Backup Exec 2012 SP4 以降で、データライフサイクル管理が、ディスク上のストレージ (B2D) とリムーバブルディスクカートリッジ (RDX)…

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Last Published: 2021-08-17
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Product(s): Backup Exec

問題

Backup Exec 2012 以前では、Backup Exec はメディアセットを使ってバックアップデータのライフサイクルを管理していました。このテープ中心の方法は、テープなどのリムーバブルメディアを管理し、また、ディスクベースのストレージでの .BKF コンテナファイル (エミュレートされたテープディスクコンテナファイル) にバックアップされたデータを管理してしました。

ディスクベースのストレージでメディアセットを使ってバックアップデータを管理することに起因する 2 つの問題があります。

  • リカバリのためのバックアップデータの整合性が保証されない
    メディアセットは、完全バックアップと増分バックアップとのデータの依存関係を確認できません。代わりに、リカバリに必要なメディアを途中で上書きしてしまうことを避けるために、完全バックアップと増分バックアップに対して正確な上書き期間と追記期間を持つ 2 つのメディアセットを設定する方法を知っておく必要があります。以前の増分バックアップまたは完全バックアップのデータが利用できない場合、増分バックアップデータは役に立ちません。
  • ディスクストレージの再利用が不十分
    期限切れのバックアップデータが使用するディスクストレージは、直ちに再利用されません。バックアップデータのライフサイクルは、バックアップデータ自体ではなくメディアで管理されているからです。メディア上のすべてのバックアップセットが期限切れとなるまで、メディアは上書きされません。理想としては、期限切れのバックアップデータは直ちに削除され、新しいバックアップジョブのための空き領域が解放されることです。

この文書では、Backup Exec 2012 に Service Pack 4 以降を適用した後、固定ディスク (B2D) とリムーバブルカートリッジ (RDX) に関するメディア管理で想定される動作について説明します。

解決方法

Backup Exec 2012 SP4 のデータライフサイクル管理 (DLM) 機能は、固定ディスクおよびリムーバブルディスクカートリッジ上に保存されたバックアップデータの期限を管理します。

注意: SP4 より以前では、リムーバブルディスクカートリッジはメディアセットを使用してデータ保持期間を管理していました。SP4 では、DLM がすべてのディスクベースのメディアを管理します。
データライフサイクル管理に関する重要事項は次のとおりです。
データ保持期間について
·         バックアップデータの保持期間は、メディアではなくバックアップセットに関連付けられています。
·         ディスクベースのストレージデバイスに送信されるバックアップジョブを作成する時には、バックアップデータを保持する期間を指定します。バックアップデータの保持期間はジョブ定義のプロパティであり、4 週間など単一の値を使います。バックアップデータを保持する期間が過ぎると、データライフサイクル管理のルール (「バックアップセットの削除について」を参照してください) に基づいてバックアップセットが削除されディスク領域が解放されます。
·         リムーバブルディスクの使用時、画面上 (UI) では、ジョブ設定の保持期間にメディアセットが表示されます。ジョブの作成後、保持期間の値はバックグラウンドで変換され、ディスクへのバックアップ (B2D) で使用されるものと同一の方法を使用するように設定されます。
 
単一バックアップセット .bkf ファイルについて
·         .bkf ファイルが持つことができるバックアップセットまたは部分的なバックアップセットは 1 つだけです。バックアップセットが .bkf ファイルに追記されたり上書きされたりすることはありません。データライフサイクル管理は、.bkf ファイル上にある期限切れとなったバックアップセットを削除して、ディスク領域を解放します。
·         1つのバックアップセットは複数の .bkf ファイルにまたがることがあります。
 
データライフサイクル管理のグルーミングプロセスについて
·         データライフサイクル管理は期限切れのバックアップセットをチェックして、それらに加えて関連するバックアップデータをグルーミングして、ディスク領域を解放します。
 
·         B2D - データライフサイクル管理は、4 時間ごとに加えて、ディスクストレージ不足のアラートを受信したときに実行されます。
 
·         RDX - データライフサイクル管理は、書き込み可能なマウント (例、バックアップまたは複製) がオンラインの挿入されたディスクカートリッジである場合に限り、そのディスクカートリッジに含まれるバックアップセットに対してのみ実行されます。
 
·         データライフサイクル管理は、完全バックアップセットと、関連する増分バックアップセットや差分バックアップセットとの依存関係をチェックして、完全バックアップセットと増分バックアップセット、または完全バックアップセットと差分バックアップセットのチェーンを切らないようにします。データライフサイクル管理は、期限切れの完全バックアップセットと増分バックアップセットがあっても、依存関係のある増分バックアップセットで期限切れになっていないものがあると、グルーミングは行いません。
 
