Cluster Server 8.0.2 Agent for Oracle インストールおよび設定ガイド - Linux

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Product(s): InfoScale & Storage Foundation (8.0.2)
Platform: Linux
  1. Cluster Server Agent for Oracle の導入
    1.  
      Cluster Server Agent for Oracle について
    2.  
      Oracle ASM のエージェントについて
    3.  
      Oracle の VCS エージェントのサポート対象ソフトウェア
    4. エージェントが Oracle の高可用性を保証するしくみ
      1.  
        Oracle エージェントと Netlsnr エージェントがインテリジェントなリソース監視をサポートするしくみ
      2.  
        エージェントが Oracle ASM インスタンスの高可用性を確保する方法
      3.  
        エージェントの Oracle コンテナデータベース (CDB) とプラグ可能データベース (PDB) のサポート方法
    5. Oracle 用 Cluster Server エージェントの機能について
      1. Oracle エージェント関数
        1.  
          Oracle エージェントの起動オプションと停止オプション
        2.  
          従来のデータベースおよびコンテナデータベース内の Oracle エージェントに対する監視オプション
        3.  
          PDB の起動オプションと停止オプション
        4.  
          プラグ可能なデータベースの監視
        5.  
          コンテナデータベース(CDB)の起動モードに基づくプラグ可能なデータベース(PDB)の推奨起動モード
        6.  
          詳細監視での Oracle エラーコードの操作
        7.  
          Cluster Server agent for Oracle の Info エントリポイント
        8.  
          Cluster Server agent for Oracle の Action エントリポイント
        9. Oracle エージェントによる診断監視のサポートのしくみ
          1.  
            Oracle 診断監視に必要な実行可能ファイルの生成
          2.  
            build_oraapi.sh スクリプトを使用して Oracle ライブラリをリンクするための前提条件
          3.  
            build_oraapi.sh を実行するための注意事項
          4.  
            build_oraapi.sh スクリプトを使った Oracle エージェントの実行可能ファイルの構築
      2.  
        Netlsnr エージェント関数
      3. ASMInst エージェントの機能
        1.  
          ASMInst エージェントの起動オプション
        2.  
          ASMInst エージェントのシャットダウンオプション
      4.  
        ASMDG エージェントの機能
    6.  
      VCS クラスタにおける標準的な Oracle 設定
    7.  
      VCS クラスタでの Oracle 設定について
  2. Oracle のインストールと設定
    1.  
      VCS 環境での Oracle のインストール
    2.  
      VCS 環境に Oracle をインストールする前に
    3. Oracle のインストールのための VCS の必要条件について
      1.  
        $ORACLE_HOME の場所
      2.  
        ホットバックアップ中に VCS ノードに障害が発生した後の Oracle のフェールオーバー
    4. VCS のための Oracle インストールタスクについて
      1.  
        共有ディスクで行う $ORACLE_HOME のインストールタスク
      2.  
        ローカルディスクで行う $ORACLE_HOME のインストールタスク
      3.  
        ASM を使用する Oracle のインストールタスク
    5. VCS 環境での ASM バイナリのインストール
      1.  
        Oracle Restart 機能をサポートするための VCS 設定
    6. クラスタの最初のノードでの Oracle ASM の設定
      1.  
        ASM で管理されたデータベースのためのクラスタデーモンの有効化
      2.  
        ASM の自動起動の無効化
    7.  
      残りのノードでの ASM の構成と起動
    8. クラスタの最初のノードへの Oracle バイナリのインストール
      1.  
        Oracle クラスタデーモンを無効にします
    9.  
      Oracle データベースの設定
    10.  
      $ORACLE_BASE/admin/SID ディレクトリのコピー
    11.  
      Oracle ASM の初期化パラメータファイルのコピー
    12.  
      Oracle データベースへのアクセスの確認
  3. Oracle 用エージェントのインストールと削除
    1.  
      Oracle 用エージェントをインストールまたはアップグレードする前に
    2.  
      VCS agent for Oracle ソフトウェアのインストール
    3. VCS agent for Oracle のアップグレード
      1.  
        VCS agent for Oracle のアップグレード
    4.  
      Cluster Server Agent for Oracle の無効化
    5.  
      Cluster Server Agent for Oracle の削除
  4. Oracle 用 VCS サービスグループの設定
    1.  
      Oracle 用サービスグループの設定について
    2. VCS における Oracle インスタンスの設定
      1.  
        VCS における単一の Oracle インスタンスの設定
      2.  
        VCS における複数の Oracle インスタンス(単一リスナー)の設定
      3.  
        VCS における複数の Oracle インスタンス(複数リスナー)の設定
      4.  
        VCS における共有サーバーサポートの Oracle インスタンスの設定
    3. Oracle の VCS サービスグループを設定する前に
      1.  
        Cluster Server agent for Oracle のタイプ定義ファイルのインポート
    4. Oracle のための VCS サービスグループの設定
      1.  
        Cluster Manager(Java コンソール)を使った Oracle 用 VCS サービスグループの設定
      2. コマンドラインを使った Oracle 用 VCS サービスグループの設定
        1.  
          Oracle データベースのユーザーパスワードとリスナーパスワードの暗号化
      3. VCS agent for Oracle の詳細監視の設定
        1. Oracle に対する詳細監視の設定
          1.  
            Oracle リソースに対する詳細監視の有効化と無効化
        2.  
          Netlsnr に対する詳細監視の設定
      4. エージェントに対するインテリジェントなリソース監視の手動による有効化と無効化
        1.  
          AMF カーネルドライバの管理
  5. Veritas High Availability 設定ウィザードを使った Oracle 用 VCS サービスグループの設定
