NetBackup™ for Enterprise Vault™ Agent 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (10.5)
  1. NetBackup Enterprise Vault の概要
    1.  
      Enterprise Vault について
    2.  
      NetBackup Enterprise Vault Agent について
    3.  
      Enterprise Vault Agent とバックアップコンポーネントについて
    4.  
      Enterprise Vault Agent の機能
    5.  
      Enterprise Vault Agent の要件
  2. NetBackup for Enterprise Vault のインストール
    1.  
      NetBackup for Enterprise Vault のインストールの計画
    2.  
      オペレーティングシステムおよびプラットフォームの互換性の確認
    3.  
      NetBackup サーバーおよびクライアントの要件
    4.  
      クラスタの Enterprise Vault Agent のインストール要件について
    5.  
      Enterprise Vault データベースを保護するための Enterprise Vault Agent の構成
    6.  
      NetBackup for Enterprise Vault のライセンス
  3. 構成
    1.  
      Enterprise Vault サーバーのログオンアカウントを指定する方法
    2.  
      VSS ベースのスナップショットの構成について
    3.  
      Enterprise Vault のバックアップ用のローカルメディアサーバーの構成
    4.  
      Enterprise Vault のバックアップポリシーの構成要件
    5.  
      Enterprise Vault ポリシーの追加
    6.  
      Enterprise Vault のバックアップポリシーの属性
    7.  
      Enterprise Vault ポリシーへのスケジュールの追加
    8.  
      Enterprise Vault のバックアップ形式について
    9.  
      バックアップ対象リストの作成
    10.  
      ポリシーへのクライアントの追加
  4. Enterprise Vault によってバックアッププロバイダに提供される機能について
    1.  
      バックアップ前の Enterprise Vault の静止について
    2.  
      個別静止について
    3.  
      セーフコピーとバックアップの管理について
    4.  
      パーティションの安全通知ファイルについて
    5.  
      アーカイブビットについて
  5. Enterprise Vault のバックアップの実行
    1.  
      Enterprise Vault の指示句とそれらがバックアップするデータについて
    2.  
      Enterprise Vault リソースの手動バックアップ
    3.  
      アクティビティモニターからの Enterprise Vault のバックアップジョブの取り消し
  6. Enterprise Vault のリストアの実行
    1.  
      Enterprise Vault のデータのリストアに関する重要な注意事項
    2.  
      Enterprise Vault サーバーの管理サービスの停止
    3.  
      バックアップ、アーカイブ、リストアインターフェースについて
    4.  
      Microsoft SQL Server Management Studio を使用したバックアップデータの表示
    5.  
      Enterprise Vault のデータのリストア
    6.  
      [全般 (General)]タブの Enterprise Vault のリストアオプションについて
    7.  
      [Enterprise Vault データベース設定 (Enterprise Vault Database Settings)]タブについて
    8.  
      リストア用のサーバー、クライアントおよびポリシー形式の指定
    9.  
      Enterprise Vault のファイルシステムデータのリストアについて
    10.  
      Enterprise Vault のファイルシステムのコンポーネントのリストア
    11. Enterprise Vault SQL データベースのリストアについて
      1.  
        バックアップイメージのリストアセットについて
    12.  
      Enterprise Vault SQL データベースのコンポーネントのリストア
  7. ディザスタリカバリ
    1.  
      Enterprise Vault サーバーのディザスタリカバリの要件
    2.  
      Enterprise Vault サイトのディザスタリカバリについて
    3.  
      ディレクトリデータベースのリカバリ
    4.  
      監査データベースのリカバリ
    5.  
      FSA レポートデータベースのリカバリ
    6.  
      監視データベースのリカバリ
    7.  
      インデックスの場所のリカバリ
    8.  
      Enterprise Vault のボルトストアグループのリカバリ