·         データライフサイクル管理は、最新のリカバリポイントチェーンの最後のコピーを削除しません。リカバリポイントチェーンは、関連付けられた完全バックアップセットと増分バックアップセットで、同一のジョブから同一のリソースに、同一の選択リストを使って生成されたものです (たとえば、\\Server\C:, \\Server\MSSQL\BEDB)。これらのバックアップセットは、リソースを最新の特定時点に正しくリカバリするために必要なものです。
 
 
ストレージの種類  メディアの種類 管理  再利用のタイミング
固定ディスク BKF
OST
IMG
DLM
  • 定期的にチェックを実施
  • ストレージ不足の場合に実施 
リムーバブルディスクカートリッジ BKF
IMG
DLM リムーバブルディスクカートリッジ上で書き込み可能なマウントごとに実施


バックアップセットの削除について
 
·         バックアップセットを削除しようとすると、Backup Exec はそのバックアップセットをチェックして、依存関係にあるバックアップセットがないことを確認します。増分バックアップジョブと差分バックアップジョブからのバックアップセットは、同一のバックアップ定義による完全バックアップジョブからのバックアップセットへの依存関係にあります。依存関係にあるバックアップセットが Backup Exec で検出された場合、削除操作をキャンセルするか、そのバックアップセットおよび依存関係にあるすべてのバックアップセットを削除するかを選択できます。
·         Backup Exec は、バックアップセットを削除するとき、関連するバックアップデータもすべてディスクストレージから削除します。
·      SP4 の場合、DLM はまず期限切れのメディアセットのカタログ情報を再利用し、次にディスク上のバックアップデータを再利用します。
 
バックアップセットの保持について
  ·         バックアップセットが自動的に期限切れとなることを防ぐために、バックアップセットを手動で保持することができます。バックアップセットを保持する際に、理由を特定して説明を追加することができます。データライフサイクル管理は、保持されたバックアップセット、または、保持されたバックアップセットと依存関係のあるいかなるバックアップセットも、グルーミングしません。
·         保持されたバックアップセットを期限切れにさせるには、バックアップセットの保持状態を取り除く必要があります。保持されたバックアップセットを解放すると、データライフサイクル管理は実行時にバックアップセットを自動的に期限切れにします。保持されたバックアップセットに対する削除操作は無効となります。

データライフサイクル管理に影響する Backup Exec のストレージオプション
 
·         Backup Exec を読み取り専用操作に制限する
デバイスプロパティのページにあるこのオプションにより、再接続した特定のディスクベースのストレージデバイス上でデータライフサイクル管理が実行されるのを避けることができます。このオプションが適用されるのは、ストレージデバイスが、グローバル設定で指定した日数だけ Backup Exec サーバーに接続されていなかった場合です。また、ストレージデバイスのプロパティにて、手動で設定を切り替えることもできます。
このオプションを表示するには、 [ストレージ] タブでストレージデバイスをダブルクリックします。続いて、左ペインで [プロパティ] をクリックします。
·         少なくともx 日間切断された場合、ストレージデバイスが Backup Execの操作 を読み取り専用操作に制限する
このグローバル設定により、ディスクベースのストレージデバイスが再接続されると同時に、ディスクベースのストレージデバイス上の期限切れのバックアップセットが Backup Exec により削除されるのを避けることができます。Backup Exec を読み取り専用操作に制限すると、期限切れとなったバックアップセットがデータライフサイクル管理により削除される前に、内容を確認して保持する必要があるかを判断する時間が得られます。Backup Exec が読み取り専用操作に制限されるのは、指定した日数だけ Backup Exec サーバーから切断されていたディスクベースのストレージデバイスの場合のみです。
このオプションを表示するには、[Backup Exec] ボタンをクリックし、 [構成と設定][Backup Exec の設定]、の順にクリックします。左ペインで、 [ストレージ] をクリックします。
注意: そのような [Backup Exec を読み取り専用操作に制限する] オプションを有効にしたディスクストレージに対して実行されたジョブは、キュー状態にとどまり、このオプションを無効化することが必要になる場合があります。
·         ディスク領域の不足
このデバイスプロパティは、3 つあるディスク領域不足状態の 1 つであり、B2D と重複排除用ストレージデバイスのみに適用されます。ストレージデバイスの使用容量がこのしきい値に達すると、データライフサイクル管理機能は、削除可能な期限切れのバックアップセットがデバイスにないかを直ちに探します。
このオプションを表示するには、 [ストレージ] タブでストレージデバイスをダブルクリックします。続いて、左ペインで [プロパティ] をクリックします。
 

 

 

 

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