    1.  
      仮想環境の標準 VCS クラスタ設定
    2.  
      VMware 用 Veritas High Availability ソリューションを使用したアプリケーション監視の設定について
    3.  
      ウィザードを使用した VCS サービスグループの設定の準備
    4.  
      アプリケーション監視を設定する前に
    5.  
      Veritas High Availability 設定ウィザードの起動
    6.  
      Oracle を監視するためのエージェントの設定
    7. サービスグループの設定について
      1.  
        リソースの依存関係(Resource Dependency)
      2.  
        サービスグループの依存関係
      3.  
        インフラサービスグループ
    8. 設定シナリオについて
      1.  
        VCS で単一インスタンス/複数のインスタンスを設定する
      2.  
        ウィザードの複数実行機能を使って VCS で Oracle の複数インスタンスを設定する
      3.  
        複数のアプリケーションを設定する
    9.  
      Veritas High Availability 設定ウィザードの制限事項
    10. トラブルシューティング
      1.  
        Veritas High Availability 設定ウィザードで空白のパネルが表示される
      2.  
        Veritas High Availability 設定ウィザードに「hadiscover は内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません (hadiscover is not recognized as an internal or external command)」というエラーが表示される
      3.  
        hastop - all コマンドを実行すると、仮想ディスクが切断される
      4.  
        ログファイル
    11. 設定例
      1.  
        単一 Oracle インスタンス用の VCS 設定ファイルの例(VxVM)
      2.  
        単一 Oracle インスタンス用の VCS 設定ファイルの例(LVM)
  6. Oracle 用 VCS サービスグループの管理
    1.  
      VCS サービスグループの管理について
    2.  
      サービスグループのオンライン化
    3.  
      サービスグループのオフライン化
    4.  
      サービスグループの切り替え
    5.  
      サービスグループ設定の修正
  7. プラグ可能データベース (PDB) の移行
    1.  
      コンテナデータベース (CDB) 間でのプラグ可能データベース (PDB) の移行
  8. Cluster Server Agent for Oracle のトラブルシューティング
    1.  
      Cluster Server Agent for Oracle のトラブルシューティングについて
    2.  
      Oracle エージェントと Netlsnr エージェントに共通のエラーメッセージ
    3.  
      Oracle エージェント固有のエラーメッセージ
    4.  
      Netlsnr エージェント固有のエラーメッセージ
    5.  
      ASMInst エージェント固有のエラーメッセージ
    6.  
      ASMDG エージェント固有のエラーメッセージ
    7.  
      VCS 環境における Oracle 固有の問題のトラブルシューティング
    8. Oracle 診断バイナリと Oracle のインスタンスの意図的なオフライン化の検証
      1.  
        VCS Oracle エージェントの意図的なオフライン動作の検証
    9.  
      PDB リソースの IMF の無効化
  9. 付録 A. リソースタイプの定義
    1.  
      リソースタイプの定義と属性の定義について
    2. Oracle エージェントのリソースタイプ定義
      1.  
        systemD サポート用のソースタイプ定義
      2.  
        Oracle エージェントの属性の定義
      3.  
        ポリシー管理データベースの Sid 属性について
      4. Oracle アプリケーションサービスでの systemD 属性の使用
        1.  
          キーと値のペアの SystemDAttrList 属性への追加
        2.  
          systemD 属性を使用した Oracle サービスユニットファイルのカスタマイズ
        3.  
          Linux 上の Oracle への HugePages の設定
    3. Netlsnr エージェントのリソースタイプ定義
      1.  
        Netlsnr エージェントの属性定義
    4. ASMInst エージェントのリソースタイプ定義
      1.  
        systemD をサポートする ASMInst エージェントのリソースタイプ定義
      2.  
        ASMInst エージェントの属性定義
    5. ASMDG エージェントのリソースタイプ定義
      1.  
        ASMDG エージェントの属性定義
  10. 付録 B. 設定例
    1.  
      Oracle Enterprise Agent の設定例について
    2. Oracle 単一インスタンスの設定例
      1.  
        単一 Oracle インスタンスの VCS 設定ファイルの例
    3. 複数の Oracle インスタンス(単一リスナー)の設定例
      1.  
        複数の Oracle インスタンス(単一リスナー)の VCS 設定ファイルの例
    4. 複数のインスタンス(複数リスナー)の設定例
      1.  
        複数の Oracle インスタンス(複数リスナー)の VCS 設定ファイルの例
    5. 共有サーバーサポートの Oracle の設定例
      1.  
        共有サーバーサポートで設定された Oracle インスタンスの VCS 設定ファイルの例
    6. Oracle ASM の設定例
      1. RAW ディスクとしての ASM ディスクの設定例
        1.  
          ASM で管理された Oracle インスタンスの VCS 設定ファイルの例
      2. VxVM ボリュームとしての ASM ディスクの設定例
        1.  
          VxVM ディスクとしての ASM ディスクの VCS 設定ファイル例
      3. CVM ボリュームとしての ASM ディスクの設定例
        1.  
          CVM ボリュームを使う ASM の VCS 設定ファイルの例
    7.  
      main.cf の Oracle プラグ可能なデータベース(PDB)リソースの設定例
    8.  
      main.cf の移行可能な Oracle プラグ可能データベース (PDB) リソースの設定例
    9.  
      systemD でサポートされる Oracle の設定例
    10.  
      systemD でサポートされる ASMInst の設定例
  11. 付録 C. ベストプラクティス
    1.  
      VCS 環境で複数の Oracle インスタンスを設定する場合のベストプラクティス
  12. 付録 D. Oracle の VCS クラスタ での SPFILE の使用
    1.  
      Oracle 初期化パラメータファイルについて
    2.  
      Oracle インスタンスの起動
    3.  
      VCS クラスタでの SPFILE の使用
  13. 付録 E. 単一インスタンスのデータベース環境での OHASD
    1.  
      単一インスタンスのデータベース環境での OHASD について
    2.  
      OHASD の高可用性を確保するための Application エージェントの設定

