NetBackup™ for Microsoft SQL Server 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup & Alta Data Protection (10.5)
  1. NetBackup for SQL Server について
    1.  
      NetBackup for SQL Server の概要
    2.  
      NetBackup for SQL Server の詳細な機能
  2. インストール
    1.  
      NetBackup for SQL Server のインストールの計画
    2.  
      NetBackup サーバーおよびクライアントの要件
    3.  
      NetBackup クラスタ内で NetBackup for SQL Server を使用するための要件
    4.  
      NetBackup for SQL Server のライセンス
  3. ホストの構成とジョブの設定
    1.  
      SQL Server ホストとユーザー権限の構成
    2. vSphere 用の Veritas VSS プロバイダのインストール
      1.  
        SQL Server VSS Writer サービスの無効化
    3.  
      SQL Server のバックアップとリストア用に NetBackup サービスを設定する
    4.  
      SQL Server のローカルセキュリティの権限の構成
    5.  
      自動検出されたマッピングの確認
    6.  
      分散アプリケーション、クラスタ、または仮想マシンのリストアマッピングの設定
    7.  
      ODBC 接続の構成
    8.  
      非表示の NetBackup for SQL Server の読み取り不可セカンダリインスタンスの構成
    9.  
      SQL Server エージェントのプライマリサーバーホスト名の構成
    10.  
      バックアップ操作を許可するジョブ数の設定
    11.  
      1 クライアントあたりの最大ジョブ数の構成
  4. SQL Server 管理者用の RBAC の構成
    1.  
      SQL Server 管理者の RBAC の役割
    2.  
      SQL Server 管理者以外のユーザー用のカスタム役割の作成
    3.  
      SQL Server ジョブと VMware ジョブを表示および管理するために必要な RBAC 権限
  5. SQL Server の資産とクレデンシャルの管理
    1.  
      [作業負荷 (Workloads)]>[Microsoft SQL Server]ユーティリティについて
    2. SQL Server オブジェクトの検出について
      1.  
        高度可用性グループまたは基本可用性グループのオンデマンドの検出
      2.  
        オンデマンドでのデータベースの検出
      3.  
        読み取りスケール可用性グループの検出
    3. SQL Server インスタンスと可用性レプリカの登録について
      1.  
        SQL Server のクレデンシャルを登録するためのオプションについて
      2.  
        既存のクレデンシャルを使用した SQL Server インスタンスまたはレプリカの登録
      3.  
        新しいクレデンシャルを使用した SQL Server のインスタンスまたはレプリカの登録
      4.  
        SQL Server 用のクレデンシャルの追加
      5.  
        資産に適用されているクレデンシャル名の表示
      6.  
        指定したクレデンシャルの編集または削除
    4.  
      SQL Server 資産の参照
    5.  
      データベース、インスタンス、可用性グループの保護状態の表示
    6.  
      [今すぐバックアップ (Backup now)]を使用した SQL Server 資産のバックアップ
    7.  
      SQL Server インスタンスの削除
    8.  
      SQL Server データベースの削除
    9.  
      SQL Server インスタンスの手動での追加
    10.  
      インスタンスの有効化または無効化
  6. SQL Server インテリジェントポリシーを使用したバックアップの設定
    1.  
      SQL Server インテリジェントポリシーについて
    2.  
      SQL Server インテリジェントポリシーの作成
    3.  
      ポリシー属性について
    4.  
      SQL Server インテリジェントポリシーのスケジュールプロパティ
    5.  
      SQL Server インテリジェントポリシーのスケジュールバックアップ形式
    6.  
      ポリシーへのインスタンスの追加
    7.  
      ポリシーへのデータベースの追加
    8.  
      バックアップ対象リストへのファイルグループまたはファイルの追加
    9.  
      バックアップポリシーへのインスタンスグループの追加
    10. パフォーマンスチューニングおよび設定のオプション
      1.  
        SQL Server のマルチストライプバックアップの構成
      2.  
        完全バックアップへの差分バックアップの変換
      3.  
        完全バックアップへのログバックアップの変換
    11.  
      読み取り専用ファイルグループのバックアップ
    12.  
      読み書き可能なファイルグループのバックアップ
    13.  
      手動バックアップの実行
  7. SQL Server 可用性グループの保護
    1.  
      SQL Server 可用性グループの保護について
    2. インテリジェントポリシーを使用した SQL Server 可用性グループの保護
      1.  
        SQL Server 可用性グループを保護するための前提条件
      2. SQL Server 可用性グループを保護するためのバックアップポリシーの構成
        1.  
          ポリシーへの可用性グループの追加
        2.  
          ポリシーへの可用性データベースの追加
        3.  
