Veritas InfoScale™ 8.0 トラブルシューティングガイド - Linux
- はじめに
- 第 I 部 Veritas File System のトラブルシューティング
- 第 II 部 Veritas Volume Manager のトラブルシューティング
- ハードウェア障害からのリカバリ
- RAID 5 ボリュームの障害
- DCO ボリュームの障害からのリカバリ
- インスタントスナップショット障害からのリカバリ
- 失敗した vxresize 操作のリカバリ
- ブートディスク障害からのリカバリ
- コマンド、タスク、トランザクションの管理
- ディスクグループ設定データのバックアップとリストア
- ディスクグループのインポートを使った問題のトラブルシューティング
- CDS エラーからの回復
- ログおよびエラーメッセージ
- Veritas Volume Replicator のトラブルシューティング
- 設定エラーのリカバリ
- プライマリまたはセカンダリでのリカバリ
- ハードウェア障害からのリカバリ
- 第 III 部 Dynamic Multi-Pathing のトラブルシューティング
- 第 IV 部 Storage Foundation Cluster File System High Availability のトラブルシューティングについて
- 第 V 部 Cluster Server のトラブルシューティング
- VCS のトラブルシューティングおよびリカバリ
- VCS メッセージログ
- VCS エンジンのトラブルシューティング
- LLT(Low Latency Transport)のトラブルシューティング
- GAB(Group Membership Services/Atomic Broadcast)のトラブルシューティング
- VCS の起動に関するトラブルシューティング
- systemd ユニットサービスファイルの問題のトラブルシューティング
- サービスグループに関するトラブルシューティング
- リソースに関するトラブルシューティング
- I/O フェンシングのトラブルシューティング
- システムパニックによって潜在的なデータ破損が防止される
- フェンシングの起動時にすでに発生しているスプリットブレイン状態が報告される
- CP サーバーのトラブルシューティング
- Veritas InfoScale products クラスタノードでのサーバーベースのフェンシングのトラブルシューティング
- コーディネーションポイントのオンライン移行中の問題
- 通知に関するトラブルシューティング
- グローバルクラスタのトラブルシューティングとリカバリ
- ライセンスに関するトラブルシューティング
- ライセンスのエラーメッセージ
- VCS のトラブルシューティングおよびリカバリ
- 第 VI 部 SFDB のトラブルシューティング
RLINK 接続問題のリカバリ
この項では、RLINK に関して発生する可能性があるエラーについて説明します。RLINK 接続問題のトラブルシューティングを行うには、RLINK 接続プロセスを理解しておくことが重要です。
プライマリ側とセカンダリ側の RLINK の接続は、2 段階の操作で行われます。最初の段階は RLINK の設定で、vradmin startrep コマンドで実行します。次の段階は、RLINK の接続で、プライマリホストとセカンダリホスト上のカーネルで実行します。
vradmin startrep コマンドが発行されると、VVR は操作が成功する可能性が高いことを確認するためにいくつかのチェックを実行し、成功した場合、このコマンドによって RLINK の状態が DETACHED/STALE から ENABLED/ACTIVE に遷移します。その後、コマンドは操作が成功したことを示すメッセージを返します。
コマンドが成功した場合、プライマリ上のカーネルには RLINK が有効になったことが通知され、接続を要求しているセカンダリへメッセージの送信を開始します。通常は、セカンダリはこのメッセージを受信して、プライマリと接続されます。接続されると、RLINK の状態は ENABLED/ACTIVE から CONNECT/ACTIVE に遷移します。
RLINK が短時間のうちに CONNECT/ACTIVE 状態に遷移しない場合は、何か問題が存在していて、接続を妨げています。この章では、可能性として考えられるさまざまな原因について説明します。問題を示すエラーメッセージが、コンソールに表示されることもあります。
コンソールに次のエラーメッセージが表示されている場合
VxVM VVR vxrlink INFO V-5-1-5298 Unable to establish connection with remote host <remote_host>, retrying
vradmind デーモンがプライマリホストとセカンダリホスト上で実行されていることを確認してください。実行されていない場合は、次のコマンドを実行して vradmind デーモンを起動してください。
サポート対象の Linux 配布の SystemD 環境の場合:
# systemctl start vras-vradmind.sh
他のサポート対象の Linux 配布の場合:
