Enterprise Vault™ アップグレードの手順
- 本書について
- 開始する前の確認事項
- アップグレードする場合の注意事項
- Enterprise Vault サーバーへの Outlook のインストール
- アイテムに保持期間を適用する場合の一貫性の向上
- Enterprise Vault 11.0 または 11.0.1 からアップグレードする場合の追加の注意事項
- システムのアップグレード手順
- Enterprise Vault サーバーの準備
- 単一サーバー: Enterprise Vault サーバーソフトウェアのアップグレード
- 複数サーバー: Enterprise Vault サーバーソフトウェアのアップグレード
- Veritas Cluster Server: Enterprise Vault サーバーソフトウェアのアップグレード
- Windows Server フェールオーバークラスタリング: Enterprise Vault サーバーソフトウェアのアップグレード
- スタンドアロン管理コンソールのアップグレード
- Enterprise Vault Reporting のアップグレード
- MOM と SCOM のアップグレード
- Exchange Server フォームのアップグレード
- Domino メールボックスアーカイブのアップグレード
- FSA エージェントのアップグレード
- Enterprise Vault Office Mail App のアップグレード
- OWA Extensions のアップグレード
- SharePoint Server コンポーネントのアップグレード
- SMTP アーカイブのアップグレード
- Enterprise Vault Search を使うように Enterprise Vault サイトをアップグレード
- Enterprise Vault による検索用のプロビジョニンググループの設定
- Enterprise Vault Search に対するユーザーのブラウザの構成
- Enterprise Vault 検索モバイル版の設定
- Enterprise Vault API アプリケーションのアップグレード
アイテムに保持期間を適用する場合の一貫性の向上
Vault Administration Console が変更されて、Enterprise Vault がアイテムに保持期間を適用する方法の一貫性とわかりやすさが向上しました。これらの変更の一部には、デフォルト動作に対する変更が含まれています。
表: 管理コンソールの要素に対する変更
管理コンソールの要素 | 変更内容 |
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[Exchange メールボックスポリシー]ダイアログボックス > [既存のアイテム]タブ (Enterprise Vault 11.0 では、このタブは[移動されたアイテム]) | このタブは削除されました。このタブの設定は、メールボックスフォルダ間でショートカットが移動されたアイテムに対する保持の割り当て方法に関連していました。この設定は、メールボックスフォルダ内の既存のショートカットアイテムにも適用されていました。[サイトプロパティ]ダイアログボックスの[アーカイブの設定]タブにある[既存のアイテムのカテゴリを更新]設定でも、このようなアイテムに対する保持の割り当て方法が制御されました。さまざまな設定名が存在し、それらの効果のさまざまな組み合わせが可能なことが、混乱を招いていました。 このリリースでは、アイテムの移動動作を Enterprise Vault 全体で標準化しました。つまり、次のようになります。
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[サイトプロパティ]ダイアログボックス > [アーカイブの設定]タブ | このタブの[ユーザー操作によってカテゴリを更新できるようにする]設定は、ユーザーがアーカイブ済みアイテムの保持カテゴリを更新する可能性のある操作を実行したときに Enterprise Vault が更新の実行を許可するかどうかを決定します。たとえば、ユーザーは、異なる保持カテゴリが適用されているフォルダ間でアーカイブ済みアイテムを移動することや、許可されている場合に Enterprise Vault Search でアイテムの保持カテゴリを変更することがあります。どちらの操作でも、アイテムの保持カテゴリが変更される可能性があります。次のオプションで、Enterprise Vault がこのようなアイテムの保持カテゴリを更新する状況を制御できるようになりました。
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[分類ポリシープロパティ]ダイアログボックス > [設定]タブ | このタブには、[ユーザー操作によって保持カテゴリが更新されないようにする]というオプションが追加されました。このオプションにより、Enterprise Vault 分類機能によってアーカイブ済みアイテムに割り当てられた保持カテゴリに対する不要な変更をブロックできます。たとえば、ユーザーがフォルダ間でアイテムを移動することによって、保持カテゴリが更新される可能性があります。 すべての場合で保持カテゴリが更新されないようにすることができます。また、Enterprise Vault レコード管理機能を使用している場合は、アイテムのレコードタイプも変更されるときに保持カテゴリの更新を許可することができます。 |
[保持カテゴリプロパティ]ダイアログボックス > [詳細]タブ (Enterprise Vault 12.1 以前では、このタブは[全般]と呼ばれていました) | このタブで利用可能なオプションは、次のとおりです。
次の例について考えてみます。
この場合、以前のリリースの Enterprise Vault はカテゴリを更新しませんでした。この動作が変更されました。Enterprise Vault は、ユーザー操作によってアイテムのカテゴリを更新できるようにするために、サイトと分類ポリシーの設定に従ってアイテムのカテゴリを更新します。この例では、カテゴリが更新されて、有効期限切れ時の自動削除の保留が解除されます。同様に、ユーザー操作によって、ユーザーによる削除を保留するよう指定する保持カテゴリから、保留しないよう指定する保持カテゴリに変更される可能性があります。このため、ユーザーによる削除の保留が解除されることがあります。 |
[検索ポリシープロパティ]ダイアログボックス > [機能]タブ | このタブには、[保持カテゴリの変更を許可]というオプションが追加されました。このオプションにより、Enterprise Vault Search ユーザーがそのアーカイブ内にあるアイテムの保持カテゴリを変更することを許可できます。デフォルトでは、このオプションはオフになっています。 この設定は、上で説明されているサイトと分類ポリシーの設定に従います。 |
Enterprise Vault 12.3 での保持の概要については、テクニカルノート「Managing Retention」を参照してください。