NetBackup™ NAS 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup (10.1)
  1. 第 I 部 NAS バックアップについて
    1. 概要
      1.  
        NAS バックアップについて
      2.  
        NAS-Data-Protection ポリシーを使用したバックアップ
      3.  
        NDMP ポリシーを使用したバックアップ
  2. 第 II 部 NAS-Data-Protection (D-NAS) の使用
    1. D-NAS の概要
      1.  
        D-NAS ポリシーの動的データストリーミング
      2.  
        D-NAS の機能について
      3.  
        動的ストリーミングのパラメータ
      4.  
        制限事項および考慮事項
    2. D-NAS 構成の前提条件
      1.  
        D-NAS 構成の前提条件
      2.  
        SMB 共有バックアップのドメインユーザー要件
      3.  
        さまざまな機能でサポートされる最小バックアップホストバージョン
      4.  
        バックアップホストプールの構成
      5.  
        ストレージライフサイクルポリシーの構成
    3. NAS ボリュームの D-NAS ポリシーの構成
      1.  
        NAS ボリュームの D-NAS ポリシーの構成
      2.  
        NAS-Data-Protection ポリシーの設定
      3.  
        スナップショットジョブからのバックアップの順序
      4.  
        混合モードのボリュームについて
    4. アクセラレータの使用
      1.  
        D-NAS のアクセラレータ
      2.  
        アクセラレータのトラックログについて
      3.  
        トラックログのサイズ変更の考慮事項
      4.  
        D-NAS のアクセラレータに関する注意事項
    5. D-NAS ポリシーを使用したレプリケーション
      1.  
        D-NAS ポリシーを使用したレプリケーション
    6. D-NAS バックアップからのリストア
      1.  
        D-NAS バックアップからのリストア
      2.  
        D-NAS ポリシーの元の位置のリストア
      3.  
        指定した時点へのロールバック
    7. トラブルシューティング
      1.  
        トラブルシューティング
      2.  
        ログレベルの設定
      3.  
        Linux プラットフォームのログディレクトリ
      4.  
        Windows プラットフォームのログフォルダ
      5.  
        スナップショットからのリストアが状態 133 で失敗する
      6.  
        スナップショットからのバックアップがエラー 50 で失敗する
      7.  
        スナップショットの親ジョブからのバックアップがエラー 4213 (スナップショットのインポートに失敗しました (Snapshot import failed)) で失敗する
      8.  
        バックアップホストプールの作成が「ホストリストのフェッチに失敗しました (Failed to fetch host list)」というエラーで失敗する
      9.  
        スナップショットジョブが失敗し、スナップショットコマンドがボリューム名を認識しない
      10.  
        NetApp NAS ボリュームのアクセラレータが有効になっている増分バックアップ
      11.  
        スナップショット方式: 自動
      12.  
        NAS-Data-Protection ポリシーのスナップショットジョブからのバックアップがエラー 4213 で失敗する
  3. 第 III 部 セクション 3
    1. NetBackup for NDMP の概要
      1. NetBackup for NDMP について
        1.  
          NetBackup for NDMP の機能
        2.  
          NetBackup for NDMP の用語
      2.  
        ネットワークデータ管理プロトコル (NDMP) について
      3. NDMP バックアップの形式
        1.  
          NDMP ローカルバックアップ
        2.  
          NDMP 3-Way バックアップ
        3.  
          Media Manager ストレージユニットへのバックアップ (リモート NDMP)
      4.  
        NetBackup の NDMP ポリシーについて
      5.  
        NetBackup ストレージユニットについて
      6. 異なるホストへのテープドライブの割り当てについて
        1.  
          ロボット制御について
      7.  
        NDMP バックアップ処理について
      8.  
        NDMP リストア処理について
      9.  
        ダイレクトアクセスリカバリ (DAR) について
      10.  
        Snapshot Client の補足情報
      11.  
        NDMP の多重化について
      12.  
        Replication Director の NDMP サポートについて
      13.  
        NDMP を使用した Replication Director の制限
      14.  
        NetApp clustered Data ONTAP (cDOT) に対する NDMP のサポートについて
    2. NetBackup for NDMP のインストールについての注意事項
      1.  
        NetBackup for NDMP のインストール前提条件
      2.  
        UNIX サーバーへの NetBackup for NDMP ライセンスキーの追加
      3.  
        Windows サーバーへの NetBackup for NDMP ライセンスキーの追加
      4.  
        アップグレード前の既存の NetApp の cDOT 構成について
    3. NDMP に接続されたデバイスへの NDMP バックアップの構成
      1.  
        NDMP に接続されたデバイスの構成について
      2.  
        NAS (NDMP) ホストへの NetBackup アクセスの認証
      3.  
        3-Way バックアップとリモート NDMP のアクセス権について
      4. [メディアおよびデバイスの管理 (Media and Device Management)]の構成について
        1.  
          NDMP ホストに直接接続されたロボットの追加
        2.  
          テープドライブの追加
        3.  
          デバイス構成の確認
      5.  
