問題
Backup Exec のロボットライブラリのロック動作を変更する方法について説明します。
解決方法
Backup Exec 15 以降のバージョン
デフォルトで、 Backup Exec メディアサーバーはバックアップジョブや「ロック」ジョブを実行するとき、ロボットライブラリをロックしません。ロック動作を有効にするには、以下に記載されたレジストリの値を「 0 」に設定する必要があります。
過去の Backup Exec バージョン
デフォルトで、 Backup Exec メディアサーバーはバックアップジョブや「ロック」ジョブを実行するとき、ロボットライブラリをロックします。インポート / エクスポートジョブの操作中、または「ロック解除」ジョブの実行時、ロボットライブラリのロックは自動的に解除されます。
SAN 環境の場合など、ロボットライブラリが Backup Exec メディアサーバーにロックされないようにすることが望ましい場合があります。以下に例を示します。
· ロボットライブラリは安全な場所に配置されているが、 Backup Exec メディアサーバーとは別の場所にあり、かなり離れています。
· ロボットライブラリのファームウェアで使用しているロックの戦略が Backup Exec が求める戦略と異なるため、インポートやエクスポートを実行する前にすべてのメディアサーバーで「ロック解除」ジョブを実行する必要があります。このようなロボットライブラリについては、 BE HCL で次のような内容が補足されています。「 SAN Shared Storage Option (SSO) 環境では、インポート / エクスポートジョブやメールスロットを開く操作を実行する前に、すべての Backup Exec サーバーでロック解除ジョブを実行する必要があります」
「ロック」ジョブを実行する場合を含め、 Backup Exec メディアサーバーがロックコマンドを実行することを防止するために使用できるレジストリキーがあります。ロックコマンドはロボットライブラリに送信されないため、 Backup Exec の「ロック」ジョブはロボットライブラリがロックされなくても正常に完了します。このレジストリキーは Backup Exec サーバーが使用するすべてのロボットライブラリに影響します。複数のロボットライブラリが SAN 上に存在する場合、このレジストリキーを使用して 1 つのロボットライブラリのみの動作を変更することはできません。
このレジストリを使用する場合、管理者は注意が必要です。 Backup Exec の認識外または制御外でロボットライブラリのドアやロボットライブラリポータルを使用してメディアを変更する場合、メディアの変更は Backup Exec に通知されません。インポート / エクスポートジョブを使用しないでメディアを変更する場合は、影響を受けるスロットのインベントリジョブを実行し、 Backup Exec メディアデータベースを更新してください。
· ロボットライブラリがロックされないようにする場合は、ロボットライブラリを使用するすべての Backup Exec メディアサーバーでこのレジストリキーを変更します。 Backup Exec 管理者は、この変更がセキュリティに影響し、注意が必要であることを認識しておく必要があります。
· ロボットライブラリのロック制御を 1 台の「優先」 Backup Exec メディアサーバーに付与する場合は、「優先」サーバーを除き、ロボットライブラリを使用するすべての BE メディアサーバーでレジストリキーを「 1 」に設定します。これにより、「優先」サーバーはロボットライブラリのロックを排他的に制御できるようになるとともに、インポート / エクスポート操作に使用できる唯一の BE メディアサーバーになります。
重要な注意事項 : すべての BE サーバーで「ロック解除」ジョブを実行し、ライブラリをロック解除します。このロック解除の手順を実行しない ( またはできない ) 場合、ライブラリはロックされた状態のままになりますが、レジストリの変更後、 BE はロックを解除することはできません。このような場合は、ライブラリの電源を入れ直します。
警告 : Windows のレジストリエディタを不適切に使用すると、オペレーティングシステムが正常に機能しなくなる可能性があります。 Windows レジストリを変更する際は十分に注意してください。レジストリエディタのアプリケーションを使用した経験がある場合にのみ、レジストリの修正を行ってください。レジストリを変更する前に、レジストリとワークステーションの完全なバックアップを行うことをお勧めします。
次のレジストリキーに値「 1 」を追加します。
HKLM\Software\Symantec\Backup Exec for Windows\Adamm\Disable Library Door Lock=1 (ロックを防止する場合)
注意: 変更した内容を反映するには、 Backup Exec サービスを停止してから再起動する必要があります。