          可用性データベースのファイルグループまたはファイルのバックアップ選択リストへの追加
    3. バッチファイルベースポリシーを使用した SQL Server 可用性グループの保護
      1. SQL Server 可用性グループの優先レプリカの保護について (バッチファイルベースポリシー)
        1.  
          SQL Server 可用性グループを保護するための前提条件
        2.  
          SQL Server 可用性グループの優先レプリカまたはプライマリレプリカの自動バックアップポリシーを構成する
        3.  
          優先レプリカまたはプライマリレプリカを保護するポリシーのバッチファイルの作成
        4.  
          優先レプリカまたはプライマリレプリカを保護するポリシーへのバッチファイルの追加
      2. SQL Server 可用性グループの特定のノードの保護について (バッチファイルベースポリシー)
        1.  
          SQL Server 可用性グループの特定のレプリカの自動バックアップポリシーを構成する
        2.  
          可用性グループの特定の可用性レプリカを保護するポリシーのためのバッチファイルの作成
        3.  
          可用性グループの特定のレプリカを保護するポリシーのためのバッチファイルの追加
    4.  
      NetBackup ドメインをまたぐ SQL Server 可用性グループの保護
  8. VMware バックアップを使用した SQL Server の保護
    1. VMware バックアップを使用したアプリケーションデータベースの保護について
      1.  
        VMware アプリケーションバックアップの制限事項
    2.  
      SQL Server を保護する NetBackup for VMware バックアップの構成について
    3.  
      SQL Server を保護する VMware バックアップポリシーの構成
    4.  
      スナップショットレプリケーションの管理に Replication Director を使用して SQL Server を保護するための VMware ポリシーの構成
    5. SQL Server データを保護するための VMware バックアップを使用した保護計画の作成
      1.  
        バックアップオプション (Backup options) と詳細オプション (Advanced options)
      2.  
        バックアップからのディスクの除外
      3.  
        スナップショットの再試行オプション (Snapshot retry options)
    6.  
      VMware バックアップを使用した SQL Server データの保護
  9. Snapshot Client を使用するバックアップポリシーの構成
    1.  
      SQL Server 用の NetBackup Snapshot Client について
    2.  
      Snapshot Client を使用した SQL Server の操作
    3.  
      スナップショット方式
    4.  
      SQL Server スナップショットおよびインスタントリカバリバックアップの構成要件
    5.  
      SQL Server のスナップショットポリシーの構成
    6.  
      SQL Server のインスタントリカバリバックアップのポリシーの構成
    7. コピーのみのスナップショットバックアップによる差分バックアップの影響
      1.  
        コピーのみバックアップの作成
      2.  
        コピーのみではないインスタントリカバリバックアップの作成 (バッチファイルベースポリシー)
    8. SQL Server エージェントのグループ化スナップショットについて
      1.  
        グループ化バックアップされたデータベースのリストア
  10. クラスタ環境での SQL Server の保護
    1.  
      クラスタ化された SQL Server インスタンスのバックアップの設定 (SQL Server インテリジェントポリシー)
    2.  
      クラスタ化された SQL Server インスタンスのバックアップの設定 (バッチファイルベースポリシー)
  11. SQL Server の保護計画の管理
    1. SQL Server 資産を保護するための保護計画の作成
      1.  
        スケジュール
    2.  
      保護計画への SQL Server 資産の追加
    3.  
      NetBackup for SQL Server 資産の保護設定のカスタマイズ
    4.  
      SQL Server 資産の保護の削除
  12. NetBackup Web UI を使用した SQL Server のリストア
    1.  
      SQL Server のリストアの要件
    2.  
      完全データベースリカバリの実行
    3.  
      1 つのリカバリポイントのリカバリ
    4.  
      SQL Server のリストアオプション
    5.  
      データベースのリストア (管理者以外のユーザー)
    6.  
      リカバリ用の別のバックアップコピーの選択
    7.  
      リダイレクトリストアの権限の構成
    8.  
      VMware バックアップからの SQL Server データベースのリストア
    9.  
      SQL Server 可用性データベースのセカンダリレプリカへのリストア
    10.  
      SQL Server 可用性データベースのプライマリレプリカとセカンダリレプリカへのリストア
    11.  
      可用性グループが複数の NetBackup ドメインにわたる場合の可用性データベースのリストア
  13. SQL Server でのインスタントアクセスの使用
    1. インスタントアクセス SQL Server データベースを構成する場合の前提条件
      1.  
        インスタントアクセスのハードウェアと構成の必要条件
    2.  
      インスタントアクセスデータベースを設定する前の考慮事項
    3.  
      SQL Server インスタントアクセス用の Samba ユーザーの構成
    4.  
      インスタントアクセスデータベースの構成