# /etc/init.d/vras-vradmind.sh start
共有ディスクグループ内の RLINK について、RLINK の仮想 IP アドレスがログ所有者上で有効になっていることを確認してください。
エラーメッセージで原因が明らかにされていない場合は、次のコマンドをプライマリホストとセカンダリホストの両方で実行します。
# vxprint -g diskgroup -l rlink_name
表示された出力で、次の点を確認します。
各ホストの remote_host が他のホストの local_host と同じであること。
各ホストの remote_dg が他のホスト上の RVG のディスクグループと同じであること。
各ホストの remote_dg_dgid が vxprint -l diskgroup コマンドの出力に表示される他のホスト上の RVG の dgid (ディスクグループ ID) と同じであること。
各ホストの remote_rlink が他のホスト上の対応する RLINK の名前と同じであること。
各ホストの remote_rlink_rid が他のホスト上の対応する RLINK の rid と同じであること。
ネットワークが正常に機能していることを確認します。ネットワークに問題が発生すると、RLINK の接続を妨げたり、処理効率を低下させるなど、VVR に影響を与える可能性があります。可能性として考えられる問題は、過大なネットワーク遅延、帯域幅の不足、コリジョンの多発および過度のパケット破棄です。
専用ディスクグループ内の RLINK に対して、各ホストで次のコマンドを実行します。
共有ディスクグループ内の RLINK に対して、vxprint -Vl | grep logowner を使用して logowner ノードを探し、プライマリおよびセカンダリの logowner に対して次のコマンドを発行します。
# ping remote_host
メモ:
このコマンドは、ICMP ping が VVR プライマリと VVR セカンダリの間で許可されている場合にのみ有効です。
10 回繰り返した後、Ctrl+C を押します。パケットロスはまったくない、またはごくわずかであるべきです。ネットワークが大きいパケットを確実に転送できるようにするには、専用ディスクグループ内の RLINK に対して、各ホストで次のコマンドを実行します。
共有ディスクグループ内の RLINK に対して、プライマリとセカンダリのログ所有者で次のコマンドを実行します。
# ping -s 8192 remote_host
パケット損失については、先に実行した ping コマンドと同様である必要があります。
各ホスト上で vxiod コマンドを発行して、アクティブな I/O デーモンが存在することを確認します。出力が 0 volume I/O daemons running の場合は、次のコマンドを発行して I/O デーモンをアクティブ化します。
# vxiod set 10
VVR は、特定のポートを使って他のホストとの通信を確立します。
ポート番号を表示するには、次のコマンドを実行します。
# vxprint -g diskgroup -l rlink_name
次のコマンドを実行して、出力されたハートビートのポート番号が vxprint コマンドによって表示されたポートと一致することを確認します。
# vrport
次のコマンドを実行して、ハートビートポートが開いていることを確認します。
# netstat -an | grep port-number
port-number はハートビートサーバーによって使用されているポート番号であり、これは vrport コマンドによって表示されるものと同じです。
次のような結果が出力されます。
udp 0 0 0,0,0,0:port-number
プライマリサイトとセカンダリサイトの VVR ポートを調べます。
vrport ユーティリティを実行し、両方のサイトでポートが同じであることを検証します。
必要な VVR ポートが開いているかどうかを調べます。UDP 4145、TCP 4145、TCP 8199、Anonymous ポートを調べます。次のコマンドを入力します。
# netstat -an --udp | grep 4145 udp 0 0 :::4145 :::* # netstat -an --tcp | grep 4145 tcp 0 0 :::4145 :::* LISTEN # netstat -an --tcp | grep 8199 tcp 0 0 :::8199 :::* LISTEN
telnet によるテストを実行して、開いているポートを調べます。たとえば、ポート 4145 が開いているかどうかを判断するには、次のコマンドを入力します。
# telnet <remote> 4145
vradmind デーモンがプライマリサイトとセカンダリサイトとの間で接続を確立できるかどうかを調べるには、netstat コマンドを使います。
# netstat -an --tcp | grep 8199 | grep ESTABLISHED tcp 0 0 10.209.85.18:56872 10.209.85.19:8199 ESTABLISHED tcp 0 0 10.209.87.175:8199 10.209.85.23:42860 ESTABLISHED tcp 0 0 10.209.87.175:8199 10.209.87.176:9335 ESTABLISHED