        デバイスの構成ウィザードを使用した NDMP ファイラの設定
      6.  
        ボリュームの追加について
      7.  
        NDMP パスワードとロボット接続の検証について
      8.  
        NDMP ストレージユニットの追加
      9. NDMP ポリシーの作成について
        1.  
          NDMP ポリシーの[属性 (Attributes)]タブオプション
        2.  
          Accelerator for NDMP が有効な場合の NDMP ポリシーの[スケジュール (Schedules)]タブオプション
        3.  
          NDMP ポリシーの[クライアント (Clients)]タブオプション
        4. NDMP ポリシーのバックアップ対象オプション
          1.  
            NDMP ポリシーのバックアップ選択項目のワイルドカード文字
          2.  
            ALL_FILESYSTEMS 指示句と VOLUME_EXCLUDE_LIST 指示句
      10.  
        バックアップ対象リスト内の環境変数について
      11.  
        NetApp cDOT バックアップポリシーに適しているホストの選択について
      12.  
        NDMP ポリシーのスケジュールのバックアップ形式について
      13. DAR の有効化または無効化について
        1.  
          ファイルおよびディレクトリのリストアでの DAR の無効化
        2.  
          ディレクトリのリストアのみでの DAR の無効化
      14.  
        クラスタ環境での NetBackup for NDMP の構成
    4. NetBackup メディアサーバーへの NDMP バックアップ (リモート NDMP) の構成
      1.  
        リモート NDMP について
      2.  
        Media Manager ストレージユニットへの NDMP バックアップの構成
    5. NDMP ダイレクトコピーの構成
      1. NDMP ダイレクトコピーについて
        1.  
          NDMP ダイレクトコピーを使用するための前提条件
        2.  
          VTL を使用した NDMP ダイレクトコピー
        3.  
          VTL を使用しない NDMP ダイレクトコピー
      2.  
        NDMP ダイレクトコピーの構成
      3. NDMP ダイレクトコピーを使用したバックアップイメージの複製
        1. イメージ複製に NDMP ダイレクトコピーを使用するための要件
          1.  
            イメージ複製の NetBackup ポリシーの形式
        2.  
          NetBackup 管理コンソールでの NDMP ダイレクトコピーの開始
    6. Accelerator for NDMP
      1.  
        NetBackup Accelerator for NDMP について
      2. Accelerator for NDMP のトラックログについて
        1.  
          Accelerator for NDMP のトラックログをリダイレクトする方法
      3.  
        NDMP バックアップジョブ詳細ログのアクセラレータメッセージ
      4.  
        Accelerator for NDMP の NetBackup ログ
    7. リモート NDMP とディスクデバイス
      1.  
        リモート NDMP とディスクデバイスについて
      2.  
        リモート NDMP の構成
    8. NetBackup for NDMP での Shared Storage Option (SSO) の使用
      1.  
        Shared Storage Option (SSO) を使用する NetBackup for NDMP について
      2.  
        NetBackup for NDMP を使用した SSO の設定
      3.  
        NetBackup デバイスの構成ウィザードを使用して NDMP ホストを構成する方法
    9. バックアップおよびリストアの手順
      1.  
        NDMP ポリシーによる手動バックアップの実行
      2.  
        NDMP リストアの実行
    10. トラブルシューティング
      1. NetBackup for NDMP ログについて
        1.  
          NetBackup for NDMP ログの表示
        2.  
          NDMP バックアップレベル
      2.  
        NetBackup for NDMP の操作上の全般的な注意事項と制限事項
      3. NetBackup for NDMP のトラブルシューティングの推奨事項
        1.  
          NDMP メディアおよびデバイスのトラブルシューティング (Windows の場合)
        2.  
          NDMP メディアおよびデバイスのトラブルシューティング (UNIX の場合)
        3.  
          NDMP ダイレクトコピーのトラブルシューティング
        4.  
          NetBackup for NDMP を使用したダイレクトアクセスリカバリ (DAR) のトラブルシューティング
      4. ロボットテストについて
        1.  
          TLD ロボットテストの例 (UNIX の場合)
    11. NetBackup for NDMP のスクリプトの使用
      1.  
        NetBackup for NDMP スクリプトについて
      2.  
        ndmp_start_notify スクリプト (UNIX の場合)
      3.  
        ndmp_start_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
      4.  
        ndmp_end_notify スクリプト (UNIX の場合)
      5.  
        ndmp_end_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
      6.  
        ndmp_start_path_notify スクリプト (UNIX の場合)
      7.  
        ndmp_start_path_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
      8.  
        ndmp_end_path_notify スクリプト (UNIX の場合)
      9.  
        ndmp_end_path_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)
      10.  
        ndmp_moving_path_notify スクリプト (UNIX の場合)
      11.  
        ndmp_moving_path_notify.cmd スクリプト (Microsoft Windows の場合)

