Backup Exec 22 管理者ガイド
- Backup Exec の概要
- インストール
- Agent for Windows のインストールの方法
- Remote Administrator のインストール
- コマンドラインを使用した Backup Exec のインストール (サイレントモード)
- Veritas Update を使用した Backup Exec の更新
- Backup Exec のライセンス契約の情報
- Backup Exec へのアップグレードについて
- 開始
- バックアップ
- 仮想ベースバックアップとエージェントベースバックアップを使う時期に関する推奨事項
- データのバックアップ
- リストア
- Backup Exec カタログの働き
- ジョブの管理と監視
- アラートと通知
- [ホーム]タブでのアクティブアラートとアラート履歴表示の有効化
- アラート通知を受け取る受信者グループの追加
- ジョブが完了したときの通知の送信
- Backup Exec アラートの SNMP トラップ
- ディスクベースとネットワークベースのストレージ
- クラウドベースのストレージデバイス
- Amazon S3 クラウドベースストレージ
- Google クラウドベースストレージ
- Microsoft Azure クラウドベースストレージ
- プライベートクラウドベースストレージ
- S3 互換のクラウドストレージについて
- クラウド重複排除ストレージデバイス
- Backup Exec™ CloudConnect Optimizer について
- OpenStorage デバイス
- Microsoft 365
- 以前のディスクへのバックアップフォルダ
- テープストレージ
- Backup Exec のロボットライブラリ
- ロボットライブラリのパーティションの作成
- テープの管理
- テープメディアのラベル付け
- デフォルトのメディアボルト
- ストレージデバイスプール
- ストレージ操作
- 仮想マシンへの変換
- 構成と設定
- Backup Exec のネットワークとセキュリティのオプションの変更
- ファイアウォールでの Backup Exec の使用
- DBA 開始ジョブテンプレートの削除
- Backup Exec ログオンアカウント
- レポート
- カスタムレポートの作成
- Backup Exec の標準レポートのリスト
- インスタントクラウドリカバリ
- Azure ポータルで完了する事前設定
- GDPR Guard
- Backup Exec のトラブルシューティング
- SAN で障害が発生したコンポーネントのトラブルシューティング
- Backup Exec のトラブルシューティングの診断ファイルの生成
- Simplified Disaster Recovery
- ディザスタリカバリ情報ファイルの代替の格納場所の設定と変更
- Simplified Disaster Recovery ディスクイメージの作成
- Simplified Disaster Recovery を使用した障害からのリカバリ準備
- Simplified Disaster Recovery を使用したコンピュータのリカバリ
- 手動ディザスタリカバリの実行
- Veritas™ Information Map との統合
- 永久増分バックアップ
- 付録 A. Backup Exec Agent for Windows
- Backup Exec Agent ユーティリティ for Windows について
- 付録 B. Backup Exec Deduplication Feature
- 重複排除用ディスクストレージの作成またはインポート
- ダイレクトアクセス共有のためのストレージデバイスの選択
- 付録 C. Backup Exec Agent for VMware
- vCenter Server または ESX(i) Server の信頼関係の確立について
- VMware 仮想マシンのバックアップ
- VMware 仮想マシンのインスタントリカバリについて
- VMware 仮想マシンのリカバリ検証について
- 付録 D. Backup Exec Agent for Microsoft Hyper-V
- Microsoft Hyper-V 仮想マシンのバックアップ
- Hyper-V 仮想マシンのインスタントリカバリについて
- Hyper-V 仮想マシンのリカバリ検証について
- 付録 E. Backup Exec Agent for Microsoft SQL Server
- SQL データベースとトランザクションログのバックアップ
- SQL データベースとトランザクションログのリストア
- SQL Server のディザスタリカバリ
- SQL Server Always On 可用性グループについて
- 付録 F. Backup Exec Agent for Microsoft Exchange Server
- Exchange データのバックアップ
- 付録 G. Backup Exec Agent for Microsoft SharePoint
- Microsoft SharePoint データのバックアップ
- 付録 H. Backup Exec Agent for Oracle on Windows or Linux Servers