    5.  
      インスタントアクセスデータベースのライブマウントの詳細の表示
    6.  
      インスタントアクセスデータベースの削除
    7.  
      NetBackup for SQL Server インスタントアクセスのオプション
    8.  
      NetBackup for SQL Server の用語
    9.  
      よく寄せられる質問
  14. SQL Server バックアップ用のバッチファイルベースポリシーの構成
    1.  
      SQL Server バックアップのバッチファイルベースポリシーについて
    2.  
      バッチファイルベースポリシーを使用した SQL Server のバックアップの設定に関する概要
    3.  
      SQL Server のバックアップとリストア用に NetBackup サービスを設定する (バッチファイルベースポリシー)
    4.  
      バッチファイルベースポリシーを使用した SQL Server のセキュリティについて
    5. NetBackup for SQL Server でバッチファイルを使用するための要件
      1.  
        バッチファイルで使用するキーワードおよび値
      2.  
        バッチファイルの作成
      3.  
        バッチファイルの実行
    6.  
      バッチファイルベースポリシーの追加
    7. SQL Server バッチファイルベースポリシーのスケジュールプロパティ
      1.  
        バッチファイルベースポリシーのスケジュールバックアップ形式
      2.  
        アプリケーションバックアップスケジュールの構成
      3.  
        アプリケーションバックアップスケジュールの例
      4.  
        自動バックアップスケジュールの構成
      5.  
        自動バックアップスケジュールの例
    8.  
      ポリシーへのクライアントの追加
    9.  
      バックアップ対象リストへのバッチファイルの追加
    10.  
      SQL Server バックアップ操作のオプション
    11.  
      リモート SQL Server インストールをバックアップするスクリプトの作成
    12.  
      失敗した SQL Server バックアップの自動再試行について
    13. 読み取り専用ファイルグループのユーザー主導型バックアップに対するバッチファイルベースポリシーの構成
      1.  
        SQL Server 読み取り専用バックアップセットの表示 (NetBackup MS SQL Client)
    14.  
      読み書き可能なファイルグループのユーザー主導型バックアップに対するバッチファイルベースポリシーの構成
  15. NetBackup MS SQL Client を使用したバックアップとリストアの実行
    1.  
      NetBackup MS SQL Client について
    2.  
      NetBackup MS SQL Client の初回の起動
    3.  
      SQL Server ホストおよびインスタンスの選択 (NetBackup MS SQL Client)
    4.  
      バックアップ用に選択されたオブジェクトのプロパティの表示について
    5.  
      SQL Server データベースのユーザー主導型バックアップの実行 (NetBackup MS SQL Client)
    6.  
      SQL Server トランザクションログのユーザー主導型バックアップの実行 (NetBackup MS SQL Client)
    7.  
      SQL Server データベースファイルグループのユーザー主導型バックアップの実行 (NetBackup MS SQL Client)
    8.  
      SQL Server データベースファイルのユーザー主導型バックアップの実行 (NetBackup MS SQL Client)
    9.  
      部分的なデータベースのバックアップの実行 (NetBackup MS SQL Client)
    10.  
      NetBackup for SQL Server のオプション
    11.  
      SQL Server バックアップイメージの表示 (NetBackup MS SQL Client)
    12.  
      SQL Server データベースバックアップのリストア (NetBackup MS SQL Client)
    13.  
      SQL Server データベースの完全復旧の実行 (NetBackup MS SQL Client)
    14.  
      SQL Server ファイルグループのバックアップのリストア (NetBackup MS SQL Client)
    15.  
      読み書き可能なファイルグループのバックアップからの SQL Server データベースのリカバリ (NetBackup MS SQL Client)
    16.  
      SQL Server 読み取り専用ファイルグループのリストア (NetBackup MS SQL Client)
    17.  
      SQL Server データベースファイルのリストア (NetBackup MS SQL Client)
    18.  
      完全復旧を実行しない SQL Server トランザクションログイメージのリストア (NetBackup MS SQL Client)
    19.  
      SQL Server データベース移動の実行 (NetBackup MS SQL Client)
    20.  
      SQL Server のページレベルのリストアの実行について (NetBackup MS SQL Client)
    21. 異なるホストへの SQL Server データベースのリダイレクト (NetBackup MS SQL Client)
      1.  
        プライマリサーバーの選択について
    22.  
      リモート SQL Server インストールでのリストアの実行 (NetBackup MS SQL Client)
    23. 複数ストリームの SQL Server バックアップのリストア
      1.  
        複数のストリームを使った従来のバックアップについて
      2.  
        複数ストリームを使ったスナップショットバックアップ方式について