NetBackup Accelerator for NDMP について

メモ:

現在は、NetApp ファイラと Isilon ファイラのみが NetBackup Accelerator for NDMP オプションとしてサポートされています各 NAS ベンダーのサポート対象バージョンの最新リストについては、NetBackup のすべてのバージョンの互換性リストを参照してください。

NetApp ファイラの場合は、Accelerator for NDMP は DUMP 形式のみをサポートします。DUMP 形式の具体的な詳細は、NetApp のマニュアルを参照してください。

NetBackup のアクセラレータオプションを使用すると、NetApp ファイラと Isilon ファイラの NDMP バックアップを通常の NDMP バックアップよりも高速に実行できます。NetBackup Accelerator は前回のバックアップ以降に行われた修正を識別するファイラの変更検出技術を使用して、完全バックアップの速度を加速します。ファイラからすべてのデータを保護する初回の完全バックアップ後は、NetBackup Accelerator はファイラで変更されたデータのバックアップのみをメディアサーバーに作成します。メディアサーバーは変更したデータと以前のバックアップイメージを組み合わせて新しい完全バックアップイメージを作成します。ファイルまたはファイルの一部がストレージにすでに存在し、変更されていない場合には、メディアサーバーはファイラから読み込むのではなくストレージにある複製を使ってバックアップイメージの作成を完了します。結果として、NetBackup NDMP のバックアップをすばやく作成できます。

メモ:

NetApp ファイラの場合は、完全バックアップ (定期的な再スキャンや強制再スキャン) と増分バックアップの両方でアクセラレータの最適化が見込まれます。Isilon ファイラの場合は、完全バックアップ (定期的な再スキャン - 強制再スキャンではない) でのみアクセラレータの最適化が見込まれます。

Accelerator for NDMP には、次の利点があります。

  • 複製、DAR リストア、多重化などのすべての NetBackup NDMP 機能をサポートする

  • ファイラと NetBackup サーバー間にネットワーク帯域幅をあまり使用しないコンパクトなバックアップストリームを作成する

  • メディアサーバーの I/O と CPU のオーバーヘッドを削減する

Accelerator for NDMP を設定するには、NDMP ポリシーの[属性 (Attributes)]タブにある[アクセラレータを使用 (Use Accelerator)]チェックボックスにチェックマークを付けます。ファイラに変更を加える必要はありません。

メモ:

Isilon ファイラの場合のみ、環境変数を使用している次の動作に注意します。

Isilon ファイラでは、アクセラレータを有効にして NetBackup NDMP バックアップポリシーに HIST 環境変数を設定する場合は、値 D (SET HIST=D) のみを指定できます。D によってディレクトリまたはノードファイルの履歴形式が指定されます。HIST 変数にその他の値を指定すると、値を D に変更するように求めるメッセージが NetBackup で表示されます。ポリシーで HIST 変数を使用しなくても、バックアップは正常に完了します。

アクセラレータが有効になっている NetBackup NDMP バックアップポリシーでいずれかの変数を変更する場合、同じ変数を使用して 2 回目の完全バックアップを実行するまで、アクセラレータの最適化率は 0% です。ポリシーの変数を変更すると、最初の完全バックアップで新しいベースラインイメージが作成されます。アクセラレータの最適化率は、同じ変数を使用して 2 回目の完全バックアップを実行した後にのみ表示されます。

NDMP ポリシーの環境変数について詳しくは、次のページを参照してください。

バックアップ対象リスト内の環境変数についてを参照してください。

メモ:

