NetBackup™ for Hyper-V 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup (10.3)
  1. 概要
    1.  
      Hyper-V について
    2.  
      NetBackup for Hyper-V の環境
    3.  
      バックアップに関連する Hyper-V の用語
    4.  
      Hyper-V 仮想マシンの NetBackup バックアップの基本的なフェーズ
    5.  
      NetBackup 管理者の Hyper-V 関連タスク
    6.  
      トラブルシューティングのクイックリファレンス
  2. 注意事項および前提条件
    1.  
      NetBackup for Hyper-V の前提条件
    2.  
      NetBackup for Hyper-V に関する注意事項および制限事項
    3.  
      Hyper-V 仮想マシンの表示名に対する NetBackup の文字制限
    4.  
      [VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)]オプションを使用する場合の vhd または vhdx 名と VM パスの NetBackup 文字制限
    5.  
      Linux 仮想マシンに関する注意事項
  3. Hyper-V による NetBackup 通信の設定
    1.  
      NetBackup Legacy Network Service ログオン (vnetd.exe) のドメインユーザーアカウントへの変更
    2.  
      Hyper-V リソースの使用に関するグローバル制限の設定
  4. Hyper-V 用 NetBackup ポリシーの設定
    1.  
      Hyper-V ポリシーの作成
    2.  
      [属性 (Attributes)]タブでポリシーごとのジョブ数を制限する (Hyper-V)
    3.  
      VM がポリシーで手動で選択される場合は、仮想マシンのホスト名と表示名が一意である必要があります。
    4. [Hyper-V]タブのバックアップオプション
      1.  
        最適化オプション (Hyper-V)
      2.  
        プライマリ VM 識別子オプション (Hyper-V)
      3.  
        非 VSS VM のオフラインバックアップの有効化 (VSS を使用した Hyper-V)
      4.  
        クラスタ共有ボリュームタイムアウト (VSS を使用した Hyper-V)
    5. Hyper-V - 高度な属性
      1.  
        [プロバイダ形式 (Provider type)]構成パラメータ (VSS)
      2.  
        [スナップショット属性 (Snapshot attribute)]構成パラメータ (VSS)
      3.  
        仮想ディスクの選択パラメータ (WMI)
      4.  
        [既存のスナップショット処理 (Existing snapshot handling)]パラメータ (WMI)
      5.  
        一貫性のレベルのパラメータ (WMI)
      6.  
        仮想ディスクの選択におけるディスクのエクスクルードオプションについて
      7.  
        仮想ディスクの選択オプション: 避けるべき例
      8.  
        ブートディスクまたはデータディスクをエクスクルードしたバックアップからのデータのリストア
    6.  
      Hyper-V 仮想マシンの参照
    7.  
      代替クライアントによる仮想マシンのバックアップの前提条件 (VSS)
    8.  
      代替クライアントによる仮想マシンのバックアップの構成
    9.  
      仮想マシン内の NetBackup クライアントの要件
  5. Hyper-V インテリジェントポリシーの設定
    1.  
      Hyper-V インテリジェントポリシー (バックアップのための仮想マシンの自動選択) について
    2.  
      NetBackup の問い合わせ規則の基本原則
    3.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーに関する重要な注意事項
    4.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーのための NetBackup の必要条件
    5.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーの設定: タスクの概要
    6.  
      Hyper-V 仮想マシンを選択するためのオプション
    7.  
      仮想マシンの自動選択の Hyper-V ポリシーの作成
    8.  
      基本モードでの問い合わせの編集または削除
    9.  
      詳細モードでの問い合わせビルダーの使用
    10.  
      問い合わせの AND と OR
    11.  
      NetBackup 問い合わせビルダーの例
    12.  
      問い合わせの IsSet 演算子
    13.  
      複数のポリシーによる仮想マシンの選択について
    14.  
      問い合わせの演算の順序 (優先度規則)
    15.  
      複合問い合わせのカッコ
    16.  
      改行文字を含む仮想マシンのメモの問い合わせ規則
    17.  
      問い合わせビルダーのフィールドの参照
    18.  
      Hyper-V の[問い合わせのテスト (Test Query)]画面
    19.  
      問い合わせのテスト: 失敗した仮想マシン
    20.  
      [問い合わせのテスト (Test Query)]の結果の[選択項目 (Selecction)]列に対するプライマリ VM の識別子パラメータの効果
    21.  
      問い合わせのテストの結果の[VM 名 (VM Name)]列に対する[プライマリ VM 識別子 (Primary VM identifier)]パラメータの影響
    22.  
      Hyper-V インテリジェントポリシーでバックアップを作成し、パススルーディスクを備えた VM のリストア
  6. NetBackup Hyper-V for SCVMM
    1.  
      SCVMM 環境での仮想マシンのバックアップについて
    2.  
      SCVMM を導入した NetBackup for Hyper-V の注意事項
    3.  
      ローカライズされた SCVMM 環境の VM をバックアップする問い合わせの作成
  7. Windows Server フェールオーバークラスタのサポート
    1.  
      Windows フェールオーバークラスタ上の仮想マシンについて
    2.  
      CSV のバックアップとリストアに関する注意
    3.  
      クラスタの仮想マシンのポリシーの作成
    4.  
      リストアされた仮想マシンのクラスタ内での場所
    5. リストア後の仮想マシンの保守
      1.  
        リストア時のクラスタリソースの削除
  8. Hyper-V のバックアップとリストア
    1.  
