Veritas NetBackup™ for Microsoft Exchange Server 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup (8.1.1)
  1. NetBackup for Exchange の概要
    1.  
      NetBackup for Exchangeについて
    2.  
      NetBackup for Exchange の機能
    3.  
      NetBackup for Exchange の用語
  2. NetBackup for Exchange のインストール
    1.  
      NetBackup for Exchange のインストールの計画
    2.  
      オペレーティングシステムおよびプラットフォームの互換性の確認
    3.  
      NetBackup for Exchange 用 NetBackup サーバーの要件
    4.  
      NetBackup for Exchange 用 NetBackup クライアントの要件
    5.  
      NetBackup for Exchange の Exchange サーバーソフトウェア要件
    6. Exchange スナップショットバックアップの Snapshot Client 構成とライセンス要件
      1.  
        Exchange オフホストバックアップの要件
      2.  
        Exchange インスタントリカバリバックアップの要件
    7.  
      NetBackup for Exchange のライセンスについて
  3. Exchange クライアントのホストプロパティの構成
    1.  
      Exchange クライアントのホストプロパティの構成
    2.  
      [Exchange]プロパティNetBackup 管理コンソールの[Exchange]プロパティ
    3.  
      スナップショットバックアップによるすべての Exchange トランザクションログファイルまたはコミットされていない Exchange トランザクションログファイルのみのバックアップについて
    4.  
      Exchange 個別のプロキシのホストの構成
    5.  
      インスタントリカバリバックアップでの Exchange トランザクションログの切り捨てについて
    6.  
      ストレージユニットに対するバックアップの実行による Exchange トランザクションログの切り捨て
    7.  
      Exchange バックアップでの一貫性チェックオプションについて
    8.  
      クライアントのホストプロパティにおける Exchange クレデンシャルについて
  4. NetBackup Exchange 操作のアカウントの構成
    1.  
      NetBackup Exchange 操作のアカウントの構成について
    2.  
      NetBackup および Microsoft Web サービスについて
    3.  
      EWS アクセス用の特権付き NetBackup ユーザーアカウントの作成
    4.  
      Exchange 用の最小の NetBackup アカウントの作成
    5.  
      「プロセスレベルトークンの置き換え」の権限を使用した NetBackup Exchange 操作のアカウントの構成について
  5. Exchange ホストの構成
    1.  
      分散アプリケーション、クラスタ、または仮想マシンのリストアマッピングの設定
    2.  
      ホスト管理での自動検出されたマッピングの確認
  6. Exchange 個別リカバリの構成
    1. Exchange のバックアップと個別リカバリテクノロジ (GRT) について
      1.  
        メールボックスの検出と個別リカバリテクノロジ (GRT) について
      2.  
        Exchange 個別リストア用クライアントと非 VMware バックアップ
      3.  
        Exchange 個別リストア用クライアントおよび VMware バックアップ
      4.  
        Exchange の個別操作および NetBackup メディアサーバー
    2.  
      個別リカバリテクノロジ (GRT) を使う Exchange バックアップの構成 (非 VMware バックアップ)
    3. Exchange 個別リカバリテクノロジ用 Network File System (NFS) のインストールおよび構成
      1. Windows 2012、2012 R2、2016 でのネットワークファイルシステム (NFS) 用サービスの構成について
        1.  
          Windows 2012、2012 R2、2016 メディアサーバーでのネットワークファイルシステム (NFS) 用サービスの有効化
        2.  
          Windows 2012、2012 R2、2016 クライアントでのネットワークファイルシステム (NFS) 用サービスの有効化
      2. 2008 および Windows 2008 R2 での NFS 用サービスの構成について
        1.  
          Server 2008 または Windows Server 2008 R2 での NFS 用サービスの有効化
      3.  
        Server for NFS の無効化
      4.  
        メディアサーバーでの Client for NFS の無効化
      5.  
        個別リカバリテクノロジ (GRT) を使用するバックアップおよびリストアのための UNIX メディアサーバーおよび Windows クライアントの構成
      6.  
        NBFSD 用の個別のネットワークポートの構成
    4.  
      Exchange 個別リカバリテクノロジ (GRT) でサポートされるディスクストレージユニット
    5.  
      個別リカバリテクノロジ (GRT) を使用する Exchange バックアップの複製に対するカタログ化の無効化
    6.  
      個別リカバリテクノロジ (GRT) を使う Exchange バックアップまたは VMware バックアップのカタログ化
    7.  
      NetBackup Client Service のログオンアカウントの構成
  7. Exchange のバックアップポリシーの構成 (非 VMware)
    1.  
      Exchange 自動、ユーザー主導型、および手動バックアップについて
    2. Exchange Server のバックアップポリシーの構成について