    9.  
      フィンガープリントデータベースのリカバリ
    10.  
      ボルトストアデータベースのリカバリ
    11.  
      ボルトストアパーティションのリカバリ
    12.  
      Enterprise Vault パーティションのリカバリ
    13.  
      Enterprise Vault サーバーのリカバリ
    14.  
      異なるシステムの Enterprise Vault サーバーのリカバリ
  8. Enterprise Vault の Enterprise Vault Agent のサポート
    1. Enterprise Vault のポリシー構成
      1.  
        オープンパーティション、ボルトストアデータベース、指紋データベースの一貫性
      2.  
        クローズパーティションおよび準備完了パーティションの一貫性
      3.  
        インデックスの場所の一貫性
      4.  
        ディレクトリデータベースの一貫性
    2. Enterprise Vault 10.0 のバックアップに関する注意事項
      1.  
        インデックスの場所のエクスクルードファイルリスト
      2.  
        ボルトパーティションのエクスクルードファイルリスト
    3.  
      エクスクルードリストによるファイルの除外
    4.  
      バックアップスケジュールの計画について
    5.  
      Enterprise Vault ポリシーのホストについて
    6.  
      Enterprise Vault ツールについて
    7. Enterprise Vault Agent のバックアップについて
      1.  
        Enterprise Vault のバックアップの権限
    8. Enterprise Vault Agent のリストアについて
      1.  
        大きいリストアでのソケットバッファサイズの変更
    9.  
      Enterprise Vault Agent についての有用なヒント
    10. Enterprise Vault Agent の機能と Enterprise Vault のサポート
      1.  
        Enterprise Vault でリストア後に行われる差分増分バックアップが失敗する
  9. トラブルシューティング
    1.  
      トラブルシューティングについて
    2.  
      デバッグログ
    3.  
      デバッグログを有効にする方法
    4.  
      デバッグレベルの設定
    5.  
      状態レポートについて
    6.  
      操作レポート
    7.  
      進捗レポート
    8. NetBackup の状態に関連するトラブルシューティング情報について
      1.  
        NetBackup の状態コード 2
      2.  
        NetBackup の状態コード 13
      3.  
        NetBackup の状態コード 39
      4.  
        NetBackup の状態コード: 59
      5.  
        NetBackup の状態コード: 69
      6. NetBackup の状態コード 156
        1.  
          VSS_E_BAD_STATE スナップショットエラーについて
        2.  
          VSS_E_INSUFFICIENT_STORAGE スナップショットエラーについて
      7.  
        NetBackup の状態コード 1800
  10. 付録 A. NetBackup Enterprise Vault Migrator
    1.  
      Enterprise Vault Migrator について
    2.  
      移行用のバックアップポリシーの構成
    3.  
      Enterprise Vault の収集および移行用の構成について
    4.  
      Enterprise Vault Migrator の構成のテスト
    5.  
      推奨 DCOM 設定の設定
    6. NetBackup からの Enterprise Vault 移行済みデータのリストア
      1.  
        コマンドラインインターフェースを使用した移行済みデータのリストア
      2.  
        バックアップ、アーカイブおよびリストアユーザーインターフェースを使用した移行済みデータのリストア
    7. Enterprise Vault Migrator のトラブルシューティング
      1.  
        Enterprise Vault Migrator のバージョン情報
      2. Migrator に関する問題のトラブルシューティングについて
        1.  
          データはアーカイブされていますか?
        2.  
          データは収集されていますか?
        3.  
          移行は適切に構成されていますか?
        4.  
          データは移行されていますか?
      3. ログの収集について
        1.  
          Enterprise Vault のログについて
        2.  
          Enterprise Vault イベントについて
        3.  
          NetBackup ログについて

