Enterprise Vault™ アップグレードの手順

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Product(s): Enterprise Vault (12.3)
  1. 本書について
    1.  
      本書について
    2. Enterprise Vault についての詳しい情報の入手先
      1.  
        Enterprise Vault トレーニングモジュール
  2. 開始する前の確認事項
    1.  
      サーバーのアップグレードの流れ
    2.  
      マニュアル
  3. アップグレードする場合の注意事項
    1.  
      Compliance Accelerator または Discovery Accelerator を装備した環境でのアップグレード順序
    2.  
      コマンドラインからの Enterprise Vault のサイレントインストール
    3. Enterprise Vault サーバーへの Outlook のインストール
      1.  
        Outlook 2013 SP1 または 2016 へのアップグレード
    4.  
      Enterprise Vault Web アプリケーションのセキュリティ保護
    5.  
      弱いプロトコルと暗号のブロック
    6. アイテムに保持期間を適用する場合の一貫性の向上
      1.  
        移動されたアイテムの場所を更新する際の影響を制限する
    7.  
      Windows Server 2016 での Microsoft ファイル分類インフラストラクチャを使用した分類
    8.  
      Data Classification Services は Enterprise Vault 12.3 で利用可能なすべての種類の保持カテゴリをサポートしない
    9.  
      Enterprise Vault との eDiscovery プラットフォーム互換性
    10. Enterprise Vault 11.0 または 11.0.1 からアップグレードする場合の追加の注意事項
      1.  
        ボルトサービスアカウントに必要な新しい SQL 権限
      2.  
        Enterprise Vault 12.3 に必要な一貫した SQL 照合
      3.  
        Enterprise Vault 検索の高速参照を有効にする
      4.  
        コンテンツの変換設定の自動移行
  4. システムのアップグレード手順
    1.  
      アップグレード処理の概要
  5. Enterprise Vault サーバーの準備
    1.  
      Enterprise Vault サーバーの準備について
    2. システムのバックアップ
      1.  
        Enterprise Vault データのバックアップ
      2.  
        変更した言語ファイルのバックアップ
    3.  
      必要な Windows 機能のアップデート
    4.  
      Enterprise Vault Deployment Scanner の実行
    5.  
      データベースの権限の設定
    6.  
      MSMQ キューを空にすることを許可します。
    7.  
      アーカイブと有効期限の確認
  6. 単一サーバー: Enterprise Vault サーバーソフトウェアのアップグレード
    1.  
      単一 Enterprise Vault サーバーのアップグレードについて
    2.  
      単一サーバーへのインストール
    3.  
      Enterprise Vault データベースのアップグレード
    4.  
      アップグレードされた Enterprise Vault データベースのバックアップ
    5.  
      すべての Enterprise Vault サービスの起動
  7. 複数サーバー: Enterprise Vault サーバーソフトウェアのアップグレード
    1.  
      複数の Enterprise Vault サーバーのアップグレードについて
    2.  
      複数サーバーへのインストール
    3.  
      Enterprise Vault データベースのアップグレード
    4.  
      アップグレードされた Enterprise Vault データベースのバックアップ
    5.  
      すべての Enterprise Vault サービスの起動
  8. Veritas Cluster Server: Enterprise Vault サーバーソフトウェアのアップグレード
    1.  
      Veritas クラスタのアップグレードについて
    2.  
      Enterprise Vault サーバーソフトウェアのインストール
    3.  
      Enterprise Vault データベースのアップグレード
    4.  
      アップグレードされた Enterprise Vault データベースのバックアップ
    5.  
      すべての Enterprise Vault サービスの起動
  9. Windows Server フェールオーバークラスタリング: Enterprise Vault サーバーソフトウェアのアップグレード
    1.  
      Windows Server フェールオーバークラスタのアップグレードについて
    2.  
      Enterprise Vault サーバーソフトウェアのインストール
    3.  
      Enterprise Vault データベースのアップグレード
    4.  
      アップグレードされた Enterprise Vault データベースのバックアップ
    5.  
      すべての Enterprise Vault サービスの起動
  10. スタンドアロン管理コンソールのアップグレード
    1.  
      スタンドアロン管理コンソールのアップグレードについて
    2.  
      スタンドアロン管理コンソールのアップグレード(ウィザード)
    3.  
      Enterprise Vault のインストール(コマンドライン)
    4.  
      アクティブ化の設定ファイルの作成 (Windows 7 のみ)