      1.  
        Exchange Server のポリシーに関する推奨事項
      2.  
        ポリシー属性
      3. NetBackup for Exchange ポリシーへのスケジュールの追加
        1.  
          NetBackup for Exchange のバックアップ形式
        2.  
          スケジュールプロパティについて
      4.  
        Exchange ポリシーのクライアントを NetBackup へ追加
      5.  
        クライアントリストの物理ノード名の使用
      6. Exchange ポリシーへのバックアップ対象の追加
        1.  
          参照による[バックアップ対象 (Backup Selections)]リストへのエントリの追加
        2.  
          [バックアップ対象 (Backup Selections)]リストへのエントリの手動での追加
        3.  
          複数データストリームを使用する Exchange バックアップの実行
        4.  
          Exchange データベース可用性グループ (DAG) での複数データストリームの使用
        5.  
          Exchange の[バックアップ対象 (Backup Selections)]リストでのワイルドカードの使用
        6.  
          バックアップからの Exchange 項目の除外について
        7.  
          Exchange クライアントのエクスクルードリストの構成
      7.  
        Exchange のバックアップとトランザクションログについて
    3. Exchange Server のスナップショットバックアップの構成
      1.  
        Exchange Server でのスナップショットバックアップについて
      2.  
        Exchange スナップショット操作の制限事項
      3.  
        スナップショット操作を実行する場合の Exchange Server の構成に関する要件と推奨事項
      4.  
        Exchange スナップショットバックアップの一貫性チェック
      5. Exchange Server のスナップショットポリシーの構成
        1.  
          Exchange Server のバックアップのスナップショットオプション
        2.  
          データベース可用性 (DAG) バックアップのバックアップソース
        3.  
          データベース可用性グループ (DAG) の優先サーバーリストの構成
        4.  
          Exchange データベース可用性グループ (DAG) のバックアップ状態と優先サーバーリスト
    4. Exchange Server のインスタントリカバリバックアップの構成
      1.  
        Exchange インスタントリカバリ方式について
      2.  
        Exchange インスタントリカバリに関するポリシーの推奨事項
      3.  
        Storage Foundations for Windows (SFW) と Exchange インスタントリカバリについて
      4.  
        インスタントリカバリを使用する場合の Exchange Server の構成要件
      5.  
        Microsoft VSS プロバイダによる Exchange インスタントリカバリ
      6. インスタントリカバリが設定された Exchange スナップショットポリシーの構成
        1.  
          Exchange インスタントリカバリのスケジュールの追加
        2.  
          Exchange インスタントリカバリポリシーのスケジュール設定
        3.  
          Exchange インスタントリカバリボリュームのローテーション
        4.  
          インスタントリカバリを設定した Exchange ポリシーへのバックアップ対象の追加
    5.  
      手動バックアップの実行
  8. Exchange Server、メールボックス、パブリックフォルダのバックアップの実行
    1.  
      Exchange サーバーデータのユーザー主導バックアップについて
    2.  
      Exchange Server バックアップ操作のソースクライアントの選択について
    3.  
      ユーザー主導 Exchange バックアップのオプション
    4.  
      Exchange Server のユーザー主導スナップショットバックアップの実行
  9. Exchange Server、メールボックス、パブリックフォルダのリストアの実行
    1.  
      Exchange サーバー主導リストアとリダイレクトリストアについて
    2.  
      Exchange リストア操作の宛先クライアントの選択について
    3.  
      Exchange データベースデータのリストアについて
    4.  
      既存の Exchange Server トランザクションログ
    5. Exchange スナップショットバックアップのリストアについて
      1.  
        Exchange スナップショットのリストアオプション
      2.  
        データベース可用性グループ (DAG) のスナップショットリストアの実行
      3.  
        Exchange スタンドアロンサーバーのスナップショットリストアの実行
      4.  
        別のデータベースまたはリカバリデータベース (RDB) へのデータベース可用性グループ (DAG) スナップショットバックアップのリダイレクト
      5.  
        別のデータベースまたはリカバリデータベース (RDB) への Exchange スタンドアロンサーバースナップショットバックアップのリダイレクト
      6.  
        リストア後の Exchange データベースの手動でのマウント
    6. 個々の Exchange メールボックスおよび共有フォルダの項目のリストアについて
      1.  
        Exchange メールボックスフォルダおよびメッセージの件名の特殊文字
      2.  
        Exchange の個々のメールボックス、メールボックスフォルダ、パブリックフォルダまたはメッセージのリストアを実行するための前提条件および操作上の注意事項
