Hyper-V バックアップジョブがエラー 0xA0009723 または 0xA000971E で失敗し、仮想マシンにチェックポイントを残すことがある

Article: 100055012
Last Published: 2023-03-13
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Product(s): Backup Exec

問題

Backup Exec 15 Feature Pack 3 (FP3) より前のバージョンでは、Hyper-V バックアップジョブごとにチェックポイントを作成します。(通常は Hyper-V マネージャーに表示されます)。このチェックポイントにより、仮想マシン (VM) を含むストレージ内の各 VHDX ファイルに対して AVHDX ファイルが作成されます。

そしてバックアップジョブの最後に、チェックポイントと関連する AVHDX ファイルが統合され、削除されます。FP3 およびそれ以降から、Hyper-V バックアップはチェックポイント (および関連する AVHDX ファイル) を作成しますが、バックアップジョブが終了しても、その後のバックアッププロセスによりチェックポイントが更新されますが、チェックポイント自体は VM にリンクしたままになります。

注: Backup Exec 15 Feature Pack 4 (FP4) およびそれ以降のアップデートまたはそれ以降の Backup Exec バージョンでも上のような状況が見られる場合があります。それは FP4 以降のデフォルト設定は、FP4 をインストールする前にどの Feature Pack (FP) がインストールされていたか、または、既存設定を含む FP 上にインストールした場合にはアップデート前の Hyper-V 処理に関して、どのような設定であったかに依存します。

 

エラー

VHDX -Error 0xa000971e - A recovery checkpoint cannot be created because Backup Exec detected another recovery checkpoint on the virtual machine

Error Code:Hyper-V-Backup job failed with error: 0xa0009723 - Backup Exec cannot create a recovery checkpoint for the virtual machine
 

Error Code: 0xA000971E - A recovery checkpoint cannot be created because Backup Exec detected another recovery checkpoint on the virtual machine 'VM-XXXX'. If no other backup job is running, delete the recovery checkpoint 'BE_Snapshot_XXXXX - (12/20/2019 - 5:24:34 PM)' manually and retry the backup. 

UMI Code: V-79-40960-38686

Error Code: 0xA0009723 - Backup Exec cannot create a recovery checkpoint for the virtual machine. Refer to the Windows Event Log on the Hyper-V host for more details or retry the backup job.
UMI Code: V-79-40960-38691

 

原因

新しいバージョンの Hyper-V では、増分バックアップを実行する高速モードが導入され、そして、Backup Exec 15 FP3 ではこの新しいモードをデフォルトとして実装しています。  (Hyper-V 2012 およびそれ以降が対象)。つまり、Backup Exec サーバー上のすべての Hyper-V ジョブ (新規作成ジョブだけではありません) は、FP3 のインストール後すぐに新しい設定が使用されます。

新方式の基本コンセプトは次の通りです: 

  • 子チェックポイント(スナップショット)が作成され、変更点を収集します。
  • 増分バックアップでは、現在の変更に対して新しい子チェックポイントが作成され、親チェックポイントがバックアップされます。
  • バックアップが完了すると、子チェックポイントと親チェックポイントが統合され、結合された新規チェックポイントのみが残ります。
  • この結合されたチェックポイントはシステム上に残り、次のバックアップの新しい親として使用されます。
  • 完全バックアップでは、親チェックポイントだけでなく、VM の現在の完全な状態もバックアップされます。 

 

追加情報:

Backup Exec 内では、この新しい方式は Hyper-V 増分バックアップに対する高速処理方式と呼ばれ、元の方法は標準処理方式と呼ばれます。

Backup Exec 2014 がリリースされて以来、Backup Exec はこの新しい方法をサポートしていましたが、Backup Exec 15 FP3 ではデフォルトの方式として有効になりました。これ以前は、この方法を有効にするには Powershell コマンド (スクリプト) を使用する必要がありましたが、