      3.  
        バックアップに使用されたデバイスよりも少ないデバイスでの複数ストリーム SQL Server バックアップのリストア
    24.  
      bplist を使った SQL Server バックアップの取得について
    25.  
      NetBackup for SQL Server のバックアップ名について
  16. 複数の NIC を備えている場合の NetBackup for SQL Server の使用
    1.  
      複数の NIC を備えた SQL Server バックアップの構成と要件
    2.  
      プライベートインターフェース名を使用した NetBackup クライアントの構成
    3.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server のバックアップを設定する (SQL Server インテリジェントポリシー)
    4.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server のバックアップを設定する (バッチファイルベースポリシー)
    5.  
      複数の NIC を備えている場合の SQL Server のリストア (NetBackup MS SQL Client)
    6.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server クラスタのバックアップを設定する (SQL Server インテリジェントポリシー)
    7.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server クラスタのバックアップを設定する (バッチファイルベースポリシー)
    8.  
      複数の NIC を備えている場合に SQL Server クラスタのバックアップ用バッチファイルを作成する (バッチファイルベースポリシー)
    9.  
      複数の NIC を備えている場合の SQL Server クラスタのリストア (NetBackup MS SQL Client)
  17. 処理速度とトラブルシューティング
    1.  
      NetBackup for SQL Server のパフォーマンスに影響を与える要素
    2. SQL Server のトラブルシューティング用のデバッグログについて
      1.  
        NetBackup for SQL Server クライアントのデバッグレベルの設定
      2.  
        Veritas VSS プロバイダのログ
    3.  
      クレデンシャルの検証に関するトラブルシューティング
    4.  
      VMware のバックアップに関するトラブルシューティング
    5.  
      SQL Server の VMware バックアップ中に発生する SQL Server のログの切り捨てエラー
    6.  
      NetBackup for SQL Server の操作の監視について
    7.  
      NetBackup for SQL Server の最大トレースレベルの設定
    8.  
      失敗したファイルグループまたはファイルバックアップのレポート
    9.  
      大規模な SQL Server データベースのリストアにおけるタイムアウトエラーの最小化について
    10.  
      SQL Server の圧縮バックアップイメージを単一のストライプとして、または複数のストライプを含むイメージとしてリストアすると、SQL Server のリストアが失敗する
    11.  
      可用性グループクラスタに不正なバックアップイメージが表示される
    12.  
      SQL Server のホスト名または SQL Server データベース名の末尾にスペースがあると SQL Server データベースのリストアは状態コード 5 またはエラー (-1) で失敗する
    13.  
      SQL Server のホスト名、データベース名、データベース論理名の末尾にスペースがあると移動操作は状態コード 5 またはエラー (-1) で失敗する
    14.  
      可用性グループのレプリカを検出または参照できない
    15. SQL Server のディザスタリカバリについて
      1.  
        SQL Server のディザスタリカバリの準備
      2.  
        ディザスタリカバリの後の SQL Server のデータベースのリカバリ
  18. 付録 A. その他の設定
    1.  
      SQL Server 多重バックアップの構成
    2.  
      多重化された SQL Server バックアップのリストア
    3. SAP 環境での SQL Server バックアップおよびリストアについて
      1. SAP 環境での SQL Server の自動バックアップ用バッチファイルの作成
        1.  
          データベースバックアップのバッチファイルの作成
        2.  
          トランザクションログのバックアップのバッチファイルの作成
      2.  
        SQL Server でのバックアップの監視
      3. R/3 データベースのリストア
        1.  
          リストア操作への差分バックアップの組み込みについて
        2.  
          ディスククラッシュ後の R/3 データベースのリストア
        3.  
          データベースバックアップおよびトランザクションログのバックアップのリストア
      4.  
        SAP 環境での SQL Server のポリシー構成について
    4.  
      データベースログ配布をサポートするための NetBackup の構成
    5.  
      ログ配布が設定された環境での SQL Server のバックアップ
    6. NetBackup for SQL Server のデータベースミラーリング機能について
      1.  
        データベースミラーリングをサポートするように NetBackup を設定する
      2.  
        ミラーリングされたパートナーの同時バックアップの実行
      3.  
        ミラーリングされたデータベースのバックアップイメージのリストア
  19. 付録 B. 承認を受けた場所の登録
    1.  
      NetBackup データベースのスクリプトベースポリシーで使用する承認を受けた場所の登録

