Backup Exec 23 に関するベストプラクティス
- Backup Exec に関するベストプラクティス
Backup Exec クラウドコネクタの使用に関するベストプラクティス
Backup Exec クラウドコネクタ機能を利用すると、サードパーティのクラウドストレージサービスとシームレスかつ安全に統合することができ、バックアップを直接クラウドに作成したり、ディスクからクラウドに作成したりできます。サポート対象地域のリストを確認するには、URL http://www.veritas.com/docs/000017788 の Backup Exec ハードウェア互換性リストを参照してください。
Backup Exec クラウドコネクタの使用を開始する前に、次の用語について理解する必要があります。
アクセスキー ID: クラウドストレージへのアクセスを許可する英数字のコード。Backup Exec でクラウドストレージを設定する前に、利用するクラウドストレージサービスプロバイダ (Amazon S3 や Google など) でアクセスキーを作成する必要があります。Backup Exec でクラウドストレージを設定するときは、クラウドストレージのログオンクレデンシャルのユーザー名としてこのキーを入力する必要があります。クラウドストレージプロバイダからキーをコピーして貼り付ける場合、空白文字をコピーしないよう注意してください。
秘密キー: クラウドストレージへのアクセスを許可するための英数字のコード。Backup Exec でクラウドストレージを設定する前に、利用するクラウドストレージサービスプロバイダ (Amazon S3 や Google など) で秘密キーを作成する必要があります。Backup Exec でクラウドストレージを設定するときは、クラウドストレージのログオンクレデンシャルのパスワードとしてこのキーを入力する必要があります。クラウドストレージプロバイダからキーをコピーして貼り付ける場合、空白文字をコピーしないよう注意してください。
バケット: データやメタデータなどのオブジェクトを格納するストレージの論理ユニット。Backup Exec でクラウドストレージを設定する前に、利用するクラウドストレージ (Amazon S3 や Google など) でバケットを作成する必要があります。Backup Exec でクラウドへのバックアップジョブを設定するときに 2 つ以上のバケットを作成している場合、データの格納に使用するバケットを選択する必要があります。
次の表を確認して、所属する組織にとって最良のバックアップシナリオを判断してください。
表: 一般的なクラウドベースのバックアップシナリオの長所と短所
バックアップシナリオ |
長所 |
短所 |
---|---|---|
クラウドに直接バックアップを作成する |
これは最も簡単な操作です。ローカルのバックアップストレージデバイスに追加の容量は必要ありません。 |
クラウドへのバックアップとリストアは利用可能な帯域幅によって遅くなる可能性があるため、バックアップ時間帯に適合しない可能性があります。 クラウドに直接バックアップを作成するメニューオプションを利用できます。 Backup Exec 16 FP1 より前のリリースでクラウドに直接バックアップを作成するには、ディスクへのバックアップジョブを作成してから、ストレージプロパティを編集してクラウドストレージデバイスを選択する必要があります。 |
ディスクにバックアップを作成してからクラウドに複製する |
この操作を行うとローカルコピーから迅速にリストアできます。 通常クラウドに直接バックアップを作成するより高速であるため、バックアップ時間帯への影響はありません。 この操作ではメニューオプションを利用できます。 |
このオプションには、ローカルのバックアップストレージデバイスに追加のディスク容量が必要です。 |
重複排除ストレージデバイスにバックアップを作成してからクラウドに複製する |
この操作を行うとローカルコピーから迅速にリストアできます。 さらに、ローカルコピーに必要なディスク容量を削減できます。 |
バックアップは、クラウドにコピーされるときに重複排除されなくなります。 |
重複排除ストレージデバイスにバックアップを作成してからクラウドストレージデバイスに複製する |
データの重複排除は、クラウド重複排除ストレージデバイスにバックアップされる際に行われます。 これにより、重複排除されたデータだけがクラウドに格納されるので、クラウドのストレージとネットワーク帯域幅が節約されます。 |
バックアップジョブが完了した後に、メディアが読み取り可能であることを確認するために Backup Exec で検証操作を実行できます。デフォルトでは、Backup Exec はバックアップジョブの最後にバックアップされたデータを検証します。ただし、後で検証操作を実行するようにスケジュールしたり、検証操作を完全に無効にすることもできます。デフォルトのバックアップ設定に含まれる Backup Exe の検証オプションや個々のバックアップジョブの Backup Exe の検証オプションを変更できます。
クラウドベースのストレージデバイスの場合は、デフォルトで[バックアップオプション]の[このジョブのデータを検証しない]オプションが選択されるようになりました。クラウドベンダーは、クラウドからのデータの読み取り操作やクラウドへのデータの書き込み操作に課金します。バックアップジョブや複製ジョブの操作の検証時にデータの読み取りで課金されないようにするため、デフォルトでこのオプションが選択されています。
Backup Exec クラウドコネクタは、S3 (Amazon、Google、Backup Exec によってサポートされるプライベートクラウドベンダー) と Azure に互換性のあるクラウドストレージの整合性検査メカニズムを実装しています。これは Backup Exec 16 以降から利用可能です。
