説明
概要
Vsphere 6.7 以上のバージョンでは、NBD/NBDSSL 転送モードの非同期読み取り機能が利用できます。このオプションを使用すると、NBD/NBDSSL モードのデータ転送のパフォーマンスが向上します。
Backup Exec 21.4 以降では、非同期読み取り機能をバックアップに使用できます。以下の前提条件を満たす必要があります。
- ESXi ホストが 6.7 以降のバージョンである。
- NBD/NBDSSL 転送モードが使用されている。
- [非同期読み取りを有効にしてパフォーマンスを向上させる] のオプションが有効になっている。
バックアップジョブが完了すると、ジョブログに非同期読み取りオプションを使用してバックアップが実行されたかどうかの情報が記録されます。
非同期読み取り操作のための新しいジョブオプション
新しいジョブオプションは、バックアップオプションの [仮想マシン] タブで設定できます。(図1)
デフォルトでは、新しいバックアップジョブに対して、非同期読み取りオプションが有効になっています。
デフォルト値:
- 読み取り要求の数: 8
- バッファサイズ: 1MB
アップグレードのシナリオでは、既存のジョブ設定は自動的に変更されません。アップデートのインストール後に、手動で非同期読み取りオプションを有効にし、必要に応じて [非同期読み取り要求の数] と [バッファサイズ] の値を変更します。
図1.
レジストリでの上書き
次のレジストリを設定すると、Backup Exec ユーザーインターフェイスの設定を上書きできます。
- DWORD – [HKLM\SOFTWARE\Veritas\Backup Exec For Windows\Backup Exec\Engine\VMware Agent\Disable Async Read Operation]
- DWORD – [HKLM\SOFTWARE\Veritas\Backup Exec For Windows\Backup Exec\Engine\VMware Agent\Number of Async Read Calls]
- DWORD – [HKLM\SOFTWARE\Veritas\Backup Exec For Windows\Backup Exec\Engine\VMware Agent\Size of Async Read Buffers] KB 単位で指定します。
注:
- [Number of Async Read Calls] の値は、1~256(任意の偶数/奇数)の範囲内で指定します。
- [Size of Async Read Buffers] の値は、1MB から 16MB の間で指定します。
ハードウェア要件
VMware エージェントベースのバックアップを実行する際に最適なパフォーマンスを得るためには、ESXi サーバが推奨されるハードウェアおよびメモリ構成を満たしていることが重要です。詳細については、VMware のドキュメントを参照してください。
通常、バックアップジョブあたりのメモリ要件 = 非同期読み取り要求数 * バッファサイズです。
デフォルト設定に基づくと、バックアップジョブあたりのメモリ要件は 8 * 1MB = 8MB になります。
非同期読み取り要求の数とバッファサイズの値を変えて数回バックアップを実行し、すべての環境で最適な設定を決定します。
注:
- バックアップのパフォーマンスは、ネットワーク、ディスク IO 速度などの複数の要因に依存し、環境ごとに異なります。
- Backup Exec サーバとバックアップ元の ESXi ホストは、複数の処理を同時に実行できる必要があり、パフォーマンスは Backup Exec サーバと ESXi ホスト間のネットワークに依存します。非同期読み取り要求の数やバッファサイズを設定する際には、このような点を考慮する必要があります。ESXi ホスト上でホストされている他の仮想マシンや、実行中の他のバックアップジョブに影響を与える可能性があるため、これらのパラメータは非常に大きな値に設定しないでください。