- Windows コンピュータおよび Linux サーバーでの Oracle Agent の設定
- Windows コンピュータでの Oracle インスタンスの設定
- Windows コンピュータでの Oracle インスタンスの表示
- Backup Exec サーバーの認証クレデンシャルについて
- Oracle データベースのバックアップについて
- Oracle リソースのリストアについて
- 付録 I. Backup Exec Agent for Enterprise Vault
- Enterprise Vault バックアップジョブのバックアップ方式について
- Enterprise Vault の復元
- Backup Exec Migrator for Enterprise Vault について
- Backup Exec Migrator の設定
- 移行された Enterprise Vault データの取り込みについて
- Partition Recovery Utility について
- 付録 J. Backup Exec Agent for Microsoft Active Directory
- 付録 K. Backup Exec Central Admin Server Feature
- Central Admin Server Feature のインストールについて
- CAS 通信のしきい値に到達した場合に発生する事項
- CAS でのジョブの委任について
- CAS で Backup Exec サーバープールを使用する方法
- CAS での集中リストアの動作
- 付録 L. Backup Exec Advanced Disk-based Backup Feature
- 付録 M. Backup Exec NDMP Feature
- リストアと NDMP サーバーのリストアデータのリストア先変更について
- NDMP サーバーのプロパティの表示
- NDMP サーバーのストレージプロパティの表示
- 付録 N. Backup Exec ファイルサーバー
- 付録 O. Backup Exec Agent for Linux and UNIX。
- Agent for Linux and UNIX のインストールについて
- Backup Exec サーバーリストでのリモート Linux および UNIX コンピュータの信頼の確立について
- Linux および UNIX コンピュータの設定オプションの編集
- Agent for Linux and UNIX を使用した Linux および UNIX コンピュータのバックアップについて
- Linux および NNIX コンピュータへのデータのリストアについて
- Linux および UNIX コンピュータのデフォルトのバックアップジョブオプションの編集
- Agent for Linux and UNIX のアンインストール
- 付録 P. Backup Exec Remote Media Agent for Linux
- Remote Media Agent for Linux のインストールについて
- Backup Exec サーバーリストでの Remote Media Agent for Linux コンピュータの信頼の確立について
- Remote Media Agent for Linux の Backup Exec オペレータ (beoper) グループについて
- Remote Media Agent for Linux としての Linux サーバーの追加について
- Remote Media Agent for Linux のプロパティの編集
- シミュレートテープライブラリの作成
- シミュレートテープライブラリのプロパティの表示
- 付録 Q. Backup Exec のアクセシビリティ
- Backup Exec のキーボードショートカットについて
オフホストバックアップを使って Backup Exec サーバーでリモートコンピュータバックアップを処理する方法
オフホストバックアップを使用すると、バックアップ処理をホストコンピュータから Backup Exec サーバーに移動できます。オフホストバックアップでは、リモートコンピュータ上でバックアップ対象として選択されたボリュームのスナップショットが作成されます。その後、スナップショットが Backup Exec サーバーにインポートされ、Backup Exec サーバーでバックアップされます。
バックアップ後、スナップショットは Backup Exec サーバーからエクスポートされ、リモートコンピュータに再度マウントされてソースボリュームと再同期化されます。この処理には、ハードウェアプロバイダが提供するトランスポータブルスナップショットをサポートするソリューションが必要です。トランスポータブルスナップショットとは、Backup Exec サーバーに対してインポートおよびエクスポート可能なスナップショットです。オフホストバックアップの各ボリュームには、選択した Microsoft ボリュームシャドウコピーサービス(VSS)プロバイダが使用されます。オフホストバックアップジョブは、一度に 1 台のリモートコンピュータ上で実行されます。
オフホストバックアップでは、次のものがサポートされています。
