Enterprise Vault の指示句とそれらがバックアップするデータについて
Enterprise Vault データをバックアップするポリシーを作成するとき、バックアップするデータに基づいて指示句を選びます。さらに、バックアップするデータはポリシーで選択するクライアントによっても決まります。次の表は、Enterprise Vault 7.5 および Enterprise Vault 8.0 以降のバージョンに利用可能な Enterprise Vault の各指示句を示します。最後に、その特定の指示句が選択されている場合にバックアップされるデータについて簡単に示します。
ベリタスでは、同じ Enterprise Vault のデータをバックアップしない指示句を用いて Enterprise Vault のポリシーを作成することを推奨します。たとえば、EV_SITE 指示句を用いる Enterprise Vault 7.5 のバックアップポリシーは EV_SERVER 指示句を用いるバックアップポリシーと同じデータをバックアップできます。この場合、EV_SERVER 指示句で構成される Enterprise Vault のバックアップポリシーを実行する必要はありません。
表: Enterprise Vault 7.5 の指示句とそれらがバックアップする対象 は、Enterprise Vault 7.5 の指示句を示します。各指示句では、ポリシークライアントが指定されており、各指示句が完全バックアップ、差分バックアップおよび累積バックアップに適用されます。また、Enterprise Vault 7.5 は、複数のポリシークライアントをサポートします (EV_VAULT_STORE_DB= 指示句を除く)。
表: Enterprise Vault 7.5 の指示句とそれらがバックアップする対象
指示句 (バックアップ対象) | 説明 |
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EV_DIR_DB (ディレクトリデータベース) | ディレクトリデータベースは設定情報を含む SQL データベースです。 ポリシークライアントが属する Enterprise Vault サイトのディレクトリデータベースをバックアップするのにこの指示句を使います。 ディレクトリデータベースはポリシークライアントでホストされている必要はありません。 このデータベースはサイトレベルのデータベースと呼ばれます。
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EV_MONITORING_DB (監視データベース) | 監視データベースは Enterprise Vault の監視サービスと関連付けされる SQL データベースです。このデータベースは通常 Enterprise Vault のアクティビティについてのパフォーマンスと傾向の情報を含んでいます。 ポリシークライアントが属する Enterprise Vault サイトの監視データベースをバックアップするのにこの指示句を使います。 監視データベースはポリシークライアントでホストされている必要はありません。 このデータベースはサイトレベルのデータベースと呼ばれます。
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EV_INDEX_LOCATION (Enterprise Vault のインデックスの場所) | Enterprise Vault のインデックスの場所をバックアップするのにこの指示句を使います。この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 |
EV_VAULT_STORE (Enterprise Vault ボルトストア) | Enterprise Vault ボルトストアは 1 つ以上のパーティションとボルトストアデータベースから成っています。EV_VAULT_STORE 指示句は Enterprise Vault サーバーエイリアスに固有のすべてのボルトストアのデータをバックアップすることを可能にします。 |
EV_VAULT_STORE=EV Vault Store name (Enterprise Vault ボルトストア) | Enterprise Vault ボルトストアは 1 つ以上のパーティションとボルトストアデータベースから成っています。ポリシーで定義した特定の Enterprise Vault サーバーのための特定のボルトストアをバックアップするのにこの指示句を使います。 対応するボルトストアデータベースと共に特定のボルトストアのすべての Enterprise Vault パーティションをバックアップするのにこの指示句を使います。
EV Vault Store name が指定されていなければ、ジョブは失敗します。 ボルトストアデータベースは異なるシステムでホストすることができます。
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EV_OPEN_PARTITIONS (オープンパーティション) と EV_CLOSED_PARTITIONS (クローズパーティション) | オープンパーティションとクローズパーティションは、Enterprise Vault アーカイブを格納します。それらは NTFS ファイルシステムか NAS デバイスに存在する場合があります。各パーティションはオープンの状態かクローズの状態にあります。クローズパーティションの指示句を使用して、Enterprise Vault サーバーエイリアスに存在するすべてのクローズパーティションをバックアップします。オープンパーティションの指示句を使用して、Enterprise Vault サーバー A に存在するすべてのオープンパーティションをバックアップします。また、オープンパーティションがバックアップされると、対応するボルトストアデータベースもバックアップされます。 これらの指示句のどちらかと任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 |