      3.  
        Exchange Server メールボックスオブジェクトまたは共有フォルダオブジェクトのリストアのオプション
      4.  
        Exchange メールボックスまたは共有フォルダのオブジェクトのリストア
      5. Exchange メールボックスまたは共有フォルダのオブジェクトの代替パスへのリダイレクトリストア
        1.  
          Exchange メールボックスまたは共有フォルダのオブジェクトの代替パスへのリダイレクトリストアの要件
        2.  
          Exchange メールボックス、メールボックスフォルダまたはパブリックフォルダのリダイレクトリストア
        3.  
          Exchange フォルダ、メッセージ、またはドキュメントの代替パスへのリダイレクトリストア
      6.  
        コマンドラインを使用したExchange個別バックアップイメージの参照またはリストア
  10. VMware バックアップを使用した Exchange Server データの保護について
    1. VMware バックアップによる Exchange Server データの保護について
      1.  
        Veritas VSS provider for vSphere について Veritas VSS provider for vSphere(NetBackup for Exchange)について
      2.  
        Exchange サーバーを保護する VMware バックアップのサポート
      3.  
        Exchange Server を保護する VMware ポリシーの使用に関する制限事項
    2.  
      Exchange Server を保護する VMware ポリシーの構成に関する注意事項
    3. Exchange Server を保護する VMware バックアップの構成について
      1.  
        Veritas VSS provider for vSphere のインストール
      2.  
        NetBackup アクセラレータを使った VMware の完全バックアップの速度の増加
      3.  
        Exchange を保護する VMware バックアップを使用した個別リカバリテクノロジ (GRT) の構成
      4.  
        Exchange サーバーをバックアップするための VMware ポリシーの構成
    4. レプリケーションディレクタを使用して Exchange サーバーを保護する VMware バックアップを構成し、スナップショットレプリケーションを管理する
      1.  
        Replication Director を使用して Exchange を保護する VMware バックアップで個別リカバリテクノロジ (GRT)を構成し、スナップショットレプリケーションを管理する
      2.  
        スナップショットレプリケーションの管理に Replication Director を使用して Exchange Server をバックアップするための VMware ポリシーの構成
      3.  
        NetApp ディスクアレイ上の共有 CIFS へのアクセスを使用した NetBackup の構成
    5.  
      VMware バックアップからの Exchange データのリストアについて
    6.  
      VMware バックアップでの Exchange データベースのパッシブコピーの保護の有効化
  11. 修復された Exchange Server または代替の Exchange Server への Exchange データベースのリカバリ
    1.  
      Exchange データベースのリカバリについて
    2.  
      Exchange データベースのリカバリ
  12. Exchange サーバーのバックアップとリストアのトラブルシューティング
    1. NetBackup for Exchange デバッグログ
      1.  
        NetBackup for Exchange クライアントのデバッグログの自動的な有効化
      2.  
        NetBackup for Exchange のバックアップ操作のデバッグログ
      3.  
        NetBackup for Exchange のリストア操作のデバッグログ
      4.  
        Veritas VSS provider ログ
      5.  
        NetBackup for Exchange Windows クライアントのデバッグレベルの設定
    2. オフホスト Exchange サーバーでのイベントビューアログの表示
      1.  
        イベントビューア内からリモート Exchange サーバーへの接続
      2.  
        リモートサーバーへの Exchange システム管理ツールのインストール
    3. NetBackup の状態レポート
      1.  
        NetBackup for Exchange 操作の進捗レポートの表示
    4. Exchange リストア操作のトラブルシューティング
      1.  
        異なる Exchange サービスパックまたは異なる累積更新プログラムのレベルへのリストア
    5.  
      Exchange Server のトランザクションログの切り捨てエラー
    6.  
      Exchange のバックアップとリストアのパスの長さ制限の動的エンフォースメント
    7.  
      Exchange スナップショット操作のトラブルシューティング
    8.  
      個別リカバリテクノロジ (GRT) を使用したトラブルシューティング Exchange ジョブ
    9.  
      Exchange 2010 と 2013 でのメモリ使用量の増加
    10. DAG のバックアップとリストアのトラブルシューティング
      1.  
        データベース可用性グループ (DAG) の現在のホストサーバーの検出
      2.  
        データベース可用性グループ (DAG) のバックアップ状態の表示およびリセット
    11.  
      Exchange Server の VMware のバックアップとリストアのトラブルシューティング
  13. 付録 A. NetBackup Legacy Network Service (Exchange 2010)
    1.  
      NetBackup Legacy Network Service のログオンアカウントの構成 (Exchange 2010)

