NetBackup™ NAS 管理者ガイド
- 第 I 部 NAS バックアップについて
- 第 II 部 NAS-Data-Protection (D-NAS) の使用
- D-NAS の概要
- D-NAS の計画とチューニング
- D-NAS 構成の前提条件
- ボリュームのマルチホストバックアップ
- NAS ボリュームの D-NAS ポリシーの構成
- アクセラレータの使用
- ベンダー変更追跡の使用
- D-NAS ポリシーを使用したレプリケーション
- D-NAS バックアップからのリストア
- トラブルシューティング
- 第 III 部 NDMP の使用
- NetBackup for NDMP の概要
- NetBackup for NDMP について
- NDMP バックアップの形式
- 異なるホストへのテープドライブの割り当てについて
- NetBackup for NDMP のインストールについての注意事項
- NDMP に接続されたデバイスへの NDMP バックアップの構成
- [メディアおよびデバイスの管理 (Media and Device Management)]の構成について
- NDMP ポリシーの作成について
- DAR の有効化または無効化について
- NetBackup メディアサーバーへの NDMP バックアップ (リモート NDMP) の構成
- NDMP ダイレクトコピーの構成
- Accelerator for NDMP
- リモート NDMP とディスクデバイス
- NetBackup for NDMP での Shared Storage Option (SSO) の使用
- NDMP の NAS アプライアンス情報
- ベンダー固有の情報
- バックアップおよびリストアの手順
- トラブルシューティング
- NetBackup for NDMP のスクリプトの使用
- NetBackup for NDMP の概要
NetApp の Data ONTAP 8.2 クラスタモードでの NetBackup の使用
cDOT (Clustered Data ONTAP) 8.2 リリースで、NetApp 社は CAB (Cluster Aware Backup) と呼ばれる NDMP 拡張機能をリリースしました。この拡張機能を使用すると、Vserver (仮想サーバー) または SVM (ストレージ仮想マシン) を、NetBackup ポリシーの NDMP ホスト (クライアント) としてバックアップできます。これは、ONTAP 8.2 以降の新規インストールのデフォルトです。クラスタが古いバージョンの ONTAP からアップグレードされる環境、または複数の ONTAP バージョンを実行する環境で、この動作では NDMP ホスト名としてノード名が使用されます。これは、次の ONTAP コマンドを使って構成できます。
system services ndmp node-scope-mode [on|off]
on は、Node スコープ NDMP モードで、off は Vserver 対応 NDMP モードです。
ONTAP 8.2 C モード (クラスタモード) では、ボリュームをクラスタ内の 1 つのノードから別のノードに移動できます。ボリュームの移動は、無停止の操作、高可用性 (フェールオーバー)、およびリソース分散を提供するために実行されます。NetApp はフェールオーバーの間に自動的にボリュームを移動します。ただし、保守または負荷分散を提供するために、ボリュームを別のノードに移動する場合は、NetApp ストレージ管理者が実行します。
NetBackup は、NetBackup 7.7 リリースで CAB 拡張をサポートします。ノードスコープの NDMP モードまたは Vserver 対応 NDMP モードで実行されている NetApp Clustered Data ONTAP 環境を保護するために NetBackup を構成するときに、重要な注意事項があります。
NetBackup では、データはクライアント名 (データへのアクセスに使用される NDMP ホスト名) によって追跡されます。cDOT では、データは Vserver に関連付けられ、物理ノードでホストされます。これらの事項は、NetBackup を構成するときに考慮する必要があります。
他にも、表: クラスタからのリソースの可用性 に示すように、クラスタからのリソースの可用性についても考慮する必要があります。
表: クラスタからのリソースの可用性
インターフェースの種類 | ボリュームの可視性 | テープドライブの可視性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
ノードスコープモード | Vserver モード | ノードスコープモード | Vserver モード | |||
非 CAB 対応 NetBackup | CAB 対応 NetBackup | 非 CAB 対応 NetBackup | CAB 対応 NetBackup | |||
クラスタ管理 | 該当なし | LIF と同じノード上のすべてのボリューム | クラスタ内のすべてのボリューム | 該当なし | 該当なし | クラスタ内のすべてのテープドライブ |
クラスタ間 | 該当なし | LIF と同じノード上のすべてのボリューム | クラスタ内のすべてのボリューム | 該当なし | 該当なし | クラスタ内のすべてのテープドライブ |
Vserver | 該当なし | Vserver のボリュームと LIF と同じノードでホストされるボリューム | Vserver のすべてのボリューム | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
ノード名 | ノード上のすべてのボリューム | 該当なし | 該当なし | ノード上のすべてのテープドライブ | 該当なし | 該当なし |
クラスタ間 LIF はクラスタ管理 LIF に非常によく似ていますが、クラスタの各ノードで構成する必要があります。