Linux 用 NetBackup IT Analytics インストールとアップグレードガイド
- インストールの概要
- Linux サーバーでの NetBackup IT Analytics のインストール
- Linux での NetBackup IT Analytics ポータルのアップグレード
- 新しいサーバーへのアップグレードと移行
- 付録 A. X Virtual Frame Buffer
- 付録 B. データベースサーバーの Oracle パッチ
手順 3: ポータルとデータベースの前提条件
ポータルサーバーを選択します。NetBackup IT Analytics ポータルソフトウェアを独自の専用サーバーにインストールします。パフォーマンス上の理由により、NetBackup IT Analytics ポータルソフトウェアは、Data Collector と同じサーバーにインストールしないでください。ポータルソフトウェアのインストールタスクには、root 権限が必要です。
新規ポータルインストールの場合、最小サーバーメモリ要件は 32 GB です。Oracle Database には、最低 24 GB のメモリが必要です。ポータルサーバーで十分なメモリリソースが利用できない場合、ポータルのインストールは失敗します。
Oracle サーバーには、次のメモリ要件があります。
物理メモリの合計 (物理 + 仮想) は 24 GB を超える必要があります。これを超えていないと、Oracle は起動に失敗します。ポータルサーバーに物理メモリを追加します。
一時ファイルシステム (tmpfs) メモリの合計は、24 GB 以上である必要があります。これより少ないと、Oracle は起動に失敗します。通常は
/etc/fstab
にある tmpfs のサイズを増やします。共有メモリ (kernel.shmmax パラメータ) は 12 GB 以上である必要があります。これより少ないと、Oracle は起動に失敗します。通常 /etc/sysctl.conf で shmmax パラメータの値を増やします。shmmax パラメータの値を増やした後で、sysctl -p を実行します。
16 GB 以上のスワップ領域を作成する必要があります。
ポータルサーバーの OS を確認します。OS が、『認定構成ガイド』に記載された認定オペレーティングシステムの 1 つであることを確認します。
指定されたポータルサーバーに十分な空きディスク容量があることを確認します。データベースファイルシステムの場合、指定された量は、データベースを作成するための最低量です。データベースのサイズは、時間が経つにつれて増加します。データベースの増加は、データが収集されるサブシステム、データを収集するシステムの種類、データの保持期間 (設定可能) など、さまざまな要因によって異なります。
NetBackup IT Analytics では、バイナリとデータベースファイルをファイルシステムのカスタムの場所にインストールすることがサポートされています。デフォルトでは、バイナリは
/opt
にインストールされ、データベースファイルは/data01
から/data06
までのフォルダに作成されます。デフォルトのパスにインストールする場合、ファイルシステムの容量要件は次のとおりです。ファイル
システム/
ディレクトリ
最小値
ディスク容量
推奨ディスク容量
DB 増加を考慮した最大ディスク容量
注意
/opt
20 GiB
50 GB
50 GB
/tmp
2 GiB
2 GiB
10 GiB
ユーザー aptare が
/tmp
と/var/tmp
の両方に書き込み可能である必要があります。/data01
50 GiB
100 GiB
750 GiB
データ表領域とインデックス表領域に必要です。
/data02
50 GiB
100 GiB
750 GiB
データ表領域とインデックス表領域に必要です。
/data03
90 GiB
250 GiB
1800 GiB
データ表領域とインデックス表領域に必要です。
/data04
65 GiB
65 GiB
65 GiB
一時テーブル領域
/data05
45 GiB
45 GiB
45 GiB
一時テーブル領域 (元に戻すログ)
/data06
5 GiB
5 GiB
5 GiB
一時テーブル領域 (やり直しログ)
カスタムパスにインストールする場合、ファイルおよび容量要件は次のとおりです。
<install_path>
(ポータルのカスタムインストールパス)
20 GiB
30 GiB
30 GiB
/tmp
2 GiB
2 GiB
10 GiB
ユーザー aptare が
/tmp
と/var/tmp
の両方に書き込み可能である必要があります。<install_path>
(データベースのカスタムインストールパス)
305 GiB
565 GiB
3,445 GiB
分割アーキテクチャでカスタムパスにインストールする場合、ファイルおよび容量要件は次のとおりです。
/opt/aptare (データベースサーバー上の Oracle 用 install_path)
10 GiB
30 GiB
30 GiB
/opt (ポータルサーバー上のポータル用 install_path)
10 GiB
30 GiB
30 GiB
/tmp
2 GiB
2 GiB
10 GiB
ユーザー aptare が /tmp と /var/tmp の両方に書き込み可能である必要があります。
/data01
/data02
/data03
/data04
/data05
/data06
300 GiB
560 GiB
3,400 GiB
サードパーティソフトウェアの詳細を確認します。
サポート対象のサードパーティ製品とオープンソース製品を参照してください。