      Hyper-V 仮想マシンのバックアップ
    2.  
      WMI バックアップ方式: リストアの前後における仮想マシンの状態
    3.  
      個々のファイルのリストアに関する注意事項
    4.  
      仮想マシン全体のリストアに関する注意事項
    5.  
      個々のファイルのリストアについて
    6.  
      NetBackup クライアントが存在するホストへの個々の Hyper-V ファイルのリストア
    7.  
      Hyper-V の個々のファイルのリストアのリストアオプション (NetBackup Web UI)
    8. 仮想マシン上の共有場所への個々のファイルのリストア
      1.  
        NetBackup Client Service で仮想マシン上の共有場所へのリストアを設定する
    9.  
      Hyper-V 仮想マシン全体のリストア
    10.  
      リストアオプション
    11.  
      共通ファイルのリストアについて
    12.  
      ファイルをリストアする Hyper-V VM ファイルを参照するときに BAR インターフェースに Hyper-V スナップショットファイルがリストされる場合がある
  9. アクセラレータを使用した Hyper-V のバックアップ
    1.  
      仮想マシンの NetBackup Accelerator について
    2.  
      アクセラレータ: 完全スケジュールと増分スケジュール
    3.  
      NetBackup アクセラレータが仮想マシンとどのように連携して働くか
    4.  
      Accelerator 仮想マシンの注意および要件
    5.  
      仮想マシンのアクセラレータ強制再スキャン (スケジュールの属性)
    6.  
      アクセラレータには OptimizedImage 属性が必要
    7.  
      アクセラレータバックアップおよび NetBackup カタログ
    8.  
      バックアップジョブ詳細ログのアクセラレータメッセージ
    9.  
      仮想マシンでのアクセラレータの NetBackup ログ
    10.  
      ネットワークを介して転送されたアクセラレータバックアップのデータ量の報告について
    11.  
      NetBackup コマンド出力でのネットワーク転送されたデータとのアクセラレータのイメージサイズの置換
  10. 推奨する実施例および詳細情報
    1.  
      ベストプラクティス
  11. トラブルシューティング
    1. NetBackup for Hyper-V のログとその作成方法
      1.  
        VxFI ログの有効化
      2.  
        VxMS と vhd ログの構成
      3.  
        VxMS core.log と provider.log のファイル名形式
    2. ポリシーの作成中のエラー
      1.  
        NetBackup ポリシーの検証が失敗する
    3. Hyper-V に関連する NetBackup の状態コード
      1.  
        スナップショットエラーの発生 (状態コード 156)
    4.  
      複数の仮想マシンのバックアップジョブがハングアップする
    5.  
      Windows NTFS シャドウストレージの表示またはサイズ調整
    6.  
      Hyper-V 統合コンポーネントがインストールされていない
    7.  
      LDM ボリュームと状態コード 1
    8.  
      Hyper-V スナップショット (avhd または avhdx ファイル) と状態コード 1
    9.  
      NetBackup 管理コンソールにログインできない
    10.  
      同じ CSV に存在する仮想マシンをバックアップする場合、Windows の警告 1584 は無視できる
    11.  
      代替クライアントによるバックアップの問題
    12.  
      リストアした仮想マシンの起動に失敗する
    13.  
      リストアされた仮想マシンの再起動に関する問題: Why did the computer shut down unexpectedly?
    14.  
      個々のファイルのリストアの問題
    15.  
      仮想マシン全体のリストアの問題
    16.  
      WMI 方式を使ったバックアップ中に VM にユーザーチェックポイントが存在する場合、リストア後に VM の仮想ディスク設定を変更できない
    17.  
      WMI のディスク作成のタイムアウト値の増加
    18.  
      Linux VM と永続的なデバイス名前
  12. 付録 A. VSS バックアップ方式: Hyper-V のオンラインおよびオフラインバックアップ
    1.  
      VSS 用の Hyper-V のオンラインおよびオフラインバックアップについて
    2.  
      VSS のオンラインバックアップかオフラインバックアップかを判断する条件
    3.  
      VSS を使用したオフラインバックアップに関する追加注記
    4.  
      Hyper-V 2012 R2 仮想マシンはリストア時[オフ (Off)]状態になる場合がある
  13. 付録 B. Hyper-V パススルーディスク
    1.  
      NetBackup での Hyper-V パススルーディスクについて
    2.  
      パススルーディスクのバックアップの構成
    3.  
      Hyper-V パススルーディスクのバックアップの要件
    4.  
      Hyper-V パススルーディスクの制限事項
    5.  
      Hyper-V パススルーディスクのローカルスナップショットバックアップの構成
    6.  
      パススルーディスクの代替クライアントによるバックアップについて
    7.  
      Hyper-V パススルーディスクの代替クライアントによるバックアップの構成
    8.  
      VSS およびディスクアレイに関する重要な注意事項
  14. 付録 C. Hyper-V 仮想マシンをバックアップおよびリストアするための NetBackup コマンド
    1.  
      NetBackup コマンドを使用して Hyper-V ポリシーを作成する
    2.  
      NetBackup コマンドを使った Hyper-V インテリジェントポリシーの作成
    3.  
      Hyper-V ポリシーの bpplinfo オプション
    4.  
      Hyper-V ポリシーの問い合わせ規則を修正するための bpplinclude オプション
    5. Hyper-V に VM をリストアするための nbrestorevm の例
      1.  
        元の場所にリストアする Hyper-V の例
      2.  
        代替の場所にリストアする Hyper-V の例
    6.  
      Hyper-V 向けの nbrestorevm -R 名前変更ファイル
    7.  
      Hyper-V nbrestorevm コマンドのトラブルシューティング用メモ
    8.  
      nbrestorevm コマンドのトラブルシューティング用ログ