NDMP バックアップポリシーに NetApp ファイラの smtape 環境変数が含まれる場合は、Accelerator for NDMP が有効になっていると最適化は行われません。smtape 環境変数は、単一ファイルの完全バックアップのように、常にボリューム全体のバックアップを作成します。smtape について詳しくは、NetApp ファイラのマニュアルを参照してください。バックアップポリシーの smtape について詳しくは、「NetBackup for NDMP: NAS appliance Information」で、NetApp での NetBackup のバックアップポリシーについての記事を参照してください。

NDMP ポリシーに NetApp、Isilon、およびその他のベンダーのファイラの組み合わせが含まれる場合は、NetApp ファイラと Isilon ファイラのみでアクセラレータのオプションを使用します。ジョブ詳細のメッセージでアクセラレータオプションを使うファイラとオプションを使うタイミングを識別します。これらのジョブ詳細メッセージについて詳しくは、次を参照してください。

NDMP バックアップジョブ詳細ログのアクセラレータメッセージを参照してください。

メモ:

アクセラレータを使用しない NDMP バックアップとは異なり、アクセラレータを使用する NDMP バックアップでは 0 から 9 までの NDMP ダンプレベルを使用せずに変更されたファイルを確認します。代わりに、BASE_DATE と DUMP_DATE を使って変更したファイルを判断します。BASE_DATE で最新の完全バックアップまたは増分バックアップのタイムスタンプを取得します。DUMP_DATE で現在実行中のバックアップのタイムスタンプを取得します。Accelerator for NDMP を有効にすると、BASE_DATE と DUMP_DATE の間で変更されたデータのバックアップのみが作成されます。

このファイラのダンプレベルメッセージはジョブ詳細ログに引き続き記録されます。ただし、Accelerator for NDMP でダンプレベルを使用しないことを確認するために、ジョブの詳細に「please ignore references to LEVEL in future messages」というメッセージも表示されます。

アクセラレータと NDMP バックアップの連携方法:

  • アクセラレータを使った初回の完全バックアップ

    アクセラレータオプションが有効になっている初回の NDMP 完全バックアップジョブは通常の完全バックアップに類似しています。実行時間はアクセラレータ機能を使わないバックアップよりわずかに長くなることがあります。ファイラからすべてのデータのバックアップを作成し、ベースラインバックアップイメージを提供し、初回のトラックログを作成します。

    メモ:

    次回の定時バックアップが増分バックアップの場合は最初にアクセラレータを有効にすると、NetBackup は NDMP ポリシーを使わない NetBackup Accelerator と同様に自動的に完全バックアップイメージをトリガしません。Accelerator for NDMP を使用すると、引き続き増分バックアップが予定どおりに実行されます。[アクセラレータを使用 (Use Accelerator)]オプションを有効にして NetApp ファイラを使用すると初回のトラックログも作成されるので、増分バックアップの速度が上がります。次回の完全バックアップは定時にのみ実行します。

  • アクセラレータを使った増分バックアップ

    以降の増分バックアップジョブでは前回のバックアップ以降に変更されたデータのみのバックアップを作成します。

  • アクセラレータを使った次回の完全バックアップ

    以降の完全バックアップジョブでは前回のバックアップ以降に変更されたデータのみのバックアップを作成します。トラックログは、前回のバックアップからどのデータを含めるのかを決定するために使用されます。これには、前回の完全バックアップおよびそれに続くすべての増分バックアップが含まれます。NetBackup はファイラのすべてのデータを含む完全バックアップイメージを作成します。

  • アクセラレータを使った完全バックアップの再スキャンの強制

    [アクセラレータ強制再スキャン (Accelerator forced rescan)]オプションは次回のアクセラレータバックアップに新しいベースラインを確立してセーフティネットの役割を果たします。ポリシーの[スケジュール (Schedules)]ページでこのオプションを設定すると、ファイラのデータすべてのバックアップを作成します。このバックアップはアクセラレータを使用した初回の完全バックアップと同様に、これ以降のバックアップの新しいベースラインになります。[アクセラレータを使用する (Use Accelerator)]オプションで週単位の完全バックアップスケジュールを設定する場合、[アクセラレータ強制再スキャン (Accelerator forced rescan)]を有効にする別のスケジュールでポリシーを補足できます。6 カ月ごとまたはご利用の環境に適したときにいつでも実行するようにスケジュールを設定します。NetApp ファイラの場合、[アクセラレータ強制再スキャン]を指定したバックアップは、アクセラレータを使用した完全バックアップよりも少し長く時間がかかると予想されます。Isilon ファイラの場合、[アクセラレータ強制再スキャン]を指定したバックアップは、アクセラレータを使用した初回の完全バックアップと同じくらい時間がかかる可能性があります。これらのオプションについて詳しくは、次を参照してください。