レポートを PDF ファイルとしてエクスポートする、または電子メールで送信する場合、これらの出力形式が適切にレンダリングされるようにするには、Xvfb (X Virtual Frame Buffer) などのグラフィックマネージャが必要です。この機能を構成するには、IT 部門にお問い合わせください。Xvfb (X Virtual Frame Buffer) の構成を参照してください。
rpm fontconfig がインストールされていることを確認します。これは、ポータルインストーラで必要です。fontconfig は、システム全体のフォント構成、カスタマイズ、アプリケーションアクセスを提供するように設計されたライブラリです。rpm fontconfig がインストールされていない場合は、XLS および PDF 形式へのレポートのエクスポートが失敗します。
ポータルシステムのエントロピーが低い場合、暗号化機能のパフォーマンスに影響が生じることがあり、それらの手順を完了するのにかなりの時間がかかることがあります。コマンド # cat /proc/sys/kernel/random/entropy_avail を使用して、
/proc/sys/kernel/random/entropy_avail
ファイルの内容からシステムのエントロピーレベルを特定することができます。この値が常に 400 を超えていない場合は、rng-tools をインストールし、以下に説明されているサービスをポータルシステムで開始してください。RHEL または OEL の場合:
コマンドプロンプトにアクセスします。
rng-tools をインストールします。
yum install rng-tools
サービスを起動します。
systemctl start rngd
サービスを有効にします。
systemctl enable rngd
SUSE の場合:
コマンドプロンプトにアクセスします。
rng-tools をインストールします。
zypper install rng-tools
サービスを起動します。
systemctl start rng-tools
サービスを有効にします。
systemctl enable rng-tools
OS に基づいて、必要な rpm がシステムに存在する必要があります。
RHEL 9 の場合は、次のコマンドを使用します。
rpm -q bc binutils compat-openssl11 elfutils-libelf fontconfig gcc glibc glibc-devel ksh libaio libasan liblsan libX11 libXau libXi libXrender libXtst libxcrypt-compat libgcc libibverbs libnsl librdmacm libstdc++ libxcb libvirt-libs make policycoreutils policycoreutils-python-utils smartmontools sysstat perl-TermReadKey perl-English-1.11-480.el9.noarch --qf '%{name}.%{arch}\n'|sort
コマンドの出力は次のようになります。
bc.x86_64 binutils.x86_64 compat-openssl11.x86_64 elfutils-libelf.x86_64 fontconfig.x86_64 gcc.x86_64 glibc-devel.x86_64 glibc.x86_64 ksh.x86_64 libaio.x86_64 libasan.x86_64 libgcc.x86_64 libibverbs.x86_64 liblsan.x86_64 libnsl.x86_64 librdmacm.x86_64 libstdc++.x86_64 libvirt-libs.x86_64 libX11.x86_64 libXau.x86_64 libxcb.x86_64 libxcrypt-compat.x86_64 libXi.x86_64 libXrender.x86_64 libXtst.x86_64 make.x86_64 perl-English.noarch perl-TermReadKey.x86_64 policycoreutils-python-utils.noarch policycoreutils.x86_64. smartmontools.x86_64 sysstat.x86_64
Standard Edition と Shared Edition の両方のライセンスについて RHEL9 ホストに Oracle 19c データベースをインストールするには、次の Oracle パッチが必要です。Oracle がベリタスによって提供されている場合はベリタスダウンロードセンターから、独自の Oracle ライセンスを所有している場合は Oracle サポートセンターから、これら 4 つのパッチをダウンロードします。
パッチ 35775632 (p35775632_190000_Linux-x86-64.zip)
19.0.0.0.0 リリースを選択することによるパッチ 6880880 (p6880880_190000_Linux-x86-64.zip)
19.20 DBRU パッチ 35320081 (p35320081_190000_Linux-x86-64.zip)
19.20 DB MLR 35904951 (p35904951_1920000DBRU_Linux-x86-64.zip)
RHEL 8 の場合は、次のコマンドを使用します。