Microsoft ボリュームシャドウコピーサービス (VSS)
完全、増分および差分バックアップ方式を使用する、NTFS ボリュームのバックアップ
Microsoft SQL Server 2000 以降のデータベースの SQL Agent バックアップ
Microsoft Exchange サーバーインスタンス用の Exchange Agent バックアップ: Exchange Agent のバックアップに Backup Exec Granular Recovery Technology を使用するオプションのサポートが組み込まれています。
さらに、オフホストバックアップの必要条件は次のとおりです。
表: オフホストバックアップの必要条件
項目 |
説明 |
---|---|
Backup Exec サーバー |
Advanced Disk-based Backup Feature をインストールする必要があります。 |
リモートコンピュータ |
Agent for Windows がリモートコンピュータにインストールされている必要があります。 |
Backup Exec サーバーおよびリモートコンピュータ |
次のものを Backup Exec サーバーとリモートコンピュータの両方にインストールする必要があります。
|
Exchange Server リソースの GRT 対応オフホストバックアップ |
オフホストバックアップは、Microsoft Exchange Server の Exchange Agent のバックアップをサポートしています。Backup Exec サーバーと Exchange サーバーは、同じソフトウェアパッチのレベル (VSS パッチを含む) で同じバージョンを実行している必要があります。デバイスもハードウェア互換性リストに掲載されている必要があります。 |
Central Admin Server Feature |
CAS (Central Admin Server) Feature をインストールしている場合は、集中管理サーバーによるジョブの委任を許可しないでください。委任を許可すると、オフホスト機能がない Backup Exec サーバーにジョブが委任される場合があります。オフホストバックアップ方式を使用する CAS ジョブ用のストレージデバイスは、手動で選択する必要があります。 |
ADBO (Advanced Disk-based Backup Feature) オフホストバックアップでは次のオプションはサポートされません。
[チェックポイントから再開]オプション。
「チェックポイントから再開」機能の設定を参照してください。
Windows BitLocker ドライブ暗号化を実行するボリューム。
[カタログを使用]を利用するファイルのバックアップ方式。
Backup Exec でファイルがバックアップ済みかどうかを判断する方法を参照してください。
次にベストプラクティスを示します。
ソースボリュームとスナップ対象のボリュームが同じ物理ディスクを共有しないようにします。これに従わないと、スナップショットボリュームを元のボリュームから分割できません。
多くのハードウェアプロバイダおよびソフトウェアプロバイダには、転送可能なボリュームの種類に関する何らかの制限があります。そのため、オフホストバックアップジョブは、すべての依存ボリュームをインポートおよびエクスポート可能なデータのバックアップにのみ使用することをお勧めします。
バックアップ対象に選択するボリュームのインポートとエクスポートが可能で、VSS ハードウェアプロバイダが互換性リストに含まれていることを確認します。その他の場合、オフホストバックアップは失敗します。オフホストバックアップが失敗した場合でもバックアップを続行するように選択できます。
Backup Exec ハードウェア互換性リストで、互換性のあるストレージの種類のリストを参照できます。
日立社の RAID Manager ログはスナップ対象のボリューム上に存在できません。日立社の RAID Manager は、スナップショットの作成中に RAID Manager ログファイルへの I/O を実行します。VSS コーディネータはスナップ対象のドライブへの I/O をブロックします。そのため、スナップ対象のボリューム上に RAID Manager のログディレクトリが存在すると、ログ I/O がブロックされ、スナップ処理がデッドロックされます。
CAS (Central Admin Server) Feature をインストールしている場合は、オフホストバックアップ用のストレージを手動で選択する必要があります。ストレージを選択しないと、オフホスト機能がない Backup Exec サーバーにジョブが委任される場合があります。
CAS で Backup Exec サーバープールを使用する方法 を参照してください。
Microsoft Cluster Server(MSCS)環境で VSS ハードウェアプロバイダを使用してオフホストバックアップを実行する場合、Backup Exec サーバーとリモートコンピュータは異なるクラスタグループに属する必要があります。クラスタアプリケーションでは、署名とパーティションレイアウトが重複したデバイスの論理ユニット番号(LUN)がサポートされません。LUN を含むスナップショットは、クラスタ外に存在するホストコンピュータに転送する必要があります。