  11. Enterprise Vault Reporting のアップグレード
    1.  
      Enterprise Vault Reporting のアップグレード
    2.  
      Enterprise Vault Reporting コンポーネントのインストール
    3.  
      Enterprise Vault Reporting 設定ユーティリティの実行
  12. MOM と SCOM のアップグレード
    1.  
      MOM のアップグレード
    2. Enterprise Vault SCOM Management Pack のアップグレード
      1.  
        付属の Management Pack について
      2.  
        アップグレード手順について
  13. Exchange Server フォームのアップグレード
    1.  
      Exchange Server フォームのアップグレードについて
  14. Domino メールボックスアーカイブのアップグレード
    1.  
      Domino メールボックスアーカイブのアップグレードについて
    2.  
      EVInstall.nsf の実行に必要な Domino クライアントのバージョン
    3.  
      Domino メールボックスアーカイブのアップグレードの準備
    4.  
      Domino メールボックスアーカイブのアップグレード
    5.  
      メールファイルに対する Domino アーカイブユーザーのアクセス権の付与
    6.  
      内部メール受信者の識別
    7.  
      Domino プロビジョニングタスクの実行
  15. FSA エージェントのアップグレード
    1.  
      FSA エージェントおよび Enterprise Vault サーバーの互換性のあるバージョン
    2.  
      FSA エージェントのアップグレードについて
    3.  
      高可用性のためにクラスタ化された FSA エージェントサービスのアップグレード
    4.  
      管理コンソールからの Windows の対象ファイルサーバーの FSA エージェントのアップグレード
    5.  
      管理コンソールからの FSA レポート用プロキシサーバーの FSA エージェントのアップグレード
    6.  
      FSA エージェントの手動アップグレード
  16. Enterprise Vault Office Mail App のアップグレード
    1.  
      Enterprise Vault Office Mail App のアップグレードについて
  17. OWA Extensions のアップグレード
    1.  
      OWA Extensions のアップグレードについて
    2.  
      Enterprise Vault OWA 2010 Extensions のアップグレード
  18. SharePoint Server コンポーネントのアップグレード
    1.  
      SharePoint コンポーネントのアップグレードについて
    2.  
      Enterprise Vault SharePoint コンポーネントのアップグレード
  19. SMTP アーカイブのアップグレード
    1. SMTP ジャーナルの種類の設定の確認
      1.  
        サポート対象でないアーカイブの種類に割り当てられた SMTP ターゲットの検索
    2.  
      プロビジョニンググループへの既存のターゲットの移行
    3.  
      SMTP アーカイブタスクのアカウントの権限の確認
    4.  
      [ジャーナルレポートの処理] SMTP ポリシーの詳細設定の確認
    5.  
      [選択したジャーナルのアーカイブ]サイトの設定の確認
    6.  
      Skype for Business アーカイブおよび SMTP アーカイブの実装
    7.  
      レガシー SMTP アーカイブコンポーネントのアップグレードについて
  20. Enterprise Vault Search を使うように Enterprise Vault サイトをアップグレード
    1.  
      Enterprise Vault 検索について
    2.  
      Enterprise Vault による検索のサーバー必要条件
    3.  
      Enterprise Vault Search ポリシーの定義
    4.  
      権限のある Enterprise Vault 検索ユーザーによる他のユーザーのメールボックスへのアイテムの復元の許可
    5. Enterprise Vault による検索用のプロビジョニンググループの設定
      1.  
        Enterprise Vault が検索プロビジョニンググループを処理する順序の変更
    6.  
      Enterprise Vault による検索用のクライアントアクセスプロビジョニングタスクの作成と設定
    7. Enterprise Vault Search に対するユーザーのブラウザの構成
      1.  
        Windows 10 での信頼されていないフォントのブロック機能の設定
    8.  
      Forefront TMG とそれに類似する環境で使う Enterprise Vault 検索の設定
    9. Enterprise Vault 検索モバイル版の設定
      1. Enterprise Vault 検索モバイル版のインストール前作業の実行
        1. Enterprise Vault 検索モバイル版をプロキシサーバーにインストールするための要件
          1.  
            安全でない暗号化プロトコルと暗号鍵スイートの無効化
      2.  
        Enterprise Vault 検索モバイル版のインストール
      3.  
        Enterprise Vault 検索モバイル版に実行できるログイン試行の最大数の設定
      4.  
        Enterprise Vault 検索モバイル版のインストールの確認
  21. Enterprise Vault API アプリケーションのアップグレード
    1.  
      Enterprise Vault API ランタイムを使用する任意のアプリケーションのアップグレード

