Veritas Access インストールガイド

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Product(s): Access (7.4.2)
Platform: Linux
  1. Veritas Access のライセンス
    1.  
      Veritas Access 製品のライセンスについて
    2.  
      TB 単位のライセンスモデル
    3.  
      コア単位の TB ライセンスモデル
    4.  
      コア単位のライセンスモデル
    5.  
      Veritas Data Deduplication を使用するためのアドオンライセンス
    6.  
      ライセンスに関する注意事項と機能拡張
  2. システム要件
    1.  
      重要なリリース情報
    2. システム要件
      1. Linux の必要条件
        1.  
          必要なオペレーティングシステム RPM とパッチ
        2.  
          必要なカーネル RPM
        3.  
          必要な Oracle Linux カーネル RPM
        4.  
          OL 7.4 に必要なオペレーティングシステム RPM
        5.  
          OL 7.5 に必要なオペレーティングシステム RPM
        6.  
          RHEL 7.4 に必要なオペレーティングシステム RPM
        7.  
          RHEL 7.5 に必要なオペレーティングシステム RPM
      2.  
        VMware ESXi 環境に Veritas Access をインストールするためのソフトウェア要件
      3.  
        Veritas Access 仮想マシンをインストールするためのハードウェア要件
      4.  
        管理サーバーの Web ブラウザサポート
      5.  
        必須の NetBackup バージョン
      6.  
        必須の OpenStack バージョン
      7.  
        必要な Oracle バージョンとホストオペレーティングシステム
      8.  
        必要な IP バージョン 6 インターネット標準プロトコル
    3. ネットワークとファイアウォールの要件
      1.  
        NetBackup ポート
      2.  
        OpenDedup ポートと iptable ルールの無効化
      3.  
        CIFS プロトコルとファイアウォールポート
    4.  
      最大構成の制限
  3. Veritas Access をインストールする準備
    1.  
      インストールプロセスの概要
    2.  
      ノードのハードウェア要件
    3. Veritas Access の RDMA ネットワークで LLT を使用する
      1.  
        Veritas Access クラスタ環境の InfiniBand ネットワーク上の RDMA
      2.  
        アプリケーション間のより高速の相互接続のための LLT での RDMA のサポートについて
      3.  
        Veritas Access の RDMA 上の LLT を設定する
      4.  
        Veritas Access インストーラが RDMA 上で LLT を設定する方法
      5.  
        /etc/llttab 内の RDMA 上の LLT の例
    4.  
      ネットワークハードウェアの接続
    5. IP アドレスの取得について
      1.  
        必要な IP アドレス数の計算について
      2.  
        インストール時に必要な IP アドレス数の削減
    6.  
      ストレージ構成の確認について
  4. VMware ESXi での Veritas Access インストール用の仮想マシンの配備
    1.  
      VMware ESXi でのネットワークの設定
    2.  
      ブートディスクと LUN のデータストアの作成
    3.  
      Veritas Access インストール用の仮想マシンの作成
  5. クラスタのインストールと設定
    1.  
      インストールの概要
    2.  
      インストール手順の概要
    3.  
      インストールする前に
    4. クラスタの各ノードでのオペレーティングシステムのインストール
      1.  
        ドライバノードについて
      2.  
        ターゲット Veritas Access クラスタへの RHEL オペレーティングシステムのインストール
      3. ターゲット Veritas Access クラスタへの Oracle Linux オペレーティングシステムのインストール
        1.  
          Oracle Linux の yum サーバーリポジトリの設定
    5. ターゲットクラスタノードでの Veritas Access のインストール
      1.  
        クラスタ上での Veritas Access ソフトウェアのインストールと設定
      2.  
        Veritas Access のグラフィカルユーザーインターフェース
    6. NIC、結合、および VLAN デバイスの管理について
      1.  
        パブリック NIC の選択
      2.  
        プライベート NIC の選択
      3.  
        NIC の除外
      4.  
        NIC を含める場合
      5.  
        NIC 結合の作成
      6.  
        NIC 結合の削除
      7.  
        結合リストからの NIC の削除
    7. VLAN のタグ付けについて
      1.  
        VLAN デバイスの作成
      2.  
        VLAN デバイスの削除
      3.  
        VLAN のタグ付けの制限事項
    8.  
      イーサネットインターフェースカードの交換
    9.  
      I/O フェンシングの設定
    10.  
      Veritas NetBackup の設定について
    11.  
      Veritas Access の設定中の kdump の有効化について
    12.  
      Veritas Access のクラスタ名とネットワークの再設定
    13.  
      Veritas Access クラスタに KMS サーバーを構成する
  6. 応答ファイルを使用した Veritas Access のインストールと設定の自動化
    1.  
      応答ファイルについて
    2.  
      Veritas Access のサイレントインストールの実行
    3.  
      Veritas Access のインストールと設定のための応答ファイル変数
    4.  
      Veritas Access のインストールと設定のためのサンプル応答ファイル
  7. クラスタのノードの表示と追加
    1.  
      Veritas Access インストールの状態と条件について
    2.  
      クラスタ内のノードの表示
    3.  
      クラスタに新しいノードを追加する前に
    4.  
      クラスタへのノードの追加
    5.  
      複合モード環境でのノードの追加
    6.  
      クラスタからのノードの削除
    7.  
      クラスタノードのシャットダウン
  8. オペレーティングシステムと Veritas Access のアップグレード
    1.  
      RHEL でのアップグレードでサポートされるアップグレードパス
    2.  
      オペレーティングシステムと Veritas Access のアップグレード
  9. ローリングアップグレードの実行
    1.  
      ローリングアップグレードについて
    2.  
      インストーラを使用したローリングアップグレードの実行
  10. Veritas Access のアンインストール
    1.  
      Veritas Access をアンインストールする前に
    2. インストーラを使用した Veritas Access のアンインストール
      1.  
        Veritas Access 7.4.2 RPM の削除
      2.  
        Veritas Access 7.4.2 ディスクからのアンインストールの実行
  11. 付録 A. インストールの参考情報
    1.  
      インストールスクリプトオプション
  12. 付録 B. 通信用のセキュアシェルの設定
    1.  
      パスワードなしのセキュアシェル (ssh) の手動設定
    2.  
      pwdutil.pl ユーティリティを使用した ssh と rsh 接続の設定
  13. 付録 C. Veritas Access の手動配備
    1.  
      非 SSH 環境における 2 ノードクラスタへの Veritas Access の手動配備
    2.  
      Veritas Access での内部 sudo ユーザー通信の有効化

