NetBackup™ for Enterprise Vault™ Agent 管理者ガイド
- NetBackup Enterprise Vault の概要
- NetBackup for Enterprise Vault のインストール
- 構成
- Enterprise Vault によってバックアッププロバイダに提供される機能について
- Enterprise Vault のバックアップの実行
- Enterprise Vault のリストアの実行
- Enterprise Vault SQL データベースのリストアについて
- ディザスタリカバリ
- Enterprise Vault の Enterprise Vault Agent のサポート
- Enterprise Vault のポリシー構成
- Enterprise Vault 10.0 のバックアップに関する注意事項
- Enterprise Vault Agent のバックアップについて
- Enterprise Vault Agent のリストアについて
- Enterprise Vault Agent の機能と Enterprise Vault のサポート
- トラブルシューティング
- 付録 A. NetBackup Enterprise Vault Migrator
バックアップイメージのリストアセットについて
バックアップイメージは、[バックアップ、アーカイブおよびリストア (Backup, Archive, and Restore)]インターフェースに表示されます。これらのイメージは、Enterprise Vault のファイルシステムデータまたは Enterprise Vault SQL データベースに対応します。選択したイメージによってバックアップイメージのリストアセットが構成されます。
指定した時点 (PIT) での Enterprise Vault SQL データベースのリストアまたはリカバリを実行するには、最初に、データベースのリストアまたはリカバリを実行する対象となる時間を決定します。次に、データベースのリストアまたはリカバリに続いてリストアする必要があるバックアップイメージのグループを決定します。このバックアップイメージのグループは、バックアップイメージのリストアセットと呼ばれます。バックアップイメージのリストアセットは、次のイメージで構成されます。
メモ:
リカバリは、SQL 差分 (トランザクションログ) バックアップイメージでのみ可能です。
次の例では、さまざまなユースケースでバックアップイメージのリストアセットを決定する方法を示します。
表: リストア用のバックアップイメージの選択について は、特定の時間インスタンス時点でのバックアップイメージのリストアセットを構成するために、どのバックアップイメージを選択するかを示しています。データベースのリストアまたはリカバリを行う対象となる時間に応じて、どのバックアップイメージをバックアップイメージのリストアセットに含める必要があるかを判断します。
表: リストア用のバックアップイメージの選択について
時間インスタンス | バックアップイメージのリストアセットを構成するバックアップイメージ |
---|---|
t1 | 完全バックアップ (Full backup) |
t2 | 完全 + 差分 1 (PIT) |
t3 | 完全 + 差分 1 |
t4 | 完全 + 差分 1 + 差分 2 (PIT) |
t5 | 完全 + 差分 1 + 差分 2 |
t6 | 完全 + 差分 1 + 差分 2 + 差分 3 (PIT) |
t7 | 完全 + 累積 |
t8 | 完全 + 累積 + 差分 3 (PIT) |
t9 | 完全 + 累積 + 差分 3 |
t10 | 完全 + 累積 + 差分 3 (SQL 最終ログのバックアップ) |
次の例では、[バックアップ、アーカイブおよびリストア (Backup, Archive, and Restore)]インターフェースで、どのバックアップイメージを選択する必要があるかについて説明します。
例 1:
SQL データベースを時間インスタンス t3 にリストアするには、バックアップイメージのリストアセットが次のバックアップイメージで構成される必要があります。
[SQL データベースをオフラインにする (Take SQL database offline)]と、[データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した完全バックアップイメージ。
[データベースの操作が可能な状態 (Leave database operational)]オプションを指定した、最初の差分バックアップイメージ。
例 2:
時間インスタンス t8 の PIT を指定した SQL データベースをリカバリするには、バックアップイメージのリストアセットが次のバックアップイメージで構成される必要があります。
[SQL データベースをオフラインにする (Take SQL database offline)]と、[データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した完全バックアップイメージ。
[データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した、最後の累積バックアップイメージ。
[データベースの操作が可能な状態 (Leave database operational)]と[指定した時点へのリカバリ (Point-in-time recovery)]オプションを指定した、3 つ目の差分バックアップイメージ。
例 3:
最後の差分バックアップ後の時間インスタンス t10 時点の SQL データベースをリカバリするには、Microsoft 社の SQL 最終ログメカニズムを使用する必要があります。最終ログバックアップの実行について詳しくは、Microsoft 社の Web サイトでこのトピックに関する詳細を検索してください。
この例では、バックアップイメージのリストアセットには次のイメージを含めます。
[SQL データベースをオフラインにする (Take SQL database offline)]と、[データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した完全バックアップイメージ。
[データベースの操作が不可能な状態 (Leave database Non-operational)]または[データベースが読み取り専用の状態 (Leave database Read-only)]オプションを指定した、最後の累積バックアップイメージ。
[データベースの操作が可能な状態 (Leave database operational)]と[指定した時点へのリカバリ (Point-in-time recovery)]オプションを指定した、3 つ目の差分バックアップイメージ。
最終ログバックアップを実行します。この形式のバックアップを実行する方法について詳しくは、Microsoft 社の Web サイトを参照してください。