Oracle のインストールのための VCS の必要条件について

VCS クラスタ に Oracle をインストールするには、次の必要条件を満たしている必要があります。

カーネルパラメータの設定

Oracle をインストールする各 ノード が、Oracle の設定に関する次の必要条件を満たしている必要があります。

  • ディスクパーティション

  • 共有メモリ

  • スワップサイズ

  • セマフォ

  • ファイルハンドル

個々の必要条件について詳しくは、対応するオペレーティングシステムに関する Oracle のマニュアルを参照してください。

Linux パッケージグループ

Veritas では、Linux をインストールするときは、Software Development パッケージオプションを選択することを推奨します。このオプションは、インストール時の Oracle の再リンクや一部の Advanced Server 機能を利用するために必要です。

$ORACLE_HOME の場所

環境にもよりますが、Oracle ホームディレクトリ ($ORACLE_HOME) は次のどちらかの方法で配置できます。

  • 各サーバーのディスクのローカルに配置する

  • 共有ストレージに配置する

Oracle ASM を使う場合は、それぞれの ノード のローカルディスク上にのみ Oracle のホームディレクトリを配置する必要があります。

それぞれの方法の利点を見直して、どちらかに決めます。

$ORACLE_HOME の場所を参照してください。

複数の Oracle インスタンス (SID) の設定

シングル クラスタ の設定で定義される複数の Oracle インスタンスを設定できます。このような場合、各インスタンスのパラメータファイルはサービスグループの SystemList 属性で指定されたすべての ノード でアクセス可能である必要があります。

メモ:

同じシステムに Oracle の複数のバージョンをインストールした場合は、SID に重複がないことを確認します。

Oracle データベース表領域の場所

表領域を通常の (ext3 または VxFS) ファイル上に作成する場合、これらのファイルを含むファイルシステムは共有ディスク上に配置する必要があります。また、各 ノード で、共有ディスク上のファイルシステム用に同一のマウントポイントを作成します。