NetBackup for SQL Server のパフォーマンスに影響を与える要素

SQL Server や NetBackup のハードウェア環境と設定を含む多くの要因が、バックアップのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

メモ:

次に示す要因の一部は、SQL Server のストリームベースの処理にのみ該当し、スナップショットバックアップまたはリストアには影響しません。

SQL Server インテリジェントポリシーの場合は、これらのパラメータを[Microsoft SQL Server]タブでポリシーに設定します。バックアップバッチファイルまたはリストアバッチファイルの場合は、NetBackup MS SQL Client インターフェースでこれらのパラメータを構成します。NetBackup クライアントプロパティのこれらのパラメータを保存してセッションで使います。

SQL Server のバッファ領域パラメータ

[最大転送サイズ (Maximum transfer size)]、[バックアップするブロックサイズ (Backup block size)]、[ストライプあたりのクライアントバッファ (Client buffers per stripe)]によって、SQL Server のバッファ領域が増加する可能性があります。SQL Server にはこれらの値の増加をサポートするために利用可能なリソースが必要です。バッファ領域パラメータは、ストリームベースのバックアップのためにのみ適用可能です。

[最大転送サイズ (Maximum transfer size)]パラメータは、各バックアップ操作またはリストア操作に対して設定できます。[最大転送サイズ (Maximum transfer size)]は、SQL Server でバックアップイメージの読み取りおよび書き込みに使用されるバッファサイズです。通常、この値を大きくすると、SQL Server のパフォーマンスが向上します。

[バックアップするブロックサイズ (Backup block size)]パラメータは、各バックアップ操作に対して設定できます。リストアに対しては、NetBackup によって、バックアップに使用したサイズと同じサイズが自動的に選択されます。[バックアップするブロックサイズ (Backup block size)]は、SQL Server でバックアップイメージの読み取りおよび書き込みに使用される増分サイズです。

[ストライプあたりのクライアントバッファ (Client buffers per stripe)]によって、バックアップ操作またはリストア操作時に各データストリームの読み込みまたは書き込みのために割り当てるバッファ数が決定されます。この要素を 1 より大きい値に設定すると、データ転送時のマルチバッファが有効になります。より多くのバッファ数を割り当てることによって、NetBackup から NetBackup メディアサーバーへのデータ送信を高速化できます。マルチバッファは、バックアップまたはリストア操作中に Producer-Consumer で短期的な不均衡が発生するのを防ぎます。バッファ数には 32 まで設定できますが、通常は値を 2 または 3 に設定すれば十分です。

ストライプと並列バックアップ操作

データベースのサイズと数によっては、バックアップストライプまたは並列バックアップ操作の値を増やすとパフォーマンスとスループットが向上します。

ストライプを設定するために SQL Server エージェントに追加のオーバーヘッドが必要になったとしても、パフォーマンスの向上のほうが重要な大規模データベースでは、複数のストライプ ([バックアップストライプ数 (Number of backup stripes)]) が役立ちます。より小さい規模のデータベースについては、ストライプの使用によってパフォーマンス速度が低下する可能性があります。一般に、SQL Server インスタンスに少数の大規模データベースしかない場合は、ストライプの使用によってパフォーマンスは改善します。インスタンスに多数の小規模データベースがある場合は、[並列バックアップ操作 (Parallel backup operations)]の量を増加することが、パフォーマンスを改善するにはよりよい選択です。ストライプおよび並列バックアップ操作の両方を同時に高めることができますが、システムリソースにかかる負荷が高くなりすぎないように注意します。