個々のファイルのリストアに関する注意事項

次の点に注意してください。

  • Hyper-V 仮想マシンでウイルス対策保護を実行している場合は、Symantec Endpoint Protection 11.0 Maintenance Release 4 (ビルド 11.0.4000) 以降をお勧めします。仮想マシンで、以前のバージョンの Endpoint Protection ではなく、このバージョンの Endpoint Protection を実行している場合、仮想マシンのファイルのリストアはより短時間で完了します。

  • クロスプラットフォームの個々のファイルのリストアはサポートされません。Windows ファイルは Windows ゲストオペレーティングシステムにのみリストアできます。Linux にはリストアできません。Linux ファイルは Linux ゲストオペレーティングシステムにのみリストアできます。Windows にはリストアできません。

  • 仮想マシンの共有場所にファイルをリストアするには、仮想マシンが NetBackup クライアント、プライマリサーバー、メディアサーバーと同じドメインに存在する必要があります。

  • 約 2 GB より大きい個々のファイルをリストアするには、NetBackup クライアントが存在するホストにそのファイルをリストアします。NetBackup for Hyper-V では、仮想マシンの共有場所を使用した、大きいファイルのリストアは現在サポートされていません。このファイルサイズの制限は、仮想マシン全体のリストアには適用されません。

    NetBackup クライアントが存在するホストへの個々の Hyper-V ファイルのリストアを参照してください。

  • リストアする個々のファイルを、[VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)]オプションを使用して作成されたバックアップイメージから選択する場合、選択するファイルは元々同じ仮想マシンのボリュームに存在していたファイルである必要があります。一部のファイルが、あるボリュームに存在し、その他のファイルが別のボリュームに存在していた場合は、リストアが失敗します。

  • Windows の暗号化ファイルをリストアするには、リストアのターゲットホストで NetBackup Client Service に管理者としてログオンする必要があります。[コントロールパネル]の[サービス]で、NetBackup Client Services のログオンを[ローカルシステムアカウント]から[管理者]に変更します。

  • NTFS ファイルシステムの機能を使用するファイルを、FAT または FAT32 ファイルシステムにリストアする場合、NTFS ファイルシステムの機能を保持することはできません。

