の日付) の日次デバッグログファイルの書き込みが行われます。
UNIX システムの場合: usr/openv/netbackup/logs/vault
Windows システムの場合: install_path\netbackup\logs\vault
このファイルに書き込みを行うすべての実行可能ファイルが管理者 (Administrator) またはルートユーザーによって実行されるわけではないため、すべてのユーザーによる書き込みを許可する必要があります。
オプション
- -change
このオプションを指定すると、コンテナのデフォルトの返却日が変更されます。コンテナのデフォルトの返却日は、最後に返却されるコンテナ内のボリュームの日付です。-vltcid container_id オプションが必要です。
- -delete
このオプションを指定すると、NetBackup カタログおよび Media Manager カタログからコンテナレコードが削除されます。コンテナを削除できるのは、コンテナ内にメディアが存在しない場合だけです。
- -f file_name
このオプションでは、メディア ID を読み込むファイルを指定します。ファイルに一覧表示されたすべてのメディアが、-vltcid オプションで指定したコンテナに追加されます。ファイルには、メディア ID (1 行に 1 つ) を直接入力することができます。またはそれに相当するバーコードの数値 (1 行に 1 つ) をバーコードリーダーでスキャンして指定することができます。
- -rd return_date
このオプションでは、コンテナの返却日を指定します。
返却日の形式は、ロケール設定によって異なります。
- -rn robot_number
このオプションでは、vltcontainers コマンドによってメディア情報を取得する必要がある EMM サーバーを判別するために使用するロボットを指定します。-rn robot_number を使用しない場合、マスターサーバーが EMM サーバーと見なされます。コンテナに追加できるのは、EMM サーバー上のデータベース内にあるメディアだけです。
- -run
このオプションを指定すると、コンテナにメディアが論理的に追加されます。他のオプションを指定しない場合は、キーボードを使用してコンテナ ID とメディア ID を入力する必要があります。コンテナ ID およびメディア ID のスキャンにバーコードリーダーを使用するには、-usingbarcodes オプションを指定します。特定のセッションによって取り出されたメディアを追加するには、-vault vault_name および -sessionid session_id オプションを指定します。ファイルで指定されているメディアを追加するには、-f file_name オプションを指定します。マスターサーバー以外の EMM サーバーを指定するには、-rn robot_number オプションを指定します。
- -sessionid session_id
このオプションでは、vault セッションの ID を指定します。指定したセッションによって取り出されたすべてのメディアが -vltcid オプションで指定したコンテナに追加されます。
- -usingbarcodes
キーボードインターフェースのバーコードリーダーを使ってコンテナ ID とメディア ID をスキャンするか、または -f file_name で指定したファイル内のバーコードの数値を使うことを指定します。キーボードインターフェースバーコードリーダー (キーボードウェッジバーコードリーダーとも呼ばれる) は、キーボードとコンピュータのキーボードポートの間に接続されます。
- -vault vault_name
このオプションでは、メディアを取り出したプロファイルが属する Vault 名を指定します。また、コンテナに追加するメディアを取り出したセッションの ID (-sessionid) も指定する必要があります。
- -version
このオプションを指定すると、vltcontainers のバージョンが表示されます。
- -view [-vltcid container_id]
このオプションを指定すると、すべてのコンテナに割り当てられた返却日が表示されます。特定のコンテナの返却日を表示するには、-vltcid container_id オプションおよび引数を使用します。
- -vltcid container_id
このオプションでは、コンテナ ID を指定します。コンテナ ID には、29 文字以内の英数字 (空白なし) の文字列を指定します。コンテナの返却日を変更するには、-rd return_date オプションおよび引数が必要です。
例
例 1 -次のコマンドを使って以下を実行します。
ロボット番号 0 から取り出されたボリュームをコンテナに追加する。
バーコードリーダーを使用してコンテナ ID とメディア ID をスキャンする。
# vltcontainers -run -usingbarcodes -rn 0
例 2 - コンテナ ABC123 の返却日を表示します。
# vltcontainers -view -vltcid ABC123
例 3 - コンテナ ABC123 の返却日を 2012 年 12 月 7 日に変更します。
# vltcontainers -change -vltcid ABC123 -rd 12/07/2012
例 4 - 次のコマンドを実行して、NetBackup カタログおよび Media Manager カタログからコンテナ ABC123 を削除します。
# vltcontainers -delete -vltcid ABC123
例 5 - 次のコマンドを実行して、Vault の名前が MyVault_Cntr のセッション 4 によって取り出されたすべてのメディアをコンテナ ABC123 に追加します。
# vltcontainers -run -vltcid ABC123 -vault MyVault_Cntr -sessionid 4
例 6 - ロボット番号 0 から取り出された medialist
ファイルにリストされたメディアを、コンテナ ABC123 に追加します。
UNIX システムの場合:
# vltcontainers -run -vltcid ABC123 -f /home/jack/medialist -rn 0
Windows システムの場合:
# vltcontainers -run -vltcid ABC123 -f C:\home\jack\medialist -rn 0
例 7 -次のコマンドを使って以下を実行します。
マスターサーバーに接続されているロボットから取り出されたメディアをコンテナ ABC123 に追加する
そのメディアのバーコードを
medialist
ファイルから読み込む
UNIX systems: # vltcontainers -run -vltcid ABC123 -f /home/jack/medialist -usingbarcodes
Windows systems: # vltcontainers -run -vltcid ABC123 -f C:\home\jack\medialist -usingbarcodes
戻り値
Vault は、255 より大きい状態コードで終了する場合があります。このような状態コードは、拡張終了状態コードと呼ばれます。この場合、システムに戻される終了状態は 252 です。実際の終了状態は標準エラー出力 (stderr) に[EXIT status = exit status]という形式で書き込まれます。
拡張終了状態の値については、『NetBackup トラブルシューティングガイド』および『NetBackup トラブルシューティングウィザード』を参照してください。
ファイル
UNIX システムの場合:
/usr/openv/netbackup/vault/sessions/cntrDB /usr/openv/netbackup/db/vault/vault.xml /usr/openv/netbackup/logs/vault
Windows システムの場合:
install_path\NetBackup\vault\sessions\cntrDB install_path\NetBackup\db\vault\vault.xml install_path\NetBackup\logs\vault