クラウドストレージに対するデータの読み取りや書き込みのコストを決定するには、クラウドストレージプロバイダに問い合わせてください。その後、検証操作のコストと検証済みデータによる安心感を比較して、所属する組織で検証操作を実行する価値があるかどうかを決定できます。
お客様には、Backup Exec クラウドコネクタに加えてサードパーティのクラウドゲートウェイを活用するオプションもあります。このオプションの 1 つの例として、iSCSI ディスクストレージまたは仮想テープライブラリ (VTL) として Backup Exec と統合する Amazon Storage Gateway VTL が挙げられます。
Amazon Storage Gateway は、Amazon が提供する別のサービスであり、月単位の料金が別途必要になります。価格設定について詳しくは、Amazon の Web サイトを参照してください。
Amazon Storage Gateway は、Backup Exec のローカルストレージ先として機能し、自動的かつ透過的にクラウドとの間のデータ転送を管理します。
Amazon Storage Gateway VTL を利用すると、Amazon S3 による VTL や Amazon Glacier による仮想テープシェルフ (VTS) に仮想テープを作成して格納できます。
Amazon Storage Gateway VTL では、操作や要求に課金されないため、操作や要求への課金を回避したいお客様にとっては実行可能な代替策となります。
詳しくは AWS のマニュアルを参照してください。
Backup Exec クラウドコネクタストレージへの Granular Recovery Technology (GRT) バックアップは、Veritas OpenStorage Technology (OST) を活用します。データは、リストアジョブの一部としてローカルで自動的にステージングされます。
クラウドストレージプロバイダは、次のような複数の側面に基づいてストレージサービスの使用に課金します。
時間 (Time)
ストレージ量
操作や要求
データ転送
多くのベンダーは、クラウドへのデータ転送には課金しませんが、オンプレミスに情報を転送するリストアまたは検証操作など、クラウドからの転送にはすべて課金しています。
さらに、主なベンダーは、次のようなさまざまな属性を持つ複数のストレージクラスを提供できます。
アクセス頻度
アクセス帯域幅
アクセスの遅延
冗長性
詳しくは、サポート対象のクラウドストレージベンダーの Web サイトで利用できる最新の価格設定情報を参照してください。多くのベンダーが提供するコスト計算ツールを活用できます。サービスの価格設定は頻繁に更新される可能性があることに注意してください。
データストリームサイズとストリームハンドラオプションは、現在、Backup Exec クラウドコネクタに影響しません。Backup Exec クラウドコネクタは、1 MB のチャンクでデータを操作します。現在、このサイズは設定できません。
メモ:
データストリームサイズとストリームハンドラオプションは、Backup Exec 16 FP1 ユーザーインターフェースのバックアップクラウドコネクタデバイスプロパティから削除されています。
Backup Exec サーバーとクラウドのバックアップ先との間に帯域幅の制約がある場合、クラウドベースのバックアップジョブの読み取りや書き込みの接続数を減らして調整できます。デフォルトの Backup Exec の読み取りや書き込みの接続設定は、標準的なネットワーク帯域幅を前提としていますが、書き込みまたは読み取りの接続数が利用可能な帯域幅に対して過剰になる場合があります。Backup Exec 16 FP1 では、ユーザーインターフェースから読み取りや書き込みの接続を設定できます。ネットワーク帯域幅が減少した場合、一貫した接続を確立するため読み取りや書き込みの接続数を調整できます。Backup Exec サービスを再起動する必要はありません。読み取りと書き込みの調整設定は、Backup Exec がサポートするパブリックとプライベート両方のクラウドストレージデバイスに対して機能します。Backup Exec の[構成と設定]、[設定]、[クラウドストレージ]に存在する読み取りと書き込みの設定の表を次に表示します。表示されているデフォルト設定は、不十分な帯域幅が原因の接続エラーをなくすため、クラウドストレージの種類ごとに低減できます。読み取りや書き込みの接続を減らすと、これに対応してジョブのスループットが低下することに注意してください。
ディスクへのバックアップの作成後にクラウドに複製するには、Backup Exec に 2 種類のストレージを設定する必要があります。ローカルストレージからクラウドへデータをステージングするローカルディスクストレージデバイスとクラウドストレージです。
Backup Exec で排他的に使用する特定のバケットやコンテナを作成します。バケットまたはコンテナにライフサイクルポリシーを適用しないでください。
各クラウドストレージデバイスで別々のバケットやコンテナを使用します。複数のクラウドストレージデバイスが異なる Backup Exec サーバーで構成されている場合でも、これらのデバイスに同じバケットを使用しないでください。
バケット名やコンテナ名に小文字、数字、ダッシュまたはハイフンのみ含まれていることを確認します。また、バケット名がダッシュで開始していないことを確認します。バケット名がバケットの命名規則に準拠していない場合、バケットを Backup Exec で使用できません。