バックアップ操作を許可するジョブ数の設定を参照してください。

注意:

ポリシーが複数のストライプを使用するようにも構成されている場合、スケジュールの多重化を有効にしないでください。1 つのバックアップポリシーに対して多重化と複数のストライプの両方が構成されていると、リストアに失敗します。

共有メモリの使用

最適なパフォーマンスを得るには、NetBackup サーバーを NetBackup for SQL Server と同じホスト上にインストールしてください。データの転送にソケットではなく共有メモリを使った場合にも最適化されます。install_path\NetBackup\NOSHM ファイルを作成しないかぎり、共有メモリはデフォルト構成です。

代替バッファ方式

NetBackup for SQL Server では、代替バッファ方式をサポートしています。この方式では、NetBackup と SQL Server 間でデータを転送することなく、同じメモリバッファを共有できるようにすることで、CPU の使用が最適化されます。

通常、バックアップおよびリストアの代替バッファ方式では、CPU 使用率のみが改善され、データ転送速度は向上しません。代替バッファ方式の使用中、転送速度が大幅に低下する場合があります。転送速度を上げるには、バックアップの[最大転送サイズ (Maximum transfer size)]を最大値である 4 MB に設定します。

バックアップ操作での代替バッファ方式について

次のすべての条件に当てはまる場合、この方式がバックアップに対して自動的に選択されます。

  • NetBackup 共有メモリが使用されている。

  • バックアップがストリームベースである。

  • バックアップが多重化されていない。

  • バックアップポリシーで、NetBackup 圧縮または NetBackup 暗号化のどちらも指定されていない。

  • NetBackup のバッファサイズと SQL Server のブロックサイズが同じである。

    NetBackup のバッファサイズのデフォルトは 64 KB ですが、この値は次の設定で変更できます。

    install_path\NetBackup\db\config\SIZE_DATA_BUFFERS (テープバックアップ用) または

    install_path\NetBackup\db\config\SIZE_DATA_BUFFERS_DISK (ディスクバックアップ用)

  • NetBackup for SQL Server エージェントを、NetBackup Client Service と同じアカウントを使用して起動している。

    自動バックアップポリシーから開始されたバックアップは、NetBackup Client Service で開始されるため、同じアカウントが使用されます。ただし、NetBackup for SQL Server または dbbackex を介して SQL Server バックアップを開始できます。この場合、ログオンアカウントが NetBackup Client Service アカウントと同じである必要があります。その後、バックアップは代替バッファ方式で行うことができます。

リストア操作での代替バッファ方式について

バックアップの条件として、代替バッファ方式を使用する必要があります。リストアの場合も、バックアップが代替バッファ方式で行われている必要があります。代替バッファ方式が使用されたことを検証できます。Using alternate buffer method という文字列を検索します。これは、dbclient ログおよび進捗レポートに表示されます。

SQL Server チェックサム

バックアップを実行する前に、チェックサムを実行することを選択できます。このオプションを有効にすると、バックアップ操作またはリストア操作でパフォーマンスが低下します。

バッチファイルベースポリシーの場合は、スクリプトを作成するときに[ページ検証 (Page verification)]値を設定します。リストアスクリプトの場合は、スクリプトの作成時に[リストアは実行せずに、バックアップイメージを検証 (Verify backup image, but do not restore)]オプションを選択します。

インスタントデータファイルの初期化

データベース、ファイルグループまたはデータベースファイルをリストアする場合、SQL Server によってファイル領域がゼロにリセットされてからリストア操作が開始されます。この処理によって、リカバリ時間の合計が 2 倍になる可能性があります。ファイルの初期化を回避するには、SE_MANAGE_VOLUME_NAME に割り当てられた Windows アカウントで MSSQLSERVER サービスを実行します。詳しくは、SQL Server と Windows のマニュアルを参照してください。

読み書き可能なファイルグループと読み取り専用ファイルグループの使用

読み書き可能なファイルグループのみを定期的にバックアップした場合、必要なバックアップ時間およびストレージメディアを大幅に削減できます。その場合、読み取り専用ファイルグループのバックアップを 1 つだけ保持します。これは無制限に保持されます。スケジュールの保持レベルを設定できます。