rpm -q perl-TermReadKey perl-Data-Dumper binutils glibc libaio elfutils-libelf perl-Getopt-Long binutils gcc gcc-c++ glibc-devel ksh libaio-devel libgcc libstdc++ libXtst libXrender libstdc++-devel sysstat psmisc bc make libnsl.x86_64 --qf '%{name}.%{arch}\n'|sort
コマンドの出力は次のようになります。
bc.x86_64 binutils.x86_64 elfutils-libelf.x86_64 gcc-c++.x86_64 gcc.x86_64 glibc-devel.x86_64 glibc.x86_64 ksh.x86_64 libaio-devel.x86_64 libaio.x86_64 libgcc.x86_64 libnsl.x86_64 libstdc++-devel.x86_64 libstdc++.x86_64 libXtst.x86_64 libXrender.x86_64 make.x86_64 perl-Data-Dumper.x86_64 perl-Getopt-Long.noarch perl-TermReadKey.x86_64 psmisc.x86_64 sysstat.x86_64 unzip
RHEL 7 と CENTOS 7 の場合は、次のコマンドを使用します。
rpm -q perl-TermReadKey perl-Data-Dumper binutils glibc libaio elfutils-libelf perl-Getopt-Long compat-libcap1 compat-libstdc++-33 gcc gcc-c++ glibc-devel ksh libaio-devel libgcc libstdc++ libXtst libXrender libstdc++-devel sysstat psmisc bc make --qf '%{name}.%{arch}\n'|sort
コマンドの出力は次のようになります。
bc.x86_64 binutils.x86_64 compat-libcap1.x86_64 compat-libstdc++-33.x86_64 elfutils-libelf.x86_64 gcc-c++.x86_64 gcc.x86_64 glibc-devel.x86_64 glibc.x86_64 ksh.x86_64 libaio-devel.x86_64 libaio.x86_64 libgcc.x86_64 libstdc++-devel.x86_64 libstdc++.x86_64 libXtst.x86_64 libXrender .x86_64 make.x86_64 perl-Data-Dumper.x86_64 perl-Getopt-Long.noarch perl-TermReadKey.x86_64 psmisc.x86_64 sysstat.x86_64 unzip
SUSE 12 Linux Enterprise の場合は、次のコマンドを使用します。
rpm -q bc.x86_64 binutils.x86_64 glibc-devel.x86_64 glibc.x86_64 libaio-devel.x86_64 libaio1.x86_64 libcap-ng-us.x86_64 libcap-ng0.x86_64 libcap-progs.x86_64 libcap1.x86_64 libcap2.x86_64 libelf-devel.x86_64 libgcc_s1.x86_64 libjpeg-turbo.x86_64 libjpeg62-turbo.x86_64 libjpeg62.x86_64 libpcap1.x86_64 libpcre1.x86_64 libpcre16-0.x86_64 libpng16-16.x86_64 libstdc++6.x86_64 libtiff5.x86_64 libXrender1.x86_64 libXtst6.x86_64 make.x86_64 mksh.x86_64 perl-Term-ReadKey.x86_64 pixz.x86_64 rdma-core.x86_64 smartmontools.x86_64 sysstat.x86_64 unzip xz.x86_64 --qf '%{name}.%{arch}\n'|sort
コマンドの出力は次のようになります。
binutils.x86_64 glibc-devel.x86_64 glibc.x86_64 libaio-devel.x86_64 libaio1.x86_64 libcap-ng-utils.x86_64 libcap-ng0.x86_64 libcap-progs.x86_64 libcap1.x86_64 libcap2.x86_64 libelf-devel.x86_64 libgcc_s1.x86_64 libjpeg-turbo.x86_64 libjpeg62-turbo.x86_64 libjpeg62.x86_64 libpcap1.x86_64 libpcre1.x86_64 libpcre16-0.x86_64 libpng16-16.x86_64 libstdc++6.x86_64 libtiff5.x86_64 libXrender1.x86_64 libXtst6.x86_64 make.x86_64 mksh.x86_64 perl-Term-ReadKey.x86_64 pixz.x86_64 rdma-core.x86_64 smartmontools.x86_64 sysstat.x86_64 unzip xz.x86_64