Oracle の表領域に共有ディスク上の RAW デバイスを使う場合は、次の必要条件を満たしている必要があります。

  • 所有者が Oracle dba ユーザーであること。

  • Oracle のデータを格納する RAW デバイスでの権限またはアクセスモードが 660 であること。

たとえば、Veritas Volume Manager を使っている場合は、次のように入力します。

    # vxedit -g diskgroup_name set group=dba \
    user=oracle mode=660 volume_name

メモ:

ユーザー oracle とグループ dba は、Network Information Service (NIS と NIS+) ユーザーではなくローカルユーザーである必要があります。

リスナーの透過的フェールオーバー

ノード の切り替え後でも再設定することなく、Oracle サーバーのクライアントを再接続可能にできます。そのような再接続のためには、Oracle リソースのサービスグループに少なくとも 1 つの IP リソースを含める必要があります。このリソースが設定する IP アドレスにマッピングされているホスト名は、$TNS_ADMIN/listener.ora ファイルの Host フィールドに定義されている必要があります。

Oracle のクライアント/サーバー通信に TCP/IP プロトコルを使う場合は、ファイル /etc/services に Oracle Net Service のサービス名が記載されていることを確認します。サービスグループの SystemList 属性に定義されている各 ノード で、このファイルを確認する必要があります。

VCS 環境のリスナー認証

Netlsnr エージェントは、リスナープロセスのためのパスワード認証と同様、OS の認証をサポートします。Veritas では、OS 認証を設定することをお勧めします。リスナーのパスワードを設定する場合は、パスワードが正しく設定されたかを確認してください。パスワードが不適切に設定された場合には、リスナーにエラーが生じる場合があります。

Oracle データベースのユーザーパスワードとリスナーパスワードの暗号化を参照してください。

リスナー認証の設定について詳しくは、Oracle のマニュアルを参照してください。

VCS 環境での Oracle データベースのホットバックアップ

VCS 環境では、Oracle データベースのホットバックアップはデフォルトで有効に設定されています。

Oracle データベースのホットバックアップを実行しているときに、ノード で障害が発生することがあります。障害の発生時に、VCS が別の ノード へのフェールオーバーを実行できるのは、次の必要条件が満たされている場合だけです。

これらの VCS の必要条件を満たしていない場合は、手動でホットバックアップを終了してから、別の ノード に Oracle をフェールオーバーする必要があります。

メモ:

コンテナデータベースまたはプラグ可能データベースのホットバックアップ中にノードに障害が発生した場合は、対応する CDB リソースの AutoEndBkup 属性を 1 に設定する必要があります。CDB の AutoEndBkup が 1 に設定されている場合、オンライン時に CDB と PDB の両方のバックアップも終了します。

ホットバックアップ中に VCS ノードに障害が発生した後の Oracle のフェールオーバーを参照してください。

メモ:

AutoEndBkup 属性値を 0 に設定した場合は、予期しない VCS の動作を回避するために詳細監視を有効にする必要があります。

VCS agent for Oracle の詳細監視の設定を参照してください。

VCS で Oracle ASM を設定するためのストレージデバイス

Oracle ASM では次のストレージデバイスの 1 つを選択できます。

  • RAW ディスクとして ASM のディスク

    RAW ディスクを使う場合は、ディスクに ASM $ORACLE_HOME に指定された永続的な権限があることを確認します。

  • Veritas Volume Manager ボリュームとしての ASM のディスク

    VxVM ボリュームを使う場合は、ディスクに再ブートを実行可能な永続的な権限があることを確認します。権限は ASM $ORACLE_HOME のそれと同じでなければなりません。

    Veritas Volume Manager のマニュアルを参照してください。

  • Cluster Volume Manager ボリュームとして ASM のディスク

    CVM ボリュームを使う場合は、ディスクに再ブートを実行可能な永続的な権限があることを確認します。権限は ASM $ORACLE_HOME のそれと同じでなければなりません。

    Veritas Volume Manager のマニュアルを参照してください。

VxVM または CVM ボリュームを使う ASM のディスクに対してミラー化を設定する場合は、VxVM のミラー化は設定する必要がありますが、ASM のミラー化は設定しません。

ASMInst エージェントは ASM ディスクグループの ASM インスタンスの pfile または spfile をサポートしません。Veritas では、このファイルを ASM ディスクグループからローカルファイルシステムにコピーすることを推奨します。