ローリングアップグレードについて

Veritas Access 7.4.2 は、Veritas Access 7.3.1 以降のバージョンからのローリングアップグレードをサポートしています。ローリングアップグレードは、RHEL 7.4 および OL 7 Update 4 (RHEL 互換モードのみ) でサポートされます。

ローリングアップグレードが、サービスグループフェールオーバーの実行に要するアップグレード時間を制限することで、高可用性クラスタのサービスとアプリケーションの停止時間が最小化されます。1 つのクラスタで異なる製品バージョンを持つノードを実行できます。

ローリングアップグレードには、2 つの主要な段階があります。インストーラにより段階 1 でカーネル RPMs が、段階 2 で VCS エージェント RPMs がアップグレードされます。アップグレードは各ノードで個別に 1 つずつ実行する必要があります。最初に各スレーブノードでアップグレードを実行し、その後マスターノードで実行する必要があります。アップグレードプロセスにより、アップグレード中のノードですべてのサービスとリソースが停止されます。すべてのサービス (VIP グループを含む) は、クラスタからその他いずれかのノードにフェールオーバーされます。フェールオーバープロセス中に、ノードの VIP グループに接続されているクライアントが断続的に中断されます。タイムアウトしないクライアントについては、アップグレード中のノードで VIP グループがオンラインになった後、サービスが再開されます。

アップグレードプロセスが 1 番目のノードで実行されている間、クラスタの他のノードは引き続きクライアントに提供されます。1 番目のノードがアップグレードされた後、最初の段階のノードのサービスとリソースを再起動します。1 番目のノードが実行されると、アップグレードプロセスによって次のスレーブノードのサービスとリソースが停止され、同様の処理が続きます。すべてのサービスとリソースはオンラインになり、クライアントにサービスを提供します。それと同時に、ローリングアップグレードが残りのノードでアップグレードプロセスを開始します。アップグレードが残りのノードで完了すると、クラスタが回復し、サービスがクラスタ間で調整されます。

ローリングアップグレードのワークフロー

ローリングアップグレードには 2 つの主要な段階があります。インストーラは段階 1 でカーネル RPMs をアップグレードし、段階 2 で VCS エージェントに関連する非カーネル RPMs をアップグレードします。

  1. アップグレードプロセスが各ノードで次々に実行されます。

  2. 段階 1 では、アップグレードプロセスが最初にスレーブノードで実行され、続いてマスターノードで実行されます。アップグレードプロセスにより、ノードのすべてのサービスが停止され、サービスグループがクラスタ内の別のノードにフェールオーバーされます。

  3. フェールオーバープロセス中に、ノードの VIP グループに接続されているクライアントが断続的に中断されます。タイムアウトしないクライアントについては、ノードのいずれかで VIP グループがオンラインになった後、サービスが再開されます。

  4. インストーラはノードでカーネル RPMs をアップグレードします。ノードは引き続きクライアントに提供されます。

  5. 最初のスレーブノードで段階 1 が完了すると、2 番目のスレーブノードでアップグレードが開始され、同様の処理が続きます。スレーブノードでのアップグレードの後、マスターノードがアップグレードされます。また、マスターノードのすべてのサービスグループが他のノードにフェールオーバーされます。

  6. 最初のノードで段階 1 が成功したら、次のノードに対してアップグレードの段階 1 を開始する前に、リカバリタスクも完了しているかどうか確認する必要があります。

    メモ:

    アップグレードされたノードがクラスタ外にないことを確認します。ノードがクラスタ外にある場合は、そのノードが既存のクラスタに参加するまで待機します。

  7. ローリングアップグレードの段階 2 では、残りのすべての RPMs がクラスタのすべてのノードで同時にアップグレードされます。VCS と VCS エージェントパッケージがアップグレードされます。カーネルドライバは、新しいプロトコルバージョンにアップグレードされます。段階 2 の間、アプリケーションはオンラインのままです。High Availability Daemon (HAD) が停止し、再び起動します。