SUSE 15 Linux Enterprise の場合は、次のコマンドを使用します。
rpm -q bc.x86_64 binutils.x86_64 compat-libpthread-nonshared.x86_64 glibc-devel.x86_64 glibc.x86_64 libaio-devel.x86_64 libaio1.x86_64 libcap-ng-us.x86_64 libcap-ng0.x86_64 libcap-progs.x86_64 libcap1.x86_64 libcap2.x86_64 libelf-devel.x86_64 libgcc_s1.x86_64 libjpeg-turbo.x86_64 libjpeg62-turbo.x86_64 libjpeg62.x86_64 libpcap1.x86_64 libpcre1.x86_64 libpcre16-0.x86_64 libpng16-16.x86_64 libstdc++6.x86_64 libtiff5.x86_64 libXrender1.x86_64 libXtst6.x86_64 make.x86_64 mksh.x86_64 perl-Term-ReadKey.x86_64 pixz.x86_64 rdma-core.x86_64 smartmontools.x86_64 sysstat.x86_64 unzip xz.x86_64 --qf '%{name}.%{arch}\n'|sort
コマンドの出力は次のようになります。
binutils.x86_64 compat-libpthread-nonshared.x86_64 glibc-devel.x86_64 glibc.x86_64 libaio-devel.x86_64 libaio1.x86_64 libcap-ng-utils.x86_64 libcap-ng0.x86_64 libcap-progs.x86_64 libcap1.x86_64 libcap2.x86_64 libelf-devel.x86_64 libgcc_s1.x86_64 libjpeg-turbo.x86_64 libjpeg62-turbo.x86_64 libjpeg62.x86_64 libpcap1.x86_64 libpcre1.x86_64 libpcre16-0.x86_64 libpng16-16.x86_64 libstdc++6.x86_64 libtiff5.x86_64 libXrender1.x86_64 libXtst6.x86_64 make.x86_64 mksh.x86_64 perl-Term-ReadKey.x86_64 pixz.x86_64 rdma-core.x86_64 smartmontools.x86_64 sysstat.x86_64 unzip xz.x86_64
Oracle Database インストーラとポータルインストーラの両方のアプリケーションバイナリを www.veritas.com/ja/jp からダウンロードします。購入契約の確認に記載されている手順を使用します。
ユーザーアカウント作成のトラブルシューティング: ポータルのインストールプロセスでは、aptare と tomcat のユーザーアカウントが作成されます。非ローカルユーザー管理 (LDAP や NIS など) を使用して Linux ユーザーアカウントを管理している場合、useradd コマンドが正常に実行されないことがあります。次の手順を実行して、必要なユーザーを手動で事前に作成します。
LDAP でユーザーアカウントを作成する通常のプロセスを使用して、/home の下にホームディレクトリを持つユーザーアカウント aptare と tomcat を事前に作成します。
ユーザー ID
プライマリグループ
補助グループ
aptare
aptare
dba
tomcat
tomcat
aptare
apache
apache
これらのユーザーグループ名は、組織のユーザー管理ポリシーに従ってカスタマイズしたり、事前に作成したりできます。ISO マウントパス内の
config.sh
ファイルをローカルシステムにコピーし、適切に編集してから、config.sh
の絶対パスをインストーラスクリプトに -C オプションを使って渡します。例:
<Installer_script> -C <path of config.sh> Itanalyticsinstaller.sh -C /tmp/config.sh
一部の環境 (特に automount を使用する仮想化環境) では、useradd コマンドを使用すると、ホームディレクトリの作成に失敗します。このような状況では、手動で /home/aptare ディレクトリと /home/tomcat ディレクトリを作成し、chown でそれらを aptare と tomcat に設定します。
追加の説明が必要な場合は、詳細についてベリタスのサポートにお問い合わせください。
スクリプトの問題のトラブルシューティング: Java を必要とするスクリプトを実行すると、SELinux (Security Enhanced Linux) に関連する既知の問題が発生する場合があります。これにより、アクセス許可が拒否されたというエラーメッセージが表示されます。この問題を解決するには、テキストの再配置で共有ライブラリの使用を許可するように SELinux を設定します。
インストーラは SELinux の設定が disabled または permissive であると想定します。
ポータルが適切に機能するため、ポート 80/tcp、8011、8017 がファイアウォールで開かれていることを確認します。
ss または netstat コマンドがシステムで利用可能であることを確認します。