Backup Exec での容量の使用状況の算出の詳細

Article: 100054179
Last Published: 2022-11-10
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Product(s): Appliances

問題

キャパシティライセンスは、保護対象の「フロントエンド」運用中のシステムに存在する非圧縮、非複製データの総量に基づきます。 ライセンスはテラバイト単位で購入でき、1 テラバイトは 1024 ギガバイトと定義され、ライセンスを購入する際には、環境内で予想されるデータの増加を初回購入時に含める必要があります。
ゴールド、シルバー、ブロンズ、キャパシティ、またはキャパシティエディションライトを使用している場合、Backup Exec は、バックアップジョブによって保護されている現在の「フロントエンド」テラバイトを監視します。この計算は、Backup Exec 管理コンソールのホーム画面「ライセンスおよび保守契約」セクションにある「ライセンス容量の使用状況の状態」への表示と、現在のライセンス容量を超えたときの管理者への警告表示に使用されます。

このドキュメントでは、容量の計算方法について説明し、よく寄せられる質問に回答します。

 

エラーメッセージ

V-79-57344-49200 - ジョブを実行できません。現在の使用量がライセンス容量を大きく超えています。ライセンス容量を増やすには、ソフトウェアの購入先に連絡して、容量を増やした新しいライセンスを取得してください。
0xE000C030 - サーバーの使用量がライセンス容量を超えています。使用量をライセンス容量未満にしないとバックアップジョブが失敗します。
UMI Code: V-79-57344-49200
UMI Code: V-379-58054

 

解決策

容量の使用状況の計算方法
Backup Exec は、Backup Exec Database (BEDB) 内のジョブ履歴レコードのバイトカウントを使用して、現在の容量の使用状況を計算し、毎日更新します。

1. 履歴データから、過去30日間に実行され、委任されていない、成功した完全バックアップジョブのリストが生成されます。 (: 委任されたジョブとは、CASO 環境で集中管理サーバー (CAS) から Managed Backup Exec サーバー (MBE) に送信されるジョブのことです)
2. ジョブ履歴データから、完全バックアップジョブによって作成されたすべての保護されたリソースのリストが生成されます。リソース (バックアップセット) とは、サーバー名\C: や サーバー名:ExchangeMailboxDB などの個々のオブジェクトのことを指します。:この場合、サーバー名自体はリソースではありません。
3. 上記の2つのリストを使用して、履歴データから、各保護対象リソースに対する最大サイズの完全バックアップ (Backup Exec 20.x 以降) または最後の完全バックアップ (Backup Exec 16.x 以前) のバイトカウント結果が取得されます。
4. その結果を合計すると、Backup Exec サーバー の容量の使用状況表示されます。

Backup Exec の各種エディションに関する詳細は、Backup Exec Licensing Guide - に記載されています。- Backup Exec Licensing Links

 

容量計算に関するよくある質問(FAQ)
Q1:現在のライセンス容量を超えた場合、バックアップジョブは失敗しますか?
A1: Backup Exec 20.x 以降では、使用容量がインストール済みライセンスの 115% を30日間にわたって超えた場合、バックアップジョブは失敗します。Backup Exec 16.x 以前、または Backup Exec 20.x の環境では、使用率が  115% 未満であればバックアップジョブは失敗せず、引き続き実行されます。すべてのバージョンで、ライセンス数を超えた場合、Backup Exec 管理コンソールでライセンス警告が発生します。

Q2: バックアップジョブが削除された場合、容量計算に影響がありますか?
A2: いいえ、BEDB 内の過去 30 日間のジョブ履歴の記録に基づいて計算されます。

Q3: サーバーが破棄されてバックアップされなくなった場合、または特定のサーバーのバックアップジョブ定義が削除された場合はどうなりますか?
A3: そのサーバーのバックアップ履歴は、30日間は容量計算に含まれますが、それ以降は自動的に計算から除外されます。

Q4: 容量計算は、最後の完全バックアップと最後の完全リカバリチェーン (差分または増分バックアップを含む) のどちらに基づいていますか?
A4: 容量計算は、Backup Exec のバージョン (チェーンではなく) に依存しますが、最大サイズの完全バックアップ、または最後の完全バックアップに基づいて行われます。差分または増分バックアップで保護されているサーバーに追加された新しいデータは、新しい完全ジョブが実行された後にのみ計算に含まれます。

Q5: 30 日以内に同じサーバーの完全バックアップを 2 回実行した場合、容量の使用量は約2倍になりますか?
A5: 30 日以内の最大サイズまたは最後のフルバックアップのみがカウントされます。30 日以内の 1 つのリソースに対するすべての完全バックアップのジョブの合計は、計算には使用されません。

Q6: サーバーリソースから一部のデータが削除された場合、この減少分は容量計算で除外されますか?
Q6: Backup Exec 20.x 以降の場合: 過去 30 日間で最大サイズの完全バックアップが使用されるため、回答は「いいえ」になります。Backup Exec 16.x 以前の場合、回答は「はい」です。保護されるデータ全体の量が減少しても増加しても、その変化は次回の完全バックアップの後に更新されます。

Q7:リソースの一部だけを完全バックアップで保護する場合 (例えば、Dドライブ全体ではなくDドライブ配下のサブフォルダー)、容量計算にどのような影響がありますか?
A7: これは、リソースの完全なコンテンツではなく、そのジョブに基づいて実際にバックアップされた容量を計算します。この結果は、リソースの残りの部分が別のジョブで保護されていない場合は有効ですが、完全なリソースのバックアップが最初に実行され、その後、部分的なデータ選択のみを保護するために 2 番目のバックアップが実行された場合は無効 (reading low) になります。リソースの半分が 1 つの完全ジョブでバックアップされ、同じリソースの残りの半分が別の完全ジョブでバックアップされている場合も、同じ計算エラー (low result) が表示されます。

