問題
重複排除デバイスは、一定期間にバックアップされるデータの種類、バックアップデータの増加、バックアップデータの長期保持などの理由によりにいっぱいになる場合があります。
このシナリオでは、重複排除デバイスが配置されているドライブを拡張することができます。あるいは、一部のバックアップセットを手動で期限切れにすることにより新しいバックアップセットのための領域を確保することができます。
解決方法
Backup Exec は期間切れのメディアを自動的に削除して、重複排除用フォルダが領域を利用可能にします。領域を迅速に利用可能にする必要がある場合、管理者は手動で不要なバックアップを削除して、それ以降のバックアップジョブに対して迅速に領域を解放することができます。ただし、この状況を再発させないためには、メディア保持数を減らすことにより重複排除用フォルダに保存されるデータ量を減らすか、または重複排除用フォルダが利用可能な領域を増加させるかのどちらかをバックアップ管理者が実行する必要があります。
Backup Exec の[ストレージ]タブには、バックアップセットのリストが表示されます。重複排除用フォルダの領域を回復するには、不要または重要度が低いバックアップセットを手動で削除する必要があります。バックアップ管理者は、対象となるバックアップセットを選択する必要があります。Backup Exec が解放する領域は重複排除用フォルダのコンテナファイル内に限られ、ファイルシステムに対して領域を解放するわけではないことに注意する必要があります。このため、この手順が完了すると、重複排除用フォルダのプロパティで領域が利用可能になったと表示されるはずです。しかし、Windows エクスプローラでボリュームを確認しても、領域が解放されたとは表示されません。次の手順に従います。
- 次の図のように、[ストレージ]タブの[バックアップセット]からバックアップセットを削除します。Backup Exec 2014 以降では、「失効」操作を行います。
- 失効(削除)操作によりバックアップセットが表示されなくなります。バックアップセットがUI から削除されたことで、重複排除フォルダに対しこれらのバックアップセットの永続的な削除が開始されます。この削除により重複排除キーフォルダ内に多数のトランザクションログが作成され、これらを処理することで領域が回復します。以上が意味するのは、これらのバックアップセットは不要であることを Backup Exec が Deduplication Engine に伝えたということです。この処理 (キュー処理) は、通常 12 時間ごとに実行されます。
- キューフォルダからトランザクションログを処理するには、processqueue を 2 回実行する必要があります。バックアップ管理者は、Backup Exec のインストールパスから crcontrol.exe --processqueue を 2 回実行します。processqueue の実行が完了すると、「Busy」と「Pending」の両方に「no」が表示されます。
- キュー処理のアクティビティは storaged.log で取得できます。このログは DeduplicationStoragePath\Log\Spoold フォルダにあります。
- キュー処理が完了して processqueueinfo が「Busy : No」、「Pending : No」になったら、ガーベジコレクションを開始します。ガーベジコレクションを開始するには、Backup Exec のインストールパスから crcollect -v -m +1,+2 を実行します。これにより、トランザクションログが再度キューフォルダに作成されます。
- crcontrol.exe --processqueue を 2 回実行してキューフォルダのトランザクションを処理します。
- ガーベジコレクションの後にキュー処理が 2 回完了して processqueueinfo に「Busy: No」、「Pending: No」が表示されたら、コンパクションを開始します。
- コンパクション処理を開始するには、crcontrol.exe --compactstart を実行します。crcontrol.exe --compactstate を実行することで、コンパクションの状態を確認できます。
C:\Program Files\veritas\Backup Exec>crcontrol.exe --compactstate
Data store compaction: ON, DeleteSpaceThreshold: 1%, CompactLBound: 1MB
Compaction busy: Yes
- 以上の操作を順に実行した後にcrstats --convert-size を実行することで使用領域を確認できます。領域回復操作の実施前と実施後にこのコマンドにより使用領域を確認してください。領域回復操作中はバックアップジョブの実行を避けてください。バックアップセットの作成と削除が同時に行われると、領域回復の効果が確認できない場合があります。Backup Exec 2014 以降では以前のバージョンよりキュー処理が高速化されています。
注: 重複排除フォルダーはユニークなチャンク(小さい塊)を収納します。大部分のバックアップセットが、同一のチャンクあるいは少量のチャンクをポイントしているかもしれません。重要な点として、重複排除率が高い場合は、領域開放操作を実施しても少量のスペースしか開放されません。その理由は、ユニークなチャンクをポイントしているすべてのバックアップセットが削除された場合に、そのチャンクが参照されていない状態となり、そしてそのチャンクが開放可能となるからです。重複排除フォルダーの容量を追加せずに新しいバックアップを保存するために必要な容量を確保するためには、さらに多くのバックアップセットを失効(削除)する必要があるかもしれません。
- このドキュメントは Backup Exec 20.x 以降には適用されません。