Veritas System Recovery (VSR) for Linux Edition を使用して、BIOSシステムの Red Hat Enterprise Linux 7.x / 8.x をバックアップ、リストアする方法
問題
この文書は、 Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7.3 について記載していますが、記載された手順は、RHEL 7.x / 8.x および CentOS 7.x のようなサポートされているOSバージョンでも利用可能です。
この技術情報は、BIOSシステム環境でのバックアップ、リストア手順になります。UEFIシステム環境には利用できませんので、ご注意ください。UEFIシステム環境については、article 100043262 (英語版) article100049395 (日本語版) を参照してください。
RHEL 8.x である場合、Veritas System Recovery (VSR) 21、もしくはそれ以降のバージョンを使用する必要があります。
各バージョンの Veritas System Recovery がサポートする OS については、ソフトウェア互換性リスト (SCL) を参照してください。
<VSR 18 SCL>
https://www.veritas.com/support/en_US/doc/VSR_18_SCL
<VSR 21 SCL>
https://www.veritas.com/support/en_US/doc/VSR_21_SCL
このシナリオでの環境は次の通りです。
環境
BIOSモード | レガシー (BIOS system) |
OS / カーネルバージョン | Red Hat Enterprise Linux, 3.10.0.-514.el7.x86_64 |
Veritas System Recovery for Linux version | 18.0.0.56417 |
ホスト名 | rhel73x64.local |
パーティション情報 | バックアップ対象: /, /boot バックアップ保存先: /backup |
詳細 | 図 1 をご確認ください。 |
図 1

注:
/dev/sda2 は LVM の物理ボリューム (PV) です。
rhel_rhel73x64 はLVM のボリュームグループ (VG) です。
rhel_rhel73x64-root と rhel_rhel73x64-swap は LVM の論理ボリューム (LVs) です。
解決策
バックアップ:
1. 事前に、パーティション情報をバックアップしておくことをお奨めします。
# sfdisk -d /dev/sda > /backup/sfdisk_sda.txt
# sfdisk -d /dev/sda > /backup/sfdisk_sda_backup.txt
注: ベリタスでは、バックアップ用ファイル (sfdisk_sda_backup.txt) についても作成しておくことをお奨めします。
2. システムにLVM が存在する場合は、事前に LVM 情報についてもバックアップを作成します。
# vgcfgbackup -f /backup/rhel_rhel73x64.txt
注: ファイル名は、"vgdisplay" コマンドによって返される VG 名を設定することをお奨めします。 (図 2)
図 2
# blkid -o value -s UUID /dev/sda2 > /backup/uuid_sda2.txt
注: 必要があれば、ほかのLVM 情報についてもバックアップしておきます。
3. バックアップコマンドを使用して、ボリュームをバックアップします。
# symsr -b /boot -d /backup
# symsr -b / -d /backup
注: 必要があれば、他のパーティションやマウントポイントをバックアップします。
4. リカバリポイントを検証したい場合は、以下のコマンドを実行します。
# symsr -vrp /backup/boot_000.v2i
# symsr -vrp /backup/system_000.v2i
System Recovery disk (SRD) の作成:
1. SRDを作成するには、システムと同じバージョンのRed Hat インストールメディアをマウントした後、"createSRD" コマンドを実行します。
例:
# createSRD -i <Red Hat install media> -d /backup/SRD.iso
注: もし、"mksquashfs is required to create this SRD" が表示した場合は、squashfs-tools をインストールします。(図 3)
図 3
リストア:
1. SRDから起動します。
2. "Rescue a Red Hat Enterprise Linux system" を選択します。. (図 4)
図 4
3. "3) Skip to shell" を選択します。(図 5)
図 5
4. バックアップ保存先を /backup にマウントします。
# mkdir /backup
# mount /dev/sdb1 /backup
注: もし、SRD で Windows 共有フォルダのマウント操作に失敗する場合は、article 100041721 を参照してください。CIFS ヘルパープログラムファイルを手動でSRDに追加可能です。
5. バックアップファイルから、/dev/sda のパーティションをリストアします。(図 6)
# sfdisk -f /dev/sda < /backup/sfdisk_sda.txt
要注意: "<" は小なり記号です。誤って大なり記号 ">" を使用すると、 /backup/sfdisk_sda.txt は上書きされます。その場合は、/backup/sfdisk_sda_backup.txt を /backup/sfdisk_sda.txt にコピーしなおしてから、再度、同じコマンドを実行します。
図 6
6. "fdisk -l /dev/sda" コマンドにより、パーティションが復元していることを確認します。 (図 7)
図 7
7. もし、バックアップされたシステム内で、LVMが使用されていた場合は、以下のコマンドを使用して、uuid 変数をセットしてください。(図 8). もし、LVMを使用していない場合は、手順7 から 12 をスキップして、手順 13 に進んでください。
# uuid=$(cat /backup/uuid_sda2.txt)
# echo $uuid
注: "echo $uuid" が "xxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxx" を返すことを確認します。
図 8
8. 以下のコマンドを使用して、PV をリストアします。(図 9)
# pvcreate -ff --restorefile /backup/rhel_rhel73x64.txt --uuid $uuid /dev/sda2
図 9
9. "pvdisplay" コマンドを使用して PV がリストアされていることを確認します。 (図 10)
図 10
10. 以下のコマンドを使用して LV をリストアします。(図 11)
# vgcfgrestore -f /backup/rhel_rhel73x64.txt rhel_rhel73x64
図 11
11. "lvdisplay" コマンドを使用して、LVがリストアされていることを確認します。. (図 12)
図 12
12. 以下のコマンドを使用して VG をアクティブ化します。(図 13)
# vgchange -a y rhel_rhel73x64
図 13
13. すべてのリカバリポイントをリストアします。(図 14)
# symsr -r /backup/boot_000.v2i -d /dev/sda1
# symsr -r /backup/system_000.v2i -d /dev/mapper/rhel_rhel73x64-root
図 14
14. 以下のコマンドを使用して、swap パーティションを設定します。(図 15)
# mkswap /dev/mapper/rhel-rhel73x64-swap
# swapon -v /dev/mapper/rhel-rhel73x64-swap
# swapon -s
図 15
15. SRDメディアを取り出して再起動します。
# reboot
注: もし、リストアされたシステムから起動中に、黒い画面のままになってしまう場合は、対処のために、article 100041257. を参照してください。
注: もし、swap パーティションが再起動後、有効にならない場合は、対処のために、article 100042614 を参照してください。
注: もし、リストア後、システムの起動が遅延する事象が発生した場合は、article 100051309 を参照してください。