EV_VAULT_STORE_DB (Enterprise Vault ボルトストアデータベース) | Enterprise Vault ボルトストアデータベースはボルトストアとアーカイブされたデータについてのメタデータを含むことができる SQL データベースです。 EV_VAULT_STORE_DB 指示句はポリシーで定義した特定の Enterprise Vault サーバーのためのすべてのボルトストアデータベースをバックアップすることを可能にします。 この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 |
EV_VAULT_STORE_DB=EV Vault Store name(Enterprise Vault ボルトストアデータベース) | Enterprise Vault ボルトストアデータベースはボルトストアとアーカイブされたデータについてのメタデータを含むことができる SQL データベースです。 ポリシーで定義した Enterprise Vault サーバーのための特定のボルトストアのボルトストアデータベースをバックアップするのにこの指示句を使います。 この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 ポリシークライアントでホストされる、Vault Store name で指定されたボルトストアの Enterprise Vault ボルトストアデータベースがバックアップされます。 ボルトストアデータベースは異なるシステムでホストすることができます。 この指示句は、クライアントリスト内の複数のポリシークライアントをサポートしません。
Vault Store name が指定されていなければ、ジョブは失敗します。
Vault Store name はボルトストアの名前です。ボルトストアデータベースの名前ではありません。
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EV_SERVER (Enterprise Vault サーバー) | Enterprise Vault サーバーは複数のボルトストア、複数のインデックスの場所で構成されます。特定の Enterprise Vault サーバーのすべての Enterprise Vault データをバックアップするときにこの指示句を選択します。この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 |
EV_SITE (Enterprise Vault サイト) | Enterprise Vault サイトは複数の Enterprise Vault サーバーを含むことができます。さまざまな場所にある複数のデータをバックアップするときにこの指示句を選択します。この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 |
表: Enterprise Vault 8.0 以降の指示句とそれらがバックアップする対象 は、Enterprise Vault 8.0 以降の指示句を示します。次の表では、ポリシークライアントが指定されており、各指示句は完全、差分、および累積バックアップに適用されます。また、Enterprise Vault 8.0 は、複数のポリシークライアントをサポートします (EV_VAULT_STORE_DB=、EV_OPEN_PARTITION=、EV_READY_PARTITIONS=、EV_CLOSED_PARTITIONS=、EV_FINGERPRINT_DB=、および EV_VAULT_STORE_DB= 指示句を除く)。
表: Enterprise Vault 8.0 以降の指示句とそれらがバックアップする対象
指示句 (バックアップ対象) | 説明 |
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EV_DIR_DB | ディレクトリデータベースは設定情報を含む SQL データベースです。 ポリシークライアントが属する Enterprise Vault サイトのディレクトリデータベースをバックアップするのにこの指示句を使います。 ディレクトリデータベースはポリシークライアントでホストされている必要はありません。 このデータベースはサイトレベルのデータベースと呼ばれます。 この指示句は、クライアントリスト内の複数のポリシークライアントをサポートします。複数の Enterprise Vault サイトに独自のディレクトリデータベースがある場合は複数のクライアントを追加する必要があります。 この指示句を、EV_INDEX_LOCATION= および EV_OPEN_PARTITION= 指示句とともに使用することはできません。
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EV_MONITORING_DB | 監視データベースは Enterprise Vault の監視サービスと関連付けされる SQL データベースです。このデータベースは通常 Enterprise Vault のアクティビティについてのパフォーマンスと傾向の情報を含んでいます。 ポリシークライアントが属する Enterprise Vault サイトの監視データベースをバックアップするのにこの指示句を使います。 監視データベースはポリシークライアントでホストされている必要はありません。 このデータベースはサイトレベルのデータベースと呼ばれます。 この指示句は、クライアントリスト内の複数のポリシークライアントをサポートします。複数の Enterprise Vault サイトに独自の監視データベースがある場合は複数のクライアントを追加する必要があります。
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EV_AUDIT_DB | 監査データベースは、Enterprise Vault の監査が有効な場合にのみ存在します。 監査データベースには、各種の設定可能な Enterprise Vault 操作の監査レコードが含まれます。 監査を有効にしている場合は、この指示句を使用して、Enterprise Vault 配置内の監査データベースをバックアップします。デフォルトでは、このオプションは無効になっています。 |
