Veritas NetBackup™ for Microsoft Exchange Server 管理者ガイド
- NetBackup for Exchange の概要
- NetBackup for Exchange のインストール
- Exchange クライアントのホストプロパティの構成
- NetBackup Exchange 操作のアカウントの構成
- Exchange ホストの構成
- Exchange 個別リカバリの構成
- Exchange のバックアップと個別リカバリテクノロジ (GRT) について
- Exchange 個別リカバリテクノロジ用 Network File System (NFS) のインストールおよび構成
- Exchange のバックアップポリシーの構成 (非 VMware)
- Exchange Server のバックアップポリシーの構成について
- Exchange Server のスナップショットバックアップの構成
- Exchange Server のインスタントリカバリバックアップの構成
- Exchange Server、メールボックス、パブリックフォルダのバックアップの実行
- Exchange Server、メールボックス、パブリックフォルダのリストアの実行
- Exchange スナップショットバックアップのリストアについて
- 個々の Exchange メールボックスおよび共有フォルダの項目のリストアについて
- Exchange メールボックスまたは共有フォルダのオブジェクトの代替パスへのリダイレクトリストア
- VMware バックアップを使用した Exchange Server データの保護について
- 修復された Exchange Server または代替の Exchange Server への Exchange データベースのリカバリ
- Exchange サーバーのバックアップとリストアのトラブルシューティング
- NetBackup for Exchange デバッグログ
- オフホスト Exchange サーバーでのイベントビューアログの表示
- NetBackup の状態レポート
- Exchange リストア操作のトラブルシューティング
- DAG のバックアップとリストアのトラブルシューティング
- 付録 A. NetBackup Legacy Network Service (Exchange 2010)
Exchange インスタントリカバリ方式について
インスタントリカバリオプションを設定してスナップショットを保持する場合、NetBackup では必要に応じてスナップショットボリュームのロールバックを使用してデータベースをリストアします。通常、Exchange ファイルを含むスナップショットボリュームのロールバックが最も高速な方法です。 ただし、ロールバックが適切かどうかは、Exchange データベースファイルの構成、ボリュームの内容、ディスクアレイの構成など、いくつかの要因によって異なります。ボリュームロールバックを実行できない場合、リストアに必要なファイルはスナップショットボリュームから宛先ボリュームにコピーされます。Exchange のインスタントリカバリは、ファイルシステムのインスタントリカバリとは異なります。Exchange の場合、NetBackup により使用するリカバリ方式が決定されます。ファイルシステムのリストアの場合は、ユーザーがインスタントリカバリ方式を選択します。
物理ファイルをリストアする場合、Exchange データベースのリストアでは、NetBackup は次の方式を使用します。
ボリュームロールバック | スナップショットを使用して、ボリューム全体をロールバックまたは再同期化します。この方式により、ボリューム全体がスナップショットがとられたボリュームで上書きされます。 |
ファイルコピーバック | 個々のファイルのコピーが、スナップショットがとられたボリュームから現在のボリュームに戻されます。 |
ボリュームをロールバックできるかどうかを確認するために、次の場所に同じファイルのリストが存在するかどうかがチェックされます。
スナップショットボリュームは、リストアするファイルのカタログ化されたリストと比較されます。これらのリストは、完全に一致する必要があります。一致しない例として、ファイルがスナップショットに含まれていても、Exchange ファイルではないためにカタログ化されなかった場合があります。スナップショットはロールバックされません。これは、その処理によって非 Exchange ファイルが上書きされるためです。ボリューム上の一部のデータベースがバックアップに含まれなかった場合も、Exchange ファイルはスナップショットに存在しても、カタログに存在しません。
スナップショットボリュームは、現在のボリュームと比較されます。現在のボリュームのすべてのファイルは、スナップショットにも存在する必要があります。ロールバックは、スナップショットに存在しないファイルがある場合、そのファイルをリストアしないため、実行されません。
両方の比較で、NetBackup は特定のファイルを比較の対象からエクスクルードします。たとえば、不要な Exchange トランザクションログ、Exchange により再生成されるファイル、または NetBackup プロセスの結果であるファイルです。bppfi
ログには、いつそのようなファイルの相違が検出され、比較の対象からエクスクルードされたかが示されます。
コピーバックリストア方式は、次の状況で使用されます。
システムプロバイダを使用し、リストア対象のスナップショットが最新のスナップショットではない場合。
ボリューム上の他のファイルが失われた可能性がある場合。
スナップショットの一部のファイルはリストアの対象でない場合。
[ロールフォワードリカバリ (Roll-Forward Recovery)]を選択する場合。コピーバック方式は、ログファイルを含むボリュームで使用する必要があります。ロールフォワードリカバリには、バックアップ以降に作成されたログファイルが必要です。ロールバックは、これらのログファイルを削除するため、実行できません。データベースファイル (
.edb
) が異なるボリュームにある場合、そのボリュームは他の条件で評価され、ロールバックに使用できるかどうかが判断されます。
リストアセットに複数のボリュームが含まれる場合、ロールバックに使用できるかどうかを確認するために各ボリュームが別々に評価されます。(リストアセットは、リストア対象となる Exchange データベース、トランザクションログおよびシステムファイルの場所に基づきます。)たとえば、データベースファイルを含むボリュームがロールバックの対象になっているが、ログファイルを含むボリュームには Exchange 以外の余分なファイルが存在するとします。リストア時には、データベースファイルを含むボリュームだけがロールバックされます。ログファイルのコピーはすべてスナップショットから現在のボリュームに戻されます。