NetBackup™ for Hyper-V 管理者ガイド
- 概要
- 注意事項および前提条件
- Hyper-V による NetBackup 通信の設定
- Hyper-V 用 NetBackup ポリシーの設定
- Hyper-V インテリジェントポリシーの設定
- NetBackup Hyper-V for SCVMM
- Windows Server フェールオーバークラスタのサポート
- Hyper-V のバックアップとリストア
- 仮想マシン上の共有場所への個々のファイルのリストア
- アクセラレータを使用した Hyper-V のバックアップ
- 推奨する実施例および詳細情報
- トラブルシューティング
- NetBackup for Hyper-V のログとその作成方法
- ポリシーの作成中のエラー
- Hyper-V に関連する NetBackup の状態コード
- 付録 A. VSS バックアップ方式: Hyper-V のオンラインおよびオフラインバックアップ
- 付録 B. Hyper-V パススルーディスク
- 付録 C. Hyper-V 仮想マシンをバックアップおよびリストアするための NetBackup コマンド
- Hyper-V に VM をリストアするための nbrestorevm の例
個々のファイルのリストアに関する注意事項
次の点に注意してください。
Hyper-V 仮想マシンでウイルス対策保護を実行している場合は、Symantec Endpoint Protection 11.0 Maintenance Release 4 (ビルド 11.0.4000) 以降をお勧めします。仮想マシンで、以前のバージョンの Endpoint Protection ではなく、このバージョンの Endpoint Protection を実行している場合、仮想マシンのファイルのリストアはより短時間で完了します。
クロスプラットフォームの個々のファイルのリストアはサポートされません。Windows ファイルは Windows ゲストオペレーティングシステムにのみリストアできます。Linux にはリストアできません。Linux ファイルは Linux ゲストオペレーティングシステムにのみリストアできます。Windows にはリストアできません。
仮想マシンの共有場所にファイルをリストアするには、仮想マシンが NetBackup クライアント、プライマリサーバー、メディアサーバーと同じドメインに存在する必要があります。
約 2 GB より大きい個々のファイルをリストアするには、NetBackup クライアントが存在するホストにそのファイルをリストアします。NetBackup for Hyper-V では、仮想マシンの共有場所を使用した、大きいファイルのリストアは現在サポートされていません。このファイルサイズの制限は、仮想マシン全体のリストアには適用されません。
リストアする個々のファイルを、[VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)]オプションを使用して作成されたバックアップイメージから選択する場合、選択するファイルは元々同じ仮想マシンのボリュームに存在していたファイルである必要があります。一部のファイルが、あるボリュームに存在し、その他のファイルが別のボリュームに存在していた場合は、リストアが失敗します。
Windows の暗号化ファイルをリストアするには、リストアのターゲットホストで NetBackup Client Service に管理者としてログオンする必要があります。[コントロールパネル]の[サービス]で、NetBackup Client Services のログオンを[ローカルシステムアカウント]から[管理者]に変更します。
NTFS ファイルシステムの機能を使用するファイルを、FAT または FAT32 ファイルシステムにリストアする場合、NTFS ファイルシステムの機能を保持することはできません。
次の点に注意してください。
NTFS で圧縮されたファイルは、FAT または FAT32 ファイルシステムでは圧縮されていないファイルとしてリストアされます。
NTFS で暗号化されたファイルは、FAT または FAT32 ファイルシステムにリストアすることができません。
NTFS ベースのセキュリティ属性が設定されたファイルは、FAT または FAT32 ファイルシステムではその属性なしでリストアされます。
代替データストリームが存在するファイルを、FAT または FAT32 ファイルシステムにリストアすると、そのリストアは NetBackup の状態コード 2817 で失敗します。
リストア時に NetBackup がハードリンクと元のファイルの間のリンクを再作成するのは、リンクファイルとそのターゲットファイルが同じジョブでリストアされる場合だけです。各ファイルが別々のリストアジョブでリストアされる場合は、別々のファイルとしてリストアされ、リンクは再確立されません。
Linux 仮想マシンでは、仮想マシンの I/O の負荷が高い場合に[VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)]オプションをオンにして行ったバックアップによって、ファイルのマッピングの問題が発生する場合があります。(Windows Hyper-V は、Linux 仮想マシンのファイルシステムのアクティビティを静止するしくみを提供しません。)
個々のファイルのリストアの問題 を参照してください。
Linux 仮想マシンの場合、ext2、ext3、ext4 のファイルシステムのみが個々のファイルのリストアでサポートされます。パーティションで他のファイルシステムを使用する場合、バックアップは成功しますが、そのパーティションのファイルは個別にリストアできません。「/」(root) パーティションは、NetBackup のバックアップ、アーカイブおよびリストアインターフェースでマウントポイントを表示できるように ext2、ext3、ext4 でフォーマットする必要があります。
Linux ext4 ファイルシステムには、割り当てられた領域に 0 を埋め込まずにファイルのディスク領域を確保する、永続的事前割り当て機能が備わっています。NetBackup が事前に割り当てられたファイルを (サポート対象の ext ファイルシステムへ) リストアすると、ファイルは事前割り当てを失い、スパースファイルとしてリストアされます。
ext2 または ext3 ファイルシステムを ext4 に移行するには、Ext4 wiki の次のページに記載されている「ext3 ファイルシステムの ext4 への変換」の手順を参照してください。
https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Howto#Converting_an_ext3_filesystem_to_ext4
これらの手順に従わなければ、新しく作成された ext4 ファイルのデータがメモリからディスクへすみやかにフラッシュされません。その結果、NetBackup は ext4 ファイルシステムの最近作成されたファイルのデータをバックアップできません(NetBackup スナップショットはファイルを長さ 0 としてキャプチャします)。ファイルシステムが正しく移行されないという事態を回避するために、各バックアップを開始する前に ext4 ファイルシステムで Linux の同期コマンドを実行します。
NetBackup は Linux の FIFO ファイルとソケットファイルのバックアップをサポートします。ただし、NetBackup は FIFO ファイルとソケットファイルの個々のリストアをサポートしないことに注意してください。FIFO ファイルとソケットファイルは仮想マシン全体をリカバリするときに他の仮想マシンデータとともにリストアできます。
Linux 仮想マシンでは、NetBackup はソフトウェア RAID ボリュームから個々のファイルをリストアできません。ファイルは仮想マシン全体をリストアするときにリストアされます。
NetBackup は、LVM2 ボリュームからの個々のファイルのリストアを含む、Linux の LVM2 ボリュームのバックアップとリストアをサポートします。ただし、NetBackup は、LVM2 のスナップショット機能を使用して作成されたスナップショットからの個々のファイルのリストアをサポートしないことに注意してください。LVM2 スナップショットがバックアップ時に存在する場合、スナップショットのデータはバックアップで取得されます。このデータは仮想マシン全体をリカバリするときに他の仮想マシンデータとともにリストアできます。
Windows 2012 R2 Hyper-V Server 上の VM の場合、リストアする VM ファイルを参照するときに BAR インターフェースに Hyper-V スナップショットファイルがリストされる場合があります。スナップショットファイルのデータは、アプリケーションとの整合性がなく、リストアするべきでない場合があります。
スナップショットファイルを識別して、リストアするかどうかを決めるには:
ファイルをリストアする Hyper-V VM ファイルを参照するときに BAR インターフェースに Hyper-V スナップショットファイルがリストされる場合があるを参照してください。
Linux の場合、追加の注意事項が適用されます。
Linux 仮想マシンに関する注意事項を参照してください。
NetBackup for Hyper-V は ClientDirect Restore を使用した個別のファイルのリストアをサポートしません。