    次の点に注意してください。

    • NTFS で圧縮されたファイルは、FAT または FAT32 ファイルシステムでは圧縮されていないファイルとしてリストアされます。

    • NTFS で暗号化されたファイルは、FAT または FAT32 ファイルシステムにリストアすることができません。

    • NTFS ベースのセキュリティ属性が設定されたファイルは、FAT または FAT32 ファイルシステムではその属性なしでリストアされます。

    • 代替データストリームが存在するファイルを、FAT または FAT32 ファイルシステムにリストアすると、そのリストアは NetBackup の状態コード 2817 で失敗します。

  • リストア時に NetBackup がハードリンクと元のファイルの間のリンクを再作成するのは、リンクファイルとそのターゲットファイルが同じジョブでリストアされる場合だけです。各ファイルが別々のリストアジョブでリストアされる場合は、別々のファイルとしてリストアされ、リンクは再確立されません。

  • Linux 仮想マシンでは、仮想マシンの I/O の負荷が高い場合に[VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)]オプションをオンにして行ったバックアップによって、ファイルのマッピングの問題が発生する場合があります。(Windows Hyper-V は、Linux 仮想マシンのファイルシステムのアクティビティを静止するしくみを提供しません。)

    個々のファイルのリストアの問題 を参照してください。

  • Linux 仮想マシンの場合、ext2、ext3、ext4 のファイルシステムのみが個々のファイルのリストアでサポートされます。パーティションで他のファイルシステムを使用する場合、バックアップは成功しますが、そのパーティションのファイルは個別にリストアできません。「/」(root) パーティションは、NetBackup のバックアップ、アーカイブおよびリストアインターフェースでマウントポイントを表示できるように ext2、ext3、ext4 でフォーマットする必要があります。

  • Linux ext4 ファイルシステムには、割り当てられた領域に 0 を埋め込まずにファイルのディスク領域を確保する、永続的事前割り当て機能が備わっています。NetBackup が事前に割り当てられたファイルを (サポート対象の ext ファイルシステムへ) リストアすると、ファイルは事前割り当てを失い、スパースファイルとしてリストアされます。

  • ext2 または ext3 ファイルシステムを ext4 に移行するには、Ext4 wiki の次のページに記載されている「ext3 ファイルシステムの ext4 への変換」の手順を参照してください。

    https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Howto#Converting_an_ext3_filesystem_to_ext4

    これらの手順に従わなければ、新しく作成された ext4 ファイルのデータがメモリからディスクへすみやかにフラッシュされません。その結果、NetBackup は ext4 ファイルシステムの最近作成されたファイルのデータをバックアップできません(NetBackup スナップショットはファイルを長さ 0 としてキャプチャします)。ファイルシステムが正しく移行されないという事態を回避するために、各バックアップを開始する前に ext4 ファイルシステムで Linux の同期コマンドを実行します。

  • NetBackup は Linux の FIFO ファイルとソケットファイルのバックアップをサポートします。ただし、NetBackup は FIFO ファイルとソケットファイルの個々のリストアをサポートしないことに注意してください。FIFO ファイルとソケットファイルは仮想マシン全体をリカバリするときに他の仮想マシンデータとともにリストアできます。

  • Linux 仮想マシンでは、NetBackup はソフトウェア RAID ボリュームから個々のファイルをリストアできません。ファイルは仮想マシン全体をリストアするときにリストアされます。

  • NetBackup は、LVM2 ボリュームからの個々のファイルのリストアを含む、Linux の LVM2 ボリュームのバックアップとリストアをサポートします。ただし、NetBackup は、LVM2 のスナップショット機能を使用して作成されたスナップショットからの個々のファイルのリストアをサポートしないことに注意してください。LVM2 スナップショットがバックアップ時に存在する場合、スナップショットのデータはバックアップで取得されます。このデータは仮想マシン全体をリカバリするときに他の仮想マシンデータとともにリストアできます。

  • Windows 2012 R2 Hyper-V Server 上の VM の場合、リストアする VM ファイルを参照するときに BAR インターフェースに Hyper-V スナップショットファイルがリストされる場合があります。スナップショットファイルのデータは、アプリケーションとの整合性がなく、リストアするべきでない場合があります。

    スナップショットファイルを識別して、リストアするかどうかを決めるには:

    ファイルをリストアする Hyper-V VM ファイルを参照するときに BAR インターフェースに Hyper-V スナップショットファイルがリストされる場合があるを参照してください。

  • Linux の場合、追加の注意事項が適用されます。

    Linux 仮想マシンに関する注意事項を参照してください。

  • NetBackup for Hyper-V は ClientDirect Restore を使用した個別のファイルのリストアをサポートしません。