Exchange インスタントリカバリ方式について

インスタントリカバリオプションを設定してスナップショットを保持する場合、NetBackup では必要に応じてスナップショットボリュームのロールバックを使用してデータベースをリストアします。通常、Exchange ファイルを含むスナップショットボリュームのロールバックが最も高速な方法です。 ただし、ロールバックが適切かどうかは、Exchange データベースファイルの構成、ボリュームの内容、ディスクアレイの構成など、いくつかの要因によって異なります。ボリュームロールバックを実行できない場合、リストアに必要なファイルはスナップショットボリュームから宛先ボリュームにコピーされます。Exchange のインスタントリカバリは、ファイルシステムのインスタントリカバリとは異なります。Exchange の場合、NetBackup により使用するリカバリ方式が決定されます。ファイルシステムのリストアの場合は、ユーザーがインスタントリカバリ方式を選択します。

物理ファイルをリストアする場合、Exchange データベースのリストアでは、NetBackup は次の方式を使用します。

ボリュームロールバック

スナップショットを使用して、ボリューム全体をロールバックまたは再同期化します。この方式により、ボリューム全体がスナップショットがとられたボリュームで上書きされます。

ファイルコピーバック

個々のファイルのコピーが、スナップショットがとられたボリュームから現在のボリュームに戻されます。

ボリュームをロールバックできるかどうかを確認するために、次の場所に同じファイルのリストが存在するかどうかがチェックされます。

  • スナップショットボリュームは、リストアするファイルのカタログ化されたリストと比較されます。これらのリストは、完全に一致する必要があります。一致しない例として、ファイルがスナップショットに含まれていても、Exchange ファイルではないためにカタログ化されなかった場合があります。スナップショットはロールバックされません。これは、その処理によって非 Exchange ファイルが上書きされるためです。ボリューム上の一部のデータベースがバックアップに含まれなかった場合も、Exchange ファイルはスナップショットに存在しても、カタログに存在しません。

  • スナップショットボリュームは、現在のボリュームと比較されます。現在のボリュームのすべてのファイルは、スナップショットにも存在する必要があります。ロールバックは、スナップショットに存在しないファイルがある場合、そのファイルをリストアしないため、実行されません。

両方の比較で、NetBackup は特定のファイルを比較の対象からエクスクルードします。たとえば、不要な Exchange トランザクションログ、Exchange により再生成されるファイル、または NetBackup プロセスの結果であるファイルです。bppfi ログには、いつそのようなファイルの相違が検出され、比較の対象からエクスクルードされたかが示されます。

コピーバックリストア方式は、次の状況で使用されます。

  • システムプロバイダを使用し、リストア対象のスナップショットが最新のスナップショットではない場合。

  • ボリューム上の他のファイルが失われた可能性がある場合。

  • スナップショットの一部のファイルはリストアの対象でない場合。

  • [ロールフォワードリカバリ (Roll-Forward Recovery)]を選択する場合。コピーバック方式は、ログファイルを含むボリュームで使用する必要があります。ロールフォワードリカバリには、バックアップ以降に作成されたログファイルが必要です。ロールバックは、これらのログファイルを削除するため、実行できません。データベースファイル (.edb) が異なるボリュームにある場合、そのボリュームは他の条件で評価され、ロールバックに使用できるかどうかが判断されます。

リストアセットに複数のボリュームが含まれる場合、ロールバックに使用できるかどうかを確認するために各ボリュームが別々に評価されます。(リストアセットは、リストア対象となる Exchange データベース、トランザクションログおよびシステムファイルの場所に基づきます。)たとえば、データベースファイルを含むボリュームがロールバックの対象になっているが、ログファイルを含むボリュームには Exchange 以外の余分なファイルが存在するとします。リストア時には、データベースファイルを含むボリュームだけがロールバックされます。ログファイルのコピーはすべてスナップショットから現在のボリュームに戻されます。