FP3(またはそれ以降)のアップデートでは、Powershell コマンド (スクリプト) を使用する必要なくなりました。

FP4 (およびそれ以降) では、FP2 およびそれ以前のアップデートレベルに対してインストールする場合はデフォルトの Hyper-V 処理方法を設定しますが、FP3 (またはそれ以降のアップデートレベル) に対してインストールする場合は、現在の設定が引き継がれます。

バックアップジョブのログには、どの方式でバックアップ操作を行ったかが明記されます。

より高速な処理方式では、バックアップ戦略が完全バックアップのみであっても、VMに対してチェックポイントが作成され、そのまま残ります。

標準方式に戻すことは可能ですが (下記の解決策を参照)、より高速な処理方式のバックアップジョブが1つ以上実行されている状態で標準方式に戻す場合、バックアップチェックポイントを削除するために Powershell コマンドが必要になります。

通常、Hyper-V 2012 R2 の場合、方式を変更してもバックアップチェックポイントは削除されませんが、Hyper-V 2012 の場合、通常、バックアップスナップショットが削除されます。これは、Microsoft がこれら 2 つのオペレーティングシステムバージョン間の動作 (及び用語) を変更したためです。

AVHDXファイルは、差分ディスクと呼ばれています。

VM に対して [より高速な処理方式] のバックアップを初めて実行すると、ホスト上の Hyper-V-VMMS ログにイベント 15070 および 10150 が含まれ、チェックポイントを削除できないというエラーが報告されます。これらのエラーは、すべてのバックアップ操作中に発生していないのであれば無視できます。

一方の方式で作成されたバックアップセットからのリストアは、サーバーの設定がもう一方の方式に変更されている場合でも機能します。

1つ以上のバックアップチェックポイントが存在する場合 (バックアップジョブが実行されていない場合)、または 2つ以上のバックアップチェックポイントが存在する場合(バックアップジョブの実行中の場合)、チェックポイントの削除をブロックする問題が発生します。

Backup Exec は Microsoft のプロセスを呼び出しているため、原因は Backup Exec ではなくオペレーティングシステムにある可能性があります (バックアップ時に Backup Exec に対してサービスの安定性に問題がある場合を除く)。
 

解決策

Hyper-V 環境を管理するバックアップ管理者は、既定の [より高速な処理方式] を引き続き使用するか (この場合、それ以上の操作は必要ありません)、標準処理方式に戻すかを選択する必要があります。[標準処理方式] に戻すには、次の手順に従います。

  1. Backup Exec コンソールで左上に [Backup Exec] ボタンをクリックし、[構成と設定] >[BACKUPEXECの設定] を選択します。
  2. [設定]画面の左側の [仮想マシン] 項目をクリックします。
  3. Hyper-Vの [増分バックアップまたは差分バックアップの設定] で「標準処理方法を使用」に変更し、[OK]をクリックします。


Hyper-V Windows 2012 R2 環境では、Hyper-V ホストに移動して Powershell を開きます。
すべてのスナップショットを統合して削除するには、次のコマンドを使用します。

Get-VMSnapshot -VMName 'VM' -ComputerName 'HOST' | Remove-VMSnapshot

VM に対して保持する必要がある手動で作成したチェックポイントがあり、バックアップのチェックポイントのみを削除する場合、次のコマンドを使用します。

Get-VMSnapshot -VMName 'VM' -ComputerName 'HOST' -SnapshotType Recovery | Remove-VMSnapshot

'VM' にはホスト上の Hyper-V マネージャーに表示される仮想マシンの実際の名前、'HOST ' には Hyper-V ホストの名前を入力します。

 注: これらのコマンドは大文字と小文字が区別され、オペレーティング システム エラーが原因で正しく削除されなかったバックアップチェックポイントを削除するためにも利用可能です。ただし、チェックポイントの削除について問題が発生している場合は、Hyper-V-VMMS ログを確認し、どのような状態が原因となっているかを確認します。

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