Q8: 1回限りのバックアップもカウントされますか、それともスケジュールバックアップのみですか?
A8: 1回限りのバックアップジョブは完全バックアップとしてカウントされ、1回限りのバックアップが最後の完全バックアップである場合、そのジョブの統計が容量計算に使用されます。

Q9: 完全バックアップジョブが失敗した場合、計算に影響がありますか?
A9: いいえ。容量の計算では、最後に成功した (または例外ありで完了した) 完全バックアップジョブの統計情報を引き続き使用し、失敗したジョブの詳細は無視されます。

Q10: 過去 30 日以内にサーバーが廃棄され、データが新規または別の保護されたサーバーに移されたためにライセンス警告を受け取った場合、追加のライセンスを購入する必要がありますか?それとも 30 日間は警告を無視できますか?
A10: 元のサーバーが廃棄され、今後そのサーバーをバックアップする予定がない場合は、アラートメッセージを無視することができます。注: もし 30 日以上経過している場合は、フロントエンドのデータが大きくなっている可能性があり、さらなるライセンスが必要になります。

Q11: Backup Exec 管理コンソールからジョブ履歴を手動で削除した場合、または「ジョブ履歴を保持する日数」の設定を 30 日未満にした場合、容量計算にはどのような影響がありますか?
A11:  Backup Exec 16.x およびそれ以前のバージョンでは、容量計算の際に誤った低い値を示す可能性があります。また、監査の観点から、ジョブがいつ実行されたかの追跡ができなくなります。Backup Exec 20.x 以降では、有効なキャパシティライセンス(総使用量 115% に対して)が強制されるため、この動作は Backup Exec の新しいバージョンとは異なる可能性があります。

Q12: CASO 環境では、CAS サーバーの容量計算には MBE サーバーで実行されたジョブも含まれますか?
A12: いいえ、CASO 環境では非委任ジョブを計算します。そのため、MBE サーバーには個別のキャパシティライセンスが適用され、容量の使用量の統計が表示されます。容量の使用率の一元管理はできません。 注: 現在、CASO 環境において容量の使用率の統計値が低く表示される問題について調査が行われています。

Q13: CASO 環境で、複数の Backup Exec Server (CAS または MBE) を使って他のサーバーから同じリソースをバックアップした場合、そのリソースのバイトカウントは一度しかカウントされないのでしょうか?
A13: 計算は各 Backup Exec Server に対して別々に行われるため、リソースのバイトカウントは2回カウントされることになります。

Q14: CASO 環境で、最適化された複製とテープへのリモート複製がある場合、容量の使用率はどのように計算されますか?
A14: 複製ジョブは BEDB に独自のジョブとして記録されるため、複製ジョブのバイト数は容量の使用状況の算出 には含まれません。

Q15: キャパシティエディションライト の 2~5TB ライセンスで、5TB以下の場合、容量不足の警告が出るのはなぜですか?
A15: キャパシティエディションのライセンスは 1TB 単位で販売され、同じ注文書で何本購入されたかによって、階層に応じた割引が適用されます。そのため、4TB までのデータを保護する場合、キャパシティエディション 2~5TB のライセンスが 4つ必要になります。しかし、フロントエンドのデータが 4TB を超えるような環境では、ライセンス名に 5 という文字が含まれていても 4TB しか購入していないため、1TB のライセンスの追加が必要になり、アラートが表示されることになります。これらの割引は、キャパシティエディションのフルバージョンとライトバージョンの両方で利用でき、この記事の執筆時点では、1TB の倍数として販売される「2~5TB」、「6~16TB」、「16~25TB」、「26TBプラス」の各階層が用意されています。

Q16: Backup Exec 20.1 で、3つのバックアップセットに対して "容量の使用状況の算出から削除する" というオプションを使いましたが、全体の使用容量カウントにほとんど変化がありませんでしたが、なぜですか?
A16: このオプションを使用して、定期的なジョブの一部であるバックアップセットを削除した場合、30 日以内に 3 つ以上の同じリソースの完全バックアップが存在すると、Backup Exec (20.x 以降) では過去 30 日間で最大のサイズをもつバックアップセットに対して使用量を計算するので、同じリソース内のバックアップセットのうちの 1 つが容量計算に含まれます。注:「容量の使用状況の算出から削除する」機能は、テストジョブで作成されたバックアップセットを削除するためのものであり、定期的なジョブは想定されていません。廃止されたサーバーや通常運用とは別に存在している個別ジョブに対するカウントをリセットするのには適していません(そのようなバックアップセットのサイズは、30日後に使用量の計算から自動的に削除されます)。

Q17: バックアップセットを格納する重複排除ストレージフォルダのバックアップは容量計算に含まれますか?
A17: はい。別のリソースでバックアップされています。これを計算から除外したい場合は、Q16 の手順で容量計算から除外することができます。

Q18: GRTが有効な場合、仮想マシンベースのバックアップとリモートエージェントベースのバックアップは同じサーバーを1回とみなすのでしょうか?
A18: はい、ただし、システム状態や一部のユーティリティパーティションが容量計算に使用される可能性があるという制限があります。リモートエージェントベースのバックアップか、仮想マシンGRTベースのバックアップのいずれか1つを使用したバックアップを取得することが推奨されます。

 

 

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