クラウド環境の Veritas InfoScale™ 8.0.2 Solutions
- 概要と準備
- アマゾンウェブサービス用の構成 - Linux
- アマゾンウェブサービス用の構成 - Windows
- Microsoft Azure 用の構成 - Linux
- Microsoft Azure 用の構成 - Windows
- Google Cloud Platform 用の構成 - Linux
- Google Cloud Platform 用の構成 - Windows
- クラウド環境でのレプリケーション
- Cloud Connector を使用したクラウドへのファイルの移行
- AWS および Azure 用の Load Balancer の設定 - Linux
- クラウド配備の問題のトラブルシューティング
InfoScale でクラウドコネクタを使用してデータを移行する方法
InfoScale は、ブロックレベルとファイルレベルでのクラウドへのデータ移行をサポートしています。VxFS マルチボリュームファイルシステムと VxVM ボリュームセットの機能を活用して、安定したインフラでオンプレミス環境とクラウド環境を結び付けます。クラウドストレージは、ディスクグループ内のボリュームとして表示されます。ローカルボリュームのグループとクラウドボリュームから構成される一連のボリュームに基づき、単一のファイルシステムが作成されます。マルチボリュームファイルシステムは、既存のデータボリュームが使用していた同じマウントポイントにマウントします。この構成により、データをクラウドに移動しても、アプリケーションはシームレスにデータにアクセスできます。
クラウドボリュームは、cloud 属性が有効な通常の VxVM ボリュームです。属性設定に基づき、VxVM はストレージがローカルまたはクラウドのどちらにプロビジョニングされる必要があるかを特定します。クラウドボリュームが、ローカルで利用可能なストレージ容量によって制限されることはありません。各クラウドボリュームは、バケットまたはコンテナ (この用語はベンダーによって異なります) と呼ばれるターゲットストレージユニットと関連付けられます。ローカルボリュームとクラウドボリュームには階層が割り当てられ、これら全体からのファイルを移行できます。クラウドボリュームへのすべての I/O 要求は、vxcloudd デーモンによって管理されます。
この移行は、policy.xml
ポリシーファイルに基づきます。このファイルに、データのストレージ配置ポリシーが定義されます。ポリシーファイルは、ニーズに合わせてカスタマイズできます。移行には通常のファイルを含めることができ、空のディレクトリやシンボリックリンクを含めることはできません。
ブロックレベルの移行では、データは固定サイズのブロック単位でクラウドボリューム内に格納されます。各ブロックは、オブジェクトとして表されます。オブジェクト内に異なるファイルからのデータを保持できます。オブジェクトサイズは、ローカルボリューム上のファイルシステムのブロックサイズに相当します。たとえば、2 KB のファイルシステムブロックサイズでローカルボリュームに格納された 10 KB のファイルは、5 個の個別のオブジェクトとして 2 KB のブロックサイズでクラウドボリュームに書き込まれます。
ファイルレベルでの移行の場合、1 つのファイルが 64 MB のブロックに分割され、各ブロックが 1 つのオブジェクトとして格納されます。1 つのファイルには、1 つ以上のオブジェクトが存在します。たとえば、10 KB のファイルは、1 つのオブジェクトとして 1 つのブロックに書き込まれます。ただし、100 MB のファイルは 64 MB と 36 MB の 2 つのブロックに分割され、2 つのオブジェクトとして書き込まれます。
どちらの移行タイプも、ボリュームセット内の各ボリュームには、次のいずれかのユーザー定義配置クラスが割り当てられます。
LOCAL (ローカル) |
ボリュームが通常のインプレースボリュームであることを示します。 |
CLOUD (クラウド) |
ボリュームが vxcloud=on または fscloud=on の属性のオフサイトのクラウドボリュームであることを示します。 |
メモ:
Amazon Glacier 以外のすべての種類のサポート対象クラウドコネクタでは、クラウドのアップロード操作と取得操作が同期されます。
Amazon Glacier での操作についてAmazon Glacier での操作についてを参照してください。
ローカル層からクラウド層へのファイルの移動は、ファイルシステムに割り当てられて適用されたポリシーによって定義されます。
ポリシーファイル、配置ポリシー、ルールについて詳しくは、『Storage Foundation 管理者ガイド - Linux』で「SmartTier の管理」の章を参照してください。
図: InfoScale でクラウドコネクタを使用してデータを移行する方法にプロセスを示しています。
この図では、次のストレージ配置ポリシーを想定しています。
MP3 ファイルはクラウドボリュームに直接格納されています。
(ブロックレベルの移行にのみ該当し、ファイルレベルの移行には該当しません)
データは 30 日間アクセスされないと、クラウドに移動されます。