アイテムに保持期間を適用する場合の一貫性の向上

Vault Administration Console が変更されて、Enterprise Vault がアイテムに保持期間を適用する方法の一貫性とわかりやすさが向上しました。これらの変更の一部には、デフォルト動作に対する変更が含まれています。

表: 管理コンソールの要素に対する変更

管理コンソールの要素

変更内容

[Exchange メールボックスポリシー]ダイアログボックス > [既存のアイテム]タブ

(Enterprise Vault 11.0 では、このタブは[移動されたアイテム])

このタブは削除されました。このタブの設定は、メールボックスフォルダ間でショートカットが移動されたアイテムに対する保持の割り当て方法に関連していました。この設定は、メールボックスフォルダ内の既存のショートカットアイテムにも適用されていました。[サイトプロパティ]ダイアログボックスの[アーカイブの設定]タブにある[既存のアイテムのカテゴリを更新]設定でも、このようなアイテムに対する保持の割り当て方法が制御されました。さまざまな設定名が存在し、それらの効果のさまざまな組み合わせが可能なことが、混乱を招いていました。

このリリースでは、アイテムの移動動作を Enterprise Vault 全体で標準化しました。つまり、次のようになります。

  • 移動したアイテムの場所は常に更新されます。

    移動されたアイテムの場所を更新する際の影響を制限するを参照してください。

  • 移動したアイテムのカテゴリは更新されます。これは、サイトのアーカイブ設定と分類ポリシーの設定に従います。

  • フォルダ内の他の既存アイテムのカテゴリは変更されません。

  • 移動したアイテムのカテゴリは、元のカテゴリがユーザーによって選択されていた場合、カスタムフィルタによって設定されていた場合、または PST 移行によって設定されていた場合でも、更新されます。これもまた、サイトのアーカイブ設定と分類ポリシーの設定に従います。

[サイトプロパティ]ダイアログボックス > [アーカイブの設定]タブ

このタブの[ユーザー操作によってカテゴリを更新できるようにする]設定は、ユーザーがアーカイブ済みアイテムの保持カテゴリを更新する可能性のある操作を実行したときに Enterprise Vault が更新の実行を許可するかどうかを決定します。たとえば、ユーザーは、異なる保持カテゴリが適用されているフォルダ間でアーカイブ済みアイテムを移動することや、許可されている場合に Enterprise Vault Search でアイテムの保持カテゴリを変更することがあります。どちらの操作でも、アイテムの保持カテゴリが変更される可能性があります。次のオプションで、Enterprise Vault がこのようなアイテムの保持カテゴリを更新する状況を制御できるようになりました。

  • 常に

  • アイテムの有効期限日が同じまたは以降か、レコードの種類が変更された場合

[分類ポリシープロパティ]ダイアログボックス > [設定]タブ

このタブには、[ユーザー操作によって保持カテゴリが更新されないようにする]というオプションが追加されました。このオプションにより、Enterprise Vault 分類機能によってアーカイブ済みアイテムに割り当てられた保持カテゴリに対する不要な変更をブロックできます。たとえば、ユーザーがフォルダ間でアイテムを移動することによって、保持カテゴリが更新される可能性があります。

すべての場合で保持カテゴリが更新されないようにすることができます。また、Enterprise Vault レコード管理機能を使用している場合は、アイテムのレコードタイプも変更されるときに保持カテゴリの更新を許可することができます。

[保持カテゴリプロパティ]ダイアログボックス > [詳細]タブ

(Enterprise Vault 12.1 以前では、このタブは[全般]と呼ばれていました)

このタブで利用可能なオプションは、次のとおりです。

  • このカテゴリ内の期限切れアイテムの削除を禁止

  • このカテゴリ内のアイテムのユーザーによる削除を禁止

次の例について考えてみます。

  • メールボックスフォルダ内のアイテムには、期限切れアイテムの自動削除時に保留が設定された保持カテゴリがあります。

  • ユーザーは、このアイテムのショートカットを別のカテゴリが割り当てられたフォルダに移動します。フォルダのカテゴリには、保留が設定されていません。

この場合、以前のリリースの Enterprise Vault はカテゴリを更新しませんでした。この動作が変更されました。Enterprise Vault は、ユーザー操作によってアイテムのカテゴリを更新できるようにするために、サイトと分類ポリシーの設定に従ってアイテムのカテゴリを更新します。この例では、カテゴリが更新されて、有効期限切れ時の自動削除の保留が解除されます。同様に、ユーザー操作によって、ユーザーによる削除を保留するよう指定する保持カテゴリから、保留しないよう指定する保持カテゴリに変更される可能性があります。このため、ユーザーによる削除の保留が解除されることがあります。

[検索ポリシープロパティ]ダイアログボックス > [機能]タブ

このタブには、[保持カテゴリの変更を許可]というオプションが追加されました。このオプションにより、Enterprise Vault Search ユーザーがそのアーカイブ内にあるアイテムの保持カテゴリを変更することを許可できます。デフォルトでは、このオプションはオフになっています。

この設定は、上で説明されているサイトと分類ポリシーの設定に従います。

Enterprise Vault 12.3 での保持の概要については、テクニカルノート「Managing Retention」を参照してください。