バックアップイメージのリストアセットについて

バックアップイメージは、[バックアップ、アーカイブおよびリストア (Backup, Archive, and Restore)]インターフェースに表示されます。これらのイメージは、Enterprise Vault のファイルシステムデータまたは Enterprise Vault SQL データベースに対応します。選択したイメージによってバックアップイメージのリストアセットが構成されます。

指定した時点 (PIT) での Enterprise Vault SQL データベースのリストアまたはリカバリを実行するには、最初に、データベースのリストアまたはリカバリを実行する対象となる時間を決定します。次に、データベースのリストアまたはリカバリに続いてリストアする必要があるバックアップイメージのグループを決定します。このバックアップイメージのグループは、バックアップイメージのリストアセットと呼ばれます。バックアップイメージのリストアセットは、次のイメージで構成されます。

メモ:

リカバリは、SQL 差分 (トランザクションログ) バックアップイメージでのみ可能です。

  • 完全バックアップイメージ: リストアセットは、完全バックアップイメージを使用して開始されます。

  • 累積バックアップイメージ: 最新の累積バックアップイメージをセットに追加します。完全バックアップイメージが作成された時点と、リストアまたはリカバリの実行を決定した時点の間に累積バックアップが発生した場合に、このイメージを追加します。

  • 差分バックアップイメージ: 最後の累積バックアップ (累積バックアップが発生していない場合には完全バックアップ) が作成された時点と、リストアまたはリカバリの実行を決定した時点の間に発生した差分バックアップイメージを追加します。PIT でのリカバリを実行する場合は、PIT 直後の差分イメージをリストアセットに含めます。

次の例では、さまざまなユースケースでバックアップイメージのリストアセットを決定する方法を示します。

表: リストア用のバックアップイメージの選択について は、特定の時間インスタンス時点でのバックアップイメージのリストアセットを構成するために、どのバックアップイメージを選択するかを示しています。データベースのリストアまたはリカバリを行う対象となる時間に応じて、どのバックアップイメージをバックアップイメージのリストアセットに含める必要があるかを判断します。

表: リストア用のバックアップイメージの選択について

時間インスタンス

バックアップイメージのリストアセットを構成するバックアップイメージ

t1

完全バックアップ (Full backup)

t2

完全 + 差分 1 (PIT)

t3

完全 + 差分 1

t4

完全 + 差分 1 + 差分 2 (PIT)

t5

完全 + 差分 1 + 差分 2

t6

完全 + 差分 1 + 差分 2 + 差分 3 (PIT)

t7

完全 + 累積

t8

完全 + 累積 + 差分 3 (PIT)

t9

完全 + 累積 + 差分 3

t10

完全 + 累積 + 差分 3 (SQL 最終ログのバックアップ)

次の例では、[バックアップ、アーカイブおよびリストア (Backup, Archive, and Restore)]インターフェースで、どのバックアップイメージを選択する必要があるかについて説明します。

  • 例 1:

    SQL データベースを時間インスタンス t3 にリストアするには、バックアップイメージのリストアセットが次のバックアップイメージで構成される必要があります。

    • [SQL データベースをオフラインにする (Take SQL database offline)]と、[データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した完全バックアップイメージ。

    • [データベースの操作が可能な状態 (Leave database operational)]オプションを指定した、最初の差分バックアップイメージ。

  • 例 2:

    時間インスタンス t8 の PIT を指定した SQL データベースをリカバリするには、バックアップイメージのリストアセットが次のバックアップイメージで構成される必要があります。

    • [SQL データベースをオフラインにする (Take SQL database offline)]と、[データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した完全バックアップイメージ。

    • [データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した、最後の累積バックアップイメージ。

    • [データベースの操作が可能な状態 (Leave database operational)]と[指定した時点へのリカバリ (Point-in-time recovery)]オプションを指定した、3 つ目の差分バックアップイメージ。

  • 例 3:

    最後の差分バックアップ後の時間インスタンス t10 時点の SQL データベースをリカバリするには、Microsoft 社の SQL 最終ログメカニズムを使用する必要があります。最終ログバックアップの実行について詳しくは、Microsoft 社の Web サイトでこのトピックに関する詳細を検索してください。

    この例では、バックアップイメージのリストアセットには次のイメージを含めます。

    • [SQL データベースをオフラインにする (Take SQL database offline)]と、[データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した完全バックアップイメージ。

    • [データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した、最後の累積バックアップイメージ。

    • [データベースの操作が可能な状態 (Leave database operational)]と[指定した時点へのリカバリ (Point-in-time recovery)]オプションを指定した、3 つ目の差分バックアップイメージ。

    • 最終ログバックアップを実行します。この形式のバックアップを実行する方法について詳しくは、Microsoft 社の Web サイトを参照してください。