EV_FSAREPORTING_DB | FSA レポート用データベースは、FSA レポートが構成されている場合にのみ存在します。FSA レポート用データベースには、ファイルサーバーの開いた状態のファイルおよびアーカイブされたファイルの履歴が含まれます。このデータは、傾向を追跡するために使われ、ファイルサーバーのアーカイブされたファイルと開いた状態のファイルの概略としても使われます。 FSA レポートを有効にしている場合は、この指示句を使用して、Enterprise Vault 配置内の FSA レポート用データベースをバックアップします。デフォルトでは、このオプションは無効になっています。 |
EV_INDEX_LOCATION=Site name | この指示句を使用して、Site name 変数が指定する、Enterprise Vault サイトのすべてのインデックスの場所をバックアップします。この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 この指示句を EV_DIR_DB 指示句とともに使うことはできません。 この指示句は、クライアントリスト内の複数のポリシークライアントをサポートしません。
Site name が指定されていなければ、ジョブは失敗します。
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EV_OPEN_PARTITION=Vault Store name | オープンパーティションの指示句は、Vault Store name を定義するときに指定するボルトストアのすべてのオープンパーティションとボルトストアデータベースをバックアップします。パーティションは NTFS ファイルシステムか NAS デバイスに存在する場合があります。 この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 オープンパーティションの場合: この指示句を EV_DIR_DB 指示句とともに使うことはできません。 この指示句は、クライアントリスト内の複数のポリシークライアントをサポートしません。
Vault Store name が指定されていなければ、ジョブは失敗します。
ストリーマに基づくオープンパーティションでは、バックアップの成功が部分的であるため、この指示句を使わないでください。代わりに、EV_VAULT_STORE_DB 指示句を使ってください。 |
EV_CLOSED_PARTITIONS=Vault Store name | クローズパーティションの指示句は、Vault Store name を定義するときに指定するボルトストアのすべてのクローズパーティションをバックアップします。パーティションは NTFS ファイルシステムか NAS デバイスに存在する場合があります。 この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 ストリーマに基づくクローズパーティションでは、この指示句を使わないでください。一部のクローズパーティションがストリーマに基づく場合、ジョブは完了しますが、データは NetBackup によってバックアップされません。すべてのクローズパーティションがストリーマに基づく場合、ジョブは失敗します。 |
EV_READY_PARTITIONS=Vault Store name | 準備完了パーティションの指示句は、Vault Store name を定義するときに指定するボルトストアの準備完了パーティションをバックアップします。パーティションは NTFS ファイルシステムか NAS デバイスに存在する場合があります。 この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 ストリーマに基づく準備完了パーティションでは、この指示句を使わないでください。一部の準備完了パーティションがストリーマに基づく場合、ジョブは完了しますが、データは NetBackup によってバックアップされません。すべての準備完了パーティションがストリーマに基づく場合、ジョブは失敗します。 |
EV_VAULT_STORE_DB=Vault Store name | Enterprise Vault ボルトストアデータベースはボルトストアとアーカイブされたデータについてのメタデータを含むことができる SQL データベースです。 この指示句を使用して、Enterprise Vault 配置内で Vault Store name 変数が指定するボルトストアデータベースをバックアップします。 この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 次のことがこの指示句に適用されます。 ボルトストアデータベースは異なるシステムでホストすることができます。 この指示句は、クライアントリスト内の複数のポリシークライアントをサポートしません。
Vault Store name が指定されていなければ、ジョブは失敗します。
Vault Store name はボルトストアの名前です。ボルトストアデータベースの名前ではありません。
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EV_FINGERPRINT_DB=Vault Store Group name | フィンガープリントデータベースには、ボルトストアパーティションのアーカイブされたデータについての情報が含まれます。この指示句を使用して、指定されたボルトストアグループに関連するフィンガープリントデータベースをバックアップします。Enterprise Vault Agent は、ボルトストアグループが複数のフィンガープリントデータベースをサポートするように構成されている場合、複数のフィンガープリントデータベースを検出できます。 この指示句と一緒に任意のバックアップスケジュールを使うことができます。 次のことがこの指示句に適用されます。 フィンガープリントデータベースは異なるシステムでホストすることができます。 ジョブは、ボルトストアグループ名が指定されていないと失敗します。 この指示句は、クライアントリスト内の複数のポリシークライアントをサポートしません。
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